シリア国内の暴力(2014年5月29日)

クッルナー・シュラカー(5月29日付)は、アサド政権が「国民和解委員会」使節団をダマスカス郊外県ダーライヤー市に派遣し、休戦合意締結に向け反体制武装集団や地元評議会との交渉を開始した、と報じた。

同報道によると、交渉は、①ダーライヤー市からの軍の完全撤退と住民の帰宅、②アサド政権が拘束したすべての逮捕者の釈放、を基本原則としつつ、③ダーライヤー市からの「自由シリア軍」の部分撤退、④軍のダーライヤー市における部分的再展開などが具体的に協議されている、という。

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市西部に位置するタリーリーヤ村を、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と思われる武装集団が襲撃、子供5人、女性1人を含む10人を処刑した。

これに関して、ARA News(5月29日付)は、タリーリーヤ村で、ダーイシュは住民約40人を処刑したと伝えた。

またシリア人権監視団によると、ラアス・アイン市西部のタマード地区で、爆弾を積んだ車が爆発、その後民主統一党人民防衛隊が、ダーイシュなどからなる反体制武装集団と交戦した。

これに関連して、クッルナー・シュラカー(5月29日付)は、ダーイシュがラアス・アイン市西部のサマード村にある民主統一党人民防衛隊の検問所を爆破し、戦闘員全員を殺害し、2日間での戦闘による双方の死者数が60人にのぼっている、と報じた。

またダーイシュは、タッル・ヒンズィール村の人民防衛隊検問所に対しても爆弾を積んだ自動車で攻撃を仕掛けたという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、ライラムーン地区、マサーキン・ハナーヌー地区、アイン・タッル地区、バーブ街道地区、シャッアール地区、バーブ・ナスル地区、ハラク地区、バーブ・ナイラブ地区、ダーラ・イッザ市、タッル・リフアト市、ハリーサ村などを軍が「樽爆弾」で空爆し、複数人が死亡した。

また軍は、ジハード主義武装集団の拠点と目されているカーディー・アスカル交差点に近いシャリーア委員会一帯を「樽爆弾」で攻撃した。

一方、SANA(5月29日付)によると、アレッポ市ハラク地区、ハナーヌー地区、バニー・ザイド地区、ブスターン・カスル地区、ブスターン・バーシャー地区、インザーラート地区、ラーシディーン地区、ジャンドゥール交差点、ザイディーヤ地区、アシュラフィーヤ地区、ブアイディーン地区、ジュダイダ地区、ハンダラート・キャンプ、アターリブ市、マーリア市、ハーン・アサル村、カフルダーイル村、アルド・マッラーフ地区、アナダーン市、マンスーラ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ムスリミーヤ村、フライターン市、カフルハムラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、複数の活動家によると、反体制武装集団が6月1日にイドリブ市に侵攻・砲撃すると警告を発したとの情報を受け、多数の住民が避難した。

一方、SANA(5月29日付)によると、バルーマー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団との交戦の末、アブリーハ村、スブハ村東部を制圧した。

この戦闘で、両村から避難しようとした住民と双方の戦闘員多数が死亡したという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市およびその周辺を軍が地対地ミサイルなどで攻撃する一方、ヒヤーラ村、アイン・バイダー農場で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月29日付)によると、ムライハ市北部、ナシャービーヤ町郊外、ビラーリーヤ村郊外、カースィミーヤ市郊外、アーリヤ農場、ダーライヤー市、キスワ市郊外アイン・バイダー農場およびサウラ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍、シャバーブ・フダー旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、ARA News(5月29日付)によると、マアダーン町で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、シャーム自由人イスラーム運動に属し戦闘を行っていた若者2人を処刑した。

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ダマスカス県では、SANA(5月29日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(5月29日付)によると、シャイフ・マスキーン市南西部、サムリーン村、アトマーン村、インヒル市、ズィムリーン村・サムリーン村間、フラーク市郊外、ダルアー市ビラール・ハバシー・モスク一帯、ヤルムーク学校一帯、Syriatelビル一帯などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 29, 2014、AP, May 29, 2014、ARA News, May 29, 2014、Champress, May 29, 2014、al-Hayat, May 30, 2014、Kull-na Shuraka’, May 29, 2014、al-Mada Press, May 29, 2014、Naharnet, May 29, 2014、NNA, May 29, 2014、Reuters, May 29, 2014、SANA, May 29, 2014、UPI, May 29, 2014などをもとに作成。

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