ダマスカス県カーブーン区で爆弾が仕掛けられた車が爆発し5人が死亡する一方、シリア国民評議会が「シリア革命は宗派的でなく、無血」と主張(2012年12月22日)

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、5人が死亡、数十人が負傷した。

SANA(12月22日付)によると、シリア・アラブ・テレビのカメラマン、ハイダル・サムーディー(1967年生まれ)がカフルスーサ区の自宅前で反体制武装勢力に射殺された。

またSANA(12月22日付)によると、タダームン区で軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺害した。

**

ハマー県では、ハマー郊外アンサール旅団司令官を名乗るラシード・アブー・フィダーなる活動家が、キリスト教徒が多数住むムハルダ市とスカイラビーヤ市の住民に対して、「アサドの悪党とシャッビーハの放逐と、我々の村への砲撃停止のため、役割を果たすよう警告を発する」と脅迫した。

アブー・フィダーは「もしそうしなければ(反体制武装勢力に協力しなければ)、我々はアサドの悪党とシャッビーハのアジトに突入する勇士を送り込むだろう」と両市への攻撃を予告した。

またシリア人権監視団によると、カブル・フィッダ村、ラムラ村などで軍と反体制武装勢力が激しく交戦した。

一方、SANA(12月22日付)によると、軍がカスル・アブー・サムラ市などで軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市を軍が空爆・砲撃した。

一方、SANA(12月22日付)によると、ハウラ地方ブルジュ・カーイー村、ヒムス市スルターニーヤ地区、ジャウバル区で軍が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブーライル村、ムーハサン市を軍が空爆した。

一方、SANA(12月22日付)によると、ダイル・ザウル市内各所で軍が反体制武装勢力と交戦し、ハドラー大隊、ユーフラテス大隊などを名乗る集団の戦闘員多数を殺傷した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハムーリーヤ市、ズィヤービーヤ町、アルバイン市、ハラスター市などに軍が砲撃を加え、ダーライヤー市では軍と反対武装勢力が交戦した。

一方、SANA(12月22日付)によると、フジャイラ村、ダーライヤー市、ドゥーマー市郊外、アルバイン市、バフダリーヤ村、フサイニーヤ町などで軍が反体制武装勢力の追撃を続け、「アンサールッラー」のメンバーなど多数の戦闘員を殺傷した。

また、軍武装部隊総司令部は声明を出し、シャブアー地方の軍事技術中隊の一つが反体制武装勢力に襲撃され、司令官1人を失いつつも応戦・撃退した、と発表した。

**

アレッポ県では、SANA(12月22日付)によると、アターリブ市、タカード村、サフィーラ市、タッル・ズィーターン市、ワディーヒー村、フライターン市、アレッポ市シャッアール地区、ブスターン・バーシャー地区、イシャーラート地区などで軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

イドリブ県では、SANA(12月22日付)によると、ガッサーニーヤ村、タフタナーズ市、タヒーラ市、マアーッラ・ニウサーン市、ビンニシュ市、アリーハー市などで、軍が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ラタキア県では、SANA(12月22日付)によると、ルバイア地方サラヤー村で軍が反体制武装勢力のアジトを攻撃破壊、戦闘員を殲滅、装備を破壊した。

国内の動き(シリア政府の動き)

12月5日に逝去したイグナティウス4世ハズィームの後任として東方正教会アンタキア総主教に選出されたヨハネ10世ヤーズジーはダマスカスで就任後初の記者会見を開き、「我らキリスト教徒はこの国に残る…。我々は常に自らの国の民、そして祖国とともにあった。外国人に立ち向かうとき、市民権や祖国の意味を悟る。ときにそうした外国人はキリスト教徒だった」と述べた。

SANA, December 22, 2012
SANA, December 22, 2012

**

OTV(12月22日付)は、ジハード・マクディスィー前外務在外居住者省報道官がベイルートに滞在していると報じた。

反体制勢力の動き

ヨルダンのサラフィー主義潮流のアブドゥルカーディル・シハーダ(アビー・ムハンマド・タフターウィー)は、21日にダルアー県での戦闘でマフムード・アブー・タビーフが死亡したと発表した。

アブー・タビーフはザルカー県出身のヨルダン人サラフィー主義者。

UPI(12月22日付)が報じた。

**

シリア国民評議会は、シリア国内の紛争が「宗派的」様相を帯びてきたとした国連の国際調査委員会の報告に対して、「シリア革命は宗派的でなく、無血だ…。シリア社会が直面している唯一の分断は、殺人的体制…と、自由と平等を求める人々の社会の間の分裂だ」と述べた。

**

元駐シリア・イラク大使のナウワーフ・ファーリスは滞在先のカタールで『ハヤート』(12月23日付)に対して、「アサド政権の同盟者たちは体制が終わったと考えるようになったが、シリアにとってもっとも危険なのは体制崩壊後だ」と述べた。

また「シリア革命反体制勢力国民連立が国際社会においてシリアに資する正しい決定に立脚できなければ、シリア国民にとって大災難だ」としたうえで、「国内と連携し、国民の意思を反映すれば、いかなる勢力も同連合に意見を押し付けることはできない」と強調し、同連立が外国の影響下にないと断じた。

一方、ファーリスは、体制転換後に新政党を作る意思があることを明らかにした。

レバノンの動き

ナハールネット(12月22日付)は、ヒムス県タッルカラフ地方でシリア軍によって殺害されたレバノン人サラフィー主義者の遺体3体をシリア当局がレバノン側に引き渡した、と報じた

諸外国の動き

SANA(12月22日付)は、トルコのハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)アンタキア市で、数千人の市民がAKPの対シリア政策やNATOによるパトリオット・ミサイル配備に反対するデモを行った、と報じた。

SANA, December 22, 2012
SANA, December 22, 2012
al-Hayat, December 23, 2012
al-Hayat, December 23, 2012

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、「シリアの内戦は座礁に乗り上げており、アサド大統領を退任させようとする国々の努力は失敗に終わるだろう」と述べた。

AFP, December 22, 2012、Akhbar al-Sharq, December 22, 2012、al-Hayat, December 23, 2012、Kull-na Shuraka’, December 22, 2012、al-Kurdiya News, December 22, 2012、Naharnet, December 22, 2012、OTV, December 22, 2012、Reuters, December 22, 2012、SANA, December 22, 2012、UPI, December 22, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県ヤルムーク区で反体制武装勢力が「明らかに進軍」し戦闘が激化、フォード駐シリア米大使がイラクのマーリキー首相と会談しアサド政権退陣への固辞を示す(2012年12月18日)

国内の暴力

ダマスカス県では、『ハヤート』(12月19日付)などによると、ヤルムーク区で反体制武装勢力が「明らかに進軍」、住民の一人は「自由シリア軍のメンバー数百人がキャンプ内にいる」と述べた。

同住民らによると、ヤルムーク区内のモスクなどから軍が拡声器で住民に「12時までに」避難するよう呼びかけ、多くの住民(パレスチナ人)が避難したという。

複数の目撃者によると、軍はダマスカス郊外県へと通じる入り口以外のヤルムーク区の入り口を封鎖し、反体制武装勢力に対する掃討作戦の準備をしている、という。

『ハヤート』(12月19日付)によると、反体制武装勢力は現時点で、ヤルムーク区内のタカッドゥム通り、ウルーバ通り、サラースィーン通りの三つの街区を占拠している、という。

ヤルムーク区内では、PFLP-GCの民兵組織(人民諸委員会、兵員約700人)が抵抗を試みたが、ほどなく反体制武装勢力に降伏し、拠点を明け渡し、シリア軍の拠点へと撤退した、という。

一方、パレスチナ人の一部は「革命家」に合流した、という。

シリア人権監視団によると、ヤルムーク区およびダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市周辺で軍とPFLP-GCの民兵が反体制武装勢力と激しく交戦した。

『ハヤート』(12月19日付)によると、ヤルムーク区に居住するパレスチナ人約15万人のほぼ半分がすでにダマスカス県内の安全な場所ないしはレバノンなどに避難している、という。

一方、SANA(12月18日付)によると、ハジャル・アスワド市で、軍が反体制武装勢力を追撃し、アンサールッラーのメンバーら多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊・押収した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、軍が反体制武装勢力の攻勢を受け、県北部(カフルヌブーダ町、ヒヤーリーン町、ハマーミーヤート村、ハルファーヤー市、シャイフ・ハディード村、バーブ・ターカ村、ハスラーヤー村)の拠点・検問所から撤退した。

反体制武装勢力の攻勢により、軍兵士多数が殺害、捕捉されたという。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(12月18日付)によると、ザマルカー町、ハラスター市郊外、ドゥーマー市、ダーライヤー市、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町で、軍が反体制武装勢力を追撃し、イスラーム旅団メンバーら多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊・押収した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(12月18日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

アレッポ県では、SANA(12月18日付)によると、アナダーン市、マンスーラ村、カフルダーイル村、アレッポ市旧市街などで、軍が反体制武装勢力の拠点などを攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

イドリブ県では、SANA(12月18日付)によると、イドリブ市、ザルダナー村、サラーキブ市などで、軍が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、SANA(12月18日付)によると、クサイル市郊外、ラスタン市などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

国内の動き

シリア・アラブ共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師は、アサド国立図書館での講演で、「在外の反体制活動家だと主張する者たちは最終的には対話のテーブルに着くことを強いられるだろう」と述べた。

ハッスーン師はまた「対話のテーブルに着くことを強いられる前にイニシアチブを発揮し、自らの活動を停止すべきだ…。なぜなら体制転換は力ではなく、対話によってのみなされるからだ」と付言した。

SANA(12月19日付)が報じた。

反体制勢力の動き

自由シリア軍中央広報局のファフド・ミスリーは声明を出し、イラン外務省が発表した危機打開の6項目提案に関して、「イラン人が交渉のテーブルをダマスカスからテヘランに持っていこうとしており、このことは彼らがシリアの危機に関与していることを示すものだ」と述べ、拒否すると発表した。

ミスリーはまた同声明で「アサド政権は諸外国、友好国、同盟国の忠告に耳を傾けようとしない」と述べ、イラン以外の諸外国の関与については是認する姿勢を示した。

**

作家・記者のヤースィーン・アブドゥッラティーフは反体制組織のシリア・ジャーナリスト連盟発足声明から自身の名前を削除するよう求め、組織からの脱会を宣言した。

脱会の理由は、「曖昧な」財務状況。

パレスチナ人の動き

『ハヤート』(12月19日付)は、ダマスカス県ヤルムーク区での戦闘激化を受け、パレスチナ各派内で異なる三つの対応策が示されている、と報じた。

同報道によると、この三つの対応策とは以下の通り:

1. シリア国内のパレスチナ難民キャンプでの戦闘回避の要求(ファタハ、PFLP、DFLP)
2. 武装した人民委員会の結成を通じた自由シリア軍の進入阻止とキャンプ防衛(PFLP-GC、サーイカ)
3. 非武装の人民委員会の結成と人道支援(イスラーム聖戦)

レバノンの動き

『ナハール』(12月20日付)は、ナジーブ・ミーカーティー内閣閣議で、シリア人、パレスチナ人避難民の流入をめぐる問題が審議され、ジュブラーン・バースィール電力水資源大臣(自由国民潮流)、アリー・カーンスー国務大臣(シリア民族社会党)が対シリア国境の封鎖を主張したと報じた。

諸外国の動き

米NBC特派員のリチャード・エンゲルは、NBC(12月18日付)に対して、シリアでの取材中に「アサド大統領を支持する政府系の民兵で、シャッビーハの名で知られる集団」に誘拐・拉致されたと述べた。

Akhbar al-Sharq, December 18, 2012
Akhbar al-Sharq, December 18, 2012

NBCによると、エンゲルは取材チームとともに、12月13日にトルコ経由でシリアに入国(不法入国)後、何者かによって誘拐、5日間拉致され、消息を絶っていたという。

エンゲルらは、イドリブ県マアッラトミスリーン市に近い場所に監禁され、その後17日に別の場所に移動中、反体制武装勢力のシャーム自由人大隊の検問所で脱走、18日早朝にトルコに無事避難した、という。

イドリブ県マアッラト・ミスリーン市は反体制武装勢力が制圧したと主張している地域である。

**

ロバート・フォード駐シリア米大使(米国勤務)は、バクダードを訪問し、米大使館にヌーリー・マーリキー首相らイラク首脳、『ハヤート』記者らを招き懇談した。

『ハヤート』(12月19日付)によると、この懇談で、フォード大使は、米国が思い描く「政治的解決」が、アサド政権存続と両立せず、政権交代が反体制勢力側の本質的条件で、このことに関して交渉の余地はないと述べた。

米国自身が同意した2012年6月のジュネーブ合意に関して、「米国、ロシア、安保理常任理事国、トルコ、アラブ連盟はジュネーブ宣言を合意したが…、反体制勢力は彼(アサド大統領)およびその取り巻きがいかなる政治的枠組みに参加することにも同意しないだろう」と述べ、実現不可能だとの見方を示した。

また7月のカイロでの反体制勢力大会で、シリアの反体制勢力がジュネーブ合意を事実上受諾したことに関しては、「しかしアサドが何よりもまず退任しなければならない」と述べ、アサド政権退陣が、反体制勢力ではなくむしろ米国の要求であることを暴露した。

一方、反体制勢力の過激化傾向に関して、フォード大使は「米国政府にとって最大の恐怖は、長期間暴力が続くことで、それは、(シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長に代表される)穏健な声が徐々にかき消され、過激派がより大きな影響力を行使することだ」と述べ、こうした懸念ゆえにシャームの民のヌスラ戦線をテロ組織に指定したことを明らかにした。

そのうえでフォード大使は「数日前、自由シリア軍の士官は私にヌスラ戦線は反体制武装勢力の戦闘員の3分の1以下を占めるに過ぎず、それ以外の武装大隊は反体制武装闘争において重要な役割を占めており…、ヒムスにはファールーク大隊、アレッポにはタウヒード旅団、ダマスカスにはそれ以外の大隊がおり、戦闘員の大多数は過激派でないと述べた」ことを明らかにした。

なお、マーヒル・アサド大佐が事実上の司令官を務める共和国護衛隊(推計約1万人)は、シリア軍(約30万人)の30分の1程度を占めるに過ぎない。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表がエジプトを訪問し、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長、エジプトのムハンマド・カーミル・アムル外務大臣と会談、シリア情勢について協議した。

**

国連世界食糧計画(WFP)報道官はジュネーブで記者会見を開き、シリア国内での「暴力激化」、「人員不足」、「燃料不足」により、食糧人道支援が充分に行うことができなくなっている、と述べた。

シリア・アラブ赤新月社によると、250万人が食糧援助を必要としているが、同報道官は過去数週間の暴力の激化で支援物資を搬送する貨物車両が襲撃されるケースが急増していると述べた。

**

イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は訪問中のモスクワでロイター通信(12月18日付)に対して、「我々はそれ(アサド政権崩壊)を大いに疑っている。シリア軍も国家機関も円滑に機能している」と述べた。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣はアンカラで記者団に対して、「(パトリオット・ミサイル)システムを批判するのではなく、イランはシリア政府に国民の弾圧や国境でのトルコに対する挑発を止めるよう言うべきだ…。シリア政府に明確なメッセージを向ける時が来た」と述べた。

**

イタルタス通信(12月18日付)は、ロシア国防省の話として、ロシア軍が新たに戦艦2隻を地中海に派遣したと報じた。

同通信社は、両艦がタルトゥース港に寄港するかは明らかにしなかったが、バルチック艦隊消息筋の話として、両艦がシリアからのロシア人退避させる場合に参加する可能性はある、と報じた。

**

イスラーム諸国会議機構(OIC)のエクメレッディン・イフサン・オグル事務局長は、ジェッダでの記者会見で、シリア情勢に関して「終わりの始まり」と評し、アサド政権に対して「国民のための犠牲」を求めた。

AFP, December 18, 2012、Akhbar al-Sharq, December 18, 2012, December 19, 2012、al-Hayat, December 19, 2012, December 20, 2012、Kull-na Shuraka’, December 18, 2012, December 19, 2012、al-Kurdiya News, December 18, 2012、al-Nahar, December 20, 2012、Naharnet, December 18, 2012、Reuters, December 18, 2012、SANA, December 18, 2012, December 19, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハルキー首相を団長とする閣僚使節団がアレッポ市を訪問、ダマスカス県では親アサド政権パレスチナ人民兵が反体制武装勢力およびパレスチナ人戦闘員と交戦(2012年12月17日)

国内の動き

ワーイル・ハルキー首相を団長とする閣僚使節団がアレッポ市を訪問し、ムハンマド・ワヒード・アッカード県知事、アレッポ県の経済・社会・宗教界の代表と会談、アレッポ県のライフライン復旧、食糧(パン)・燃料(灯油)供給に尽力するとの意思を伝えた。

SANA, December 17, 2012
SANA, December 17, 2012

使節団は、ハルキー首相の他、ウマル・イブラーヒーム・ガラーワンジー福祉問題担当副首相兼地方自治大臣、イマード・ムハンマド・ディーブ・ハミース電力大臣、ムハンマド・ヤフヤー・マアッラー高等教育大臣、ハズワーン・ワッズ教育大臣、ムハンマド・ザーフィル・ミフバク経済対外通商大臣、アドナーン・アブドゥー・サフニー工業大臣、サイード・ムウズィー・フナイディー石油鉱物資源大臣、ジャースィム・ムハンマド・ザカリヤー社会問題労働大臣、サアド・アブドゥッサラーム・ナーイフ保健大臣などから構成されていた。

SANA(12月17日付)が報じた。

**

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、「パレスチナ人の閉塞状況の責任は国連と国際社会にある。なぜならパレスチナ人民の合法的な権利に関わる国連決議を履行しないからだ」と述べた。

またムアッリム外務在外居住者大臣は、「シリアがパレスチナ人同胞に対して数十年にわたり与えてきたものは、他のいかなる国も及ばない」と付言した。

さらにムアッリム外務在外居住者大臣は、パレスチナ人に対してヤルムーク区で「テロ集団」に潜伏先や支援を提供せず、テロリストを放逐せねばならないと呼びかけた。

この発言はヤルムーク区に対する軍の攻撃への「重大な懸念」を表明した潘基文国連事務総長の発言を受けたもの。

SANA(12月17日付)、シリア・アラブ・テレビ(12月17日付)などが報じた。

**

『アフバール』(12月17日付)はファールーク・シャルア副大統領のインタビュー全文を掲載した。

そのなかで、シャルア副大統領は、「大統領閣下との面談する機会を与えられた者はみな、これが長期にわたる紛争になり、陰謀が強大で、その当事者が多様だと大統領から聞くことになろう…。彼は最終的な勝利を実現するまで事態を軍事的に決着させようとする意志を隠すことはない…。そのうえで政治的対話は現実的に行い得るものとなる」と述べた。

12月14日に行われたインタビューで、シャルア副大統領はまた「我々は個人や体制を擁護しているのではなく、シリアの存在を擁護している…。解決は地域の主要諸国と国連安保理を含んだかたちでの歴史的関係正常化を通じてなされねばならない…。関係正常化はすべての暴力の停止、挙国一致内閣の発足が保障されねばならない」と付言した。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区で、アサド政権を支持するパレスチナ人民兵(PFLP-GC)が、シリアの反体制武装勢力およびパレスチナ人戦闘員と交戦した。

ダマスカス郊外県では、反体制武装勢力によると、軍が増援部隊を派遣しダーライヤー市包囲を強化した。

一方、SANA(12月17日付)によると、ズィヤービーヤ町、フジャイラ村、フサイニーヤ町、ザマルカー町、ドゥーマー市、ハラスター市などで軍が反体制武装勢力を攻撃し、「軍事評議会」メンバーを含む多数の戦闘員を殺傷した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハルファーヤー市郊外の軍の検問所を、反体制武装勢力が攻撃したが、軍の反撃を受け、戦闘員7人が死亡した。

しかし同監視団によると、反体制武装勢力はハマー市郊外の「ほとんどの検問所を襲撃し…、シャイフ・ハディードの検問所の軍を撤退させた」という。

反体制武装勢力による攻撃は、ハルファーヤー市、カルナーズ町、カフルズィーター市、カフルヌブーダ町などの検問所に対して行われているという。

この攻撃に先立って、自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)のカースィム・サアドッディーン大佐が声明を出し、「ハマー市解放作戦」を開始したと発表した。

また自由シリア軍ハマー県軍事評議会は、「アッラーの恋人」旅団、「アビー・フィダー」旅団、「アフル・バイト」旅団が「ハマー解放作戦」を開始したと発表した。

**

アレッポ県では、SANA(12月17日付)によると、アレッポ市ブスターン・カスル地区などで軍が反体制武装勢力を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダルアー県では、SANA(12月17日付)によると、ムサンミヤ地方で軍がシャームの民のヌスラ戦線メンバー多数を殲滅した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シンシャール街道で軍の車輌に仕掛けられた爆弾が爆発し、兵士4人が死亡した。

またラスタン市が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(12月17日付)によると、サムアリール村、ブルジュ・カーイー村などで軍が反体制武装勢力を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長が声明を出し、シリア国内でアサド政権の弾圧で死亡したパレスチナ人の数が900人に上る(未確認情報)と発表した。

レバノンの動き

米財務省は、ミシェル・サマーア元情報大臣を「特別指定国際テロリスト」(Specially Designated Global Terrorist)に指定した。

パレスチナ人の動き

ワファー通信(12月17日付)によると、マフムード・アッバースPA大統領は声明を出し、シリアのパレスチナ人居住区・キャンプへの攻撃を回避するため、アラブ連盟事務総長、国連事務局長と電話で協議した。

また同声明によると、駐シリアのパレスチナ諸派から、事態収拾のために早急に介入するよう要請があった。

**

PFLP-GCのフサーム・アラファート報道官はラーマッラーで声明を出し、ダマスカス県ヤルムーク区のモスクに対するシリア軍の空爆に関して、「シリアの政治指導部、とりわけアサド大統領にこの犯罪の詳細についての釈明、犯罪者の処罰、公式の謝罪を求める」と述べた。

**

PFLP-GCのアンワル・ラジャー報道官はダマスカスでAFP(12月17日付)に対して、ラーマッラーのアラファート報道官の声明を「戦線とは何の関係もない」と批判、「戦線の見解を表明はダマスカスの中央情報局からのみ発せられる」と述べた。

諸外国の動き

『ハヤート』(12月19日付)によると、国連バレリー・アモス人道問題担当事務次長は国連安保理に対してシリア訪問の報告を行い、そのなかでシリア政府に対して、人道支援のため国連および人道支援機関が反体制勢力と直接連絡を取り合うことに同意するよう求め、シリア政府がこれを承諾したとを明らかにした。

**

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、シリア軍によるダマスカス県ヤルムーク区への空爆に関して「パレスチナ難民キャンプの治安の責任はシリア当局にある」と述べるとともに、「パレスチナ人が受けている暴力は…国際法違反だ」と述べた。

**

トルコの『ラディカル』(12月17日付)は、12月3日のロシアのウラジーミル・プーチン大統領のイスタンブール訪問時にレジェップ・タイイップ・エルドアン首相が2013年第1四半期中のアサド大統領の退任とシリア革命反体制勢力国民連立への政権移譲を骨子とする紛争解決策を提示していた、と報じた。

同紙によると、この提案は、米国、ロシア、エジプト、カタール、国連の間で審議されているという。

**

『ハヤート』(12月19日付)は、パトリオット・ミサイル配備のためNATOドイツ軍がトルコに到着した、と報じた。

AFP, December 17, 2012、al-Akhbar, December 17, 2012、Akhbar al-Sharq, December 17, 2012、al-Hayat, December 18, 2012, December 19, 2012、Kull-na Shuraka’, December 17, 2012、al-Kurdiya News, December 17, 2012、Naharnet, December 17, 2012、Reuters, December 17, 2012、SANA, December 17, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍がダマスカス県ヤルムーク区のパレスチナ難民居住区に対して初めての空爆を実施、シャルア副大統領「我々は個人や体制を擁護しているのではなく、シリアの存在を擁護している」(2012年12月16日)

国内の動き

ワーイル・ハルキー首相は、「テロとの戦いへの決着、武装テロ集団残党の殲滅に向けて、我らが武装部隊の犠牲と戦果を通じて断固且つ積極的に対処している」と述べた。

SANA(12月16日付)が報じた。

SANA, December 16, 2012
SANA, December 16, 2012

**

ファールーク・シャルア副大統領は、『アフバール』(12月16日付)のインタビューに応じ、そのなかで政権も反体制武装勢力も現下の紛争を軍事的に決着することはできないだろう、と述べた。

12月14日に行われたインタビューで、シャルア副大統領はまた「我々は個人や体制を擁護しているのではなく、シリアの存在を擁護している…。解決は地域の主要諸国と国連安保理を含んだかたちでの歴史的関係正常化を通じてなされねばならない…。関係正常化はすべての暴力の停止、挙国一致内閣の発足が保障されねばならない」と付言した。

**

アレッポ県では、SANA(12月16日付)によると、アレッポ市サビール地区などで、市民数百人がシリア軍支持、武装テロ集団の退去を訴えるデモを行った。

**

SANA(12月16日付)は、シリア・イラン経済通商閣僚級会合が開かれ、シリア・イラン合同銀行開設、救急車両などの医療機器・物資のシリアへの供与などを合意したと報じた。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区のパレスチナ難民居住区に対して軍が初めて空爆を行った。

空爆は同地区内のバースィル病院周辺、ジャーウーナ地区に対して行われ、多数の死傷者が出たという。

またAFP(12月16日付)は住民の話として、アブドゥルカーディル・フサイニー・モスクが標的となり、多数が死傷したと報じた。

同モスクにはダマスカス県南部からの避難民約600人が避難していた。

またシリア人権監視団によると、ヤルムーク区、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市周辺で、PFLP-GCの戦闘員とパレスチナ人を含む反体制武装勢力が、2日前から行われている、という。

『ハヤート』(12月17日付)によると、このほかハジャル・アスワド市、アサーリー地区に対しても空爆が行われた。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ハラスター市、ズィヤービーヤ町、アルバイン市などで軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(12月16日付)によると、ダーライヤー市、ドゥーマー市、ハラスター市郊外、バイト・サフム市、ザマルカー町などで、軍が反体制武装勢力の追撃を行い、多数の戦闘員を殺傷した。

**

アレッポ県では、複数の反体制活動家によると、タウヒード旅団などがアレッポ市北部の歩兵学校の施設を制圧した、と発表した(未確認情報)。

シリア人権監視団によると、軍はアレッポ歩兵学校から完全撤退したが、周辺の検問所に部隊を展開させている、という。

また『ハヤート』(12月17日付)は、トルコの複数の高官の話として、シリア軍が国境地帯のアアザーズ市を空爆し、多数の住民がトルコ領内に避難したと報じた。

一方、SANA(12月16日付)によると、アターリブ市、アレッポ・イドリブ街道各所、フライターン市、アアザーズ市、アレッポ市アンサーリー地区、カーディー・アスカル地区、ライラムーン地区などで軍が反体制武装勢力の追撃・拠点攻撃を行い、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(12月16日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区などで軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ハマー県では、SANA(12月16日付)によると、ハルファーヤー市で軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、SANA(12月16日付)によると、ヒムス市郊外の石油パイプラインを反体制武装勢力が破壊した。

一方、ラスタン市では軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、タッルカラフ市では国境警備隊がレバノン領からの潜入を試みる反体制武装集団を撃退した。

**

イドリブ県では、SANA(12月16日付)によると、ジスル・シュグール市郊外、サラーキブ市などで軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

アクス・サイル(12月16日付)は、自由シリア軍がダイル・ザウル市の政治治安部を完全制圧した(未確認情報)と発表した、と報じた。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はテレビ演説を行い、そのなかで3月14日勢力に対して「一部の人物(ハリーリー前首相)がダマスカス空港を経由して帰国するのを待つべきでない…。あなたたちが間違った計算をしているという事実にあなたたちの注意を向けたい…。2ヶ月でシリア政府が崩壊すると言っているが…、何も起きないまま2年が経った」と述べた。

**

ナハールネット(12月16日付)は、ヒムス県タッルカラフ市での11月30日のシリア軍によるレバノン人イスラーム主義者要撃で殺害されたレバノン人の4人の遺体が新たにシリア当局からレバノン側に変換された。

パレスチナ人の動き

マフムード・アッバースPA大統領は声明を出し、ダマスカス県ヤルムーク区に対する空爆の「即時」停止を求めた。

**

ハマースのイスマーイール・ハニーヤPA内閣は声明を出し、ダマスカス県ヤルムーク区に対する空爆に関して、キャンプ住民を標的とした空爆を非難、攻撃の停止を求めた。

諸外国の動き

スペイン地政学研究所のバラー・ミハイル研究員は、アサド政権崩壊が間近だとの宣伝を強化した最近の欧米諸国の指導者やメディアの言動・報道に関して、「クーデタか軍事介入、ないしはシリアの反体制勢力への外国からの兵站支援の激増がなければ、シリアの政権は崩壊し得ない」と否定した。

AFP(12月16日付)が報じた。

**

イラン外務省は声明を出し、6項目からなるシリア危機解決案を発表しだ。

同解決案の骨子は以下の通り:

1. 国連監視下でのすべての暴力、武装活動の停止。
2. シリア国民への人道支援の配給。
3. 対シリア経済制裁の解除。
4. 新議会および制憲法議会の選挙実施を目的とした暫定政府樹立のための国民対話。
5. 大統領選挙後の政府、反体制武装勢力双方による政治犯の釈放。先導報道の停止。
6. 被害状況調査委員会の設置。復興。

AFP, December 16, 2012、al-Akhbar, December 16, 2012、Akhbar al-Sharq, December 16, 2012、‘Aks al-Sayr, December
16, 2012、al-Hayat, December 17, 2012, December 18, 2012、Kull-na Shuraka’, December 16, 2012、al-Kurdiya News, December 16, 2012、Naharnet, December 16, 2012、Reuters, December 16, 2012、SANA, December 16, 2012、UPI, December 16, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムアッリム外相が国連人道問題担当事務次長と面会し「欧米諸国の制裁を非難し、その解除を求める」よう伝えるなか、民主的変革諸勢力国民調整諸委員会は民主統一党を除名したとの一部報道を否定(2012年12月15日)

シリア政府の動き

国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長はシリアを訪問し、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣と会談した。

