大統領選挙をめぐる動き(2014年5月25日)

シリア・クルド人国民イニシアチブのウマル・ウースー議長(人民議会議員)は、西クルディスタン移行期民政局の勢力下にある地域での大統領選挙に関して『ワタン』(5月25日付)に「(民政局は)多くの都市や町に投票箱を設置する可能性について理解している」と述べたうえで、民政局にハサカ県カーミシュリー市、ハサカ市などに投票所を設けることを要請していることを明らかにした。

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西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、6月3日が投票日の大統領選挙に関して『ハヤート』(5月26日付)に対し、「第1に、大統領選挙の実施はシリアのためにならない。第2に、政府はこの地域には存在しないため、誰が投票箱を管理するというのか?」としたうえで、ハサカ県カーミシュリー市、ハサカ市に投票箱が設置されたとしても「我々とは関係ない。ジャズィーラ地区、コバネ、アフリーン地区に、政府は存在しないため、投票箱は設置されないだろう。投票箱を管理する者がいないのだ」と述べ、選挙に消極的・非協力的な姿勢を示した。

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SANA(5月25日付)によると、ヒムス県タッルドゥー市、ダマスカス県ラウダ地区(退役軍人協会)、タルトゥース市、タルトゥース県サーフィーター市、ジュナイナト・ラスラーン町、スワイダー県小サギーラ町、クナイトラ県バアス市、ラタキア市で、大統領選挙実施と軍による「テロとの戦い」を支持するデモ・集会が開かれ、バアス党支部幹部、人民諸委員会、職業諸組合らが参加し、アサド大統領への支持を訴えた。

AFP, May 25, 2014、AP, May 25, 2014、ARA News, May 25, 2014、Champress, May 25, 2014、al-Hayat, May 26, 2014、Kull-na Shuraka’, May 25, 2014、al-Mada Press, May 25, 2014、Naharnet, May 25, 2014、NNA, May 25, 2014、Reuters, May 25, 2014、SANA, May 25, 2014、UPI, May 25, 2014、al-Watan, May 25, 2014などをもとに作成。

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