Categories: 諸外国の動き

ロシアのラヴロフ外務大臣「シリア領内に地元評議会を設置するという米国の新路線は主権尊重との兼ね合いで疑義が呈される」(2017年10月23日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、イラクのイブラーヒーム・ジャアファリー外務大臣とモスクワで会談し、シリア、イラクでのダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」の進捗や両国情勢などについて意見を交わした。

ラブロフ外務大臣はこの会談で、ダーイシュの殲滅がシリアにおけるロシア軍の作戦の目的であることを強調する一方、米主導の有志連合の影響下にある複数の場所で「奇妙な事態」が起こっていると疑問を呈した。

ラブロフ外務大臣は、「ロシアはこれまでに何度も、シリア軍がダーイシュの拠点に向けて進軍すると、テロ組織(ダーイシュのこと)の支援を受けた戦闘員が、有志連合の支配下にある地域を何の障害もなく通過してくることを監視してきた」とする一方、「米国の新路線をめぐってさらなる疑問が生じている…。我々は、シリア・アラブ共和国領内に地元評議会なる組織を設置するという米国の新路線について耳にしているが、それは主権尊重の原則との兼ね合いで疑義を呈さずにはいられない」と述べた。

AFP, October 23, 2017、ANHA, October 23, 2017、AP, October 23, 2017、ARA News, October 23, 2017、Champress, October 23, 2017、al-Hayat, October 24, 2017、Kull-na Shuraka’, October 23, 2017、al-Mada Press, October 23, 2017、Naharnet, October 23, 2017、NNA, October 23, 2017、Reuters, October 23, 2017、SANA, October 23, 2017、UPI, October 23, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

SyriaArabSpring

Recent Posts