SANA(12月15日付)によると、会談でムアッリム大臣は、シリア国民の惨状は欧米諸国による経済制裁によるものだとしたうえで、「これらの国々の制裁を非難し、その解除を求める」よう伝えた。

SANA, December 15, 2012
SANA, December 15, 2012

一方、アモス副理事長は、ダマスカスの国連事務所がシリア政府との調整のもとに人道支援を継続すると伝えた、という。

**

『リワー』(12月15日付)は、政権を離反したとされるジハード・マクディスィー外務在外居住者省報道官のもとに、アサド大統領がアリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣を派遣したと報じた。

同報道によると、マクディスィー次官はベイルートに滞在している、という。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区で軍とパレスチナ人民兵が反体制武装勢力と交戦した。

またカダム区では、2度爆発があり、ヤルムーク区とバルザ区では砲撃があった。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バイト・サフム市、ムウダミーヤト・シャーム市を軍が空爆・砲撃した。

またダーライヤー市に軍の増援部隊が派遣された。

一方、SANA(12月15日付)によると、ズィヤービーヤ町、フジャイラ村、フサイニーヤ町などで、軍が反体制武装勢力を追撃、ダーライヤー市、ハラスター市などで特殊作戦を実施、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(12月15日付)によると、ムスリミーヤ村、アナダーン市、ズィルバ村、アアザーズ市、アレッポ市スッカリー地区、シャイフ・ルトフィー地区、マルジャ地区、ブスターン・バーシャー地区、ライラムーン地区などで軍が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

タウヒード旅団は、アレッポ市北部の士官学校攻撃に参加していた司令官の一人アブー・フラート(ユーズフ・ジャーディル大佐)が死亡した、と発表した。

アブー・フラートは離反前は機甲師団の司令官を務め、離反後アレッポ市サラーフッディーン地区、サイフ・ダウラ地区などでの破壊工作(解放作戦)に参加していた。

AFP(12月15日付)が報じた。

**

ハマー県では、SANA(12月15日付)によると、サラミーヤ市郊外で軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市が軍の空爆を受けた。

一方、SANA(12月15日付)によると、ラスタン市で、軍が反体制武装勢力に対する特殊作戦を実施し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

反体制武装勢力の動き

AFP(12月15日付)によると、アブドゥー・フサームッディーン元石油資源省次官が記者会見を開き、アンマンでシリア国家機関就労者自由国民連合なる組織の発足が宣言された。

フサームッディーン元石油資源省次官によると、同連合は、体制崩壊時に約150万人に達すると推計される公務員を保護することを目的とし、リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相を議長とし、本部をドーハに設置する、という。

発足会合では、元公務員約30人とシリア革命反体制勢力国民連立のメンバーが参加した、という。

**

民主的変革諸勢力国民調整諸委員会は声明を出し、ハイサム・マンナーア在外局長と民主統一党を除名したとの一部報道を否定した。

**

ヨルダンのサラフィー主義武装集団の指導者アビー・ムハンマド・タフターウィーは、ダマスカス県カフルスーサ区の内務省施設を狙った連続爆弾テロの実行犯の葬儀(ヨルダンのブクア・キャンプで実施)で、シャームの民のヌスラ戦線に、「進め。汝らはアッラーとともにある…。ヌスラ戦線はシャームを解放し、そこからテルアビブの中心部に進軍する」と述べ、イスラエルへの攻撃を呼びかけた。

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(12月15日付)は、シリア・クルド国民評議会を構成する4党がクルド民主政治連合を発足したと報じた。

シリア・クルド民主政治連合は、シリア・クルド民主党(アル・パールティ)アブドゥルハキーム・バッシャール派、シリア・クルド・イェキーティー党、シリア・クルド・アーザーディー党ムスタファー・ジュムア派、同ムスタファー・ウースー派からなる。

発足声明を発表したシリア・クルド・イェキーティー党のイスマーイール・ハンムーによると、連合の結成は、統一政党発足のための移行段階に過ぎない、という。

レバノンの動き

ナジーブ・ミーカーティー首相は、シリア司法当局によるとサアド・ハリーリー前首相とウカーブ・サクル国民議会議員への逮捕状発行に関して、「政治的であり法的に無効」だと述べた。

**

NNA(12月15日付)は、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方で、シリア領から迫撃・銃撃があり、住民が一時避難したと報じた。

パレスチナ人の動き

シリアの複数の反体制活動家とパレスチナ筋によると、PFLP-GCのアフマド・ジブリール書記長が息子とともにダマスカス県ヤルムーク区からタルトゥース市に避難した。

ロイター通信(12月15日付)が報じた。

諸外国の動き

イラン学生通信(12月15日付)は、イラン軍のハサン・フェイルーズ・アバーディー参謀長がNATOによるトルコへのパトリオット・ミサイル配備に関して、「世界大戦をもたらし得る」と批判した、と報じた。

**

NATOのジェームス・スタビリディス欧州軍最高司令官のは、「数日前、シリア領内で政府によりスカッド・ミサイルが反体制武装勢力を標的として発射され、数発がトルコ国境から非常に近い場所に着弾した。これは非常に懸念すべき事態だ」と述べた。

そのうえで「シリアは混沌とした危機的状況になる。しかし我々は、NATO加盟国国境の防衛を毅然と行わねばならない」と述べ、スカッド・ミサイルの着弾をパトリオット・ミサイル配備と結びつけようとした。

AFP, December 15, 2012、Akhbar al-Sharq, December 15, 2012、al-Hayat, December 16, 2012、Kull-na Shuraka’, December 15, 2012、al-Kurdiya News,
December 15, 2012、al-Liwa’, December 15, 2012、Naharnet, December 15, 2012、NNA, December 15, 2012、Reuters,
December 15, 2012、SANA, December 15, 2012、UPI, December 15, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアの友連絡グループ会合がシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の唯一の正統な代表」として承認するなか、自由シリア軍アレッポ軍事評議会議長は米国によるヌスラ戦線のテロ組織指定に遺憾の意を示す(2012年12月12日)

シリアの友連絡グループ会合

モロッコのマラケシュでシリアの友連絡グループ会合(第4回閣僚級会合)が開催され、130カ国が参加、議長総括でシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の唯一の正統な代表」と承認した。

al-Hayat, December 13, 2012
al-Hayat, December 13, 2012

閉幕時に発表された声明で、「参加者はシリア国民連立をシリア国民の正統な代表として承認する」と明言された。

**

会合では、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣が、シリア革命反体制勢力国民連立が統一指導部を結成することが「希望の光」になるとしたうえで、1億ドルを反体制勢力に支援すると発表した。

**

カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、アサド政権に関して「すでに終わっている」としたうえで、国際社会に対して停戦を科し、政権移譲を保障するよう求めた。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、「現在のキーポイントは(シリア革命反体制勢力国民連立が)さらなる支援を得ることだ」としつつ、「我々の支援は武器以外の人道支援に集中するだろう」と述べた。

そのうえでアサド政権に退陣を呼びかけた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、会合前に記者団に対して、「現時点で、我々は行動しないことを決めた」と述べ、反体制勢力への武器支援を行わない意思を示した。

また、米国によるシャームの民のヌスラ戦線のテロ組織指定に関しては、「ジハード主義者がこのメカニズム(シリアへの将来の武器禁輸緩和措置)に加わる余地はない。これに関して、ヌスラ戦線がテロ組織に指定された今、さらなる議論を行う必要がある」と述べた。

**

米国のウィリアム・バーンズ国務副長官は、4000万ドルの支援をシリア国民に対して行うと発表した。

ヒラリー・クリントン米国務長官は体調不良により会合を欠席した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、アラウィー派に対してアサド政権に対する市民的不服従を呼びかけた。

また、イランとヒズブッラーに対して、アサド政権への支持を止めるよう求めた。

一方、オバマ米大統領によるバラク・オバマ米大統領がシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の正統な代表だと考えることに決めた」と発言したことに謝意を示した。

しかし、ハティーブ議長は、シリアの友連絡グループ会合で、米国によるシャームの民のヌスラ戦線のテロ組織指定を再考するよう求め、シリア国内の「テロ」を支持する姿勢を示した。

ハティーブ議長は「一部の政党と、思想、政治的・イデオロギー的ビジョンの違いがあるが、反体制武装勢力の武装はシリアの体制を打倒することが目的であることは疑う余地がない」と述べた。

そのうえで「体制と戦う組織の一つをテロ組織とみなす決定は再検討の必要があり…、革命家の銃はすべて犯罪を犯す体制を打倒することを目的としている」と強調した。

反体制勢力の動き

自由シリア軍アレッポ軍事評議会議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐はAFP(12月12日付)に対して、米国によるシャームの民のヌスラ戦線のテロ組織指定に遺憾の意を示した。

アカイディー大佐は「この決定は残念だ。ヌスラ戦線は、非難されるべき何らの違法行為も、我々とともに戦う外国および外国勢力には行っていない」と述べ、自由シリア軍が「外国勢力」に依存している事実を明らかにした。

また「(米国は)シリア政府高官をテロ組織のリストに加えるべきだ」と付言した。

**

シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、米国によるシャームの民のヌスラ戦線のテロ組織指定を非難した。

声明で、シリア・ムスリム同胞団は、「一部の国がシリア国内で活動する革命勢力をテロ組織のカテゴリーに含めた暴挙を、性急で、誤った、非難されるべき措置だとみなす…。自由と人間の尊厳をめざす計画を支援することに矛盾している」と述べた。

また「テロ非難は国際社会の公式なコンセンサスがなされるべき」と述べ、米国の単独行動を非難した。

しかし、国連の承認を得ていないシリア革命反体制勢力国民連立が欧米諸国によって「シリア国民の正統な代表」として承認されることには何らの疑義も呈さなかった。

国内の暴力

ダマスカス県では、カフルスーサ区の内務省施設前で爆弾が連続して爆発し、民間人と内務省職員5人が死亡、23人が負傷した。

SANA, December 12, 2012
SANA, December 12, 2012
SANA, December 12, 2012
SANA, December 12, 2012
SANA, December 12, 2012
SANA, December 12, 2012

内務省が発表した声明によると、爆発は午後5時半頃に3回起き、最初の2回は時限爆弾、3回目は約200キロの爆発物が仕掛けられた車の爆発によるものだったという。

SANA(12月12日付)が報じた。

**

同じくダマスカス県では、SANA(12月12日付)によると、マッザ86地区で、反体制武装勢力がセルヴィスに仕掛けた爆弾が爆発し、子供1人と女性2人の合わせて3人が死亡、8人が負傷した。

**

同じくダマスカス県では、SANA(12月12日付)によると、カナワート区の裁判所裏で2大の車に仕掛けられた爆弾が連続して爆発し、1人が負傷した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(12月12日付)によると、ジャルマーナー市内で、即席爆弾2発が連続して爆発し、市民1人が死亡、4人が負傷した。SANA(12月12日付)が報じた。

またダーライヤー市、アクラバー村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を行い、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊、爆発物などを押収した。

20121212-200607.jpg

**

アレッポ県では、SANA(12月12日付)によると、軍がハンダラート・キャンプ、フライターン市、カブターン・ジャバル村、カフルダーイル村、サフィール市、タッル・ラッハール村、ダーラ・イッザ市、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、マサーキン・ハナーヌー地区、旧市街、ライラムーン地区などで反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷し、装備を破壊した。

またアレッポ市、ニール通りおよびカルアジー病院・スーク・マハッリー交差点を反体制武装勢力が迫撃砲で攻撃し、子供数名を含む市民9人が死亡、多数が負傷した。この攻撃を受け、治安部隊が展開し、武装勢力と交戦、追撃したという。

SANA(12月12日付)は、軍が市民の往来を妨害していた反体制武装勢力を殲滅したことで、アレッポ国際空港への高速道路が「通常通りの運用」を回復した、と報じた。

**

ハマー県では、シリア人権監視団が、11日晩にアクラブ町でアラウィー派住民が襲撃されたと発表した。

同監視団によると、「もっとも可能性が高いシナリオは、反体制武装勢力がアクラブ町に居住するアラウィー派の複数の家族に退去を求め、スンナ派の宗教関係者と退役軍人からなる代表がアラウィー派住民に退去するよう説得しに行った」のだという。

退去の理由は定かでない。

しかし交渉が行われているさなか、反体制武装勢力とアラウィー派住民が住む住居にいた武装集団が交戦、複数回の爆発が起き、9人が死亡、百人以上が負傷した、という。

犠牲者の内訳は、アラウィー派6人、反体制武装勢力戦闘員2人、スンナ派宗教関係者1人。

**

ヒムス県では、SANA(12月12日付)によると、ラスタン市、タルビーサ市、タッルドゥー市、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区などで、軍が反体制武装勢力の拠点などを攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(12月12日付)によると、サルジャ村、ハーン・スブル村、サラーキブ市などで軍が反体制武装勢力に対する特殊作戦を実施し、多数の戦闘員を殺害した。

またジスル・シュグール市郊外で軍が反体制武装勢力の拠点などを攻撃、ハーミディーヤ市、マアッラト・ヌウマーン市、アリーハー市で反体制武装勢力の追撃を行った。

レバノンの動き

サアド・ハリーリー前首相は声明を出し、「アサドは人道的・政治的倫理を欠いた獣だ」と罵倒、「暗殺やテロの計画に参加したかどでレバノンの法廷に出廷することなるだろう」と述べた。

しかしハリーリー前首相は2008年、父であるラフィーク・ハリーリー元首相暗殺にシリアが関与したとの主張を取り下げていた。

**

シリアのムハンマド・マルワーン・ルージー・ダマスカス第一検事長は、サアド・ハリーリー前首相、ウカーブ・サクル国民議会議員への逮捕状発行に関して、両名の身柄がシリア当局に引き渡されなければ、「国際法違反」だと述べた。SANA(12月12日付)が報じた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、バラク・オバマ米大統領がシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の正統な代表だと考えることに決めた」と発言したことに関して、「非常に驚いた…。米国がこの連立を武装化することでの勝利に賭けることを決めた、と我々は結論するに至っている」と非難した。

ラブロフ外務大臣はまた、オバマ米大統領の発言がジュネーブ会議での合意に反していると付言した。

**

ギリシャ外務省は声明を出し、アテネのシリア大使館に対して、シリア人外交官2人の退去を要請したと発表した。

同要請は11日に行われたという。

AFP, December 12, 2012、Akhbar al-Sharq, December 12, 2012, December 13, 2012、al-Hayat, December 13, 2012、Kull-na Shuraka’, December 12, 2012、al-Kurdiya News,
December 12, 2012、Naharnet, December 12, 2012、Reuters, December 12, 2012、SANA,
December 12, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国がヌスラ戦線を「テロ組織」に認定しつつシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の正統な代表」として承認、民主統一党も同連立との交渉に加わる意思を示す(2012年12月11日)

米国の動き

ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官は記者会見を開き、外国テロ組織(FTO)およびイラクのアル=カーイダに関する大統領令第13224号(2004年10月15日)を修正し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーを「イラクのアル=カーイダの新たな別称(new alias)」に加え、「テロ組織」に追加認定する、と発表した。

ヌーランド報道官によると、ヌスラ戦線は2011年11月以降、40件以上の自爆攻撃を含む約600件のテロ攻撃をシリア各地で行っている。

これらの攻撃において、ヌスラ戦線は自らを「合法的なシリアの反体制勢力」と位置づけようとしているが、実際にはイラクのアル=カーイダがシリア国民の闘争を「ハイジャック」しようと試みている、と指摘した。

また暴力的で宗派主義的なヌスラ戦線のヴィジョンは、大多数の反体制勢力を含むシリア国民の意思に反しており、アサド後のシリアにおいて、過激主義とテロのイデオロギーは居場所はないと断じ、すべての責任あるシリア人に、アル=カーイダをはじめとする過激派に対して声高に拒否の姿勢を示すよう呼びかけた。

なおアサド政権については、「国民に対する力の行使を選択したことで、アル=カーイダの暴力的な過激派を引き込む環境を作り出した」と非難、アサド後のシリアに向けた政治的転換が始まれば、シリア国民と中東にとって事態は好転するだろう、と述べた。

http://www.state.gov/r/pa/prs/ps/2012/12/201759.htm

**

『ハヤート』(2012月12月12日付)は、米高官の話として、シャームの民のヌスラ戦線の「テロ組織」認定は、「シリアの反体制武装勢力における過激でない勢力」の武装支援を促すだろう、と報じ、この動きがシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民に正統な代表と承認」する準備とみなした。

**

レオン・パネッタ米国務長官は、「この方面において敵対的な措置がとられていることを新たに示すものはない」と述べ、アサド政権が化学兵器使用を準備している動きが現在のところ見られないと述べた。

**

バラク・オバマ米大統領はABC(12月11日付)に対して、シリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の正統な代表として承認することを決定したと発言した。

バーバラ・ウォルターズとの対談でオバマ大統領は、「シリアの反体制派の連立は充分包括的で、シリア国民を十分反映・代表しており、彼らがアサド政権に反対するシリア国民の正統な代表だと考えることを決心した」と述べた。

またオバマ大統領は「承認が責任を伴うことは明らかだ…。彼らが自らを効果的に組織し、すべての組織の代表となり、女性やマイノリティの権利を尊重する政治的転換にコミットすると確かめたい」と付言した。

http://abcnews.go.com/Politics/OTUS/exclusive-president-obama-recognizes-syrian-opposition-group/story?id=17936599

**

ABC(12月11日付)は、オバマ政権高官が「大統領は将来の武器供与を決して排除していない」としつつ、「武器供与は政治的解決を促すかたちでなされねばならない」と述べ、米国がシリアの反体制勢力への武器供与に依然として慎重である、と報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のムスリミーヤ村にある砲兵学校周辺で、軍と反体制武装勢力の交戦が続いた。

同砲兵学校には約3000人の軍兵士が駐留しており、2週間前から反体制武装勢力が包囲しているが、制圧は「きわめて困難で、数千人の戦闘員を要する」という。

またアレッポ市内では、ブスターン・バーシャー地区で軍が攻撃を強めており、バーブ街道地区では市民7人が何者かに殺害された、という。

さらにシリア人権監視団は、声明を出し、アレッポ市郊外のシャイフ・スライマーン軍事基地を制圧したシャームの民のヌスラ戦線、ムハージリーン大隊、ムジャーヒディーン・シューラー評議会が、シャイフ・スライマーン地区の科学センター・貯蔵庫の制圧を完了した、と発表した。

制圧に際して、激しい戦闘が起き、軍の兵士35人が殺害され、64人が負傷、40~50人の兵士が逃走という。

一方、SANA(12月11日付)によると、軍がアレッポ国際空港に至る高速道路の各所で掃討作戦を行い、空港への往来を阻止していた反体制武装勢力戦闘員数十人を殲滅した。

またアレッポ市ブスターン・バーシャー地区、シャッアール地区、タッル・ザラーズィール地区、ブアイディーン地区、ライラムーン地区、ムスリミーヤ村、ファーフィーン村、バーブニス村、バーブ・ダイル・ハーフィル街道、タッル・リフアト・ファーフィーン交差点などで、軍が反体制武装勢力と交戦、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備・拠点を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市周辺、ハラスター市などで軍と反体制武装勢力が激しく交戦し、反体制武装勢力の戦闘員30人が殺害された。

一方、SANA(12月11日付)によると、アクラバー村、ズィヤービーヤ町、シャブアー町、ダーライヤー市で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の追撃を続け、リビア人戦闘員など多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム市で爆弾が爆発し、複数の市民が負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ハトラ村での砲撃で子供を含む市民7人が死亡した。

一方、SANA(12月11日付)によると、ダイル・ザウル市各所、ハトラ村などで、軍が「ムスタファー大隊」、「カーディスィーヤ大隊」を名乗る武装集団と交戦、多数の戦闘員を殺傷した。

SANA(12月11日付)によると、ダイル・ザウル市各所、ハトラ村などで、軍が「ムスタファー大隊」、「カーディスィーヤ大隊」を名乗る武装集団と交戦、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、SANA(12月11日付)によると、ヒムス市ワルシャ地区、タルビーサ市などで、軍が反体制武装勢力と交戦、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

SANA, December 11, 2012
SANA, December 11, 2012

シリア国内(アサド政権)の動き

アレッポ県では、SANA(12月11日付)によると、アレッポ市マアーディー地区で市民数百人が「武装テロ集団」の退去を求めるデモを行った。

**

アサド大統領は、ダマスカス県およびダマスカス郊外県のモスク、高等学校、宗教学校で宗教教育を行う女性教師と面談した。

面談には、ムハンマド・アブドゥルサッタール・サイイド宗教関係大臣が同席した。

会談において、アサド大統領は、健全なイスラーム的教育指導の必要を強調する一方で、アラブ性(ウルーバ)とイスラーム教がシリア社会の主柱として不可分の関係にあると語った。

SANA(12月11日付)が報じた。

**

『ワタン』(12月11日付)は、シリア公式筋の話として、政権を離反し、国外に逃走したとされるジハード・マクディスィー外務在外居住者省報道官に関して、同省が「3ヶ月の長期休暇の取得に同意し、公的な枠組みのもと国を離れている」と報じ、離反が「噂」に過ぎないと付言した。

**

クッルナー・シュラカー(12月11日付)は、シリア外務在外居住者省筋の話として、シリア政府に敵対的な複数の国の大使館の閉鎖を同省が求めていると報じた。

反体制勢力の動き

トルコのハタイ県アンタキア市で発足した自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長(准将)は、シャームの民のヌスラ戦線が「過激主義とは無縁で、アサドの悪党から祖国を護ろうとしている」と支持し、米国務省が同組織を国際テロ組織に指定したことを非難した。

また「西側がヌスラ戦線の若者と語らえば、考えていたのは逆だったと分かるだろう。あご髭をたくわえている者すべてがテロリストではない」と付言した。

**

クッルナー・シュラカー(12月11日付)はフェイスブックからの情報として、ダマスカス宣言事務局のジャブル・シューフィー(シリア国民評議会事務局メンバー)が、シリア革命反体制勢力国民連立が発足をめざしている暫定政府に関して、「暫定政府を発足すれば血塗られた体制が終わり、凍結された資産が返還される…と思っている人々」に「我々は彼ら(欧米諸国など)の約束を信用しない」と述べ、拒否の姿勢を示したと報じた。

**

クッルナー・シュラカー(12月11日付)はフェイスブックからの情報として、民主的変革諸勢力国民調整委員会のムンズィル・ハッダームが、ロシアと米国が2014年のシリアの大統領選挙までに、著名な反体制勢力指導者を首班とする挙国一致内閣を発足するかたちで事態の収拾をめざすことで合意したとの情報を得たと綴った、と報じた。

クルド民族主義勢力の動き

クルド最高委員会のムスタファー・ウースー(シリア・クルド・アーザーディー党書記長)はクルディーヤ・ニュース(12月11日付)に、シリア・クルド国民評議会の執行委員会が、モロッコ(マラケシュ)で12日に開催されるシリアの友連絡グループ会合に派遣する使節団の設置と、クルド人の権利の憲法での名文保障の承認のためシリア革命反体制勢力国民連立との交渉を行うことを決定した、と述べた。

また民主統一党に関しては、シリア・クルド国民評議会とシリア革命反体制勢力国民連立の交渉を承知し、同党自身も参加を検討していると述べた。

そのうえで、シリア・クルド国民評議会がシリア革命反体制勢力国民連立に正式に参加する場合、評議会ではなく、クルド最高会議として参加することになるだろう、と付言した。

**

西クルディスタン人民議会のイーサー・ハンムー(クルド最高委員会メンバー)はクルディーヤ・ニュース(12月11日付)に対して、シリア革命反体制勢力国民連立との交渉を行う「使節団は、シリア・クルド国民評議会と西クルディスタン人民議会を代表し、クルド人の名のもとに交渉を行うだろう」と述べた。

また「連立に対して、シリア・クルド国民評議会ではなく、クルド最高会議の名でクルド人全体を代表することを条件として求めるだろう。連立がこれに同意しない場合、我々は連立には参加しない。これが評議会と人民議会の立場であり、ホリール(アルビール)で合意したことだ」と付言した。

レバノンの動き

MTV(12月11日付)は、シリアの司法当局がサアド・ハリーリー前首相、ウカーブ・サクル国民議会議員、シリア人活動家のルワイユ・ミクダード(自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官)に対して、テロ支援容疑で逮捕状を発行した、と報じた。

**

ウカーブ・サクル国民議会議員は、シリア当局による逮捕状の発行に関して、「光栄」だと述べた。

**

北部県トリポリ市ジャバル・ムフスィン地区を地盤とするアラブ民主党のリフアト・イード党首は記者会見を開き、同地区とバーブ・タッバーナ地区の最近の衝突に自由シリア軍が関与している、と非難した。

また「ムスタクバル潮流がトリポリ住民をせき立て、ジャバル・ムフスィン地区を攻撃させている」としたうえで、「ムスタクバル潮流は市内の戦闘員をコントロールできていない。彼らは自由シリア軍にコントロールされている」と指摘した。

**

ムスタクバル潮流は定例会合後に声明を出し、「アサド政権は、(タッル・カラフでシリア軍が殺害したレバノン人イスラーム主義戦闘員の)遺体を引き渡し、この問題をめぐってトリポリの人々を戦わせるように仕向けた」と非難した。

諸外国の動き

UNCHRは声明を出し、国外に避難したシリア人の数が509,559人に達している、と発表した。

このうち難民登録を行った(ないしは申請中の)シリア人は425,160人。

避難先別の避難民数の内訳は、レバノン154,387人、ヨルダン142,664人、トルコ136,319人、イラク65,449人、北アフリカ各国11,740人。

またこれ以外に難民として登録されていないシリア人がヨルダンで10万人程度、トルコ、エジプトでそれぞれ70,000人程度、レバノンに数万人いると推計されるという。

**

フランスのジャン・イブ・ルドリアン国防大臣は、アサド政権による化学兵器使用の可能性に関して、「フランスや米国はそれが貯蔵されている場所、そして現在のところ使用されていないということを知っている」と述べた。

またシリアへの軍事介入の是非に関して、「現在、この問題は提起されていない。化学兵器の使用はまだ確認されていない…。アサドが化学兵器を使用したら、それはレッド・ラインを越えることになり、我々は同盟国との合意される措置を講じるだろう」と付言した。

**

ロシアの経済紙『コメルサント』(12月11日付)は、匿名筋の話として、ロシアがアサド大統領の退陣を迫ろうとする米国の圧力を拒否している、と報じた。

**

AFP(12月11日付)は、エクアドルのラファエル・コレア大統領が、「エクアドルに亡命を求めるいかなる者の申請に対しても、我々はそれを検討する」と述べ、アサド大統領が亡命を求めれば検討することを暗示したと報じた。

ABC, December 11, 2012、AFP, December 11, 2012、Akhbar al-Sharq, December 11, 2012、al-Hayat, December 12, 2012、Kull-na Shuraka’, December 11, 2012、al-Kurdiya News,
December 11, 2012、MTV, December 11, 2012、Naharnet, December 12, 2012、Reuters,
December 11, 2012、SANA, December 11, 2012、al-Watan, December 12, 2012、Zaman al-Wasl, December 11, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権監視団代表がヌスラ戦線によるシャイフ・スライマーン軍事基地の制圧を「質的な進展」と評価、シリア・クルド国民評議会がクルド人の権利を憲法に名文規定することを条件にシリア革命反体制勢力国民連立に参加することを決定(2012年12月10日)

反体制勢力の動き

トルコの『ユルト』(12月10日付)は、CHP議員の話として、さまざまな国籍を持つアル=カーイダのメンバー約200人がトルコのハタイ県アンタキヤ市からトルコ人2人の手引きでシリア領内に潜入した、と報じた。

同報道によると、外国人戦闘員は、トルコ航空の旅客機に載って、アンタキヤ空港に着陸し、入国手続きを経ないまま、15台のマイクロバスに分乗して、対シリア国境地帯に搬送された、という。

**

シリア人権監視団ラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、アレッポ県シャイフ・スライマーン軍事基地の制圧に関して、「シャームの民のヌスラ戦線および同組織と関係がある集団が達成した」としたうえで、戦果を「質的な進展」と評価した。

またアブドゥッラフマーン代表はシャームの民のヌスラ戦線が「アレッポ北部で最強の武装集団だが、すべての場所でそうであるわけでない」と述べた。

**

シャイフ・スライマーン軍事基地(第111中隊)の制圧に関連して、ユーチューブでは、「ムハージリーン大隊」、「ダーラ・イッザ自由人旅団」などを名乗るサラフィー主義者の武装集団が、基地を解放したことを発表した。

**

アクス・サイル(12月10日付)は、アレッポ県のマンナグ航空基地に駐留していた軍兵士約50人が離反し、「北の嵐旅団」など反体制武装勢力側についた、と報じた。

離反者のなかにはアミーン・アミーン空軍大佐も含まれていたという。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ルクンッディーン区、サーリヒーヤ区で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

戦闘は、軍・治安部隊が同地域の複数の建物を包囲したのを受け発生したという。

一方、SANA(12月10日付)によると、ルクンッディーン区で、反体制武装勢力が車に爆弾を仕掛け爆破した。爆弾を仕掛けられた車は、国民和解委員会メンバーのラーミズ・サアディーが運転していた。

またシャイフ・ムフイーッディーン地区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃、戦闘員を殲滅した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ハラスター市、アルバイン市に対して軍が空爆を行った。

またドゥーマー市、アルバイン市、スバイナ町、ハラスター市、ムウダミーヤト・シャーム市、サクバー市、ズィヤービーヤ町、ダイル・アサーフィール市、ニシャービーヤ市、ハッザ町、ダーライヤー市、バービッラー市、ランクース市でも戦闘があったという。

一方、SANA(12月10日付)によると、ズィヤービーヤ町、ヤルダー市、ドゥーマー市などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、外国人戦闘員など多数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、『ハヤート』(12月11日付)によると、サラミーヤ市・ラッカ市街道沿いのイスリヤー村でシャームの民のヌスラ戦線と「サラーキブおよび郊外革命家戦線大隊」が軍の検問所を襲撃し、兵士9人を殺害し、20人を捕捉した。

**

ヒムス県では、SANA(12月10日付)によると、クサイル市、ラスタン市、ヒムス市バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、スルターニーヤ地区、ジャウバル区などで軍が反体制武装勢力と交戦、複数の戦闘員を殺傷した。

