バラク・オバマ米大統領は、ニューヨーク州ウエストポイントにある陸軍士官学校の卒業式に出席し、南シナ海への中国の進出、ウクライナ情勢などに関する包括的な外交演説を行った。
この演説のなかで、オバマ大統領はシリア情勢にも触れ、「恐ろしい苦しみをすぐになくすことができるような簡単な答え、軍事的解決はない。大統領として、私はこの宗派戦争のただなかに米兵を派遣すべきでないと決断し、それが正しい決断だと信じている」と述べた。
そのうえで、オバマ大統領は「このことは、自国民を空爆し、飢えさせている独裁者に反抗するシリア国民を助けるべきでないということではない。自分の将来を選ぶというすべてのシリア人の権利のために戦っている人々を助けることで、我々はまた混乱のなかで安住の地を乱している多数の過激派に対抗している」と強調した。
さらにオバマ大統領は「我々は、シリアの隣国であるヨルダン、レバノン、トルコ、イラクが避難民に対処し、シリア国境を越えて活動するテロリストに対抗するよう支援する。私は議会に対し、テロリストや野蛮な独裁者への最善のオルターナティブとなるシリアの反体制派への支援を増加させるべく活動するだろう」と付言、そのために西欧やアラブ世界の同盟国との連携を続けると述べた。
AFP, May 28, 2014、AP, May 28, 2014、ARA News, May 28, 2014、Champress, May 28, 2014、al-Hayat, May 29, 2014、Kull-na Shuraka’, May 28, 2014、al-Mada Press, May 28, 2014、Naharnet, May 28, 2014、NNA, May 28, 2014、Reuters, May 28, 2014、SANA, May 28, 2014、UPI, May 28, 2014などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.