フランスのフランソワ・オランド大統領は、パリを訪れたシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と会談し、パリにある連立の事務所を正式な「在外公館」として承認すると伝えた。
オランド大統領は、化学兵器などあらゆる武器を使用したアサド政権による弾圧ゆえに、連立を支持するとしたうえで、6月3日に投票が行われる大統領については「事態がこれほど危機的でなかったら、嘲っていただろう。1,000万人以上が難民・避難民となっているのに、どうやって選挙を行うのだ」と述べた。
一方、ジャルバー議長は、大統領選挙に関して「同盟国とともに、この茶番を止めさせるための措置を講じ、穏健な勢力を支援しようとしている」としたうえで、「我々は、イラン・イスラーム革命防衛隊が支援するアサドのテロ、ヒズブッラーのテロ、イラクの傭兵のテロと戦っている…。我々は、米国やロンドンでの会合、そしてパリで、バッシャール・アサドを筆頭とするあらゆる過激派、テロリストの軍事力に対抗するため、今が支援の時だと呼びかけた」と述べた。
『ハヤート』(5月21日付)が伝えた。
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スイスのポール・セーゲル国連大使は国連宛に書簡を提出し、加盟国58国を代表して、シリアでの紛争当事者の犯罪の国際刑事裁判所への提訴を求めるフランスの安保理決議案の採択への支持を表明した。
決議案への支持を表明したのは、EU諸国、日本、韓国など58カ国で、1月にも国際刑事裁判所への提訴を求めていた。
なお、複数の外交筋によると、米国は「国際刑事裁判所に関するローマ規程」に参加しておらず、この58カ国に名を連ねていないが、決議案を支持しているという。
AFP, May 20, 2014、AP, May 20, 2014、ARA News, May 20, 2014、Champress, May 20, 2014、al-Hayat, May 21, 2014、Kull-na Shuraka’, May 20, 2014、al-Mada Press, May 20, 2014、Naharnet, May 20, 2014、NNA, May 20, 2014、Reuters, May 20, 2014、SANA, May 20, 2014、UPI, May 20, 2014などをもとに作成。
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