**

アレッポ県では、SANA(12月10日付)によると、サフィール市、アナダーン市、タッル・シュガイブ村、ファーフィーン村、バービンス市、ムスリミーヤ村、アレッポ市ザバディーヤ地区、カーディー・アスカル地区、シャッアール地区などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またアレッポ市ブスターン・バーシャー地区では、反体制勢力手製のロケット弾が誤爆し、5人が死亡した。

**

イドリブ県では、SANA(12月10日付)によると、ジャーヌーディーヤ町、ハーッス村、ヒーシュ村、などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(12月10日付)によると、サルマー町に対して軍・治安部隊が特殊作戦を行い、複数の反体制武装勢力戦闘員を殲滅した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(12月10日付)によると、ダイル・ザウル市ムワッザフィーン地区、ジュバイラ地区、ハミーディーヤ地区、ハウィーカ地区で軍が反体制武装勢力と交戦、シャームの民のヌスラ戦線メンバー(サウジ人など)を殲滅した。

**

ダルアー県では、SANA(12月10日付)によると、ダーイル町で反体制武装勢力が仕掛けようとしていた爆弾が爆発し、約25人の戦闘員が死亡した。

クルド民族主義勢力の動き

シリア・クルド国民評議会の執行委員会は9、10日の2日にわたってハサカ県カーミシュリー市で会合を開き、クルド人の権利を憲法に名文規定することを条件にシリア革命反体制勢力国民連立に参加することを決定した。

そしてそのための交渉を行うべく、モロッコ(マラケシュ)で12日に開催されるシリアの友連絡グループ会合に合わせて使節団を設置・派遣することに合意した。

またこのほか以下の4点を承認した。

1. シリア・クルド民主党(アル・パールティ)アルージー派を名乗る2派の加盟資格凍結。
2. シリア・クルド・イェキーティー党、シリア・クルド・アーザーディー党、シリア・クルド民主党アル・パールティなどによるクルド民主政治連合結成を歓迎。
3. シリア・クルド・アーザーディー党、クルド青年調整連合の加盟資格の即時凍結。
4. シリア・クルド国民評議会議長選挙の延期。西クルディスタン人民議会との協力関係とクルド最高委員会の活性化に関する審議の延期。

**

シリア・クルド国民評議会の執行委員会のタラール・ムハンマドは、クッルナー・シュラカー(12月10日付)に対して、モロッコ(マラケシュ)で12日に開催されるシリアの友連絡グループ会合に評議会使節団を派遣するとともに、クルド人の権利を憲法に明文規定することへの承認を条件に評議会がシリア革命反体制勢力連立に参加する、と述べた。

シリア・クルド国民評議会の使節団は、イスマーイール・ハムユ(シリア・クルド・イェキーティー党書記長)、アブドゥルハキーム・バッシャール(シリア・クルド民主党(アル・パールティ)書記長)、ムスタファー・ウースー(シリア・クルド・アーザーディー党書記長)、アブドゥルハミード・ダルウィーシュ(シリア・クルド進歩民主党書記長)、ファイサル・ユースフ(シリア・クルド改革運動書記長)、タラール・ムハンマド(シリア・クルド民主合意書記長)などからなる、という。

またシリア革命反体制勢力国民連立が発足をめざす移行期間に関して、ムハンマドは「連立がシリア・クルド国民評議会の要求を受け止めたら」参加するだろう、と述べた。

一方、民主統一党のシリア革命反体制勢力国民連立への参加について、ムハンマドは、「クルド最高委員会が連立に参加することに西クルディスタン人民議会の代表からの異議はなかった」と述べた。

そのほか国内の動き

12月5日にベイルートで死去したギリシャ正教アンタキア総主教区のイグナティオス4世ハズィムの葬儀がダマスカス県で執り行われた。

SANA, December 10, 2012
SANA, December 10, 2012

レバノンの動き

北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で数日にわたって続いた住民どうしの武力衝突は、軍の展開により沈静化した。

**

レバノンの中東航空は声明を出し、シリア領空で同社の旅客機2機が地対空ミサイルの標的となったとの一部情報を否定した。

諸外国の動き

EU外相会議がブリュッセルで開かれ、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長が出席した。

ハティーブ議長は外相会議で、EUに対して紛争被害者への人道支援を3000万ユーロに引き上げるよう求めた。

**

ドイツ外務省は、ベルリンのシリア大使館職員4人を国外追放処分としたと発表した。

これに関して、ギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は「アサド政権との関係を最低限まで軽減したいという我々の意思を明確に示す」と述べた。

また「シリア革命反体制勢力国民連立の強化に賭け…、行動力のある移行期間の早急な設置が可能になる」ことを望むと付言した。

**

『ハヤート』(12月11日付)は、外交筋の話として、トルコに配備されるNATOのパトリオット・ミサイルは、自衛目的であることをロシアに示すため、対シリア国境から10キロ以上離れた地域に配備される、と報じた。

**

ロシア外務省は声明を出し、ジュネーブでの米露高官とアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の会談(9日)に関して、「シリア政府の改革に関して必要な決定は、シリア人自身が行わねばならず、外国の介入、解決策の押しつけがあってはならない」との姿勢を示したことを明らかにした。

**

ヒラリー・クリントン米国務長官は、12日にモロッコ(マラケシュ)で開催予定のシリアの友連絡グループ会合への参加を「健康上の理由で」1日遅らせる、と報道官を通じて発表した。

**

デンマーク外務省は、シリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の正統な代表として承認する」と発表した。

外務省の声明によると、「短期間で具体的な成果を実現した」のがその理由。

しかしシリア革命反体制勢力連立による暫定政府の発足は当初の予定より大幅に遅れているほか、国内の反体制勢力の多くが参加を見送っている。

AFP, December 10, 2012、Akhbar al-Sharq, December 10, 2012、‘Aks al-Sayr, December 10, 2012、al-Hayat, December 11, 2012、Kull-na Shuraka’, December 10, 2012, December 11, 2012、al-Kurdiya
News, December 10, 2012、Naharnet, December 10, 2012, December 11, 2012、Reuters,
December 10, 2012、SANA, December 10, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県でサラフィー主義者の外国人武装集団がシャイフ・スライマーン軍事基地内に侵入し司令部を制圧する一方、ハサカ県ではシリア・クルド国民評議会がシリア革命反体制勢力国民連立への参加の是非を協議(2012年12月9日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団の声明によると、サラフィー主義者の外国人武装集団が、数週間にわたって反体制武装勢力によって包囲されていたシャイフ・スライマーン軍事基地内に進入、司令部などを制圧した。

SANA, December 9, 2012
SANA, December 9, 2012

同監視団は、イスラーム主義の複数の武装集団が「アレッポ市西部のシャイフ・スライマーン地方の第111大隊の3連隊および司令部を制圧した」と発表した。

戦闘により、反体制武装勢力の戦闘員2人と軍兵士1人が死亡、反体制武装勢力は兵士5人を捕捉した。

捕捉された兵士によると、同基地と近くの科学研究センターに駐留していた約140人の兵士がこの戦闘のさなかに逃走した、という。

AFP(12月9日付)は、制圧されたシャイフ・スライマーン軍事基地内の施設の一つに、サラフィー主義者の外国人武装集団の「黒い旗」が掲げられており、同集団はウズベク人が指導、アラブ人やチェチェン人から攻勢されていると報じた。

自由シリア軍の司令官の一人はAFP(12月9日付)に対して、「土曜日(8日)晩から、我々が基地に展開することのないまま、イスラーム主義者たちが(シャイフ・スライマーン軍事基地を)攻撃した」と述べ、同基地の制圧が自由シリア軍の戦果でないことを明らかにした。

一方、SANA(12月9日付)によると、ダーラ・イッザ市、カブターン・ジャバル村、ハンダラート・キャンプ、ムスリミーヤ村、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力への特殊作戦を実施、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、バイト・サフム市、アイン・タルマー村で軍と反体制武装勢力が交戦し、同地区が砲撃を受けた。

一方、SANA(12月9日付)によると、フジャイル市、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線メンバーの追撃を続け、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区で軍と反体制武装勢力が交戦し、同地区が砲撃を受けた。

一方、SANA(12月9日付)によると、ファハーマ地区で反体制武装勢力が車に爆弾を仕掛け爆破させ、1人が負傷した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイイフ軍事基地近くで軍と反体制武装勢力の戦闘が続いた。

一方、SANA(12月9日付)によると、アリーハー市郊外、サラーキブ市、ヤアクービーヤ村などで軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がヒムス市旧市街を空爆した。

一方、SANA(12月9日付)によると、ヒムス市ワルシャ地区で軍が「ファールーク大隊」の拠点を攻撃し、6人のテロリストを殺害した。

またハイダリーヤ村などのクサイル市郊外でも軍が反体制武装勢力を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら多数の戦闘員を殺傷した。

このほか、反体制武装勢力はヒムス市南部のアルメニア地区を砲撃し、市民4人が死亡した。

**

ハサカ県ハサカ市・ラアス・アイン市間のアーリヤ交差点の自由シリア軍検問所で、ラアス・アイン市で窃盗・暴行を行った使徒末裔大隊の戦闘員らを自由シリア軍が逮捕した。クッルナー・シュラカー(12月9日付)が報じた。

アサド政権の動き

ヌマイル・ガーニム在アルジェリア・シリア大使は、政権を離反したとするアラブ諸国のメディアやツイッターなどの報道に関して、AFP(12月10日付)を通じて、「完全な誤報」と否定した。

**

サワサナ(12月9日付)は、ジャズィーラのキャスターを去年辞職したルーナー・シブル女史がジハード・マクディスィーの後任として、外務在外居住者省の報道官に就任した、と報じた。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(12月9日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立がカイロで暫定政府の閣僚に関する人選のための協議を行ったが、12日のモロッコ(マラケシュ)でのシリアの友連絡グループ会合後に閣僚人事発表を延期することで合意した、と報じた。

**

クッルナー・シュラカー(12月9日付)は、アラブ社会主義民主党の執行委員会が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立への参加を表明した。

同党の党首(書記長)で民主的変革諸勢力国民調整員会代表のハサン・アブドゥルアズィームがこの参加を了承済みかどうかは不明。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(12月9日付)によると、離反士官のムハンマド・ハリール・アリー准将が、自由シリア軍の傘下にシリア・クルド合同軍事評議会(8人から構成)を設置したと発表した。

**

クルディーヤ・ニュース(12月10日付)は、シリア・クルド国民評議会がハサカ県カーミシュリー市で執行委員会会合を開き、シリア革命反体制勢力国民連立への参加の是非を協議した。

会合は10日まで行われる見込みで、クルド人の権利を憲法で名文保障するとの要求が保障されることを条件として、シリア革命反体制勢力国民連立への参加を決定するものと思われる。

この点に関して、シリア革命反体制勢力国民連立は、カイロで近く開催予定の会合で審議する予定だという。

またこれと合わせて、シリア・クルド国民評議会は、12日のモロッコ(マラケシュ)で開催されるシリアの友連絡グループへの派遣団の派遣を決定する模様。

なおクッルナー・シュラカー(12月10日付)によると、シリア・クルド進歩民主党、シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)が連立への参加に依然消極的だという。

レバノンの動き

住民どうしの衝突が続く北部県トリポリ市ジャバル・ムフスィン地区、バーブ・タッバーナ地区で、再び激しい戦闘が起こり、AFP(12月9日付)によると、市民6人が死亡、40人が負傷した。

**

ヒムス市タッルカラフ市郊外でシリア軍の要撃で殺害されたレバノン人イスラーム主義戦闘員のうち3人の遺体がシリア当局からレバノン当局に引き渡され、レバノン国内に搬送された。

諸外国の動き

『サンデイ・タイムズ』(12月9日付)は、米国はシリアの反体制武装勢力に武器を供与するための極秘作戦を開始した、と報じた。

同報道によると、米国はリビアのムアンマル・カッザーフィー前政権が保有していた迫撃砲、ロケット弾、地対空ミサイルSAM7などを購入し、中東地域における同盟国を通じて供与の準備を進めている、という。

**

カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は自身が議長を務めるアラブ連盟シリア問題閣僚委員会で、「この問題に対して国連安保理が現下の対応を続けることは受け入れられない」と述べた。

また「政権交代せねばならず…、彼(アサド大統領)とその政府は事態が明白で、結果が明白であることを知らねばならない」と干渉した。

シリア国内の反体制武装勢力を支援するハマド首相は「シリア人への早急な人道支援」が必要だと付言した。

一方、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、反体制勢力に関して「適切な時期に体制にとって代わるオルターナティブとなることは可能だ」としたうえで、「事態がダマスカスにまで至っているこの正念場において反体制勢力を糾合させる」よう、反体制勢力と関係のある国々に求めかけた。

そのうえでアサド大統領に「政権移譲プロセスを促すため」辞任するよう改めて求めた

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブでウィリアム・バーンズ米国務副長官、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣と会談した。

会談後の記者会見で、ブラーヒーミー共同特別代表は、シリア危機の政治的解決が「依然として可能」との認識で一致したと述べた。

**

クルディーヤ・ニュース(12月9日付)は、米国(ロバート・フォード米大使)、フランス、イタリア、オランダがシリア・クルド国民評議会に対して、シリア革命反体制勢力国民連立への参加を求めるため、アブドゥルハキーム・バッシャール議長(在イラク)と連絡を頻繁にとっている、と報じた。

**

イスラエルのモシェ・ヤアロン副首相は、ラジオ・イスラエルでアサド政権による化学兵器使用の可能性に関して、「自衛の用意はできているが…、現時点でこれらの兵器が我々に向けられる兆候はない」と述べた。

**

ミハイル・オレン駐米イスラエル大使は、フォックス・ニュース(12月9日付)で、アサド政権による化学兵器使用の可能性に関して、「それらの武器が悪の手、例えばヒズブッラーの手に渡れば、それは我々にとって形成を一変させるもの(game-changer)となるだろう」と述べた。

またオレン大使は「我々は悪の手に渡る化学兵器に関して明確なレッドラインがある。70000発のロケット弾を持つヒズブッラーの手に化学兵器が渡ったらどうなるか想像できるか?」と付言した。

**

駐シリア・ルーマニア大使がシリア国内の「治安情勢の悪化」を受け、ベイルートに退避、またルーマニア国民にシリア国外への退去を勧告した。

AFP, December 9, 2012、Akhbar al-Sharq, December 9, 2012、al-Hayat, December 10, 2012、Kull-na Shuraka’, December 9, 2012, December 10, 2012、al-Kurdiya
News, December 9, 2012, December 10, 2012、Naharnet, December 9, 2012, December
10, 2012、Reuters, December 9, 2012、SANA, December 9, 2012、al-Sawasana.com,
December 9, 2012、The Sunday Times, December 9, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国務長官、露外相、ブラーヒーミー共同特別代表がダブリンで一堂に会してシリア情勢について協議するも、「興味深い決定」はなされず(2012年12月6日)

国内の動き

クッルナー・シュラカー(12月6日付)によると、ハサカ県ダルバースィーヤ市とラアス・アイン市の社会・政治団体の代表者がラアス・アイン市内に駐留する自由シリア軍司令部と会談、同市からの退去を求めた。

Champress, December 6, 2012
Champress, December 6, 2012

**

ファイサル・ミクダード外務在外居住副大臣は、マナール・チャンネル(12月6日付)に出演し、アサド政権による化学兵器使用の可能性に関する欧米諸国の首脳らの発言に関して、「演劇じみた態度だ…。我々は、化学兵器があったとしても、シリア国民には使用されないし、国内で無責任なことはできないと言ってきた…。軍事介入を正当化するためにシリアが化学兵器を使用すると主張しているだけだ。こうした陰謀はワシントンと安っぽいその道具たちが行っているだけだ」と述べた。

またNATOによるトルコへのパトリオット・ミサイル配備については、「破産的措置」と非難した。

**

クッルナー・シュラカー(12月6日付)は、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官の娘婿で軍事情報局のタマーム・サーリフ大佐の兄弟のムサンナー・サーリフが、ダマーローズ・ホテル(旧ダマスカス・メリディアン)社長を自ら辞し、米フロリダに去った、と報じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、AFP(12月6日付)が、アブー・キナーンを名乗るダーライヤー市住民の話として、軍が「ゆっくりと(ダーライヤー市への)進軍」し、市内東部に駐留する一方、反体制武装勢力も「複数地点に駐留し…同市の約70%を占拠している」と報じた。

シリア人権監視団によると、東グータ地方とドゥーマー市での軍との戦闘で、反体制武装勢力の戦闘員6人が死亡した。

また戦闘はアルバイン市、サクバー市の周辺でも発生した。

同監視団によると、ザマルカー町、アクラバー村、バイト・サフム市、フジャイラ村、ブワイダ市、ドゥーマー市、ハラスター市、アルバイン市、ジスリーン町、ジュダイダ・アルトゥース市で軍が砲撃・空爆を行った。

一方、SANA(12月6日付)によると、ダーライヤー市、ズィヤービーヤ町、サクバー市、ザマルカー町、では、軍がシャームの民のヌスラ戦線を追撃し、多数のテロリストを殲滅した。

高官筋によると、「ダーライヤー市でのテロリスト浄化発表は近い」という。

**

ダマスカス県では、シリア・アラブ・テレビ(12月6日付)などによると、カジャージュ・ダルアー近くのシリア赤新月社本部前で爆弾が仕掛けられた車が爆発、同本部の一部が損傷した。

またSANA(12月6日付)によると、マッザ区(マッザ86地区)で反体制武装勢力が車に爆弾を仕掛けて爆発させ、市民1人を殺害した。

**

アレッポ県では、SANA(12月6日付)によると、ムスリミーヤ村、ハンダラート・キャンプ、アナダーン市、ダーラ・イッザ市、タッル・シュガイブ村、アブティーン村、アレッポ市ナイラブ地区各所などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、多数の戦闘員を殲滅した。

またシリア・アラブ・テレビ(12月6日付)は、シャームの民のヌスラ戦線がサフィール市から1キロの距離にあるガソリン・スタンドを制圧したとの情報を否定した。

一方、シリア人権監視団は、「3日前からマンナグ航空基地近く」で軍と反体制武装勢力が激しく交戦したと発表した。

**

ヒムス県では、SANA(12月6日付)によると、ヒムス市バーブ・トゥルクマーン地区、アイスーン村などで軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殲滅した。

**

クッルナー・シュラカー(12月6日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市で5日夜から民主統一党人民防衛隊(YPG)と自由シリア軍が交戦している、と報じた。

レバノンの動き

シリアの反体制勢力に武器供与していることを暴露されたウカーブ・サクル国民議会議員(ムスタクバル潮流)は、トルコのイスタンブールで記者会見を開き、そのなかで「我々はシリアの子供たちにミルクを配っている」と弁明した。

またシリアの反体制勢力と武器取引を行っているやりとりを録音した肉声テープを暴露したOTVや『アフバール』について、「馬鹿」、「シャッビーハ」だと批判した。

**

北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区での住民どうしの衝突が続き、4日以降の死者数は11人に達した。

**

『ナハール』(12月6日付)は、ヒムス県タッル・カラフ市での11月30日のシリア軍によるレバノン人イスラーム主義者要撃で生き残ったレバノン人戦闘員が、レバノン当局に引き渡されず、シリアの法廷で裁判を受けることになるだろう、と報じた。

諸外国の動き

ドイツ政府はNATO外相会議の決定を受け、トルコの対シリア国境へのパトリオット・ミサイル配備に合意した。

パトリオット・ミサイル配備とともに、ドイツ軍兵士約400人も対シリア国境地帯に展開する、という。

**

アイルランドの首都ダブリンで、ヒラリー・クリントン米国務長官、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が会談し、シリア情勢について協議した。

この三者会談に先だって、クリントン国務長官とラブロフ外務大臣が二者会談を行い、ブラーヒーミー共同特別代表の役割について協議した。

三者会談後、ブラーヒーミー共同特別代表は、「興味深い決定は下さなかった…。我々は事態が悪いという点で合意した。また我々はともに行動し、この問題をどのように掌握することができるかを検討しなければならない点でも合意した」と述べた。

**

国連の潘基文事務総長は、バグダードでヌーリー・マーリキー首相と共同記者会見を行い、そのなかで「化学兵器を使用すれば、使用した者は四方において追及されるだろう…。私はシリア政府に懸念を表明した…。(化学兵器の使用は)国民に深刻な影響をもたらすだろう」と述べた。

**

レオン・パネッタ米国務長官は、アサド政権が化学兵器の使用を検討していることを示す情報を得た、と述べた。

しかしこの情報がどのようなものかは具体的に述べなかった。

**

NBC(12月6日付)は、「複数の米国高官」の話として、シリア軍がサリン・ガスを発生する化学物質を充填した爆弾を増産し、アサド大統領による投下命令を待っている状態だと報じた。

しかしその真偽は定かでない。

**

英国外務省高官は、来週にシリアに対する武器禁輸措置の見直しを行い、シリアの反体制勢力への「物的支援」の強化をめざす、と述べた。ロイター通信(12月6日付)が報じた。

アサド政権への武装闘争がシャームの民のヌスラ戦線によって支援されている現状において、「反体制勢力」への武器供与はテロ支援を行うに等しい。

**

統一ロシアのウラジーミル・ヴァシリエフ党首(下院議会議長)は、英国議会使節団と会談し、「我々は、シリアの現政府が自らの仕事を実行すべきだという意見において合意したし、合意している。しかし現在、この任務はシリア政府の能力を越えてしまっている」と述べた。

AFP, December 6, 2012、Akhbar al-Sharq, December 6, 2012、Champress, December 6, 2012、al-Hayat, December 7, 2012、Kull-na Shuraka’, December 6, 2012、al-Kurdiya News, December 6, 2012、al-Nahar, December 6, 2012、Naharnet, December 6, 2012、Reuters, December 6, 2012、SANA, December 6, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド政権が「決戦」としてのダマスカス防衛に「80,000人」の兵士を動員するなか、米国務長官がシリア政府による化学兵器の使用が「レッド・ライン」だと改めて強調(2012年12月5日)

国内の暴力

『ハヤート』(12月6日付)は、複数の反体制消息筋の話として、アサド政権がダマスカスの防衛を「決戦」とみなし、80,000人の兵士を動員している、と報じた。

シリア軍筋によると、ダマスカス県の幅約8キロにわたる「防衛ライン」の確保をめざしている。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バイト・サフム市、ムライハ市、ザバダイン市などに対して軍が空爆を行った。

またこれらの都市およびアクラバー航空基地周辺で、軍と反体制武装勢力が激しく交戦した。

さらにダーライヤー市、ザバダーニー市に対しても軍の空爆、砲撃は及んだという。

一方、『サウラ』(12月6日付)によると、ダーライヤー市、シャブアー町、バイト・サフム市、アクラバー村、フジャイラ村などで軍が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーや外国人戦闘員多数を殺傷した。

**

アレッポ県では、AFP(12月5日付)が住民の話として、サフィール市が反体制武装勢力によって制圧された、と報じた。

住民によると、反体制武装勢力の戦闘員のほとんどは、シャームの民のヌスラ戦線メンバーで、その陣地には戦線の名が書かれ、彼らの車にはジハードの旗が掲げられているという。

一方、『サウラ』(12月6日付)によると、ダーラ・イッザ市、バーニース村、タッル・シャイール村、ファーフィーン村、サフィーラ市、アレッポ市シャッアール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ブスターン・カスル地区、カッラーサ地区、旧市街、ブスターン・バーシャー地区などで軍が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバー多数を殺傷した。

またアレッポ市内の電力発電所を反体制武装勢力が襲撃し、複数地区の電力供給が停止した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラ・ヌウマーン市南部のバーブーリーン村の検問所を反体制武装勢力が襲撃し、軍兵士7人が殺害された。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のハミーディーヤ地区が軍の空爆を受けた。

**

ヒムス県では、『サウラ』(12月6日付)によると、ヒムス市、クサイル市郊外などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃、多数の戦闘員を殺傷した。

しかし、ヒムス市ムハージリーン区とナズハ地区で、反体制武装勢力が住宅地を迫撃し、市民1人が死亡した。

**

ハサカ県では、『サウラ』(12月6日付)によると、ハサカ市マサーキン・マハッタ地区で反体制武装勢力が市民を襲撃、1人を殺害した。

**

ラタキア県では、『サウラ』(12月6日付)によると、カスタル・マアーフ街道で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の車輌4輌を破壊した。

**

イスラエル国防軍報道官は、シリア領から発射された迫撃砲がイスラエルが占領するゴラン高原に着弾した、と発表した。死傷者はなく、同報道官は「誤射」による着弾だと付言した。

国内の動き(アサド政権の動き)

クッルナー・シュラカー(12月5日付)は、アサド政権支持者の間で、軍によるダマスカス郊外県での反体制武装勢力の掃討が遅れている背景として、自由シリア軍が首都周辺に総延長数キロにわたるトンネルを建設し、兵站支援を行っているからとの噂が広まっている、と報じた。

al-Thawra, December 6, 2012
al-Thawra, December 6, 2012

**

『ハアレツ』(12月5日付)はヴェネズエラの複数の消息筋の話として、アサド大統領とその家族がラテンアメリカに政治亡命を申し出る書簡を送った、と報じた(未確認情報)。

同報道によると、この書簡は、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣を通じてヴェネズエラ、キューバ、エクアドルの当局に渡されたという。

**

ザマーン・ワスル(12月5日付)は、ラッカ県のアリー・ハッダード副知事と同県執行委員会メンバー8人が、県行政、とりわけ穀物や燃料の配給への治安機関の介入に抗議して、辞表を提出した、と報じた。

**

SANA(12月5日付)によると、ダマスカス郊外県のワーフィディーンでは、4日の反体制武装勢力の砲撃の犠牲となった市民の葬儀が行われた。

反体制武装勢力の動き

クッルナー・シュラカー(12月5日付)は、複数の反体制消息筋の話として、空軍情報部通信課長のナスル・アフマド・ファイヤード・マシュアーン准将が離反した、と報じた。

**

クッルナー・シュラカー(12月5日付)は、自由シリア軍の複数の士官が、12月2日だけで、MiG21、MiG23、戦闘ヘリコプター合わせて7機を撃墜したと証言している、と報じた(未確認情報)。

レバノンの動き

アリー・アブドゥルカリーム・アリー在レバノン・シリア大使は、アドナーン・マンスール外務大臣と会談し、シリア軍の要撃で11月30日に殺害されたサラフィー主義のレバノン人戦闘員の遺体を返還することを告げた。NNA(12月5日付)が報じた。

**

ミシェル・スライマーン大統領は、ウカーブ・サクル国民議会議員によるシリアの反体制勢力への武器供与を受け、「シリアの対立し合う当事者を武装させることは我々の義務ではない」と述べ、シリア情勢への不関与政策を貫徹するよう呼びかけた。

**

北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区とジャバル・ムフスィン地区で住民らの衝突が続き、AFP(12月5日付)によると、4日からの死者は5人となった。

**

3月14日勢力事務局は声明を出し、アサド政権が北部県トリポリ市での混乱を煽っている、と非難した。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官は、NATO外相会議後、アサド政権による化学兵器使用の可能性について「我々の懸念の元は、アサド政権が絶望感を増し、化学兵器使用に訴えること、ないしは管理できなくなることで、シリアで現在活動している何らかの集団に利すること」と述べ、化学兵器の使用が米国にとっての「レッド・ライン」だと改めて強調した。

また、紛争を終わらせるため、マラケシュのシリアの友連絡グループ会合で、できることを検討すると述べる一方、「彼ら(アサド政権)の崩壊は必然的」、「(紛争を終わらせるには)アサド政権は政治的以降への参加を決断する必要がある」と付言した。

**

『ハヤート』(12月6日付)はニューヨークの西側外交筋の話として、米国政府がシャームの民のヌスラ戦線をアル=カーイダと関係がある「国際テロ組織」として指定する準備を進めている、と報じた。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、「アサドは約700基の(地対地)ミサイルを保有している…。我々は現在これらのミサイルがどこに展開し、どのように、そして誰の手によって保管されているのかを知っている」と述べ、アサド政権の脅威を誇張した。

またトルコ・シリア国境地帯へのNATOのパトリオット・ミサイル配備に関して、「抑えがきかない集団による行為」に対処するためと述べ、アサド政権による化学兵器使用に関する欧米諸国のプロパガンダによって配備を正当化した。

**

アナトリア通信(12月5日付)は、トルコ外務省が声明を出し、NATOによるトルコ・シリア国境地帯へのパトリオット・ミサイル配備の承認への「大いなる幸福の念」を表明した、と報じた。

**

『ハヤート』(12月6日付)によると、ハンガリー外務省は、インターネットでダマスカスの大使館の活動を閉鎖し、職員をシリアから出国させるとともに、ハンガリー国民に退避勧告を出したと発表した。

**

ロシア外務省が声明を出し、ダマスカス郊外県ワーフィディーンの学校に対する反対生成勢力の砲撃の犠牲者に哀悼の意を示すとともに、攻撃を「テロ攻撃」として強く非難した。

**

インテルファクス通信(12月5日付)は、ロシア軍参謀筋の話として、ロシアの戦艦2隻が、タルトゥースの軍事基地への燃料を補給するため、タルトゥース港に到着した、と報じた。

**

イラクのアリー・スィースターニー事務所のムハンマド・フサイン・ウマイディーは『ハヤート』(12月6日付)に対して、マルジャイーヤの使節団がカーイム市(アンバール県)のシリア人避難民キャンプを視察し、人道支援を行ったと述べた。

またウマイディーは「マルジャイーヤは…、危機の炎を煽らないため、いずれの当事者にも与することはない。マルジャイーヤの姿勢がバランスのとれたものだったのはそのためだ」と述べた。

**

AFP(12月6日付)は、ヨルダン赤新月社がカタール赤新月社と、ヨルダン国内の病院でのシリア人避難民負傷者の治療を行うことで合意した。

AFP, December 5, 2012、Akhbar al-Sharq, December 5, 2012、Haaretz, December 5, 2012、al-Hayat, December 6, 2012、Kull-na Shuraka’, December 5, 2012、al-Kurdiya News,
December 5, 2012、Naharnet, December 5, 2012、NNA, December 5, 2012、Reuters,
December 5, 2012、SANA, December 5, 2012、al-Thawra, December 6, 2012、Zaman al-Wasl, December 5, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長がサウジアラビアの支持を取りつける、NATOが「トルコ国民とその領土を防衛し、国境一帯での危機激化の軽減に寄与すべく」同地帯にパトリオット・ミサイルの配備を決定(2012年12月4日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア・アラブ・テレビ(12月4日付)などによると、ワーフィディーンにある学校に、反体制武装勢力の迫撃砲が着弾し、生徒9人、女性教師1人を含む29人が死亡、多数が負傷した。

