シリア外務在外居住者省は声明を出し、反体制武装集団に身柄を拘束された化学兵器禁止機関・国連合同派遣団のスタッフ6人とシリア人運転手5人が、ハマー県郊外で「武装テロ集団」に拉致されたと発表した。
同声明によると、5月27日午前8時から18時まで、カフルズィーター市一帯で停戦合意が発効し、塩素ガスが使用したとされる同地を合同派遣団が調査する予定だった。
4台の四輪駆動車でカフルズィーター市に向かっていた合同派遣団は、タイバト・イマーム市を通過した直後、同村から2キロの地点で車両1台が仕掛け爆弾の爆発によって大破、乗っていたスタッフらを救出し、3台でタイバト・イマーム市に引き返そうとしたが、2台が拉致された。
その後、化学兵器禁止機関のマイケル・ローハン報道官はAFP(5月27日付)に大使、合同派遣団のスタッフ6人と運転手5人が「無事であり…基地への帰路についている」と発表した。
しかし、シリア人権監視団は「合同使節団が拉致されたとき、彼らはまだ政府支配地域の外には達していなかった。つまり仕掛け爆弾は政府が支配するタイバト・イマーム市近くで爆発した」と発表し、政府の自作自演を暗に疑った。
ローハン報道官によると、学兵器禁止機関・国連合同派遣団のスタッフを乗せた車列が、「攻撃を受け」拉致されたとしたうえで、「安全上の理由からこれ以上はコメントできない」と付言、スタッフが解放されたのか、逃走したのかについての名言を避けた。
また化学兵器禁止機関のアフメト・ウズムジュ事務局長は声明を出し、すべての当事者に対して改めて派遣団への協力を呼びかけた。
AFP, May 27, 2014、AP, May 27, 2014、ARA News, May 27, 2014、Champress, May 27, 2014、al-Hayat, May 28, 2014、Kull-na Shuraka’, May 27, 2014、al-Mada Press, May 27, 2014、Naharnet, May 27, 2014、NNA, May 27, 2014、Reuters, May 27, 2014、SANA, May 27, 2014、UPI, May 27, 2014などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.