米国を訪問中のシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はUSIPで講演を行った。
講演のなかでジャルバー議長は、シリアの紛争が「シリア国民の能力を越えた」としたうえで、「アサド政権は、国民にスカッド、化学兵器、樽爆弾、拷問房を使用する北朝鮮に近い」と批判した。
また訪米の目的が「米国世論に我々が抱える問題を理解してもらう」ことにあるとしたうえで、「我々はテロリストでも傭兵でもない」と訴えた。
そして「ジュネーブ会議頓挫後の政治的解決を再生」するべきだと強調、そのために「現地のパワー・バランスを変えるための抑止的・効果的な兵器が欲しい」と訴えた。
「自由シリア軍」の活動については、アル=カーイダの系譜を汲む「ダーイシュ(イラク・シャーム・イスラーム国)というガンと戦っている」と主張する一方、「アサド政権はダーイシュと協力しており、米国民はアサド政権がアル=カーイダをイラクに輸出してきたことを知っているはずだ」と断じた。
ジャルバー議長はさらに「アル=カーイダのテロに加えて、ヒズブッラーという名のテロ集団がおり、イランによって支援され、シリア人を殺戮している」としたうえで、アサド政権が「ベイルート空港とイラク領空を経由し、イランから武器を受け取っている」と非難した。
他方、ダーイシュと同じくアル=カーイダの系譜を汲むシャームの民のヌスラ戦線については、「アル=カーイダの思想を拒否し、承認しない」としつつ、「ダーイシュはアサド政権と戦っていないが、ヌスラは戦っている」と付言した。
6月3日に投票が予定されている大統領選挙に関しては「今後数年間も殺戮のライセンスをアサドに与えることになる」と述べ、拒否の姿勢を示した。
AFP, May 7, 2014、AP, May 7, 2014、ARA News, May 7, 2014、Champress, May 7, 2014、al-Hayat, May 8, 2014、Iraqinews.com, May 7, 2014、Kull-na Shuraka’, May 7, 2014、Naharnet, May 7, 2014、NNA, May 7, 2014、Reuters, May 7, 2014、SANA, May 7, 2014、UPI, May 7, 2014などをもとに作成。
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