ワーフィディーンはイスラエルに占領されたゴラン高原出身のシリア人避難民のために作られたキャンプで、25000人の避難民が暮らしている。

**

同じく、ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がダマスカス国際空港街道の軍検問所を襲撃、両者が激しく交戦した。

またズィヤービーヤ町、バイト・サフム市、アクラバー村、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市周辺に、軍が砲撃を加えた。

一方、『サウラ』(12月5日付)によると、ズィヤービーヤ町で、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またダーライヤー市、アクラバー村、バイト・サフム市、フジャイラ村、ドゥーマー市などで軍がシャームの民のヌスラ戦線やイスラーム旅団を追撃し、多数の戦闘員を殺害した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線がダイル・ザウル市とラッカ市を結ぶ街道に位置するタバンニー村を軍との戦闘の末に制圧した。

この戦闘で、兵士11人、戦闘員4人が死亡した。

**

アレッポ県では、『サウラ』(12月5日付)によると、ダーラ・イッザ市、マクラビース村、ハンダラート・キャンプ、カフルナーハー村、カフルハムラ村、アレッポ市ライラムーン地区などで軍が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、多数の戦闘員を殺傷した。

またアレッポ市南部のアレッポ中央刑務所を襲撃しようとした反体制武装勢力の戦闘員12人を殺害した。

さらにアレッポ市内のブスターン・バーシャー地区でも反体制武装勢力数十人を殲滅した。

このほか、アレッポ市でマフムード・ビービー民事裁判官とサーミル・キヤーリー技師が反体制武装勢力によって暗殺された。

**

ハマー県では、『サウラ』(12月5日付)によると、ムハルダ市・スカイラビーヤ市間の街道で軍・治安部隊が反体制武装勢力1人を殺害した。

**

ヒムス県では、『サウラ』(12月5日付)によると、クサイル市郊外のアーティフィーヤ村で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺害した。

また、反体制武装勢力がハワーシュ町、ナースィル村を砲撃し、市民3人を殺害した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線をはじめとする反体制武装勢力がワーディー・ダイイフ基地周辺で軍と激しく交戦した。

一方、『サウラ』(12月5日付)によると、アイン・シーブ村、サルジャ村、サラーキブ市、ビンニシュ市、マアッラト・ヌウマーン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、数十人の戦闘員を殺害した。

**

ダマスカス県では、『サウラ』(12月5日付)によると、『ティシュリーン』紙記者のナージー・アスアドがタダームン区の自宅前で反体制武装勢力に射殺された。

国内の動き

AKI(12月4日付)などは、ハサカ県ラアス・アイン市などでの民主統一党人民防衛隊と自由シリア軍の交戦を受け、同県のキリスト教徒たちが戦闘停止とジャズィーラ地方(ユーフラテス川以東)の「中立化」を望んでいる、と報じた。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長はサウジアラビアを訪問し、サウード・ファイサル外務大臣と会談した。

Kull-na Shuraka', December 4, 2012
Kull-na Shuraka’, December 4, 2012

サウジ国営通信によると、会談で、ファイサル外務大臣は、連立の結成を「重要で前向きなステップ」と高く評価した。

ハティーブ議長のサウジ訪問には、リヤード・サイフ副議長、スハイル・アタースィー副議長、アフマド・アースィー・ジャルバ、ナジーブ・ガドバーンらが同行した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は、国際社会の一部でイエメン・シナリオに基づく事態の収拾が図られているとの一部情報に関して、こうした問題解決を支持しないとの声明を発表した。

**

『ガーディアン』(12月4日付)は、信頼できる複数の外交筋の話として、ジハード・マクディスィー外務在外居住者省報道官が米国に向かっていると報じた。

しかし『ハヤート』(12月5日付)は、米国務省高官がこの報道を否定した、と報じた。

レバノンの動き

Naharnet, December 4, 2012
Naharnet, December 4, 2012

ハーティム・マーディー検事総長は、中央刑事捜査課にウカーブ・サクル国民議会議員(ムスタクバル潮流)の肉声テープの内容についての調査を要請した。NNA(12月4日付)が報じた。

この肉声テープは先週、OTVと『アフバール』が公開していたもので、サクル議員がシリアの反体制勢力の活動家らとシリアへの武器供与を決定する会話が録音されていた。

録音されていた会話のなかで、シリアの反体制勢力の指導者だというアブー・ヌウマーンは、RPG300基、ロシア製の銃弾25万発、銃300丁をアレッポ県のアアザーズ市、タッル・リフアト市に配送するよう求め、アブー・バラー、アブー・ヌールを名乗る反体制活動家に引き渡すことでサクル議員と合意した。

サクル議員は12月3日にテープに録音されていた肉声が自身の声であることを認めている。

**

自由国民潮流代表で国民議会議員のミシェル・アウン元国軍司令官は、ウカーブ・サクル国民議会議員によるシリアの反体制勢力への武器供与に関して、「サクルは裁かれねばならない…。サクルと3月14日勢力はシリアの反乱分子への武器供与を誇らしげに行っている」と批判した。

**

ムスタクバル・ブロック(ムスタクバル潮流の国会内会派)は会合を開き、所属議員であるサクル国民議会議員によるシリアの反体制勢力への武器供与に関して、「サクル議員に対する法的措置を主張し、彼の議員特権の剥奪を要求している者たちは、ヒズブッラーとその高官、とりわけハサン・ナスルッラー書記長をまず追求すべきだ。彼はこれまで何度も公の場で、シリアにおいてヒズブッラーが軍事的役割を担っていると述べ、シリア政府や悪党に戦闘員、武器、装備を送っている」と反論した。

**

サウジアラビアで事実上の亡命生活を送るサアド・ハリーリー前首相(ムスタクバル潮流)はリヤドで、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長らと会談した。

Naharnet, December 4, 2012
Naharnet, December 4, 2012

会談でハリーリー前首相は、「いかなる挑戦を受けようとも、シリア革命への支持を取り下げない」と述べた。

**

北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区とジャバル・ムフスィン地区で住民らが衝突し、AFP(12月4日付)やNNA(12月4日付)によると、2人が死亡し、12人が負傷した。

衝突はヒムス県タッルカラフ市郊外に潜入したサラフィー主義のレバノン人戦闘員がシリア軍の要撃で殺害されたことが遠因。

**

レバノン各メディアは、ヒムス県タッルカラフ市郊外に潜入し、シリア軍の要撃で11月30日に殺害されたサラフィー主義のレバノン人戦闘員のうち5人の身元が明らかになった、と報じた。

5人の身元に関する情報はナジーブ・ミーカーティー首相とアドナーン・マンスール外務大臣が関係各方面から電話で入手したという。

またシリア外務省は、「人道的理由」から殺害したレバノン人戦闘員の遺体を引き渡す意思があると伝えた、という。

諸外国の動き

NATO外相会議は、「トルコ国民とその領土を防衛し、国境一帯での危機激化の軽減に寄与すべく、トルコの防空能力を強化することに合意」、パトリオット・ミサイルの配備を決定した。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は、ブリュッセルでのNATO外相会議に先だって記者団に対して、「化学兵器のいかなる使用も国際社会にとって決して容認できない」と述べた。

ラスムセンNATO事務局長は「シリアの化学兵器庫は懸念の種だ。我々はシリアがミサイルを保有していることを知っている…。我々はシリアが化学兵器を保有していることを知っており、そのことを考慮に入れる必要がある…。このことがまた、我々の同盟国であるトルコの防衛、保護の実質的保障を火急の課題としている」と述べた。

こう発言し、ラスムセンNATO事務局長は、欧米諸国が突如として(再)主張するようになったアサド政権による化学兵器使用の可能性を、パトリオット・ミサイル配備のトルコへの配備と結びつけた。

**

フランス外務省副報道官は、アサド政権による化学兵器使用の可能性に関して、「いかなる使用も容認されないだろう…。シリア高官は国際社会に監視されており、化学兵器を使用すれば、報復なしでは済まされないだろうということを知るべきである」と述べた。

**

ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、アサド政権による化学兵器使用の可能性に関して、「容認されないだろう」と述べた。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ブリュッセルでのNATO外相会合後、アサド政権による化学兵器使用の可能性に関して、「誇張」、「噂」と批判した。

また「武器の配備は使用の危険を増幅させる」と述べ、NATOによるトルコへのパトリオット・ミサイル配備を暗に批判した。

**

中国外交部報道官は、「我々は化学兵器の使用禁止に関する国際的な取り決めをすべての当事者が遵守することを希望する」と発表し、アサド政権だけでなく、反体制武装勢力に対しても大量破壊兵器の使用を行わないよう求めた。

**

ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣は、アサド政権による化学兵器使用の可能性について、「シリア国民、あるいは近隣諸国に対してシリア政府が使用する場合であれ、邪悪な者たちの手によるものであれ、いかなるシナリオにおいてもこれらの兵器が使用されることを国際社会は容認しないことをシリア政府は熟知している」と述べ、化学兵器の使用が国際社会の介入を招くだろうとの見方を示した。

**

『ニューヨーク・タイムズ』(12月4日付)は、トルコ高官の話として、ロシアがアサド大統領に退任を満足させるための新たな外交トラックに合意した、と報じた(未確認情報)。

**

サウジアラビアのファイサル・サウード外務大臣は、シリアでの「体制転換プロセスは、シリアの領土と国民の統一を維持するためにこれまで以上に必要且つ必然的となっている」と述べるとともに、体制転換後のマイノリティの処遇への恐怖を煽ることは非現実的で、体制打倒を妨げるとの見方を示した。

一方、シリアの反体制勢力に関しては、シリア革命反体制勢力国民連合の発足を「最近でのもっとも重要な出来事」と高く評価しつつ、「反体制勢力と連合はアサド後のシリアを運営できる」と述べ、連合がすべての反体制勢力を包摂していないことを暗に認めた。

AFP, December 4, 2012、Akhbar al-Sharq, December 4, 2012、AKI, December 4, 2012、The Guardian, December 4, 2012、al-Hayat, December 5, 2012、Kull-na Shuraka’, December 4, 2012、al-Kurdiya News,
December 4, 2012、Naharnet, December 4, 2012、The New York Times, December 4, 2012、NNA, December 4, 2012、Reuters, December 4, 2012、SANA,
December 4, 2012、al-Thawra, December 4, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

マクディスィー報道官が家族とともにロンドンに向かい政権を離反したと報じられる、米高官らは化学兵器使用の可能性をめぐってシリア政府をけん制(2012年12月3日)

国内の暴力

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(12月3日付)によると、ラアス・アイン市に対して、軍が午前10時に2度にわたって空爆を行った。

「ヘヴェダール」を名乗るクルド人活動家によると、空爆はダウワール・アアラーフ地区、マハッタ地区、市内の郵便局に対してMiG戦闘機によって行われた。

クルディーヤ・ニュース(12月3日付)はこの空爆で反体制武装勢力戦闘員と民間人合わせて4人が死亡、多数が負傷したと報じた。

シリア人権監視団によると、空爆は市南西部のマハッタ地区に対して行われ、反体制武装勢力の戦闘員8人を含む12人が死亡し、約30人が負傷した。

同地区はシャームの民のヌスラ戦線とシャーム外国人大隊が占拠している地区。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、空港街道に近いバイト・サフム市、バサーティーン市に対して軍が空爆を行った。

またザバダーニー市では、反体制武装勢力がザバダーニー地方局舎を襲撃、地元警察が交戦した、という。

このほか、ハジャル・アスワド市で複数の爆発音が聞こえた。

一方、『サウラ』(12月4日付)によると、ダーライヤー市、ジスリーン町、ミスラーバー市、リーハーン農場などで、軍が反体制武装勢力の掃討を継続、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら多数の戦闘員を殺傷し、装備を破壊・押収した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区で複数の爆発音が聞こえた。

また未明から朝にかけて、タダームン区、ヤルムーク区で砲撃があった、という。

一方、『サウラ』(12月4日付)によると、タダームン区で爆弾を積んだ車が爆発し、乗っていた「テロリスト」1人が死亡、全員が負傷した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市メリディアン地区の軍検問所で未明に車に仕掛けられた爆弾が爆発し、複数が負傷した。

一方、『サウラ』(12月4日付)によると、アレッポ・ラッカ街道、フライターン市、カフルナーハー村、ダーラ・イッザ市、ハンダラート・キャンプ、ムスリミーヤ地方などで軍が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら多数の戦闘員を殺傷した。

また、反体制武装勢力はアレッポ市工学部前で車爆弾を爆発させ、市民4人が死亡した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市教育学部地区近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、女子学生が負傷した。

また市内の3月8日通りで反体制武装勢力と治安部隊が交戦した。

ハマー市郊外のアクラブ町では、軍のヘリコプターが反体制武装勢力に対して空爆を行った。

一方、『サウラ』(12月4日付)によると、アクラバー村で軍・治安部隊が反体制武装勢力を撃退し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーらを殺害した。

**

ヒムス県では、地元調整諸委員会によると、ヒムス市各所、ハウラ地方、ラスタン市などで砲撃があった。

一方、『サウラ』(12月4日付)によると、ヒムス市内でシャームの民のヌスラ戦線メンバーが治安部隊の襲撃を試みたが、軍・治安部隊が応戦、多数の戦闘員を殺傷した。

またラスタン市郊外、ハウラ地方などでは軍が反体制武装勢力のアジトを破壊した。

さらにタルビーサ市近くのダマスカス・アレッポ街道上で旅客バスが反体制武装勢力の砲撃を受け、乗っていた2人が負傷した。

**

イドリブ県では、『サウラ』(12月4日付)によると、ムハムバル村、ビンニシュ市、タフタナーズ市、トゥウーム村、ダイル・サンバル村、サルジャ村、イドリブ・ハーリム街道、アリーハー市などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら多数の戦闘員を殺傷した。

**

ザマーン・ワスル(12月3日付)は、自由シリア軍最高軍事評議会議長のムスタファー・シャイフ准将の甥のハーリド・シャイフ少尉がイドリブ県で何者かに殺害されたと報じた。

ハーリド・シャイフ少尉は今年の夏に軍を離反したが、イドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所がサラフィー主義者の手に落ちる前に、投降し、軍に復帰していた。

シリア政府の動き

シリア外務在外居住者省はクリントン米国務長官の発言(後述)に対して、声明を出し、「いかなる状況下においても、こうした兵器(化学兵器)が国民に対して使用されることはない」と発表した。

**

アクス・サイル(12月3日付)は、アサド大統領がジャーミア・ジャーミア少将を空軍情報部アレッポ支部長に任命した、と報じた。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(12月3日付)は、シリア外務在外居住者省のジハード・マクディスィー報道官が家族とともにシリア国外の「安全な場所」に脱出、政権を離反したと報じた。

同報道によると、マクディスィー報道官一家は11月30日にシリアを出国したという。

またマナール(12月3日付)は、マクディスィー報道官が外務在外居住者省の許可を得ず、ベイルート国際空港からロンドンに出国、これを受け、同報道官が規律違反で解任された、と報じた。

**

アナトリア通信(12月3日付)は、自由シリア軍のアブー・アンマールを名乗る司令官が、「同胞は今のところ、ダマスカス国際空港の戦闘に関する事態を掌握している。現地では具体的な進展があり、戦闘は近く自由シリア軍優位のもとに決着するだろう」と述べたと報じた。

**

クッルナー・シュラカー(12月3日付)は、革命軍事評議会のハサン・アブドゥッラー大佐が、ハサカ県ラアス・アイン市のクルド人住民に向け、「我々はあなたたちとシリアを解放するためにやって来た…。我々はシリアのいかなる成員にも敵対しない…。自由シリア軍にはクルド人もいる」との声明を発表したと報じた。

同声明によると、2日にシリア・クルド国民評議会と自由シリア軍ラアス・アイン市合同指令部が、民主統一党と自由シリア軍の停戦、捕虜交換などについての協議を行い、民主統一党による武装放棄と同市の引き渡しに48時間の猶予を与えた、という。

**

アクス・サイル(12月3日付)は、内務省組織運営局のズィヤード・ハマド・バディーウィー局長が離反し、ヨルダンに逃走したと報じた(未確認情報)。

レバノンの動き

ナジーブ・ミーカーティー首相は首相府でのシリア人避難民問題への対応をめぐるUNHCRなどとの会合で、「レバノンだけでは彼ら(シリア人避難民)の負担を支援しきれない」と述べ、支援を求めた。

諸外国の動き

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がトルコを訪問し、レジェップ・タイイップ・エルドアン首相と会談、シリア情勢について協議した。

会談後の記者会見で、プーチン大統領は、「シリア情勢の正常化の手段をめぐって、ロシアとトルコは今のところ共通のビジョンに達していない」と述べた。

またパトリオット・ミサイル配備に関して「国境地帯への伝統的兵器の配備は事態を沈静化させず、逆に緊張化させる」と指摘した。

一方、エルドアン首相は、「シリア危機を巡ってある程度両国は接近している」としつつ、「多大なる努力を通じて、明確な共通点に達するべく協力するだろう」と述べた。

**

『ハヤート』(12月4日付)などは、トルコ治安筋の話として、トルコ政府がシリアのハサカ県ラアス・アイン市の自由シリア軍の拠点に対するシリア軍の空爆を受け、ヂャルバクル基地からF16戦闘機を派遣する一方、地上部隊を対シリア国境地帯に展開させた、と報じた。

**

ヒラリー・クリントン米国務長官は訪問中のプラハでアサド政権による化学兵器使用の可能性について言及、「米国にとってレッドラインである…。アサド政権が国民に対して化学兵器を使用したことが明らかになったときの具体的措置について言及はしない。しかし、我々は必ずこうしたことが起きたら行動すると言うだけで十分だろう」と述べた。

**

バラク・オバマ米大統領は、アサド政権による化学兵器使用の可能性について、「世界は見張っている…。もしお前がこれらの兵器を使うという悲劇的な間違えを犯したら、結果が生じ、お前は責任を負うだろう」と述べた。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、「我々はこれまでにも増して、シリアの化学兵器のことが心配だ。なぜなら米国が心配しているからだ」と述べた。

**

Wired.comのDanger Room(12月3日付)は、米国高官(匿名)の話として、アサド政権がサリンガス製造に必要な化学物質の調合を始め、「物理的に、彼らは航空機に搭載し、投下する段階に達した」と報じた。しかし同記事は同高官の発言の根拠については報じなかった。

**

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長はAFP(12月3日付)に対して、「(アサド政権の崩壊)はいつでも起こり得る…。現地ではシリアの反体制勢力が政治的、軍事的に前進していることは明らかだ。毎日進軍している…。戦闘は今やダマスカスで行われている」と述べた。

**

イラクの運輸省のカリーム・ヌーリー報道官は、「イラクは領空を通過してシリアに向かうイランの航空機の検査を遵守している。疑わしい航空機の検査から目を背けているというもは正しくない…」と述べ、米紙の報道に反論した。

**

エジプト航空高官は、運行が一時中止されていたカイロ・ダマスカス便を再び運休した、と発表した。

同高官によると、ダマスカスからの情報を受け、エジプト当局は第721便にカイロへの帰還を要請した、という。

**

国連のマーティン・ニスルキー報道官は、ダマスカス郊外県での戦闘激化を受け、同国内での活動を無期限で停止し、約100人からなる職員(人道支援などにあたるスタッフ)のうち非常勤職員25人の出国を決定した、と発表した。

**

キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長付報道官のマイケル・マン氏は、ダマスカス郊外県での戦闘激化を受け、ダマスカス県内のEU代表部の職員を必要最低限に削減する、と発表した。

AFP, December 3, 2012、Akhbar al-Sharq, December 3, 2012, December 4, 2012、‘Aks al-Sayr, December 3, 2012、Danger Room, December 3, 2012f、al-Hayat, December 4, 2012、The Independent, December 4, 2012、Kull-na Shuraka’, December 3, 2012、al-Kurdiya News, December 3, 2012、al-Manar, December 3, 2012、Naharnet, December 3, 2012、Reuters, December 3, 2012、SANA, December 3, 2012、al-Thawra, December 3, 2012、Zaman al-Wasl, December 3, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

複数県で軍・治安部隊とヌスラ戦線の戦闘が活発化、民主的変革諸勢力国民調整委員会のアブドゥルアズィーム代表が露外相と面会しアサド政権に暴力停止を促すよう求める(2012年12月2日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダイル・アサーフィール市、バイト・サフム市など東グータ地方一帯で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、ドゥーマー市、ランクース市、サイイダ・ザイナブ町、ザバダーニー市、アルバイン市、ハラスター市、マダーヤー町、バービッラー市、ヤルダー市が砲撃を受けた。

またダーライヤー市は早朝に2度にわたって空爆を受けたという。

一方、『サウラ』(12月3日付)によると、ザマルカー町、シャイフーニーヤ村、ダーライヤー市、アクラバー村、バイト・サフム市、フジャイラ村、ダイル・アサーフィール市などで、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら「指名手配中のアル=カーイダのテロリスト」数十人を軍の部隊が殲滅、外国製の兵器などを押収した。

**

ヒムス県では、SANA(12月2日付)によると、ヒムス市ハムラー地区で爆発があり、市民15人が死亡、24人が負傷した。

シリア・アラブ・テレビ(12月2日付)は、爆発が車爆弾によるテロだと報じた。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、ハムラー地区はシリア軍が数ヶ月前に反体制武装勢力から奪還した地区、だという。

一方、『サウラ』(12月3日付)によると、軍がヒムス市内および郊外でシャームの民のヌスラ戦線のアジトを攻撃し、「テロリスト」数十人を殺傷した。

またクサイル市郊外の対レバノン国境では、シリア領内への潜入を試みる反体制武装勢力戦闘員を国境警備隊が撃退した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、アクラブ町の軍検問所を反体制武装勢力が制圧した。制圧に際して、反体制武装勢力の戦闘員8人が死亡した、という。

一方、『サウラ』(12月3日付)によると、アクラバー村で軍が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、戦闘員数十人を殺害した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南東部のサフィーラ地方で未明から朝にかけて、シャームの民のヌスラ戦線が国防省施設への突入を試みたが、軍の空爆を受けて、戦闘員8人が死亡した。

またシリア人権監視団は、アレッポ市南部の入り口に位置するナイラブ橋、シャイフ・サイード橋で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、軍・治安部隊が両橋の検問所から撤退した、と発表した。

一方、『サウラ』(12月3日付)によると、シャイール村、バービンス村、ファーフィーン村、アムリート村、カッバースィーン村、ターリヤ村、アズィーザ村、登塔者聖シメオン教会(スィムアーン修道院)跡付近、ダーラ・イッザ市などで軍が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊・押収した。

またアレッポ市ブスターン・バーシャー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

アレッポ市マルジャ地区では、アレッポ市全地区からのテロリストの退去を求めるデモが行われたが、反体制武装勢力が発砲し、複数の参加者が負傷した。

**

イドリブ県では、『サウラ』(12月3日付)によると、イドリブ・ハーリム街道の水資源公社施設近くで、軍が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、戦闘員数十人を殺害した。

またアリーハー・イドリブ街道、ムハムバル村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ラッカ県では、『サウラ』(12月3日付)によると、ラッカ市東部のサブハ地方、カラーマ地方で、軍が道路封鎖を行っていた反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ラタキア県では、『サウラ』(12月3日付)によると、バイト・ファーリス村・サラヤー村間に集結していた反体制武装勢力を軍が攻撃、殲滅した。

またサルマー町、カフフ・アドラー村、ワーディー・アズラク村、ワーディー・ダウリーン、ナビー・ユーヌス村などで軍が反体制武装勢力の追撃を行い、甚大な被害を与えた。

**

アナトリア通信(12月2日付)は、ハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)レイハンル村にシリア領から発射された迫撃砲が複数着弾した、と報じた。

トルコ軍が応戦したかどうかは不明。

同報道によると、迫撃砲着弾と前後して、イドリブ県バーブ・ハワー国境通行所付近で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

シリア政府の動き

シリアのファイサル・ミクダード外務副大臣は、モスクワでの国際外交慈善年次展覧会の開会式に出席するためロシアを訪問し、ロシア外務省高官らとシリア情勢について協議した

シリア・アラブ・テレビ(12月2日付)によると、会談で、ミクダード外務副大臣は、シリア危機への対応をめぐってシリア・ロシア関係は強化されたと述べた。

一方、ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、「シリア情勢の悪化…とりわけ紛争が明らかに宗派対立の様相を呈していることに大いなる懸念を表明する」と述べた。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、セルゲイ・ラブロフ外務大臣らとの会談のためロシアを訪問した。

Kull-na Shuraka', December 2, 2012
Kull-na Shuraka’, December 2, 2012

RT(12月2日付)によると、アブドゥルアズィーム代表はロシア側との会談で、アサド政権による暴力が、ジハード主義者の暴力と湾岸アラブ諸国などによるシリア国民懐柔を助長すると述べ、アサド政権による暴力停止を促すようロシア側に求めた。

また、アサド政権下の憲法改正に代表される一連の改革を拒否する姿勢を示す一方、外国による軍事介入にも改めて反対、安保理諸国内、さらにはトルコ、イラン、カタール、サウジアラビアとそれ以外のアラブ諸国の間でのコンセンサスを通じて、ジュネーブ合意に基づく危機解決が初めて可能になるとの見方を示した。

一方、タルトゥース市にあるロシア海軍の基地に関しては、体制転換後も存続させる意向を示した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のハイサム・マーリフ法務委員会委員長は『ハヤート』(12月3日付)に対して、カイロでの会合で「きわめて重要な多くの問題を処理した」と述べ、審議事項の承認・決定を先送りしたとの一部見方を否定した。

マーリフ法務委員会委員長は「政治局メンバーの選定だけを延期したに過ぎない…。メンバーは(連合の)議長によって指名され、マラケシュでの会合で合意を得るだろう…。暫定政府首班と閣僚の自然も(マラケシュでの)会合まで延期された。合意か選挙で選出するという点をめぐって意見の相違はない」と述べた。

一方、マーリフ法務委員会委員長は、カイロでの会合で、シリア国民評議会を廃止し、反体制勢力が「双頭体制」とならないようにすべきだとの提案を行ったが、この提案は却下されたことを明らかにした。

**

クッルナー・シュラカー(12月2日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立に対抗するシリア国民民主同盟の組織図および主要な構成メンバーを公開した。

Kull-na Shurakā’, December 2, 2012
Kull-na Shuraka’, December 2, 2012

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(12月2日付)は、イラク・クルディスタン地域のマスウード・バールザーニー大統領の庇護のもと、シリア・クルド民主党(アル・パールティ)アブドゥルハキーム・バッシャール派、シリア・クルド・アーザーディー党ムスタファー・ウースー派(クルド青年運動党)、同ムスタファー・ジュムア派、シリア・クルド・イェキーティー党(イスマーイール・ハミー)が、新たな政治同盟「シリア・クルド政治同盟」の結成に向けた準備を進めていると報じた。

レバノンの動き

レバノン軍司令部によると、ベカーア県カーア地方(マシャーリーウ・カーア)の軍の拠点が早朝にシリアの反体制武装勢力の発砲を受け、応戦した。死傷者は出なかった。

反体制武装勢力の戦闘員はカー地方からシリア領内に潜入しようとしていた、という。

**

アドナーン・マンスール外務大臣は訪問先のトルコのイスタンブールでシリア情勢に関して、「いかなる外国の軍事勢力、介入があってはならない…。対話こそが唯一の危機解決策」と述べた。

AFP, December 2, 2012、Akhbar al-Sharq, December 2, 2012、al-Hayat, December 3, 2012、Kull-na Shuraka’, December 2, 2012、al-Kurdiya News,
December 2, 2012、Naharnet, December 2, 2012、Reuters, December 2, 2012、SANA,
December 2, 2012、al-Thawra, December 3, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

東京でアラブ連盟、GCC、EU諸国などが参加するシリアの友連絡グループ会合が開かれるなか、シリア各地では「自由シリア軍浄化」「革命浄化」を訴えるデモが実施される(2012年11月30日)

国内の動き

AFP(11月30日付)は、シリア各地で「自由シリア軍浄化」「革命浄化」を訴えるデモが実施されたと報じた。

アレッポ市シャッアール地区でのデモとされる映像(フェイスブック)では、「我々はイスラーム軍が必要だ。自由シリア軍は盗人だ」、「自由シリア軍よ、前線出ていて」、「人民は自由シリア軍の改革を望む」といったシュプレヒコールが叫ばれ、市街地を占拠する反体制武装勢力の退去が訴えられた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、29日夜以来インターネット、国際電話、携帯電話回線の遮断が続くなか、ダマスカス国際空港街道付近を軍が空爆、またアクラバー村、バービッラー市、ダーライヤー市、アルバイン市、バイト・サフム市周辺などで軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

地元調整諸委員会によると、戦闘はダマスカス国際空港西側で激しく行われており、反体制武装勢力は空港防衛の任務に就く軍の兵舎を砲撃、また「空港街道の第2陸橋から第4陸橋の区間を制圧した、という。

『ハヤート』(12月1日付)は、ダマスカスの外交筋の話として、軍による攻勢は、反体制武装勢力の寸断と、ダマスカス郊外県南東部の制圧を目的としている、という。

同外交筋は、「軍の砲撃が自由シリア軍戦闘員の寸断に成功したかどうかは分からないが。これまでの経験からすると、彼らはいずれにしてもすぐに復活する…。ダマスカス攻撃は最終段階に入っているのだと思う」と付言したという。

ダマスカス国際空港のギーダー・アブドゥッラティーフ社長は、AFP(11月30日付)に対して、「ダマスカス国際空港は通常通り動いている。空港か移動は100%安全だ」と述べた。

アブドゥッラティーフ社長は「昨日は…街道の状況悪化を受けて、運行中止を求める電報を送ったが、街道の事態が収拾したので、(現在は)まったく逆に運行再開を求める電報を送った」と付言した。

そのうえで、「アルジェリア航空、アラビーヤ航空、イラク航空、イラン航空、エジプト航空が予定通り離着陸を行い、モスクワ、アルジェ、ドバイ、クウェートからの便が午前中に空港に着陸した」ことを明らかにした。

