シリア国内の暴力(2014年5月22日)

軍武装部隊総司令部は声明を出し、アレッポ中央刑務所北部の大隊基地を奪還し、同刑務所および周辺一帯を制圧したと発表した。

声明はまた、この戦果により、アレッポ東部および北東部の「テロの温床」への締め付けを強化でき、またアレッポ市北部郊外からアレッポ市にいたる「武装テロ集団」の兵站路を寸断したと付言した。

SANA(5月22日付)が伝えた。

一報、シリア人権監視団(ラーミー・アブドゥッラフマーン代表)によると、軍、国防隊などが、シャームの民のヌスラ戦線を中心とするジハード主義武装集団によって占拠されていたアレッポ中央刑務所を約13ヶ月にわたる包囲の末に完全制圧した。

アブドゥッラフマーン代表によると、軍は早朝に戦車、装甲車を突入させ刑務所を完全制圧、その後、同日晩には刑務所周辺を「樽爆弾」で攻撃、武装集団を追撃した。

刑務所に対する軍の攻勢が本格化した20日以降、反体制武装集団の戦闘員約50人が死亡、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員などにも多数の死傷者が出たという。

なお、1年以上におよぶアレッポ中央刑務所をめぐる戦闘で、4,000人とされる収監者のうち600人が死亡、また軍が政府に反対する生き残った収監者を処刑し、「包囲中に死亡していた」と発表することが懸念されるのだという。

軍によるアレッポ中央刑務所完全制圧で、反体制武装集団はアレッポ市東部とトルコ国境を結ぶ兵站路を寸断され、アレッポ市内の反体制勢力は実質的に包囲された。

SANA, May 22, 2014

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同じくアレッポ県では、SANA(5月22日付)によると、アレッポ市スッカリー地区、ジャンドゥール地区、ブスターン・カスル地区、ザフラー地区、シャイフ・サイード地区、ライラムーン地区、シュカイイフ地区、ムスリミーヤ村、カフルハムラ村、カフルダーイル村、アナダーン市、ハンダラート・キャンプ北部、マーリア市、フライターン市、ハイヤーン町、マアーッラト・アルティーク村、クワイリス村周辺、ラスム・アッブード村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、カフルサギール村、カブターン・ジャバル村、ダーラト・イッザ市、アアザーズ市、カフルナーハー村、ハイダリーヤ村、シュワイフナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(5月22日付)によると、ハサカ県サーリヒーヤ地区にあるハーミド・マフフーズ学校の前で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、1人が死亡、6人が負傷した。

同報道によると、ハーミド・マフフーズ学校は、「覆面をした国防隊」が管理していたが、爆発発生を受け、国防隊隊員は逃走し、代わって西クルディスタン移行期民政局アサーイシュが現場一帯に展開したという。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(5月22日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が21日に制圧したダイル・ザウル市郊外のシューラー村で、イスラーム戦線とシャームの民のヌスラ戦線の戦闘員多数を拘束、32人を処刑した。

処刑された戦闘員のうち29人がイスラーム戦線メンバー、3人がヌスラ戦線メンバーだったという。

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ラッカ県では、ARA News(5月22日付)によると、ティシュリーン・ダム近郊で、「自由シリア軍」がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の司令官の一人アブー・ヒシャーム・ジャズラーウィー氏と不動産関連問題担当者のアブー・ムンズィル氏を要撃、殺害した。

2人はラッカ市からティシュリーン・ダムの拠点に戻る途中だったという。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市の南部および東部に対して、軍が攻勢を強め、「樽爆弾」などで空爆・砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市、マアッラト・ヌウマーン市などに軍が空爆を行った。

一方、SANA(5月22日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市、カフルナジュド村、ザーウィヤ山一帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍、ヒズブッラー戦闘員が、ムライハ市一帯で、反体制武装集団と交戦、地対地ミサイルなどで攻撃を加えた。

一方、SANA(5月22日付)によると、ムライハ市周辺、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプおよびその周辺、ジャイルード市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またタッル市では、反体制武装集団の戦闘員4人が当局に投降した。

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ダマスカス県では、SANA(5月22日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(5月22日付)によると、マシュタル・キーヒヤー村、マルジュ・フージャ村、ワーディー・アズラク村、ラウダ村、ハドラー村、ダルバ村、シャジャラ町、カサブ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(5月22日付)によると、アイン・フサイン村、ガントゥー市、キースィーン村、ワーディー・ミーラ村、ズフール・ハンズィール村、カルマス村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(5月22日付)によると、インヒル市、カーリヤ村、ヒルバト・ブーリート村・サナマイン市街道、ジスリー村周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 22, 2014、AP, May 22, 2014、ARA News, May 22, 2014、Champress, May 22, 2014、al-Hayat, May 23, 2014、Kull-na Shuraka’, May 22, 2014、al-Mada Press, May 22, 2014、Naharnet, May 22, 2014、NNA, May 22, 2014、Reuters, May 22, 2014、SANA, May 22, 2014、UPI, May 22, 2014などをもとに作成。

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