シリア反体制勢力の動き(2014年5月26日)

シリア民主主義者連合の執行部と広報局はそれぞれ声明を出し、トルコ(ガジアンテップ)でシリア革命反体制勢力国民連立を主導するミシェル・キールー代表、サミール・スアイファーン氏、マーズィン・ハッキー氏、ファーイズ・サーラ氏を「路線から逸脱した党派主義・離反主義」と批判、事実上除名した。

声明で執行部と広報局は、キールー代表らが執行部を排除したかたちで会合を重ね、組織全体の総意を無視したとしたうえで、「偉大なるシリア革命に敵対する以外に何ら寄与しない」と指弾した。

またシリア民主主義者連合(シリア革命反体制勢力国民連立傘下組織)のバフジャト・トゥラード氏は声明を出し、執行部メンバーを辞任すると発表した。

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シリア人権擁護連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー代表はフェイスブックを通じて声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の離反者から、2013年7月末に拉致されたイタリア人宣教師パウロ・ダルリオ氏(ダイル・マール・ムーサー修道院修道長)が、身柄拘束の数時間後にダーイシュ司令官の一人によって処刑されていたとの情報を得たと発表した。

ARA News(5月26日付)が伝えた。

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シャームの民のヌスラ戦線はツイッターを通じて声明を出し、25日にヒムス市内各所で発生した連続爆弾テロの犯行を認めた。

ヌスラ戦線は声明で「アッラーは、自らの僕であるヌスラ戦線のムジャーヒディーンにヌサイリー派体制のシャッビーハの拠点と…複数の検問所への侵攻をお許しになった」と発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、シリア人避難民受け入れをめぐって「レバノン国家はその権利と義務を果たしている」としつつ、「いかなる理由であれ、アサド体制の専制から逃れてきた難民を引き渡すことを許してはならない」と警鐘を鳴らした。

AFP, May 26, 2014、AP, May 26, 2014、ARA News, May 26, 2014、Champress, May 26, 2014、al-Hayat, May 27, 2014、Kull-na Shuraka’, May 26, 2014、al-Mada Press, May 26, 2014、Naharnet, May 26, 2014、NNA, May 26, 2014、Reuters, May 26, 2014、SANA, May 26, 2014、UPI, May 26, 2014などをもとに作成。

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