しかし第23ゲートは「技術的理由」で閉鎖されている、という。

一方、国連のファルハーン・ハック副報道官は、ダマスカス国際空港に向かっていた13台の車輌からなるUNDOFの車列が何者かの銃撃を受け、オーストリア軍兵士2人が負傷した、と発表した。AFP(11月30日付)が報じた。

**

ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(11月30日付)が、イランのアーラム・チャンネルの放送用車輌が爆破された、と報じた。

アーラム・チャンネル事務所の監視カメラには、何者かが車輌に爆弾を仕掛けて、逃げ去る映像が映っていた。

死傷者はなかった。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団が、マヤーディーン市北部のウマル油田から軍が撤退することで、ダイル・ザウル市以東の軍事拠点のすべてを放棄したと発表した。

同監視団によると、11月4日、反体制武装勢力がワルド油田を制圧、11月18日には、ジャフラ油田を制圧、11月27日にはコノコフィリップ社の工場・油田で軍兵士45人の離反を受けて制圧していた、という。

なお同監視団によると、軍はダイル・ザウル県西部のティーム、マズラア、ヒラータ、マハーシュ、バシャリーの油田を依然掌握している、という。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(11月30日付)によると、カーミシュリー市で民主統一党人民防衛隊(YPG)とタイイ部族(アラブ人)の体制支持派の民兵が約1時間にわたって交戦した。

同報道によると、交戦は、市内の検問所が軍・治安部隊からYPGに移管されたことが原因だという。

一方、クルディーヤ・ニュース(12月1日付)によると、衝突は市内の女性連合本部の占拠を試みた体制支持派と、彼らの退去を求めた民主統一党の間で発生したという。

タイイ部族の戦闘員はムハンマド・ファーリス元人民議会議員が組織した。

ファーリス元議員はカーミシュリー市で人民保護諸委員会を設置、指導している。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(11月30日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市での民主統一党と自由シリア軍の捕虜交換の交渉が失敗に終わった、と報じた。

同報道によると、失敗の原因は、交渉場所であるラアス・アイン市中心部上空を軍のヘリコプターが4時間以上にわたって旋回していたため。

また交渉では、民主統一党が自由シリア軍によるラアス・アイン市・ダルバースィーヤ街道襲撃、西クルディスタン人民議会のラアス・アイン議長のアービド・ハリール暗殺を非難した。

一方、自由シリア軍は27日に民主統一党人民防衛隊(YPG)の戦闘員3人を釈放したにもかかわらず、民主統一党が自由シリア軍の戦闘員の釈放を行おうとしないと批判した。

**

クッルナー・シュラカー(11月30日付)は、ヒラール・アサドが率いるシャッビーハ約200人が政権を離反したと報じた(未確認情報)。

レバノンの動き

『ハヤート』(12月1日付)などは、治安筋の話として、レバノン北部県トリポリ市出身のレバノン人戦闘員17人がヒムス市郊外で、シリア軍の要撃を受けて、殺害された、との情報が流れた。

別の治安筋によると、要撃で死亡したのは18~20人で、いつレバノンを出国したのは不明だという。

同消息筋によると、殺害された戦闘員のうち3人はファタハ・イスラームの戦闘員で、それ以外はサラフィー主義者で、「スンナ派救済」のためにシリアに潜入したのだという。

さらに別の消息筋によると、彼らは総勢25人でヒズブッラーに対抗するかたちで二手に分かれ、29、30日にシリアに潜入したが、潜入を監視されていた可能性が高く、要撃を受け、17人が死亡、8人が逃走した、という。

諸外国の動き

東京でシリアの友連絡グループ会合が開かれ、アラブ連盟、GCC、EU諸国など67カ国の参加、「国際社会、とりわけ国連安保理に…シリア政府への圧力を強化するため、早急且つ断固たる行動を責任をもってとるよう」呼びかける声明を出し、シリアへのさらなる制裁を呼びかけた。

会合冒頭で玄馬光一郎外務大臣は「国際社会が圧力を加えることが重要」、「国際社会による反政府勢力への支援が不可欠」などと述べ、アサド政権を含むすべての当事者の対話を通じた解決を定めたシリア問題をめぐる一連の決議や6月のジュネーブ会議での関係各国の合意を無視する意向を暗に示した。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は国連総会でシリア情勢について報告、そのなかで「現下の悲劇を終わらせ、国民の意思に応える新たなシリア」を建設するための政治プロセスが開始されなければ、シリアが「失敗国家」に転落すると警鐘を鳴らした。

ブラーヒーミー共同特別代表は、当事者どうしの暴力を停止させるため、「充分に教練された強力な監視機関を展開させ…、それは強大な平和維持軍を通じてよりよい方向へと組織され得る」との見方を示し、そのために安保理決議を採択する必要があると強調した。

また移行プロセスを成功させるうえで、反体制勢力の統合が重要だとし、シリア革命反体制勢力国民連立を「正しい方向への重要なステップ」と評価した。

**

ロシアのアレクサンドル・グルシュコNATO代表は、ブリュッセルでのロシアNATO会合で、トルコの対シリア国境地域へのパトリオット・ミサイル配備に関して、「シリア情勢にNATOを関与させようとするあからさまな措置」と批判した。

**

国連難民高等弁務官は、シリア赤新月社に登録されているヒムス市および郊外の国内避難民の数が25万人に達していると発表し、紛争当事者に、彼らが戦闘の「標的」とならずに避難するための「回廊」を設置するよう呼びかけた。

**

ロイター通信(11月30日付)は、ハッカー集団アノニマスが、シリアでのインターネット通信の遮断に異議を唱え、シリア国外のサーバーを使用しているシリア政府関連のインターネットサイトにサイバー攻撃をかけるとの意思を表明したと報じた。

AFP, November 30, 2012、Akhbar al-Sharq, November 30, 2012、al-Hayat, December 1, 2012、Kull-na Shuraka’, November 30, 2012、al-Kurdiya News,
November 30, 2012, December 1, 2012、Naharnet, November 30, 2012、Reuters,
November 30, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外県ジャルマーナー市の二か所で車2台が連続して爆発し34人が死亡、シリア革命反体制勢力国民連立が暫定政府設置に関する会合を開催(2012年11月28日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(11月28日付)によると、ジャルマーナー市の二カ所で爆弾が仕掛けられた車2台が連続して爆発し、34人が死亡、80人以上が負傷した。

シリア人権監視団によると、死者は54人、負傷者は120人以上にのぼった。

連続爆弾テロが発生したのは市内のラウダ地区とカルヤート地区。

AFP(11月29日付)は、住民の話として、1台目の車は幹線道路で爆発し、住民が爆発現場に集まるなかで、2台目の車が反対車線で爆発した、と報じた。

しかし、クッルナー・シュラカー(11月28日付)は、ジャルマーナー市の複数の消息筋の話として、連続爆弾テロの直前に、現場近くに治安機関の軍用車が停車しており、乗っていた一団が実行犯で、政権支持者(ドゥルーズ派住民)による自作自演の可能性が高いと報じた(未確認情報)。

SANA, November 28, 2012
SANA, November 28, 2012
SANA, November 28, 2012
SANA, November 28, 2012
SANA, November 28, 2012
SANA, November 28, 2012
SANA, November 28, 2012
SANA, November 28, 2012

**

同じくダマスカス郊外県では、SANA(11月28日付)によると、フジャイラ村でも、反体制武装勢力が仕掛けようとしていた爆弾が誤爆し、戦闘員8人が死亡、13人が負傷した。

ダーライヤー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ブワイダ市、ザマルカー町、アルバイン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーや外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

一方、シリア軍筋によると、ダマスカス県の幅約8キロにわたって「防衛ライン」が確保され、反体制武装勢力の拠点を殲滅、少なくとも66人の戦闘員を殺害した。

**

アレッポ県では、AFP(11月29日付)の記者が、ダーラ・イッザ地方で、反体制武装勢力が軍の戦闘機を撃墜したと報じた。

『ハヤート』(11月29日付)によると、撃墜されたのはMiG戦闘機かスホーイ戦闘機で、シャイフ・スライマーン防空大隊基地近くのタルマーニーン村から約1キロ離れた地点のオリーブ畑に墜落した。

AFPによると、撃墜したのは「ダーラ・イッザ自由人」を名乗る集団で、シリア人権監視団によると、撃墜には地対空ミサイルが使用されたという。

またAFP(11月28日付)は、複数の目撃者の証言として、パイロット2人はパラシュートで脱出、うち1人は反体制武装勢力に捕捉され、もう1人は行方不明だ、と報じた。

その後、ユーチューブ(11月28日付)で、パイロットだとされる血まみれの男性の遺体が搬送される映像がアップされた。だが『ハヤート』(11月29日付)によると、戦闘機にパイロットが何人搭乗していたのか、また映像の男性がパイロットなのかの事実確認はとれない、という。

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市サーフール地区、マイダーン地区で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(11月28日付)によると、ムスリミーヤ村、ダーラ・イッザ市、カフルハムラ村、ミンタール村、アッザーン市、アンジャーラ村、アレッポ市ブスターン・カスル地区、マサーキン・ハナーヌー地区、旧市街、ブスターン・バーシャー地区、ライラムーン地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、スルターニーヤ地方、ヒムス市ダイル・バアルバ地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数が死傷した。

一方、SANA(11月28日付)によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを攻撃するなどして、多数の戦闘員を殺傷した。

またハウラ地方などでは、軍・治安部隊がシャームの民のヌスラ戦線メンバーや外国人戦闘員の追撃を継続し、多数の戦闘員を殲滅、装備を破壊した。

このほか、タッルカラフ市郊外では、レバノン領内からの潜入を試みる反体制武装勢力を軍・治安部隊が撃退した。

**

イドリブ県では、『ハヤート』(11月29日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市南部で軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦し、また同市などに対して空爆が行われた。

一方、SANA(11月28日付)によると、ファイルーン村、カフルルーヒーン村、ビンニシュ市、ビクファルーン村、クーリーン村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを破壊、多数の戦闘員を殺傷した。

またハーリム市、ジスル・シュグール市および郊外では、軍・治安部隊がイドリブ殉教者旅団を名乗る武装勢力や外国人戦闘員を追撃、戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(11月28日付)によると、ブスラー・シャーム市で爆弾が仕掛けられた車が自爆し、市民2人が死亡、7人が負傷した。

国内の動き

ジャルマーナー市での連続爆破テロの負傷者が搬送されたダマスカス県ムワーサー病院を訪れたムハンマド・ヤフヤー・マアッラー高等教育大臣は「テロ行為」と批判した。

**

SANA(11月28日付)によると、ダマスカス郊外県ジャルマーナー市では、連続爆破テロの発生を受け、市民数千人が犠牲者を悼む行進を行った。

**

クッルナー・シュラカー(11月28日付)は、シリア・ポンドが闇レートで1ドル95ポンドまで急落した、と報じた。

公定レートでは1ドル71.28ポンドだという。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立はカイロで暫定政府設置に関する会合(29日までの予定)を開催した。

ジャズィーラ(11月28日付)によると、会合では、東京での「シリアの友連絡グループ」会合に合わせて、暫定政府首班の人選を行うことに力点が置かれた。

ロイター通信(11月28日付)によると、リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相(ヨルダン在住)、アスアド・ムスタファー元農業大臣(クウェート在住)らが首班の候補者として名前があがっている、という。

しかし、『ハヤート』(11月29日付)によると、カイロでのシリア革命反体制勢力国民連立の会合では、定数63議席中27議席を占めるシリア国民評議会が議席の増加を冒頭に要求、出席者どうしの対立が表面化した。

シリア国民評議会のメンバー(匿名)によると、「この問題が解決するまで、事態の進展はない」という。

また会合出席者の一人は、「(連立は)、季節に合わせて混ぜたり、何かを加えたりするサラダじゃない。シリアの未来は危機に瀕している。ムスリム同胞団は、議席の半分を実質的に押さえているのに、さらに多くのタカ派を連立に送り込もうとしている」とシリア国民評議会の姿勢を批判した。

シリア革命反体制勢力国民連立メンバー以外の反体制活動家も多数、会合が開かれたホテルに現れたが、その多くはシリア・ムスリム同胞団のメンバーないしはそれに近い活動家だったという。

一方、別の出席者によると、「問題はムスリム同胞団をめぐる問題よりも大きい。我々は部族的な分配の思考を克服できるように思う。もっとも重要な問題、すなわち(暫定)政権の発足と国際社会の対応が若干延期されるだけだ」と述べ、事態収拾が可能だとの見方を示した。

また、別の参加者は「ほとんどの発言は、リヤード・サイフとムスタファー・サッバーグによって行われている。アフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長はほんの少し発言しただけだ」と述べた。

**

クッルナー・シュラカー(11月29日付)によると、カイロでのシリア革命反体制勢力国民連立会合の招聘者・出席者は以下の通り

  • ジョルジュ・サブラー(シリア国民評議会)
  • アブドゥルバースィト・スィーダー(シリア国民評議会)
  • アブドゥルアハド・アスティーフー(シリア国民評議会)
  • ハーリド・サーリフ(シリア国民評議会)
  • ファールーク・タイフール(シリア国民評議会)
  • アフマド・ラマダーン(シリア国民評議会)
  • ヒシャーム・ムルーワ(シリア国民評議会)
  • ハーリド・ナースィル(シリア国民評議会)
  • サーリム・ムスラト(シリア国民評議会)
  • ルワイユ・サーフィー(シリア国民評議会)
  • サミール・ナッシャール(シリア国民評議会)
  • ハイサム・ラフマ(シリア国民評議会)
  • フサイン・サイイド(シリア国民評議会)
  • ジャマール・ワルド(シリア国民評議会)
  • ムハンマド・ヤフヤー・マクタビー(シリア国民評議会)
  • ワースィル・シャマーリー(シリア国民評議会)
  • ムナー・ムスタファー(シリア国民評議会)
  • マルワーン・ハッジュー(シリア国民評議会)
  • ナズィール・ハキーム(シリア国民評議会)
  • バドル・ジャームース(シリア国民評議会)
  • アフマド・サイイド・ユースフ(シリア国民評議会)
  • ハッサーン・ハーシミー(シリア国民評議会)
  • ムンズィル・マーフース(無所属、シリア国民評議会)
  • ブルハーン・ガルユーン(無所属、シリア国民評議会)
  • リヤード・サイフ(無所属、シリア国民評議会)
  • アフマド・アースィー・ジャルバー(シリア部族革命評議会、シリア国民評議会)
  • ムスタファー・サッバーク(シリア・ビジネスマン・フォーラム、シリア国民評議会)
  • フサイン・アブドゥッラー(トルクメン組織、シリア国民評議会)
  • ハーリド・ハウジャ(トルクメン組織、シリア国民評議会)
  • ナジーブ・ガドバーン(シリア国民評議会):欠席
  • ヤフヤー・ウカーブ(シリア国民民主ブロック、シリア国民評議会)
  • リーマー・フライハーン(スワイダー地元評議会)
  • ワリード・ブンニー(無所属)
  • カマール・ルブワーニー(無所属)
  • ハイサム・マーリフ(革命評議会)
  • サーディク・ジャラール・アズム(シリア作家連盟):欠席
  • タウフィーク・ドゥンヤー(無所属):欠席
  • アブドゥルカリーム・バッカール(無所属)
  • バッサーム・ユースフ(自由民主シリアのための「ともに」潮流)
  • タイスィール・ナッジャール(アラブ社会主義連合民主党)
  • ユースフ・アブダルキー(共産主義行動党):欠席
  • マルワーン・カーディリー(シリア・ウラマー連盟)
  • ズィヤーダ・ハサン(トルクメン組織)
  • スハイル・アタースィー(シリア革命総合委員会)
  • ジャービル・ズアイン(地元調整諸委員会)
  • ハーリス・ナッバハーン(市民権潮流)
  • ジャラールッディーン・ハーンジー(アレッポ地元評議会)
  • アドナーン・ラフムーン(イドリブ地元評議会)
  • ムハンマド・ムスタファー・ムハンマド(ハサカ地元評議会)
  • ムスタファー・ナウワーフ・アリー(ラッカ地元評議会)
  • ムーサー・ムハンマド・ハリール(クナイトラ・ゴラン地元評議会)
  • ズィヤード・ガッサーン・ライイス(ラタキア地元評議会)
  • サラーフッディーン・ハマウィー(ハマー地元評議会)
  • アブドゥルイラーフ・ファフド(ヒムス地元評議会)
  • ムハンマド・フサイン・カッダーフ(ダルアー地元評議会)
  • アフマド・ムアーッズ・ハディーブ(ダマスカス地元評議会)
  • リヤード・ハサン(ダイル・ザウル地元評議会)
  • ジャワード・アブー・ハトブ(ダマスカス郊外地元評議会)
  • ムハンマド・アブドゥッサラーム・サイイド(タルトゥース地元評議会)
  • ハビーブ・イーサー(民主的変革諸勢力国民調整委員会):欠席
  • フサイン・アウダート(民主的変革諸勢力国民調整委員会):欠席
  • ハーリド・アブー・サラーフ(無所属):欠席
  • アーリフ・ダリーラ(民主的変革諸勢力国民調整委員会):欠席
  • アロー・サドルッディーン・バヤーヌーニー(シリア・ムスリム同胞団)
  • ヤフヤー・クルディー(無所属):欠席
  • ミシェル・キールー(シリア民主フォーラム):欠席
  • アブドゥー・フサームッディーン(政権離反者)
  • アブドゥルハキーム・バッシャール(シリア・クルド国民評議会):欠席
  • ムスタファー・ウースー(シリア・クルド国民評議会):欠席
  • アブドゥー・カッドゥー(シリア・クルド国民評議会):欠席

**

国民行動グループのムハンマド・ヤースィーン・ナッジャールは『ハヤート』(11月29日付)に、女性メンバー不在だったシリア国民評議会現事務局に、ラファー・ムハンディス(国民行動グループ)、ムナー・ジュンディー(国民具ロック)、タグリード・ハジャリー(シリア自由人連合、ズィヤード・アブー・ハムダーンと交替)が選出されたことを明らかにした。

**

アレッポ県北部で反体制武装闘争を続けるアフマド・ファッジュ准将は、AFP(11月28日付)に対して、アターリブ市郊外の第46中隊基地を制圧し、地対空ミサイルを奪取したと述べた。

レバノンの動き

ワーイル・アブー・ファーウール社会問題大臣(進歩社会主義党)は、レバノン国内のシリア人避難民が急増した場合、避難民キャンプを設置する可能性を排除しない、と述べた。

しかし現在閣内では避難民キャンプについての議論はなされていない、という。

諸外国の動き

国連総会第3委員会は、反体制武装勢力・サラフィー主義者によるテロと、政府軍によるその掃討作戦の激化を受け、シリア政府による「深刻且つ体系的な人権侵害」を非難するとともに、「すべての当事者にあらゆる暴力の停止」を呼びかける決議を採択した。

決議案は、アサド政権と敵対する欧米諸国、湾岸アラブ諸国20カ国が提出し、122カ国が賛成した。

キューバ、北朝鮮など12カ国が反対、35カ国が棄権した。

**

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は総会第3委員会で、欧米諸国などが提出したシリア非難決議に対して、武装テロ集団とこれらの集団を支援する国家を非難していないと述べ、決議がシリア国内での暴力の激化を助長することにつながると非難した。

そのうえで、シリア国民が、国連人権規約に反する人権問題を抱えるサウジアラビアやカタールといった国々の干渉を排除し、自らの手で公正と平等に基づく社会を建設することをめざしている、と訴えた。

SANA(11月28日付)が報じた。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ロシア紙(Аргументы и Факты)に対して、「いかなる状況であっても、ロシアを武力紛争に引き込むことを話題にする余地はない。タルトゥース港でのロシア海軍基地への技術的・物的支援は通常通り行われている…。軍事・技術分野で数年にわたる(シリアへの)支援は、何よりもまず、中東の安定を支援するためで、シリア国内のいかなる勢力をも支援することを目的としてない」と述べた。

AFP, November 28, 2012、Akhbar al-Sharq, November 28, 2012、Aljazeera.net, November 28, 2012、al-Hayat, November 29, 2012、Kull-na Shuraka’, November 28, 2012, November 29, 2012、al-Kurdiya
News, November 28, 2012、Naharnet, November 28, 2012、Reuters, November 28,
2012、SANA, November 28, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カイロでシリア国民民主同盟大会が開会するなか、シリア・クルド国民評議会と西クルディスタン人民議会が自由シリア軍に対抗するための「クルド統合軍」を発足することで合意(2012年11月23日)

国内の動き

アサド大統領がダマスカスを訪れたイランのアリー・ラーリージャーニー諮問評議会(国会)議長と会談した。

SANA, November 23, 2012
SANA, November 23, 2012

会談で、アサド大統領は、イラン政府によるシリア国民への支援と、政治的対話支持の姿勢を高く評価し、国民対話を成功させ、シリアおよび地域全体の不安定化を狙ったテロと戦い続けるとの意思を示した。

またシリア情勢への対応のほか、イスラエルによるガザ空爆の失敗とパレスチナ人レジスタンスの勝利などについて協議した。

会談後の記者会見で、アサド大統領は、「(ラーリージャーニー議長訪問は)緊急訪問ではない…。我々とイラン高官は様々なレベルで常に連絡を取り合っている。しかし訪問が国会議長レベルとなれば、それ以外の高官との間で最近行われたすべての会談が総括される。とくに、急速に進展する事態や、ガザに対するイスラエルの攻撃を踏まえ、我々は過去の会談を再評価した。もちろんイスラエルの攻撃は私とラーリージャーニー議長博士の今日の会談では大きく取り上げた」と述べた。

SANA(11月23日付)が報じた。

シリア・アラブ・テレビ(11月23日付)によると、ダマスカス国際空港に到着したラーリージャーニー議長は、記者団に対して、「シリアに問題を作り出すことで、地域においてアドベンチャーを行おうとしている者がいる…。改革の名のもとに衝動的な行為を行い、混乱をもたらそうとしている武装集団もあるが、そうした試みが実現することはないだろう」と述べた。

また、ラーリージャーニー議長はシリア出国後にレバノンに到着、ベイルートでナビーフ・ビッリー国民議会議長と会談した。

SANA(11月23日付)によると、会談後、ラーリージャーニー議長は記者団に対して、シリアへの軍事介入を拒否するとの姿勢を示した。

SANA, November 23, 2012
SANA, November 23, 2012

**

シリアの外務在外居住者省は声明を出し、トルコのNATOへのパトリオット・ミサイル配備要請に関して「新たなる挑発的措置」と評し、トルコ政府が「シリア・トルコ国境における事態の軍事化、緊張・被害の増大をもたらし、友好的な両国国民の利害を損ねている」と批判した。

**

シリア・カトリック教会ハサカ司教区のベフナーン・ヒンドゥー大司教は書簡を出し、ローマ法皇、国連、国際社会に対して、ジャズィーラ地方(ユーフラテス川以東)への支援と、戦火拡大回避への努力を呼びかけた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市で、軍・治安部隊の砲撃により反体制武装勢力の戦闘員5人が死亡した。

一方、SANA(11月23日付)によると、ザマルカー町、アルバイン市、アイン・タルマー村、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市、フジャイラ村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の追撃を継続し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(11月23日付)によると、アレッポ市ブスターン・カスル地区、スッカリー地区、ムスリミーヤ地区、シャイフ・ルトフィー村、カフルナーハー村、アターリブ市、ファーフィーン村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど多数の戦闘員を殺傷した。

またアレッポ市マルジャ地区では、数百人の市民が「テロリスト退去」を訴え抗議デモを行い、反体制武装勢力がデモの排除を試み、子供1人を殺害、複数を負傷させた、という。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市の軍住宅機構近くの軍・治安部隊の検問所で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、兵士3人が死亡、15人が負傷した。

一方、SANA(11月23日付)によると、サルミーン市・イドリブ市間の街道で反体制武装勢力が爆弾をしかけた車を爆破し、市民3人を殺害、多数を負傷させた。

**

ハサカ県では、クルディーヤ・ニュース(11月23日付)によると、軍が戦車4輌、装甲車10輌、輸送車輌15輌をカーミシュリー市防衛のために増援した、と報じた。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(11月23日付)によると、ダイル・ザウル市各所、ブー・ウマル村で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

また突撃大隊、ハムザ・ブン・アブドゥルムトリブ大隊を名乗る武装集団が、バアス党ダイル・ザウル支部の元メンバーでアラブ作家連盟会員のムハンマド・ラシード・ルワイリーら4人を殺害し、シリア軍の犯行だとする嘘の映像を公開した。

**

ハマー県では、SANA(11月23日付)によると、ガーブ地方の街道の複数カ所で、シャームの民のヌスラ戦線が仕掛けた爆弾を爆破した。

反体制勢力の動き

シリア民主フォーラムは声明を出し、11月23日から25日でカイロで開催される反体制勢力の大会(シリア国民民主同盟大会)に関して、参加の意思を表明した。

**

革命青年連合なる組織が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、カイロでの反体制勢力の大会(シリア国民民主同盟大会)に参加するよう呼びかけた。

**

カイロで反体制勢力の大会(シリア国民民主同盟大会)が開会された。

大会は25日までの3日間の予定。

大会には、シリア民主フォーラムのミシェル・キールー、ハーズィム・ナハール、国民変革潮流のバッサーム・ブンニー、ワヒード・サクル、アンマール・カルビー、ヨルダンで活動するカマール・ルブワーニー(シリア革命反体制勢力国民連立)、ワリード・ブンニー、シリア自由人党のムンズィル・アクビークらが参加した。

また国内で活動する民主的変革諸勢力国民調整委員会も参加した。

**

シリア・ヤズィーディー評議会なる組織が声明を出し、議長のマズキーン・ユースフ女史とスィルハーン・イーサー報道官がイラクのクルディスタン愛国同盟(PUK)の正式な招待を受け、イラク・クルディスタン地域を訪問する、と発表した。

クルド民族主義勢力の動き

イラク・クルディスタン地域のアルビール市で、シリア・クルド国民評議会と西クルディスタン人民議会の代表が11月21日から23日にかけてシリア北東部の治安対策に関して協議し、自由シリア軍に対抗するためのクルド統合軍を発足することで合意した。

西クルディスタン人民議会のムハンマド・ラシューはアルビール市で「あらゆる敵対行為からクルド地域を保護することを開始」するため、「いかなる組織にも属さない軍を設置することで原則合意した」と述べた。

ラシューはまた「自由シリア軍がラアス・アイン市をはじめとするクルド地域に来て以降、彼らはアラブ人地区に展開していただけだとの認識があった。しかしほどなく、彼らは、クルドの旗が掲げられているとの口実で、これらの旗を焼き、我々と交戦した」と述べた。

そのうえで「タウヒード旅団、シャーム外国人大隊、そしてときに(シャームの民の)ヌスラ戦線が、クルド人市民を襲っている…。自由シリア軍はこれらの組織との関係を否定することもあるし、関係を認めることもある」と付言した。

またフェヴェダールを名のる活動家は、「イラク・クルディスタン地域で、シリア・クルド国民評議会と西クルディスタン人民議会がクルド地区を保護し、治安を脅かす者から地域を防衛するためのクルド軍結成で合意した…。(軍は)民主統一党とクルディスタン地域のクルド人離反兵によって構成される」と述べた。

AFP(11月23日付)が報じた。

また西クルディスタン人民議会のアブドゥッサラーム議長もクルディーヤ・ニュース(11月23日付)に対して、シリアの主要なクルド民族主義政党・組織が「クルド統一軍」を結成することで合意した、と述べた。

レバノンの動き

レバノンの各メディアによると、軍事情報局がアーシューラの祝祭を狙った爆弾テロを計画していたとされるシリア人5人をナバティーヤ県ナバティーヤ市で逮捕した、と報じた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は記者団に対して、「武器の蓄積は脅威を投げかけ、多くの場合、力に訴えようと望む者たち(の暴力)を促す」と述べ、トルコ政府のNATOへのパトリオット・ミサイル配備要請を批判した。

またラブロフ外務大臣は、「兵器拡散は、危険な武力紛争を挑発する脅威を投げかけるものであり、我々はこうしたことによる代償を避けたいと考えている」と付言した。

**

ロシア外務省は声明を出し、セルゲイ・ラブロフ外務大臣がアナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長に対して、トルコへのパトリオット・ミサイル配備(要請)への懸念を伝えた、と発表した。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は、チューリッヒ大学で講演し、トルコへのパトリオット・ミサイル配備(要請)に批判的立場をとるロシアの姿勢を「正当でない」と述べた。

**

イラン外務省報道官は、トルコのNATOへのパトリオット・ミサイル配備要請に関して「シリアにおける事態の正常化に資さず、事態悪化と危機激化をもたらすだろう」と批判した。

**

UNHCR報道官はジュネーブで記者団に対して、シリア人避難民の数が44万23256人に達したと発表した。

このうち21万3000人以上が9月以上に避難を余儀なくされ、12万7420人がレバノンに、12万5670人がヨルダンに、12万3747人がトルコに、5万5685人がイラクに、9734人が北アフリカ諸国など逃れた、という。

またシリア国内で支援が必要な市民の数は約250万人で、そのうち95%が国内避難民だという。

**

イラクのクルディスタン愛国同盟(PUK)政治局のサアディー・アフマド・ビーラは、AFP(11月23日付)に対して、シリアのクルド人はイラクのクルド人に軍事支援を要請していないとしたうえで、「我々はシリアのクルド人からの武器支援に関する要請を認めたことはない。我々は常に彼らに軍事的な問題から身を遠ざけるよう忠告してきた。我々は人道的、政治的、外交的な側面から彼らの要求をかなうよう支援している」と述べた。

AFP, November 23, 2012、Akhbar al-Sharq, November 23, 2012、al-Hayat, November 24, 2012, November 26 2012、Kull-na Shuraka’, November 23, 2012,
November 25, 2012、al-Kurdiya News, November 23, 2012、Naharnet, November
23, 2012、Reuters, November 23, 2012、SANA, November 23, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主フォーラムはシリア革命反体制勢力国民連立に関して「両者の組織的関係を問わず」協力・対話を進めたいと発表、一方米国は同連立を「亡命政府」として承認せず(2012年11月15日のシリア情勢

国内の動き

バアス党シリア地域指導部は矯正運動42周年に合わせて声明を出し、「シリア・アラブ人民が改革、発展、そしてアラブ民族の愛国的プロジェクトに対する驚異に立ち向かう意志」を確認するとともに、「アサド大統領が安定と治安への保障、改革路線、民族の不変的基礎…を真に代表する存在である」と表明した。

矯正運動とは1970年11月16日のハーフィズ・アサド前大統領による政権掌握を意味する。

 **

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、安保理会合で、シリア国内でのすべてのテロ活動と、外国によるテロ組織への資金援助、潜入支援を停止させるために必要な措置を即時に講じるよう求めた。

**

Syria Steps(11月15日付)は、シリア・ポンドの下落が続き、1ドル90ポンドに近づきつつある、と報じた。

同報道によると、ダマスカスでは1ドル88ポンド、アレッポでは89ポンド、レバノンでは81ポンドにまで下落している、という。

**

オリエント・ニュース(11月15日付)は、シリア国内で人道支援活動が認められているNGO・組織がラーミー・マフルーフが会長を務めるブスターン協会と、反体制活動家のルワイユ・フサインが指導するシリア国家建設潮流に限定されている、と批判した。

同報道によると、フサインは政権との「合意」のもと反体制活動を行っているという(未確認情報)。

**

クッルナー・シュラカー(11月15日付)は、数千人の逮捕者がテロ法廷に起訴された、と報じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サクバー市に軍が空爆を行い、複数名が死傷した。

またジスリーン町、ハラスター市、アルバイン市、ザマルカー町、ヤルダー市、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市が軍の砲撃を受けた。

ドゥーマー市での軍・治安部隊と反体制武装勢力の戦闘では、反体制武装勢力の戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(11月15日付)によると、ハラスター市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」を追撃し、ハラスター調整の指導者、ファタハ・イスラーム旅団メンバー、外国人戦闘員ら多数の戦闘員を殲滅した。

またフジャイラ村などでも軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、「ゴラン自由人」を名のるパレスチナ人戦闘員ら多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区が砲撃を受けた。

『ハヤート』(11月16日付)は、シリアの高官筋の話として、タダームン区のヌジューム映画館近くで「野戦病院」が発見され、「テロリスト」が強奪した大量の医薬品が押収されたと報じた。

一方、SANA(11月15日付)によると、タダームン区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員を殲滅、装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブーカマール市で反体制武装勢力が同市の軍事情報局施設を襲撃し、軍・治安部隊と交戦、兵士1人と3人の戦闘員が死亡した。

同監視団によると、戦闘の末、反体制武装勢力は、市内の軍事情報局施設、農業銀行を占拠した、という。

一方、SANA(11月15日付)によると、ダイル・ザウル市各所およびブーカマール市各所で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、殲滅した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区とダイル・バアルバ地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員4人が死亡した。

一方、SANA(11月15日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、バーブ・トゥルクマーン地区、ワルシャ地区、ワアル地区、アビル市、東ブワイダ村、ジャンダル市、ラスタン市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

これに対して、反体制武装勢力は、ヒムス市・ミスヤーフ市街道で旅客バスを襲撃し、乗客複数が負傷した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マンナグ航空基地周辺で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、またアアザーズ市に軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(11月15日付)によると、バーブ市、ダイル・ハーフィル市、マンビジュ市、ジュッブ・アブシャ市、カフルナーハー村、アレッポ市カーディー・アスカル地区、スッカリー地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

イドリブ県では、SANA(11月15日付)によると、ハーリム市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトなどを攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

これに対して、反体制武装勢力はアリーハー市・サラーキブ市間の街道に爆弾を仕掛け、爆発させ、市民2人を殺害、3人を負傷させた、という。

**

ダルアー県では、SANA(11月15日付)によると、ブスラー・シャーム市で反体制武装勢力が治安機関の関連施設を襲撃したが、軍・治安部隊が応戦、反体制武装勢力の戦闘員6人を殺害した。

**

『ハヤート』(11月16日付)などによると、ハサカ県の対トルコ国境に位置するラアス・アイン市での軍による反体制武装勢力への空爆・掃討作戦を受けるかたちで、トルコ軍は複数の戦闘機を南東部に派遣した。

**

クナイトラ県では、イスラエル国防軍によると、シリア領内での銃撃戦の流れ弾がイスラエルが占領するゴラン高原に着弾した。被害はなかった、という。

反体制武装勢力の動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(11月15日付)に対して、2011年3月以降の死者数が39,112人にのぼる、と述べた。

うち27,410人が民間人、1,359人が離反兵、9,800人が軍兵士だという。

しかし、アブドゥッラフマーン代表は、この数値には逮捕・行方不明者数千人、さらには「シャッビーハ」とみなされ反体制武装勢力が殺害した約1,000人は含まれておらず、また軍、反体制武装勢力が死者数を開示していないため、死者数は厳密ではない、と述べ、シリア人権監視団が発表してきた死者数が推計であることを認めた。

**

ミシェル・キールーが代表を務めるシリア民主フォーラムはシリア革命反体制勢力国民連立の結成に関する声明を発表した。

声明のなかで、フォーラムは、結成を歓迎し、その指導部を承認し、言動を支持するとしつつ、「フォーラムと連立の組織的関係は問わず」、協力と対話を進めたいとの意思を示した。

具体的には、体制打倒、国家・社会の統一維持、民主化といった目標に向けて、連立との協力・対話の意思を示し、「民主的で公正な革命的性格の強化」、「宗教宗派、思想信条、人種的属性を超えた市民のための自由な国家の建設」、「男女平等」、「連立が例外なくすべてのシリア人のための組織となること」を連立に求めた。

そのうえで連立の指導部が他の政治組織と対立、ないしは他の政治組織を支配することなく、民主的に反体制勢力の統合をめざすことを監視し続けると付言した。

**

ロンドンを拠点とするシリア中道党(マフムード・アルー・ハルフ党首)なる組織が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立への参加を表明した。

**

スワイダー自由在外居住者連盟なる組織が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立への全面支援を表明した。

クルド民族主義勢力の動き

クルド最高委員会の渉外委員会のムスタファー・ウースーは声明を出し、11月16日にイラク・クルディスタン地域でシリア・クルド国民評議会が会合を開き、シリア革命反体制勢力国民連立結成への対応、自由シリア軍との関係、そして「流入アラブ人」への対応について協議する、と発表した。

「流入アラブ人」(العرب الغمر)は、アラブ・ベルト構想によって1960年代半ば以降にハサカ県に移住した移民(シリア・アラブ人)。

ハサカ県の住民平和評議会メンバーのムハンマド・イスマーイールはクルディーヤ・ニュース(11月15日付)に対して、「流入アラブ人は、体制が衰退し、現地での影響力が消えて以降、自由シリア軍に近づこうとしている」と述べ、警戒感を露わにした。

レバノンの動き

『アフバール』(11月15日付)は、北部県アッカール郡バッダーウィー市の内務治安軍総局の武器庫からカラシニコフ銃3,000丁が盗まれ、シリアの反体制武装勢力に売却された可能性がある、と報じた。

**

サウジアラビアで事実上の亡命生活を送るサアド・ハリーリー前首相は声明を出し、「シリア革命と時を同じくして(イスラエル軍によるガザ)攻撃が発生したことは、可能な限り革命を阻止しようとする明確な意思の表れだとの疑義を呈する」と述べた。

しかしこの論理によると、シリアの反体制勢力が優勢だとの(西側諸国の)認識に立った場合、イスラエルの攻撃が反体制武装勢力によるシリア国内でのテロの被害を隠蔽するタイミングでなされたとも解釈できる。

イスラエルの動き

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とエフード・バラク国防大臣は占領下のゴラン高原を視察した。

占領地へのシリア領からの流れ弾の着弾に関して、バラク国防大臣は、「高原の麓のほぼすべての村、そしてその後背地は、事実上破壊分子の手に落ちている…。シリア軍の能力は断続的に低下している」と述べ、反体制武装勢力の勢力増大への懸念を示しつつ、「アサドの支配の痛ましい崩壊」を引き続き中止し続けるとの意思を示した。

ネタニヤフ首相もアサド政権に「亀裂」が生じつつあると指摘する一方、「イスラエルに対してより敵対的な国際的ジハードに属す勢力がそのプレゼンスを強化している」と反体制武装勢力の台頭に懸念を表明した。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は、再選後初の記者会見で、「亡命政府として承認する準備はない」と述べ、シリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の正統な代表として承認する意思がないことを明言、「我々は反体制勢力がシリア国民の意思の正統な代表だとみなす」と述べ、フランス、トルコ、GCCとの姿勢の違いを示した。

**

ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェビィッチ報道官は記者会見で、「多くの国の都市が近代的兵器の供与を制約した…。合法的政府に対する武装闘争を行う反体制勢力への外国の支援は、国際法が定める基準を明確に侵害している」と述べた。

ルカシェヴィッチ報道官はまた「国際法の原則において…、いかなる国にも、他国において武力で体制打倒をめざす武力行為を組織、支援、資金援助する権利はないと明記されている」と付言した。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリア情勢に関する関係閣僚・軍高官との会合後の記者会見で、シリアの反体制勢力との協力を「優先事項」としつつ、「明確な暫定計画」を提示するよう呼びかけた。

**

アナトリア通信(11月15日付)によると、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、ジブチでのイスラーム諸国会議機構(OIC)の外相会議でシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の唯一の正統な代表とみなすと改めて述べる」と述べた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、「フランスの姿勢は紛争への武器不供与を原則とするが、政府の戦闘機の空爆に曝される解放区があることは認められない」と述べ、反体制勢力への「自衛のための武器」供与禁止を解除することをEUにおいて求める移行を示した。

**

国連のマーティン・ニスルキー報道官は、ゴラン高原の非武装地帯の村を占拠する反体制武装勢力への攻撃に関して、UNDOFの同意のもとに攻撃を行っているとのファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣の発言(11月14日)に対して、「UNDOFはシリアのこうした軍事作戦に口頭で同意していない…。1974年に署名された兵力引き離し協定に觝触している」と否定した。

AFP, November 15, 2012、Akhbar al-Sharq, November 15, 2012, November 15, 2012、al-Hayat, November 16, 2012、Kull-na Shuraka’, November 15, 2012、al-Kurdiya News, November 15, 2012、Naharnet, November 15, 2012、Orient News, November 15, 2012、Reuters, November 15, 2012、SANA, November 15, 2012、Syria Steps, November 15, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主統一党とシリア・クルド国民評議会は共同声明のなかで自由シリア軍のアイン・アラブ市進入を厳しく非難、フランスがシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の唯一の正統な代表」として承認(2012年11月13日)

クルド民族主義勢力の動き

西クルディスタン人民議会(民主統一党)とシリア・クルド国民評議会は共同声明を出し、自由シリア軍のアイン・アラブ市進入を「政治的、軍事的に正当性がない」と厳しく非難し、撤退を要求した。

共同声明では、「シリアと世界の世論に対して、体制打倒のための革命が平和的であるべきだと強調する」と主張、自由シリア軍の進入により、「無実の市民の血が流されている」との惨状を訴えた。

そのうえで「すべての武装大隊の撤退の必要」を強調、また自由シリア軍掃討のために展開した「政府軍の即時撤退」を求めた。

国内の暴力

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市で県知事の車を狙った爆弾テロが発生し、ハサン・サーリフ・ジャラーリー県知事が負傷、また女性1人と士官1人が死亡した。

このテロに関して、SANA(11月13日付)は、武装テロ集団が仕掛けた爆弾がサイイダ・ビシャーラ教会近くで爆発し、女性1人が死亡した、と報じた。県知事の負傷については報じなかった。

**

アレッポ県では、SANA(11月13日付)によると、タッル・ラッハール村、ダイル・ハーフィル市、アレッポ市旧市街、ライラムーン地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市が軍・治安部隊の砲撃を受けた。

一方、SANA(11月13日付)によると、ジスル・シュグール市郊外のタッル・シュグール地点の検問所で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

またマアッラト・ヌウマーン市南部および南東部の入り口で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷したほか、ムハムバル村などで反体制武装勢力の追撃が行われた。

このほかイドリブ市では、反体制武装勢力が道路公社イドリブ支部のアブドゥッラッザーク・ユースフ技師を暗殺した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーリブー村で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、軍兵士7人と反体制勢力の戦闘員2人が死亡した。

一方、SANA(11月13日付)によると、ザマルカー町、スバイナ町、サイイダ・ザイナブ町、アルバイン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、「ダマスカス解放旅団」のムハンマド・アブドゥッサラーム・イドリースを含む多数の戦闘員を殺傷した。

またアイン・フィージャ町では、反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発し、女性、子供を含む多数の市民が負傷した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区に対して、軍・治安部隊が砲撃を加え、「同地区の制圧を試み」、戦闘員4人が死亡した。

またヤルムーク区にも迫撃砲が着弾し、アサーリー地区などに対しても砲撃が行われたという。

『ワタン』(11月14日付)によると、「早朝に重火器によって支援された軍部隊が二方向からタダームン区に突入し…、戦闘は晩まで続き、武装集団は甚大な被害を受け、撤退を余儀なくされた」という。

一方、SANA(11月13日付)によると、タダームン区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

またヤルムーク区では、パレスチナ人難民からなる人民諸組織が反体制武装勢力と対峙した。

**

ヒムス県では、SANA(11月13日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ラスタン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員を殲滅した。

一方、ヒムス市ワアル地区では、反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発し、子供2人が死亡、女性を含む6人が負傷した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、軍がラアス・アイン市周辺における軍備増強を開始した。

また軍がラアス・アイン市の総合情報部(反体制武装勢力が占拠)や反体制武装勢力の拠点を空爆した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がブーカマール市の軍の拠点複数カ所を襲撃した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、AFP(11月13日付)の電話取材に対して、「シリア人はバッシャールの戦闘機の空爆に直面している。彼らは高度な兵器が必要だ」と述べ、反体制武装勢力への武器供与の必要を強調した。

「高度な兵器」が何を意味するかは詳述しなかった。

**

シリア国民評議会執行部メンバー兼シリア革命反体制勢力国民連立メンバーのアフマド・ラマダーンは『ハヤート』(11月14日付)に対して、「フォード(米大使)は、「我々は(シリア革命反体制勢力国民連立の)行動に期待する。我々は何が起きるかを見極めて、米国政府に報告し、措置を講じる」と述べた…。(シリア革命反体制勢力国民連立発足に対する米国の)歓迎は不充分だ」と述べた。

また「シリア革命反体制勢力国民連立に関するアラブ連盟の決定も不充分だ。声明は連立がシリア国民の「意思」を表現しているとしているが、シリア国民そのもの代表として承認していない点で十分でない」と批判した。

**

シリア・ムスリム同胞団のアリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー前最高監督者は『ハヤート』(11月14日付)に対して、反体制勢力のなかで影響力を強めようとしているとの一部の疑念に対して、「ヘゲモニーに関する問題は、根拠のない言いがかりだ。我々はすべての組織の一部をなし、シリア国民評議会、そしてすべての大会に貢献してきた」と否定した。

**

国内で反体制活動を行う民主的諸勢力国民調整委員会は声明を出し、イランで18日に開催予定のシリア国民対話会合への招待状を受け取ったが、「ドーハ、テヘラン、イスタンブール、パリといった紛争当事国の首都で行われる調整のための…会合には参加しない」と述べ、不参加を表明した。

レバノンの動き

サウジアラビアで事実上の亡命生活を送るムスタクバル潮流のサアド・ハリーリー前首相は、声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立の発足を「シリア大衆の革命を続け、バッシャール・アサド大統領の体制を転覆するための正しい方向に向けたステップ」と支持を表明した。

諸外国の動き

カイロでアラブEU外相会議が開かれた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、アラブEU外相会議出席のためにカイロを訪問し、同地で記者会見を開いた。

記者会見でファビウス外務大臣は、「我々は様々な国がシリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の正統な代表として承認することを希望する…。フランスの役割はこの希望を可能なものにすることだ」と述べた。

またフランス自身による承認に関しては、「幾つかの段階がある。まずシリア国民評議会の幹部、とりわけジョルジュ・サブラー事務局長がいて、次にカイロで明日のともに朝食をとる予定の新たな幹部からなるより広範な委員会(シリア革命反体制勢力国民連立)がある」と述べた。

さらに反体制勢力への武器供与に関しては、「これまでは欧州諸国の側に武器問題に関する禁止事項が合った…。(反体制勢力が)講じる措置を見て、この決定は修正されるだろう。我々はこの問題を検討するだろう」と述べた。

しかし、シリアへの軍事介入に関しては、「重要な国々」がアサド政権を支援していると述べ、リビアのケースとは「同じでない」と否定、また「こうした状況はおそらく変わるだろう。今後解決に向けて行動する」と付言した。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、アラブEU外相会議で、シリア革命反体制勢力国民連立の結成を「きわめて重要な礎石」と歓迎しつつ、「すべての反体制勢力が参加し、シリア国内の支援を得ることを望む。そうなれば我々は、彼らをシリア国民の正統な代表として承認するだろう」と述べ、慎重な姿勢を示した。

また反体制勢力への武器供与については、EUがシリアへの武器供与を禁止しているため、武器を送る用意はない、と否定した。

**

サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、アラブEU外相会議で、シリア革命反体制勢力国民連立の結成を歓迎するとともに、「政治、安全保障、人道面でシリア国民を支えるため必要な支援を拡充すべき」と述べるとともに、シリア国民の正統な代表として承認を得るべく、国内外のすべての反体制勢力が連立のもとに結集するよう希望する、と述べた。

**

『ハヤート』(11月14日付)によると、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はアラブEU外相会議に「シリアにおける人道的ニーズに関する覚書」を提出した。

同覚書では、少なくとも250万人がシリア危機の被害を受け、その数は2012年末には400万人にのぼり、うち150万人が国内での避難生活を余儀なくされ、食糧・医療などの支援が火急に必要となるだろうとの試算されている。

また同覚書では、イラク、レバノン、ヨルダン、トルコ、北アフリカに避難したシリア人の数が39万5000人に達しており、2012年末までにその数は71万人に達すると試算されている。

さらにシリア国内の病院の67%が戦闘の被害を受け、29%が医療活動を行えない状態にある、と指摘、約2000の学校で避難民が避難生活を送り、2000の学校が破壊されたとの実態も明らかにしている。

また、パレスチナ難民についても、約50%が被害を受けたと指摘している。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、記者会見で、「私はフランスがシリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の唯一の正統な代表として承認すると宣言する」と述べた。

またシリアへの軍事介入の可能性に関して「安保理の決議がなされないかたちでの軍事介入はあり得ない…。ロシアの立場を踏まえると、それが提起されることはない。しかし、シリア革命反体制勢力国民連立の権威のもとに開放地区を保護するというかたちでそれに訴え得るという別の方法もある」と述べた。

さらにオランド大統領は反体制勢力への武器供与に関しては「シリアに正統な政府が成立すれば、フランスだけでなくシリア革命反体制勢力国民連立を承認するすべての国にとって再検討は不可欠になる」と述べた。

**

フランスのジャン・イブ・ルドリアン国防大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立の結成に関して「ドーハでの出来事は大きな前進だ。国際的に承認され得る暫定政府のような存在となるには未だ不十分だとしても、我々はそれが重要だと考える。しかしすべての武装集団もこれとともに統合されるべきだ」と述べた。

**

米国のマーク・トナー国務省副報道官は、「我々はシリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の正統な代表(の一つ)で、シリア国民を反映していると考える…。我々はまた同組織がシリア国内のシリア人を代表する能力を示すことを望んでいる」と述べた。

**

AFP(11月13日付)は、アムネスティ・インターナショナルとヒューマン・ライツ・ウォッチが、シリア革命反体制勢力国民連立の発足を受け、同組織に対して、反体制武装勢力に対して戦時国際法を遵守するよう明確なメッセージを発すとともに、違反者を処罰するよう要求した、と報じた。

AFP, November 13, 2012、Akhbar al-Sharq, November 13, 2012, November 14, 2012、al-Hayat, November 14, 2012、Kull-na Shuraka’, November 13, 2012, November 15, 2012、al-Kurdiya
News, November 13, 2012、Naharnet, November 13, 2012、Reuters, November 13,
2012、SANA, November 13, 2012、al-Watan, November 14, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アラブ連盟緊急外相会議が開かれシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の意思を代表する正統な代表」とする声明を承認、人民防衛隊がマーリキーヤ市からの軍・治安部隊の撤退を受け同市を掌握(2012年11月12日)

反体制勢力をめぐる動き

カタールのドーハで11日晩から未明にかけてシリア革命反体制勢力国民連立発足記念祝賀会が開かれた。

al-Hayat, November 13, 2012
al-Hayat, November 13, 2012

祝賀会には、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣、チュニジアのラフィーク・アブドゥッサラーム外務大臣、アラブ連盟のタラール・アミーン代表、GCCのアブドゥッラティーフ・ブン・ラーシド・ズィヤーニー事務局長、UAEのファーリス・ムハンマド安全保障軍事担当副大臣、米仏英などの代表が出席した。

**

祝賀会で、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、出席した各国代表に対して「アラブ連盟、GCC、欧州の友人、そして米国は、この政体(連立)がすべてのシリア人を代表する唯一の正統な組織であることを切望している。これは我々に対するあなた方の権利である。我々に対するあなた方の権利は、救援だけでない」と述べ、連立の国際承認を求めた。

また、出席したシリアの反体制活動家らに対して、「ハマド・ブン・ハリーファ首長とタミーム・ブン・ハマド皇太子は、シリア国民が望むことを我々が実行するうえで、あなた方の合意が手助けになる、ということを知っている」と述べた。

そのうえで、「出席したすべてのシリアの反対勢力」に「合意は力であるがゆえ、合意し、分裂しない」よう呼びかけ、自身がシリアの反体制勢力の指導者であるかのような傲慢な姿勢を示した。

**

GCCのズィヤーニー事務局長は、「GCCはシリア革命反体制勢力国民連立を…シリア国民の正統な代表とみなし承認すると発表する」と述べた。

またシリア国民の要求と希望を実現するため、この組織を支援すると述べ、アラブ諸国、諸外国、国際社会が連立を国際承認することをGCCとして注視していると強調した。

**

祝賀会で、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、「シリア公民の最大の望みは、安全に暮らし、恐れることなく眠ることだった。しかし、今は体制を根絶することを望んでいる」と断じた。

またシリア革命反体制勢力国民連立の活動に関しては、緊急支援、流血停止、そして体制打倒が最優先事項だと述べた。

さらに「カタール、サウジアラビア、UAE、そしてそのほかのGCC諸国、トルコ、エジプト、リビア、ヨルダン、友好諸国に感謝する」と締めくくった。

**

祝賀会で、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長は「我々は真の救援を必要としている…。我々は我々の子供たちを守るため、パンではなく武器が必要だ。なぜなら体制は武器を増強しているからだ」と述べた。

**

『ハヤート』(11月13日付)によると、シリア国民評議会のサミール・ナッジャール財務局長は、「去年3月以降、4000万ドルの支援しか受け取っていない。月1億5000万ドルの支援を約束されたのに」と述べ、西側諸国、湾岸アラブ諸国の支援の少なさを批判した。

**

シリア国民評議会は、フェイスブック(11月12日付)で、リビア在住のシリア人のパスポートの更新を開始した、と発表し、新パスポートの写真を公開した。

Akhbar al-Sharq, November 12, 2012
Akhbar al-Sharq, November 12, 2012

諸外国の動き

アラブ連盟はカイロで緊急閣僚級会合を開催し、シリアおよびパレスチナ情勢について協議した。

会合では、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が、ドーハでのシリアの反体制勢力の大会での成果を踏まえ、シリア危機解決に向けた見通しを示した。

会合には、ナビール・アラビー事務総長、アフマド・ビン・ヒッリー事務副長、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣(シリア問題閣僚委員会)、チュニジアのラフィーク・アブドゥッサラーム外務大臣、レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣、そしてブラーヒーミー共同特別が出席した。

またカタールのハマド首相に連れられ、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長とシリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長が連盟本部に入り、会合に参加した。

複数の消息筋によると、会合において、ブラーヒーミー共同特別は、国連安保理常任理事国がシリア危機に関する決議を遵守する必要があると強調した、という。

また複数の消息筋によると、会合に先立って、ハマド首相は、シリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長をシリアの代表として主席させることを求めたが、カタール以外の国が難色を示した、という。

また会合でも、シリア革命反体制勢力国民連立をシリア政府に代わる代表とすることを事務局に認めさせようとする動きがあったという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立の発足を受け、米国のマーク・トナー国務省副報道官は声明を出し、「血塗られたアサド体制終焉への道を開く国民連立への支援を早急に命じる」と述べた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立の発足を「反体制勢力統合のための不可欠なプロセスにおける重要なステップ」と高く評価し、「全面支援」を行うと述べるとともに、連立の「国際承認のために活動する」との意思を表明した。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立の発足を「多様なシリア国民を広範に代表する」ための「重要なステップ」と高く評価するとともに、「暫定移行期間に備え、シリア社会のすべての集団とともにあることを求める」と述べた。

**

ドイツ外務省報道官もシリア革命反体制勢力国民連立の発足に関して「アサド体制に代わる満足の行くオルターナティブ」と高く評価した。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長と会談した。

会談で両氏の就任を祝福したダウトオール外務大臣は、「シリアの反体制勢力は分裂しており、統合されていない。我々は彼らを支援できない。そう私は話した。しかし、反体制武装勢力は国連、そしてすべての当事者から支援を受けるに値する」と述べた。

**

ロシア外務省は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立の発足に関して「(ロシアにとって)もっとも主要な基準は…こうした連立が、外国の介入を排除し、対話を通じたシリア人による平和的紛争解決を原則として行動する用意があるかという点である…。(ロシアは)、シリア政府と”すべての”反体制勢力との連絡を継続し、建設的な方法に従うよう求める」と発表した。

**

『ハヤート』(11月13日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、イランがイスラーム諸国会議機構の第39回外相会合(ジブチ)でのシリアの加盟資格停止撤回を目指している、と報じた。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長はプラハでの会合で「NATOは同盟国であるトルコの防衛のために必要なことを組織として行うだろう…。トルコ防衛を可能とするあらゆる計画が準備されている。我々はそれが抑止力となり、トルコが攻撃に曝されないことを希望している」と述べた。

またドーハでの反体制武装勢力の大会に関して、「分裂した反体制勢力はもちろん問題である。それゆえ、我々は反体制勢力にもっと統合して欲しい」と述べた。

**

イスラエル国防軍は声明を出し、占領下のゴラン高原の基地近くの空き地にシリア領内からの迫撃砲が着弾、これを受けイスラエル国防軍が迫撃砲の発射地点に向けて戦車で反撃を行った、と発表した。

そのうえで、「シリアからの発砲にこれ以上寛容であるわけにはいかない。激しく報復するだろう」と付言した。

同声明によると、シリア領からの迫撃砲は、軍・治安部隊と反体制武装勢力の戦闘の流れ弾で、イスラエル国防軍を狙ったものではない、という。

国連のマーティン・ネスィルキー報道官は、「国連は(紛争の)エスカレートの可能性を大いに懸念する」と述べ、シリアとイスラエルの交戦の可能性への懸念を表明した。

**

EU災害危機管理課は、赤十字国際委員会と国際赤十字赤新月社連盟に対して、トルコで避難生活を送るシリア人17万人に対する3230万スイス・フラン掃討の緊急支援を行うよう呼びかけた。

**

アラブ連盟緊急外相会議がカイロで開かれ、ドーハで結成されたシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の意思を代表する正統な代表」とする声明を承認した。

声明の採決には、アルジェリアとイラクが態度を留保し、国連憲章第7章に基づく介入を国連に呼びかけた。

またレバノンは、シリア危機と「距離を置く」政策に基づき、声明採決を棄権した。

声明は、シリア革命反体制勢力国民連立に参加しなかった反体制勢力に対して、連立への参加を呼びかけ、シリア国民の諸相のための組織とすることを呼びかけた。

また国際機関に対して、シリア革命反体制勢力国民連立の承認を求めた。

さらに、シリア革命反体制勢力国民連立をはじめとする反体制勢力に対して、権力移譲のための平和的解決策案出のため集中的な対話に入るよう呼びかけた。

緊急外相会議には、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長とシリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長が出席した。

**

緊急外相会議後、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は記者会見を開き、「シリア革命反体制勢力国民連立は、シリアの反体制勢力の正統な代表であり、アラブ連盟の基本的交渉相手だ」と述べた。

ハマド首相によると、シリア革命反体制勢力国民連立の「承認」の形式は、リビア暫定国民評議会の承認と形式に準じている、という。

しかし、GCCが「シリア国民の正統な代表」と承認したのに対して、アラブ連盟外相会議は、「シリア国民の”意思”の正統な代表」とし、シリアにおける体制転換に慎重な周辺諸国に一定の配慮を行った。

国内の暴力

ハサカ県では、シリア人権監視団は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員7人を含む12人がラアス・アイン市に対する軍の空爆で死亡した、と発表した。

空爆は、反体制武装勢力が占拠した政治治安部の施設に対して行われ、空爆では子供1人、女性1人を含む民間人5人も死亡した、という。

対トルコ国境に位置するラアス・アイン市へのシリア軍の空爆・攻撃に対して、トルコ軍は迎撃しなかった。

アナトリア通信(11月12日付)はまた、軍がラアス・アイン市の食品工場を空爆し、シリア人が少なくとも4人死亡、多数が重傷を負ったと報じた。

この工場も、反体制武装勢力が占拠していた。

シリア人権監視団によると、空爆後、戦闘ヘリコプターがラアス・アイン市に対して機銃攻撃を加え、反体制武装勢力が反撃した、という。またその後、空爆が再開されたという。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がマアッラト・ヌウマーン市への空爆を行う一方、ハーリム市などマアッラト・ヌウマーン市周辺の地域で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(11月12日付)によると、ジスル・シュグール市郊外のタッル・ウワイル村、タッル・ハムカ村、ミンタール村、サッラ・ズフール村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトなどを攻撃し、戦闘員を殲滅した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブーカマール市が軍の空爆を受けた。

一方、『ハヤート』(11月13日付)によると、反体制武装勢力は、同市のハムダーン空港上空で軍のヘリコプターを撃墜したと証言した(未確認情報)。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、軍がディブスィー・アフナーン村を空爆した。

同村は2日前から反体制武装勢力によって包囲されている、という。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区での砲撃で7人が死亡した。

一方、SANA(11月12日付)によると、タダームン区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殲滅、米国製の武器弾薬などを押収した。

なお、『バアス』(11月13日付)は、軍・治安部隊がハラスター市の全地区を制圧した、と報じた。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハスヤー町で反体制武装勢力が軍・治安部隊を要撃し、13人を殺害した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(11月12日付)によると、ハラスター市および同市周辺、ザマルカー町で、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

アレッポ県では、SANA(11月12日付)によると、反体制武装勢力がハンダラート空軍基地を襲撃しようとしたが、軍・治安部隊が撃退した。

またアレッポ市、ブスターン・カスル地区、スッカリー地区、カルム・ジャズマーティー地区、ハーラト・シハーディーン地区、ライラムーン地区、カフルハムラ村、カフルナーハー村、バーブ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、シャームの民のナスラ戦線のメンバーら多数の戦闘員を殺傷した。

**

『アフバール』(11月13日付)は、シリア人ジャーナリストのシャリーフ・シハーダが乗った車が「ウマイヤ末裔旅団」によって襲撃され、シハーダが負傷、ドライバーが死亡したと報じた。

クルド民族主義勢力の動き

シリア人権監視団によると、民主統一党の人民防衛隊(YPG)がマーリキーヤ市からの軍・治安部隊の撤退を受け、同市を掌握した。

al-Kurdīya News, November 12, 2012
al-Kurdiya News, November 12, 2012

**

クルディーヤ・ニュース(11月12日付)によると、民主統一党の人民防衛隊(YPG)はハサカ県ダイリーク市内の治安施設・拠点を掌握した。

複数の住民によると、同市の治安施設・拠点には長らく、軍・治安要員は部分的にしか駐留しておらず、人民防衛隊は軍・治安部隊から引き継ぐかたちでこれらの施設・拠点に入ったという。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、殉教者記念日に合わせてテレビ演説を行った。

演説ではシリア情勢についても触れられ、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺(10月)をアサド政権やヒズブッラーの犯行と断じる3月14日勢力の姿勢を「それで彼らは何を成し遂げたいのか?」と批判した。

また「我々のシリアに対する姿勢は変化しない。政治的解決がシリア国民の利益になる…。しかし危険なのは、新たな反体制勢力の同盟(シリア革命反体制勢力国民連立)が対話を拒む点でコンセンサスに達した点である。彼らはさらなる破壊を望んでいる。これは米国、イスラエル、一部の性根の悪いアラブ諸国の利益になるだけだ」と述べた。

AFP, November 12, 2012、al-Akhbar, November 13, 2012、Akhbar al-Sharq, November 12, 2012, November 13, 2012、al-Ba’th, November 13, 2012、al-Hayat, November 13, 2012、Kull-na Shuraka’, November 12, 2012、al-Kurdiya News,
November 12, 2012、Naharnet, November 12, 2012、Reuters, November 12, 2012、SANA,
November 12, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国内の反体制組織・活動家らが「ドーハでの反体制勢力の会合の計画を拒否する」との意思を示すなか、ハサカ県では民主統一党と軍・治安部隊による交渉がもたれた末に前者が2市を掌握(2012年11月10日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(11月11日付)によると、国内の反体制組織・活動家らやシリア国民諸勢力が共同声明を発表し、「ドーハでの反体制勢力の会合の計画を拒否する」との意思を示した。

この共同声明には、12の組織が参加、それらの代表者である自由シリア軍司令官のリヤード・アスアド大佐、シリア・レジスタンス現地大隊のサアド・ウカイディー、バヒーヤ・マールティーニー(クルド人)、シャーム自由人党のイブラーヒーム・ズウビー、国民変革潮流のアンマール・カルビーらが署名している。

同声明は、ドーハでの会合に参加する反体制勢力を「革命の誠実な申し子たちを排除する者」と批判し、会合で「準備された争点そのものに疑義を呈する」としたうえで、「革命成就後に、我々国民が望まないことを誰も押しつけることはできない」と主張した。

そのうえで、「祖国のなかで、民間人と軍人の対話を始め、国内で真の国民議会を設置し、長きにわたる苦しみを終えるべく、あなたたち(国民)の望みを代弁する」と締めくくった。

**

米国とリヤード・サイフ元議員の主導のもと11月8日にドーハで開会された反体制勢力の大会(「共にシリアのために」会合)に、シリア国民評議会の新執行部が参加、他の反体制組織との協議に入った。

『ハヤート』(11月11日付)によると、両陣営は、体制打倒と自由シリア軍支援において原則合意したが、リヤード・サイフ元議員が提示したシリア国民イニシアチブに代えて、反体制勢力の「連立」に向けた議論が進められ、「シリア国民評議会が連立において大きなウェイトを持つ」かたちの調整がめざされている、という。

会合には、カタールのハーリド・アティーヤ外務担当国務大臣、UAEのアブドゥッラー・ブン・ザーイド外務大臣、ロバート・フォード駐シリア米大使らも同席した。

『ハヤート』(11月11日付)によると、アティーヤ外務担当国務大臣は、カタールがシリア国民評議会の存続を支持し、シリア国民イニシアチブ委員会をその代替とみなさない、と明言した。

**

シリア国民評議会のアフマド・ラマダーン執行部メンバーによると、大会で評議会は「自らのビジョン」を提示する一方、サイフ元議員によるシリア国民イニシアチブ委員会の設置の是非に向けて協議を行っている、という。

ラマダーンは、サイフ元議員の提案に基づいてシリア国民イニシアチブ委員会が設置されることを妨げないが、このことはイニシアチブそのものに同意したことを意味せず、また評議会はシリア国民イニシアチブ委員会が設置されても参加しないだろう、と述べた。

**

AFP(11月10日付)によると、シリア国民評議会は、ドーハで開催中の反体制勢力の大会で、暫定政府発足などを骨子とする新提案を提示するという。

同提案は、①暫定政府、②シリアの友連絡グループの呼びかけに応え、その支援を受け入れるためのシリア国民支援基金、③国内軍事司令部合同指導部、④シリア司法委員会、という四つの組織からなる。

また、「シリア国内での反体制勢力の大会によって暫定政府が樹立されるまで」、この暫定政府が施政権を担うことが定められている、という。

**

シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー新事務局長は就任後初の記者会見で、米国の後援のもとにリヤード・サイフ前議員が提案したシリア国民イニシアチブ構想に関して、「シリア国民評議会はシリア国民イニシアチブをはじめとするいかなるイニシアチブよりも古い。我々に求められているのは、国民的な構想に向けて進むことで、別の路線の旗のもとに集うことではない」と述べた。

また「我々は同胞と開かれた対話に入り、彼らのイニシアチブを精査した。しかし、我々には我々の見方、考え方があり、それを提示するだろう」と付言した。

SANA, November 10, 2012
SANA, November 10, 2012

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊がマアッラト・ヌウマーン市周辺部での進軍を続け、付近の国際幹線道路や周辺の多くの村々を奪還した。

しかし、マアッラト・ヌウマーン市は、反体制武装勢力が占拠している、という。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市で連続爆破テロが3件発生し、少なくとも兵士20人が殺害された。

爆破テロのうち2件は爆弾を積んだ車による自爆テロで、将校クラブが標的となった。また残る1件は市内のスタジアム近くで発生した。

SANA(11月10日付)によると、反体制武装勢力によるこのテロで7人の市民が犠牲となった。

SANA, November 10, 2012
SANA, November 10, 2012

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ザーヒラ地区で、車に仕掛けられた爆弾が爆発した。

またタダームン区では、反体制武装勢力が軍・治安部隊の検問所を襲撃し、両者が交戦した。

一方、SANA(11月10日付)によると、反対武装勢力がダッフ・シューク地区で爆弾を車に仕掛けて爆発させ、複数の市民が負傷した。

またジョルジュ・フーリー広場に面する民家に、反体制武装勢力が迫撃砲を発射し、複女性2人が負傷した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市郊外で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(11月10日付)によると、ハラスター市郊外などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

またナブク市で、反体制武装勢力が仕掛けようとしていた爆弾が誤爆し、戦闘員全員が死亡した。

このほか、クッルナー・シュラカー(11月10日付)は、ジュダイダ・シャイバーニー調整の活動家の話として、反体制活動家のムハンマド・バッシャール・スンウーバル医師が数度にわたる逮捕のち、11月6日にラマール検問所で殺害された、と報じた。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル占領地近くで、軍・治安部隊が反体制武装勢力掃討のために砲撃を行った。

また反体制武装勢力2人が、フッリーヤ村の治安部隊の検問所を襲撃した。

**

アレッポ県では、SANA(11月10日付)によると、アナダーン市、バーブ市、ハンダラート・キャンプ、アレッポ市フィルドゥース地区、アグユール地区、ライラムーン地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジト、拠点などを攻撃し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(11月10日付)によると、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊が反体制武装勢力(ターリク・ブン・ズィヤード旅団)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、SANA(11月10日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、タルビーサ市、ラスタン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殲滅、装備を破壊した。

クルド民族主義勢力の動き

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、民主統一党と住民の要請により、ダルバースィーヤ市とタッル・タミル市から軍・治安部隊が退去、同党が両市を掌握した。

シリア人権監視団のアリー・アブドゥッラフマーン代表によると、人民防衛隊と住民が「両市の警察、軍事情報局、総合情報部などの治安施設を長時間にわたって包囲」、アイン・アラブ市と同様の戦闘を回避するための交渉を軍・治安部隊と行い、軍・治安部隊は両市から退去した、という。

なお民主統一党の人民防衛隊はこれをうけ、ダルバースィーヤ国境通行所も掌握した。

クッルナー・シュラカー(11月10日付)によると、このほかにも、アブー・ラースィーン市、タッル・バイダル村からも軍・治安部隊が退去した、という。

**

『ハヤート』(11月11日付)によると、この退去を受け、ハサカ県はハサカ市、カーミシュリー市、カーミシュリー国境通行所以外が、クルド民族主義勢力と反体制武装勢力のいずれかに掌握された、という。

**

『ハヤート』(11月11日付)は、クルド人活動家の話として、民主統一党人民諸委員会が、クルド人避難民に対して、軍・治安部隊が退去したハサカ県ラアス・アイン市に戻るよう呼びかけている、という。

複数のメディアによると、自由シリア軍のラアス・アイン市襲撃により、住民のほとんどは市外に避難、うち約5,000人がトルコ領内に逃れていた、という。

レバノンの動き

シリアの複数の反体制筋によると、ヒムス市サフサーファ地区で、ヒズブッラーの民兵の司令官の一人バースィル・ハマーダが反体制武装勢力との戦闘中に死亡した。

スカイニュース(11月11日付)によると、この戦闘では、ヒズブッラーの戦闘員複数が負傷した。

諸外国の動き

『クドス・アラビー』(11月10日付)は、シリアの信頼できる複数の消息筋の話として、10月10日にトルコのアンからに強制着陸させられたモスクワ発シリア・アラブ航空旅客機の積荷のなかに、ADE651(英国製爆発物探知機)などが含まれていた、と報じた。

AFP, November 10, 2012、Akhbar al-Sharq, November 10, 2012、al-Hayat, November 11, 2012、Kull-na Shuraka’, November 10, 2012、al-Kurdiya News, November 10, 2012、Naharnet, November 10, 2012、al-Quds al-‘Arabi, November 10, 2012、Reuters, November 10, 2012、SANA, November 10, 2012、Sky News, November 11, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国民評議会総会が2日目の審議を行い組織改編案を原案のまま承認、ハマー県内の軍所轄の農村開発センターでは「シャームの民のヌスラ戦線に属する男が自爆」(2012年11月5日)

国内の動き

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、シリア国民評議会総会やリヤード・サイフらによる反体制勢力大会の開催に関して、「アメリカが…反体制勢力のために開催する大会を見て、笑っている。今日はある当事者を支持し、別の当事者を支持するためにこの当事者を廃そうと動いている…。シリアにおける問題解決は、アサド大統領の指導のもと長期的にはなされるものであり、こうした当事者たちは(カタールの)ホテルで座っていないで、国民対話を行うために来ることになろう」と述べた。

反体制勢力の動き

自由シリア軍のアブー・マフムードを名のる離反士官は、AFP(11月6日付)に対して、「この(在外の)指導者たちを尊敬している者はシリアには一人もいない。なぜなら離反した士官は戦わねばならないからだ…。あいつらはただお茶をすすり、水たばこをふかし、おしゃべりしているだけだ」と述べ、在外の反体制組織・活動家を批判した。

また「組織化なしに、バッシャール・アサドを倒すことはできない…。我々には今組織がない。なぜならあの士官どもがトルコでくつろいできたからだ」と付言した。

**

シリア国民評議会総会が、アブドゥルバースィト・スィーダー事務局長を議長として2日目の審議を行い、組織改編案を原案のまま承認した。

『ハヤート』(11月6日付)によると、この改編により、16の政治組織、24の地元評議会などがシリア国民評議会に新規参加する。

新規加入する主な組織は、人民自由潮流(ナセル主義組織)、トルクメン運動、シリア自由人連合(ドゥルーズ派)、シリア部族評議会、クルド民主諸勢力連合、シリア・クルド国民行動戦線、スィルヤーニー連合党などで、その多くがシリア国民を代表するのではなく、マイノリティの一部を代表している。

また組織改編の一環として、シリア国民評議会の「スリム化」が実行された。

『ハヤート』(11月6日付)によると、この「スリム化」により、286人だった評議員メンバーを418人に拡大する一方で、46人のメンバーが解任された。

複数の消息筋によると、解任の理由は、会員資格への違反、組織内での役割に関するもので、その是非をめぐって総会では激しい論戦が繰り広げられた。

これに関連して、政治ブロックに属していない無所属のメンバーの間からは、評議会における代表権が低下させられた、と非難した、という。

総会ではまた、内規、選挙規約などの修正も審議された。

この修正により、総会メンバーは非公式の比例代表式選挙で、事務局と執行部は直接自由投票で選出されることになった。

また事務局の定数は40人を上限、執行部は11人を上限とすることが定められた。

なお総会には、カタール、トルコ、アラブ連盟、米国、フランスなどの高官が参加した。

**

シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は、AFP(11月5日付)に対して、米国とリヤード・サイフ元議員が主導する反体制武装勢力の大会に関して、「木曜日(8日)だけで、結論に至ることは不可能だろう…。ここで月末まで(審議を)続けることになろう」と述べ、亡命政府発足に時間をかける必要があるとの意思を示した。

また、スィーダー事務局長は、「シリアの友連絡グループは、我々に多くを約束したが、シリアの災難の大きさからすると微々たることしかしていない…。シリア人は、自らに惨状を終わらせるためには何もしないと世界全体が合意している…と感じている」と欧米諸国を非難した。

**

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン前事務局長が『ハヤート』(11月6日付)の取材に応じた。

取材に対して、ガルユーン前事務局長は、シリア国民評議会総会に関して「多くのメンバーが刷新され、コンセンサスではなく選挙に基づいて諸委員会の再選出が行われる」と述べるとともに、事務局選出、政治決議、政治プログラムなどが審議されることを明らかにした。

また「新たなメンバーを吸収するためのスリム化を行った。一部の古いメンバーを排除せざるを得なかった」と述べ、組織再編に伴う一部メンバーの脱会を自己弁護するとともに、協議会のメンバーでなくとも、同組織内の事務局で活動できるとの見解を示した。

アメリカとリヤード・サイフ元議員が進める反体制武装勢力の大会(8日予定)に関して、「我々は指導部の組織改編のために通常の大会を開催しただけ」と述べ、亡命政府について審議する予定はないと述べた。

また「我々はほかの反体制勢力と(8日の)拡大会合で一同に会する。シリア国民評議会は自ら決定を下す。反体制勢力の統合…、亡命政府発足をめぐる協議を行ううえでの最善の形式は評議会が決定する」と強調し、暫定政府の発足が8日に実現することはなく、数ヶ月を要するだろうとの見方を示した。

**

ジョルジュ・サブラー報道官らシリア国民評議会の使節団がカタールのハーリド・アティーや外務担当大臣と会談した。

会談で、サブラー報道官は、シリア国内の安全な解放地区に暫定政府を直ちに移転することを提案した。

国内の暴力

ハマー県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、ガーブ平野のズィヤーラ町にある軍所轄の農村開発センターで「シャームの民のヌスラ戦線に属する男が自爆」し、軍兵士と「シャッビーハ」約50人が殺害された。

アブドゥッラフマーン代表は、このテロが「ほかの大隊との協力のもとに行われ、彼らは同センター周辺に爆弾を仕掛けた」と付言し、反体制武装勢力もテロに関与していることを認めた。

SANA(11月5日付)も、農村開発センターでテロリストが自爆したと報じた。

同報道によると爆発物は1トンに及んだという。

**

ダマスカス県では、SANA(11月5日付)によると、マッザ区(マッザ・ジャバル86地区)で、しかけ爆弾が爆発し、11人が死亡、女性・子供を含む数十人が負傷した。

またタダームン区に、軍・治安部隊が砲撃を加えた、という。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(11月5日付)によると、サイイダ・ザイナブ町の廟の近くで反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発し、複数のメディアによると6人が死亡した。

またハラスター市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、武装勢力が保有する対空砲など、装備を破壊した。

さらに、ハジャル・アスワド市に、軍・治安部隊が砲撃を加えた、という。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーリム市への軍の空爆で、反体制武装勢力の戦闘員約20人が死亡した。

同監視団によると、この空爆の後、反体制武装集団が同市内の軍・治安部隊の拠点に対して砲撃を行った、という。

反体制活動家によると、ハーリム市で死亡した戦闘員のなかにはイドリブ殉教者旅団の司令官らが含まれていた。

また、シリア革命総合委員会によると、カフルニブル市に対して、軍が空爆を行い、少なくとも14人が死亡した。

同委員会によると、犠牲者はマアッラト・ヌウマーン市からの避難民ら。

SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012

 

一方、SANA(11月5日付)は、ハーリム市に対する軍の特殊作戦で、イドリブ殉教者旅団のバースィル・イーサー司令官ら複数の戦闘員を殺害した、と報じた。

またサラーキブ市、マアッラト・ヌウマーン市、タフタナーズ市、マアッラト・ナアサーン村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザフラー地区の空軍情報部施設近くで、軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

AFP(11月5日付)によると、この戦闘で、隣接するシリア赤新月社の倉庫が全焼し、支援物資が消失した。

このほかシャフバー地区、ライラムーン交差点などでも軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

一方、SANA(11月5日付)によると、アレッポ市南部のICARDA近く、アウラム・クブラー町、カフルハムラ村、アレッポ市スッカリー地区、マアーディー地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点などを攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(11月5日付)によると、ダイル・ザウル市内で軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダルアー県では、SANA(11月5日付)によると、ダルアー市で軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺害した。

レバノンの動き

NNA(11月5日付)は、ベカーア県ヘルメル郡ハウシュ・サイイド村に隣接するヒムス県スィフサーフ村の民家に迫撃砲が着弾し、レバノン人1人が死亡した、と報じた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、エジプトはムハンマド・カーミル・アムル外務大臣と会談した。

会談後の共同記者会見でラブロフ外務大臣は、「我々は反体制勢力に決定的な影響力を持っていない…。こうした影響力を持つ者はジュネーブ合意実施に向けて努力すべきであり…、反体制勢力に政府との交渉のテーブルに着かせ、移行期間のプログラム、日程を審議させるべきだ」と述べ、西側諸国を暗に批判した。

また「我々は何度も繰り返し、シリア政府の誰かに関心があるのではないと言ってきた。我々の関心はシリア国民にあり、彼らが安堵して暮らすには、両当事者の暴力停止が不可欠である」と付言した。

**

AFP(11月5日付)は、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣が、アンマンに亡命中のリヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相と反体制勢力再編に関して協議したと報じた。

**

ヨルダンのザアタリー国営避難民キャンプで避難生活を送るシリア人の数が40,000人に達した。

ヨルダン国営のペトラ通信などが伝えた。

AFP, November 5, 2012、Akhbar al-Sharq, November 5, 2012、al-Hayat, November 6, 2012, November 7, 2012、Kull-na Shuraka’, November 5, 2012、al-Kurdiya News, November 5, 2012、Naharnet, November 5, 2012、NNA, November 5, 2012、Reuters, November 5, 2012、SANA, November 5, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県内では軍・治安部隊が「最後の検問所を放棄」し反体制武装勢力がサラーキブ市を制圧、シリア国民評議会は同評議会に代わるいかなる枠組みが新設されることへの拒否を表明(2012年11月2日)

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊が「最後の検問所を放棄」し、反体制武装勢力がサラーキブ市およびその周辺を制圧した、という。

SANA, November 2, 2012
SANA, November 2, 2012

そのうえで、シリア人権監視団は、サラーキブ市の制圧により、ダマスカス県・アレッポ市、ラタキア市・アレッポ市の街道が分断された戦果を鼓舞した。

一方、SANA(11月2日付)によると、軍・治安部隊がマアッラト・ヌウマーン市周辺のマアッル・シャマーリーン村、ダイル・シャルキー村などで反体制武装勢力の追撃を継続し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またヤースィル・シューフィー県知事は、反体制武装勢力がハーリム市の砦を制圧したとの一部情報を否定した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市、ドゥーマー市、アルバイン市、ザマルカー町周辺が軍の空爆・砲撃を受けた。

**

ダマスカス県では、SANA(11月2日付)によると、ザーヒラ・ジャディーダ公園近くの交差点で武装テロ集団が車に仕掛けた爆弾2発を続けて爆発させ、多数の市民を負傷させた。

 **

アレッポ県では、SANA(11月2日付)によると、軍・治安部隊がハーン・アサル村での反体制武装勢力の「浄化」を制圧した。

またカフルハムラ村、タッル・ナーイマ市、アフタリーン市・シャイフ・ナッジャール市間の街道、ジュッブ・ガブシャ村などで、反体制武装勢力の拠点などを攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

アレッポ市でもカルム・フーミド地区、サーリヒーン地区、タナーニール公園、バーブ・ハディード、ライラムーン地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を実施した。

一方、CNN(11月2日付)は、自由シリア軍の複数の戦闘員の話として、イランの無人戦闘機がアレッポ上空で目撃された、と報じた。

**

ダルアー県では、SANA(11月2日付)によると、ハーッラ市、西ガーリヤ村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員を殲滅した。

またサイダー町で、反体制武装勢力が高校の校舎に放火した。

**

ヒムス県では、SANA(11月2日付)によると、ヒムス市バーブ・トゥルクマーン地区、ハウラ地方などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦・追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

またアフマド・ムヌール・ムハンマド県知事は、反体制武装勢力がヒムス市旧市街などへのシリア赤新月社および赤十字国際委員会による人道支援を阻止している、と非難した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(11月2日付)によると、ダイル・ザウル市各所で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、殲滅した。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(11月3日付)は、ロンドンの複数の反体制消息筋の話として、リヤード・サイフが1日に発表したシリア国民イニシアチブ委員会プログラムが、ロバート・フォード駐シリア米大使との3ヶ月におよぶ折衝の末に作成されたものだと報じた。

フォード大使は、シリア国民評議会が反体制勢力全体を代表できない現状とサラフィー主義者の戦闘員の影響力が増大する現状に不満を持っており、プログラムは、そうした不満を踏まえ、ワシントンDCで、シリアの友連絡グループを主導する各国外相らも参加した数度にわたる折衝を経て、作成された、という。

**

アラビーヤ(11月2日付)、『ハヤート』(11月3日付)などは、ヨルダンの首都アンマンのホリデイ・イン・ホテルで、リヤード・ファリード・ヒジャーブ元首相ら反体制活動家15人が3日間にわたって会合を開き、カタールで11月8日に予定されている反体制勢力の大会に向けた準備・調整を行ったと報じた。

会合に参加したのは、ヒジャーブ元首相、亡命政府首班候補のリヤード・サイフ、アフマド・アースィー・ジャルバ(シリア国民評議会)、カマール・ルブワーニー、ミシェル・キールー(シリア民主フォーラム)、リーマー・フライハーン、スハイル・アタースィー、アカール・ルブワーニー、ワリード・ブンニー、アリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー(シリア・ムスリム同胞団前最高監督者)など。

ルブワーニーによると、会合ではアサド政権打倒前の政治的対話を拒否すること、また亡命政府の本拠地をアンマンに置くことで合意した、という。

フライハーンは会合に関して、カタールでの大会の準備会合と位置づけたうえで、「私たちは自由シリア軍の新指導部を設置するとともに、新評議会とは別に暫定政府を発足するために活動することになるだろう」と述べた。

また会合に出席した複数の消息筋によると、反体制勢力各派の代表50人を新評議会の評議員に選出すること、そしてそのうちシリア国民評議会のメンバーを15人、クルド人の代表を4人とすることで合意した、という。

**

シリア人権監視団は、「国際社会の公正を求めて」と銘打ったデモが発生した金曜日の暴力行為によって、23人が死亡した」と発表したが、死者はいずれも反体制武装勢力と軍・治安部隊の戦闘によるもので、デモとは無関係である。

**

『ハヤート』(11月3日付)は、ハイサム・マーリフ弁護士((シリア革命評議会代表(暫定政府首班)らカイロで活動するシリアの反体制勢力が11月8日にカタールで予定されている反体制勢力大会への招待状を受け取ったと報じた。

招待状は、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣が署名している、という。

カタールでの反体制勢力の大会(11月8日)に関して、ハイサム・マーリフ弁護士((シリア革命評議会代表(暫定政府首班)は、シリア国民評議会に対話会合を開き、新執行部と新事務局を選出するよう呼びかけるとともに、「革命に何も提供していないだけでなく、革命を代表することもできない…。現執行部はすべてを独占しようとし、忠誠を買うために資金を浪費している」と非難した。

**

シリア国民評議会渉外局のムハンマド・ヤースィーン・ナッジャール(シリアのための国民行動グループ)は、『ハヤート』(11月3日付)に対して、カタールのドーハで11月8日に開催予定の反体制勢力の大会に、23政治組織、420人が参加を予定しており、うち13組織がこうした会合に初参加だと述べ、「シリアの反体制勢力史上最大の会合」になると強調した。

**

シリア国民評議会は、カタールでの反体制勢力の大会で、米国の後押しのもとに結成準備が進められている新評議会と亡命政府に関して、声明を出し、シリア国民評議会に代わるいかなる新たな枠組みが構築されることをも拒否するとの姿勢を示し、強く反発した。

声明において、シリア国民評議会は、「移行期間やすべての勢力を代弁する権威の設置に関する対話に真摯に対応する」としつつ、「シリア国民評議会を超越した会談や代替的枠組みの創出はシリア革命を傷つける試みだ」と断じた。

**

シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー報道官は、「国内で結成されたすべての政治勢力はシリア国民評議会によって代表されている。でなければ誰が、評議会に正統性を付与したのか?」とカタールでの反体制勢力大会をめぐる動きを批判した。

サブラー報道官は、「反体制勢力の統合の目的が自由シリア軍への武器供与やシリア国民の支援救済であるなら、それは正しい。しかし、バッシャール・アサドとの交渉をめざすのなら、統合は生じないし、シリア国民はそれを受け入れない」と付言した。

**

アンマンでの反体制勢力指導者の会合に出席したシリア・ムスリム同胞団のアリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー前最高監督者は声明を出し、会合で「シリアの反体制勢力を統合する政治指導部の設置に関して「原則」合意した」と述べた。

バヤーヌーニー前最高監督者はそのうえで「シリア国民評議会の存在を維持し、新設される政治的母体がその代わりになるべきではない」との姿勢を明示した。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(11月1日付)は、アレッポ県アイン・アラブ市(コーバーニー市)で、シリア・クルド国民評議会が「内乱に反対…統合に賛成」と銘打ったデモを午後の礼拝後に呼びかけ、支持者が参加した、と報じた。

またこれに対抗し、西クルディスタン人民議会は「我々はあらゆる場所でレジスタンスを行う」と銘打ったデモを午後5時に呼びかけ、実施した。

**

シリア・クルド青年調整連合は声明を出し、ハサカ県カーミシュリー市で民主統一党の要員が同連合メンバー2人を身柄拘束した、と発表した。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領はシリアの反体制武装勢力によるアルサール地方の検問所襲撃を「いかなる理由によるものであれ、決して正当化され得ない」と厳しく非難した。

**

『ナハール』(11月2日付)は、ヒズブッラーの戦闘員がシリアの反体制武装勢力との戦闘で戦死し、ナバティーヤ県ナバティーヤ市に埋葬されたと報じた。

戦死したのはハイダル・マフムード・ザインッディーン。

諸外国の動き

ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、カタールでの反体制勢力大会で新評議会と暫定政府の設置をめざす米国などの動きに関して、「シリアの反体制勢力のパトロンが、未来のシリアにおける指導部のリストを外から課そうとすることは、(6月のシリア作業グループ会合での)ジュネーブ合意に反している」と批判した。

**

北朝鮮の金正恩第一書記は、平壌でのシリア・北朝鮮経済科学技術合同委員会出席のために派遣されたシリアの使節団と会談し、シリア政府が現下の危機において勝利することを全面的に信用している、と述べた。

SANA(11月2日付)が報じた。

AFP, November 2, 2012、Akhbar al-Sharq, November 2, 2012, November 3, 2012、Alarabia.net, November 11, 2012、CNN, November 2, 2012、al-Hayat, November 3, 2012, November 4, 2012、Kull-na Shuraka’, November 2, 2012、al-Kurdiya
News, November 2, 2012、al-Nahar, November 2, 2012、Naharnet, November 2, 2012、Reuters, November 2, 2012、SANA,
November 2, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サイフ元人民議会議員が「シリア国民イニシアチブ委員会」プロジェクトと題した声明のなかで暫定政府構想を示す、米国務長官「シリア国民評議会はもはや反体制勢力の明らかなリーダーとは言えない」(2012年11月1日)

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タッルミンス村、マアッル・シャマーリーン村が軍の空爆を受け、ワスターニー村も砲撃に曝された。

またワーディ・ダイーフ基地周辺では、シャームの民のヌスラ戦線と自由シリア軍が合同で砲撃を行った。

一方、サラーキブ市北西部の軍・治安部隊の検問所3カ所を反体制武装勢力が襲撃し、28人の兵士を殺害した。

殺された28人の多くが反体制勢力に捕捉されたのち、処刑され、その映像はユーチューブなどに公開された。

なお、シリア人権監視団のアリー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(11月1日付)に対して、軍・治安部隊がサラーキブ市を掌握しておらず、5つの反体制武装集団が駐留していると述べた。

これに対し、SANA(11月1日付)は、ムハムバル村、タルナバ村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した、と報じた。

**

ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハジャル・アスワド市、ハラスター市などが空爆を受け、複数が負傷した。

一方、SANA(11月1日付)によると、ダマスカス郊外県のザマルカー町、サイイダ・ザイナブ町、ダイル・アサーフィール市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦・追撃し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(11月1日付)によると、ティーム地方で反体制武装勢力が石油パイプラインを破壊した。

またダイル・ザウル市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺害した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市スッカリー地区、ダイル・ハーフィル市、サフィーラ市、タッル・ハドヤー村に軍・治安部隊が砲撃を加え、複数が負傷した。

またアレッポ市内各所で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(11月1日付)によると、アレッポ市ライラムーン交差点、スッカリー地区、ブスターン・カスル地区、サーリヒーン地区、カルム・ジャバル地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力への特殊作戦を行い、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷した。

またアレッポ市郊外のアウラム・クブラー町、ハーン・アサル村・アターリブ市間、アターリブ市、カフルハムラ村、マーリア市、カスィーバ村、アナダーン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃するなどして交戦、多数の戦闘員を殺害した。

**

ラタキア県では、SANA(11月1日付)によると、バッカース村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、戦闘員を殲滅した。

**

ハマー県では、SANA(11月1日付)によると、ガーブ地方のジャイイド村、アズィーズィーヤ村、ジスル・ジスル・バイト・ラースなどで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺害、逮捕した。

反体制勢力の動き

11月8日にカタールのドーハで開催予定の反体制勢力の大会で発足予定の亡命政府の首班候補であるリヤード・サイフ元人民議会議員は、「シリア国民イニシアチブ委員会」プロジェクトと題した声明を発表し、暫定政府構想を示した。

同プロジェクトの骨子は以下の通り。

1. 「強力な指導部の発足という祖国の火急の必要」に応えるべく、シリア国民イニシアチブ委員会の名で亡命政府を発足する国民的義務を果たす。
2. 同委員会は民主主義を基礎とし、カイロでの7月の反体制勢力大会での合意に従う。
3. 国内との連絡、国際社会、地域各国との連絡。
4. 主権、自決権、国民統合の維持、および領土保全をめざす。
5. アサド大統領および政権を象徴する幹部の退任をもってのみ政治的解決を始動する。
6. 市民的、多元的、民主的なシリアを建設する。
7. シリア国民支援基金の創設。
8. 自由シリア軍の支援。
9. 解放区の自治。
10. 暫定政府構想の案出。
11. 国際社会における(新政権の)承認

そのうえで、自由シリア軍、軍事評議会、革命運動、地元評議会、各県の代表にプロジェクトへの参加を求めた。

またプロジェクトをもとに以下4つの機関を設置するとのビジョンを示した。

1. イニシアチブ委員会および、政治諸勢力の代表
2. 最高軍事評議会
3. 司法委員会
4. テクノクラートからなる暫定政府

最後にこのプログラムをドーハでの大会で審議することを求めた。

**

反体制活動家のファーイク・ミールはフェイスブック(11月1日付)で、リヤード・サイフが発表したプログラムに基づき11月8日にカタールで結成予定のシリア国民イニシアチブ委員会の構成の内訳をリークした。

同リークによると、委員会のメンバーは以下の通り:

シリア国民評議会(アブドゥルバースィト・スィーダー事務局長ほか14人)
地元行政諸評議会(14人)
シリア・クルド国民評議会(3人)
ビラード・シャーム・ウラマー連盟(ウサーマ・リファーイー)
アラブ社会主義連合民主党(ハサン・アブドゥルアズィーム)
共産主義行動等(アブドゥルアズィーズ・ハイイル)
シリア民主フォーラム(ミシェル・キールー)
市民権運動(ハーリス・ナッバハーン)
自由民主シリアのための「ともに」潮流(バッサーム・ユースフ)
シリア革命評議会(ハイサム・マーリフ)
離反政治家(リヤード・ファリード・ヒジャーブ)
革命作家連合連盟(サーディク・ジャラール・アズム)
シリア革命総合委員会(スハイル・アタースィー)
シリア・ビジネス・フォーラム(ムスタファー・サッバーグ)
シリア部族革命評議会(アフマド・アースィー・ジャルバー)
愛国主義者(カマール・ルブワーニー)
愛国主義者(ワリード・ブンニー)
愛国主義者(ハーリド・アブー・サラーフ)
愛国主義者2名(ラッザーナ・ザイトゥーナ、フィダー・ハウラーニー、アーリフ・ダリーラ、アブドゥルマジード・マンジューナ、ムンタハー・アトラシュのうちの2名)

**

自由シリア軍国内合同司令部は声明(ファフド・ミスリー)を出し、アレッポ県でのクルド人ヤズィーディー派への襲撃に関して、「組織に属さない」としたうえで、「革命と自由シリア軍の敵」と批判した。

**

シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は、滞在先のベイルートで、シリア国民評議会の見限り、サラフィー主義者の外国人戦闘員への反体制勢力の対応を批判したクリントン米国務長官の発言(後述)に対して、「国際社会は、自己批判し、シリア国民に何を提供したかを問い直すべきだ。国際社会は、シリアでの狂気の殺戮を止めるため、シリア人にどう支援したというのか?」と反論した。

スィーダー事務局長はまた「解放区」がアサド政権による攻撃にさらされ続け、混乱状態にあるなかで、「一部の勢力が…過激化することは当然だ」と述べ、「過激化は国際社会が働きかけを行わないことが理由だ…。シリア国民評議会は国際社会からの物的支援が不足している」と窮状を訴えた。

**

ウマル・シャウワーフが声明を出し、シリア国民評議会からの脱会を宣言した。

努力にふさわしい成果が得られなかった、のが脱会の理由。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(11月1日付)は、匿名クルド筋の話として、アレッポ県アイン・アラブ市での民主統一党による加盟政党事務所突入を受け、シリア・クルド国民評議会が緊急会合を開き、民主統一党に謝罪とアサド政権支持停止を求めることを決定したと報じた。

レバノンの動き

ベカーア県バアルベック郡アルサール地方フマイド渓谷検問所で、シリア領から潜入しようとした武装集団とレバノンの内務治安軍総局が交戦し、NNA(11月1日付)によると、シリア人1人が死亡、10人が負傷した。

戦闘は、負傷者をレバノン領内に搬送しようとした武装集団がレバノン警察の入国許可を得るように求めたフマイド渓谷検問所の内務治安軍総局の指示を無視して入国しようとしたために発生した。

内務治安軍総局が2日に出した声明によると、戦闘発生を受け、70人以上の戦闘員が検問所を襲撃し、内務治安軍総局の12人が負傷した。

**

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、「私たちが必要としているのは、シリア革命を乗っ取ろうとする過激派に強行に抵抗した経歴を持つ反体制勢力だ」と述べ、既存の反体制勢力の対応を不十分だと非難したヒラリー・クリントン米国務長官の発言に対して、反体制勢力への全面支援を国際社会が躊躇したことがシリア情勢悪化の主な理由だと批判した。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官は、クロアチアの首都ザグレブで記者会見し、シリア国民評議会について、もはや反体制勢力の「明らかなリーダー」とは言えないと述べた。

クリントン長官は、同評議会がシリア国内に活動拠点を持たない亡命活動家の寄り合い所帯であることを踏まえ、「求められているのは今現在、(シリア国内の)前線で戦い、死に瀕している人々の代表だ」と述べた。

また「米政府は、新たな政治体制に入るべき人や組織を推挙した。我々はシリア国民評議会を反体制勢力の明白なリーダーと見なすことはできない」との考え方を示した。

さらに「反体制派の一部にはなり得るが、反体制派にはシリア国内にいる人や、耳を傾けるべき正当な意見を持つ人々も含まれるべきだ」と付言した。

一方、サラフィー主義者の外国人戦闘員の台頭に関しては、懸念を表明しつつ、「私たちが必要としているのは、シリア革命を乗っ取ろうとする過激派に強行に抵抗した経歴を持つ反体制勢力だ」と述べ、既存の反体制勢力の対応を不十分だと非難し、「アサド政権に断固として対抗するための反体制勢力の統合を支援する」との意思を示した。

クリントン長官の発言は、11月8日にカタールのドーハで予定されている反体制勢力の大会準備を踏まえたもの。

**

在エジプト中国大使館が声明を出し、10月31日のアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と楊潔チ外相の北京での会談に関して、中国側が4項目からなる提案を行ったと発表した。

同声明によると、4項目とは以下の通り:

1. シリアの関係当事者による停戦努力とブラーヒーミー共同特別特使のミッションへの協力。
2. 関係手当事者による早急な交渉代表者の任命を通じたブラーヒーミー共同特別特使と国際社会の活動を支援と、対話を通じた政治的転換のための行程表作成。広範は基盤を持つ暫定統治機構の発足。早急な危機収拾のための政治的転換の実施。
3. 国際社会によるブラーヒーミー共同特別特使の仲介努力への協力。
4. 関係当事者による人道危機軽減のための具体的な措置の実施。

この提案において、中国は、アサド政権の退任の是非を明言しなかったが、「政治的転換」、「暫定統治機構の発足」という言葉でその可能性に含みを持たせた。

AFP, November 1, 2012、Akhbar al-Sharq, November 1, 2012, November 2, 2012、Facebook, November 1, 2012、al-Hayat, November 1, 2012、Kull-na Shuraka’, November 1, 2012、al-Kurdiya News,
November 1, 2012、Naharnet, November 1, 2012, November 2, 2012、Reuters,
November 1, 2012、SANA, November 1, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

「シリアにおける移行期間運営、未来のためのビジョン構築」大会が閉幕、アレッポ県では民主統一党民兵がクルド人離反兵からなるユースフ・アズマ大隊と交戦(2012年10月31日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(10月31日付)によると、サイイダ・ザイナブ町で、ゴミ袋に入れられた爆弾が爆発し、11人が死亡、数十人が負傷した。

またムウダミーヤト・シャーム市では、車に仕掛けられた爆弾が爆発し、複数の市民が負傷した。

一方、ハラスター市、ザマルカー町などでは、軍・治安部隊が反体制武装勢力の追跡活動を継続し、複数の戦闘員を殺傷した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区でシリア軍大佐の自動車に仕掛けられた爆弾が爆発した。死傷者は出なかった。

また、SANA(10月31日付)によると、マッザ区で「武装テロ集団」が仕掛けた爆弾3発が爆発し、1人が死亡、複数が負傷した。

**

アレッポ県では、SANA(10月31日付)によると、マアーッラト・アルティーク村、アレッポ市・ダイル・ハーフィル市間の街道、カーフィース村、フライターン市、カフルナーハー村、アレッポ市・バーブ市間の街道などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またアレッポ市でも、カルム・マイサル地区、ブスターン・カスル地区、ダウワール・バーブ・ハディード、ブスターン・バーシャー地区、カルム・ジャバル地区、カフルハムラ地区・ザフラー地区間、ライラムーン地区などで、軍・治安部隊と反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、拠点を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(10月31日付)によると、ガーブ平野のジャイイド市、アズィーズィーヤ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、SANA(10月31日付)によると、アービル村、ムバーラキーヤ市、カフル・アーヤー村、サルーミーヤ市、ジャウバル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

アクス・サイル(10月31日付)は、イドリブ県ハーリム市で、軍が反体制武装勢力の拠点に「誤って」補給物資を投下した、と報じた。

反体制勢力の動き

10月29日からトルコのイスタンブールで開かれていたシリア政治戦略研究センター主催の「シリアにおける移行期間運営、未来のためのビジョン構築」大会が閉幕した。

Kull-na Shuraka', October 31, 2012
Kull-na Shuraka’, October 31, 2012

大会には、シリア・クルド国民評議会、シリア・クルド国民評議会、アッシリア民主機構、ダマスカス宣言、シリア・ムスリム同胞団、シリア革命総合委員会、地元調整諸委員会、シャーム・ウラマー委員会、自由シリア軍の代表らが出席していた。

閉幕声明において、大会参加者は「我々のイデオロギー的な意見の相違を保留し、亡命政府を樹立する必要がある点で合意した。暫定政府発足によって、アラブ諸国や国際社会による我々の革命へのさらなる政治的支援が得られるだろう」と表明した。

大会に出席したシリア政治戦略研究センターのラドワーン・ズィヤーダは記者団に関して、「亡命政府を選出するための総会を開くことで出席者は合意した」ことを明らかにした。

また「フランス、アラブ諸国、そして(大会に参加しなかった)ほかの反体制勢力に亡命政府を発足後ただちに承認するよう呼びかけた」と付言した。

**

シリア人権監視団は、ハマー航空基地が反体制活動家を収監するための空軍情報部の拘置所・刑務所として使用されていると発表した。

**

ハマー革命評議会のアブー・カースィム・ハマウィー報道官を名乗る活動家は、AFP(10月31日付)に対して、「自由シリア軍は、軍事力の不均衡ゆえに、ハマー市から撤退した。国の中心に位置する同市は軍事拠点と化し、そこから各県に戦闘機が送られている」と述べた。

また「体制は同市を制圧するため、逮捕活動を実行し…、6ヶ月で数千人が逮捕され、拷問を受けた。逮捕と拷問は死よりも過酷だ。想像を絶する…。私は毎日転々と逃げ回り、逮捕を免れている」と付言した。

クルド民族主義勢力の動き

シリアの反体制武装勢力を支援するジャズィーラ衛星テレビ(10月31日付)は、アレッポ県アフリーン市郊外で、反体制武装勢力と民主統一党の民兵が交戦したと報じた。

同報道によると、反体制武装勢力(自由シリア軍)には、クルド人離反兵からなるユースフ・アズマ大隊が参加し、アフリーン市郊外のシリア軍第137大隊本部を制圧した、という。

またユースフ・アズマ大隊は、民主統一党に対して、アサド政権への協力を止めるよう警告を発した。

アフリーン市一帯は民主統一党が主導する西クルディスタン人民議会およびクルド最高委員会が実効支配している。

**

民主統一党のサーリフ・ムスリム・ムハンマド書記長は『サフィール』(10月31日付)のインタビューに答え、そのなかでサラーフ・バドルッディーン一派を「トルコの手先」で「自由シリア軍」への武器供与を支援している、と批判した。

サラーフ・バドルッディーンはクルド民族主義活動家の重鎮で、西欧を活動拠点としており、2006年末にはアブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領、シリア・ムスリム同胞団とともにシリア国民救済戦線を結成、また2011年9月にはシリア国民評議会に参加した。

レバノンの動き

マルワーン・シルビル法務大臣は、シリアの反体制武装勢力に拉致されていたジャーナリストのフィダー・イーターニーが釈放され、トルコに到着した、と発表した。

パレスチナ人の動き

ロイター通信(10月31日付)は、ゴランの鷹大隊(自由シリア軍)の司令官の話として、パレスチナ人のみから構成される反体制武装組織「嵐(アースィファ)大隊」が結成された、と報じた。

同司令官によると、「嵐大隊」は、ダマスカス県ヤルムーク区(難民キャンプ)でアサド政権を支援するPFLP-GCなどの戦闘員との戦いに投入される、という。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は中国を訪問し、楊潔チ外交部長(外務大臣)らと会談した。

会談後の記者会見でブラーヒーミー共同特別代表は、シリアの危機解消に向け中国に「活発な役割」を期待すると述べた。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣がパリでフランスのローラン・ファビウス外務大臣と会談した。

会談後の記者会見で、ファビウス外務大臣は、シリア問題の解決はアサド大統領が退任する以外にないとのこれまで通りの立場を示した。

一方、ラブロフ外務大臣は、ジュネーブでのシリア作業グループの合意が、シリア政府と反体制勢力が移行期間について合意することを求めていると反論し、アサド大統領の退任問題がフランスではなく、シリア国民が決すべき問題だと主張した。

**

ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、10月10日にトルコがシリア航空旅客機をアンカラ国際空港に強制着陸させ、積み荷を押収した問題で、積み荷の変換をめぐる交渉を行っている、と述べた。

両国間で具体的な合意には達していないという。

AFP, October 31, 2012、Akhbar al-Sharq, October 31, 2012、‘Aks al-Sayr, October 31, 2012、Aljazeera.net, October 31, 2012、al-Hayat, November 1, 2012、Kull-na Shuraka’, October 31, 2012、al-Kurdiya News,
October 31, 2012、Naharnet, October 31, 2012、Reuters, October 31, 2012、SANA,
October 31, 2012、al-Safir, October 31, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県アフリーン市で「自由シリア軍北の嵐旅団」が民主統一党の検問所を制圧、しかし同軍サラーフッディーン・アイユービー大隊は声明のなかで「自由シリア軍と民主統一党の関係が良好」と明かす(2012年10月28日)

国内の暴力

シリア軍・武装部隊総司令部は声明を出し、武装テロ集団が休戦違反を続けている、と発表した。

Kull-na Shuraka', October 29, 2012
Kull-na Shuraka’, October 29, 2012

声明によると、反体制武装勢力は、ダマスカス郊外県カラムーン山地一帯、アルトゥーズ町、ジャブアディーン町、ハラスター市、シャブアー町、ダイル・アティーヤ市、ヒムス県タッルカラフ市、ハマー県ガーブ地方、アレッポ県アレッポ市旧市街、イドリブ県ハーミディーヤ市、マアッラ市、ハーリム市、サルキーン市、アッラーニー村、ダイル・ザウル県ブーカマール市などで検問所襲撃、即席爆弾爆破、砲撃などを行った。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月28日付)によると、ダイル・ザウル市の複数カ所で軍・治安部隊が反体制武装勢力の攻撃に対して応戦し、アル=カーイダの戦闘員ら多数を殺害した。

一方、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がシャームの民のヌスラ戦線と共闘し、ダイル・ザウル市内で軍・治安部隊と交戦した。

**

Kull-na Shuraka', October 29, 2012
Kull-na Shuraka’, October 29, 2012

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、27日晩から28日にかけて、スバイナ町、ムウダミーヤト・シャーム市などに対して軍が空爆を行った。

またハジャル・アスワド市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

このほか、アイン・タルマー村の検問所を反体制武装勢力が襲撃し、軍・治安部隊の兵士4人を殺害した。

複数の活動家によると、ザマルカー町、アルバイン市、ハラスター市などで大きな爆発があり、ハラスター市ではライフラインが一時不通になったほか、ドゥーマー市郊外で反体制武装勢力が軍の検問所を襲撃した、という。

一方、SANA(10月28日付)によると、ザマルカー町で軍・治安部隊が反体制武装勢力の攻撃に対して応戦し、複数の戦闘員を殺害した。

**

アレッポ県では、SANA(10月28日付)によると、ハーン・アサル村で軍・治安部隊が反体制武装勢力の攻撃に対して応戦し、外国人戦闘員を含む複数の戦闘員を殺害した。

クルディーヤ・ニュース(10月28日付)は、自由シリア軍北の嵐旅団がアフリーン市の民主統一党の検問所を制圧した、と報じた。

一方、シリア人権監視団によると、アレッポ市スライマーン・ハラビー地区で、砲撃により1人が死亡した。

またアレッポ市マイダーン地区、ハナーヌー地区などで軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

アクス・サイル(10月29日付)は、反体制武装勢力筋の話として、空軍情報部アレッポ支部長のズハイル・ビータール大佐が自由シリア軍に狙撃され、死亡したと報じた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がシャームの民のヌスラ戦線とともに、ワーディー・ダイフ軍基地への攻撃を継続した。

**

シリア人権擁護連盟は声明を出し、2011年6月に逮捕されたハーリド・サアド女史が獄中での拷問が原因で死亡した、と発表した。

国内の動き

シリア外務在外居住者省のジハード・マクディスィー報道官は、イード・アル=アドハーの休戦の反体制武装勢力による停戦違反への抗議文を国連安保理に提出した、と述べた。

反体制勢力の動き

シャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、ダマスカス県ダッフ・シューク地区での爆破テロ(26日)を含む一連の爆破テロへの関与を否定し、「大多数の人々は爆破を行ったのが政府だと考えている」と政権の自作自演だと非難した。

また同声明において、戦線は「停戦を拒否することは、必ずしもイード中に作戦を実行することを意味しないし、作戦を実行しないことも意味しない」と付言した。

**

シリア人権監視団は、28日の戦闘で114人が死亡、うち47人が民間人、36人が軍・治安部隊兵士、31人が反体制武装勢力戦闘員だったと発表した。

**

自由シリア軍のサラーフッディーン・アイユービー大隊は声明を出し、自由シリア軍と民主統一党の関係が良好だと述べ、アレッポ市アシュラフィーヤ地区をめぐり両者が対立しているとの見方を否定し、自由シリア軍内の対立を暴露した。

この声明は、自由シリア軍副司令官を名のるマーリク・クルディーのクルディーヤ・ニュース(10月27日付)への反論として発表され、クルディーの発言が民主統一党の良好な関係を築いている大隊をイデオロギー的に貶めようとするものだと批判した。

レバノンの動き

アレッポ県アアザーズ市で拉致されたレバノン人記者のフィダー・イーターニーの映像がユーチューブ(10月28日付)にアップされた。
image1

同映像によると、イーターニーは自由シリア軍「アーザーズ北の嵐旅団」によって拉致され、自宅軟禁状態にある、という。

**

NNA(10月28日付)は、北部県アッカール郡タッル・アンダ村住民が、シリア当局による村人の身柄拘束に抗議して、国際幹線道路を封鎖した、と報じた。

道路封鎖は軍の介入によって強制排除された。

**

AFP(10月28日付)は、北部県ミンヤ郡ミンヤ市で、シリアの反体制武装勢力に武器を密輸していたマルワーン・カッサーブの武器製造工場が爆発し、カッサーブが死亡した、と報じた。

諸外国の動き

ロシア議会下院(国家会議)国際問題委員会アレクセイ・プシコフ委員長はRT(10月28日付)に対して、「ロシア・中国と「シリアの友」を名のる国々が、紛争の一方の当事者のみを支援するだけでは解決し得ないことを認識することだ…。ロシア・中国は欧米諸国よりもこの立場に近い…。シリア政府と戦う反体制組織への資金・武器支援を通じて問題解決は不可能だということを皆が理解しなければならない…。反体制勢力は大統領を退陣させる力を持っておらず、アサド大統領も反体制武装勢力を殲滅するに充分な力を持たない…。それゆえ事態は暗礁に乗り上げている。我々は対話を始められる両当事者の代表を作り出さねばならない」と述べた。

AFP, October 28, 2012、Akhbar al-Sharq, October 28, 2012、‘Aks al-Sayr, October 29, 2012、al-Hayat, October 29, 2012、Kull-na Shuraka’, October 28, 2012, October 29, 2012、al-Kurdiya
News, October 28, 2012, October 29, 2012、Naharnet, October 28, 2012、NNA,
October 28, 2012、Reuters, October 28, 2012、SANA, October 28, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市で自由シリア軍と人民防衛隊の間で戦闘が発生、ハサカ県ではクルド人約300人が自由シリア軍によって拉致されるもその後解放(2012年10月27日)

国内の暴力

シリア軍・武装部隊総司令部は声明を出し、武装テロ集団が26日に続き、27日も休戦違反を続けている、と発表した。

同声明によると、反体制武装勢力は、ダマスカス郊外県のドゥーマー市、ハラスター市、フーシュ・アラブ村、カタナー市、ヤブルード市、ダルアー県ターミル市、ヒムス県ヒムス市(バーブ・フード地区)、マフラム地方、ハマー県ハマー市、アレッポ県アレッポ市旧市街、カフルハムラ村、ハーン・アサル村、イドリブ県ワーディー・ダイフ地点、ハーミディーヤ市、ハーリム市、サルキーン市、アッラーニー村、ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市などで検問所襲撃、即席爆弾爆破などを26日晩以降行った。

**

アレッポ県では、『ハヤート』(10月28日付)によると、アレッポ市アシュラフィーヤ地区で、反体制武装勢力(自由シリア軍)と民主統一党の民兵(人民防衛隊(YPG)が交戦し、双方に合わせて8人の死者が出た。

アシュラフィーヤ地区は、クルド人が多く住んでいるが、アレッポ市内では比較的戦闘が少なく、避難民が押し寄せていた。

戦闘は26日晩/27日未明に始まった。

AFP(10月28日付)は、住民などの話として、反体制武装勢力の戦闘員約200人がアレッポ市アシュラフィーヤ地区に潜入し、人民防衛隊と交戦した、と報じた。

これに関して、ユーフラテス通信(10月27日付)は、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区の制圧を試みようとする自由シリア軍と、両地区のクルド人住民を保護する民主統一党の人民防衛隊(YPG)との間で戦闘が発生したと報じた。

この戦闘は、アシュラフィーヤ地区でのデモに自由シリア軍が発砲することで発生した、という。

また自由シリア軍の発砲により、民間人10人が死亡、女性3人を含む25人が負傷、またYPGの兵士1人も重傷を負ってその後死亡した。

シリア人権監視団によると、この戦闘で、双方の戦闘員22人を含む30人が死亡した。

一方、SANA(10月27日付)もアレッポ市アシュラフィーヤ地区、マルジャ地区での市民のデモに反体制武装勢力が発砲し、2人が死亡したと報じた。

デモでは、反体制武装勢力の退去が求められていたという。

このほか、シリア人権監視団によると、アレッポ市サイイド・アリー地区などで激しい砲撃と交戦があった。

**

クルディーヤ・ニュース(10月27日付)は、自由シリア軍がハサカ県ハイヤーン町で約300人の身柄を拘束した、と報じた。

身柄拘束は、アレッポ市アシュラフィーヤ地区での人民防衛隊(YPG)の応戦を停止させることが目的だという。

これに関して、自由シリア軍副司令官を名乗るマーリク・クルディーは、クルディーヤ・ニュース(10月27日付)に、アレッポ市アシュラフィーヤ地区での人民防衛隊(YPG)との戦闘激化を回避するために民主統一党と交渉している、としたうえで、ハイヤーン町で身柄拘束したクルド人をただちに釈放する、と述べた。

クルディーはまた、アレッポ市アシュラフィーヤ地区への自由シリア軍の侵攻が、「民主統一党の実効支配を終わらせようとするサラーフッディーン・アイユービー大隊ら一部の政治勢力によって」行われたと述べた。

その後、クルド友愛調整は声明を出し、自由シリア軍がハイヤーン町で身柄拘束したクルド人全員を釈放したと発表した。

声明によると、自由シリア軍はフライターン市・ハイヤーン町間の検問所で公共交通機関を使って移動していた一般市民多数を身柄拘束していた。

またシリア人権監視団も、クルド人120人以上が釈放された、と発表したが、民主統一党も反体制武装勢力の戦闘員20人を捕捉していた、と付言し、自由シリア軍による市民の拉致を正当化しようとした。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がシャームの民のヌスラ戦線とともに攻略を続けるワーディー・ダイフ基地近くのマアッラト・ターミル村が軍の空爆を受けた。

また『ハヤート』(10月28日付)によると、対トルコ国境に近いハーリム市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、トルコ赤新月社の車輌が領内に入り、負傷者の搬出を行った。

戦闘は、同市近くで反体制武装勢力戦闘員が逮捕されたことをきっかけに発生した、という。

その後、自由シリア軍はハーリム市を制圧したと発表した。

一方、SANA(10月27日付)によると、イドリブ市で反体制武装勢力が軍・治安部隊に発砲、軍・治安部隊がこれに応戦した。

また同市内にカールトン・ホテルのゴミ集積所で反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発し、子供2人が負傷した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルバイン市に軍が空爆し、8人が死亡した。

この空爆に関して、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は「休戦宣言後初の空爆だ…。この空爆で休戦は葬り去られた。もはや我々は休戦などと言っていられない」と述べ、「人権組織」であるにもかかわらず殺戮再開を容認し、武力紛争を煽る反体制組織としての実態を露わにした。

また、同監視団によると、ドゥーマー市などが砲撃を受け、2人が死亡、複数が負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のレストラン近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発した。

しかしシリア人権監視団は、反体制武装勢力によるこうしたテロに対しては非難の意を示さなかった。

一方、シリア・アラブ・テレビ(10月27日付)は、このテロに関してシリア正教会前で自動車爆弾が爆発したと報じ、「武装テロ集団が休戦に違反した」と報じた。

**

ダマスカス県では、SANA(10月27日付)によると、ジャルマーナー市で反体制武装勢力が通行人に発砲し、1人が死亡した。

**

ヒムス県では、SANA(10月27日付)によると、アーティフィーヤ村、タッルカラフ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

国内の動き

ムハンマド・アブドゥッスィタール・サイイド宗教関係大臣がタルトゥース県タルトゥース市シャイフ・バドル地区での殉教者慰霊祭に出席し、反体制武装勢力との戦闘での戦死者の遺族を慰問した。

**

サアド・ナーイフ保健大臣は、26日のダマスカス県ダッフ・シューク地区での爆破テロで負傷した市民を慰問した。

**

アリー・アブドゥッラー・アイユーブ副参謀長がダマスカス県ティシュリーン軍事病院を訪れ、反体制武装勢力との戦闘での負傷兵を慰問した。

反体制勢力の動き

自由シリア軍アレッポ軍事評議会のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐は、イード・アル=アドハーの休戦に関して「どの休戦のことか?休戦など嘘だ。体制は犯罪者なのに、どのように休戦を尊重できるのか?これはブラーヒーミーにとって失敗だ。彼のイニシアチブは死産だった…。軍は砲撃を止めていない」と非難した。

**

シリア人権監視団は、休戦発効後の死者数(27日正午時点)が、民間人50人、兵士16人、反体制武装勢力6人にのぼると発表した。

**

地元調整諸委員会は、26、27日両日で死者数が151人に達したと発表した。

**

シリア国民評議会は声明を出し、10月26日に軍・治安部隊が各地で292件の停戦違反を犯したと発表した。

**

シリア記者連盟は声明を出し、反体制武装勢力が拉致しているレバノン人記者フィダー・イーターニーの釈放を求めた。

クルド民族主義勢力の動き

民主統一党のスィーバーン・ハムウ人民防衛隊(YPG)報道官は、クルディーヤ・ニュース(10月27日付)に対して、アレッポ県アイン・アラブ市(コバネ市)のクルド民族主義政党7党に対して、反体制武装勢力などが使用するフランス委任統治時代のシリア国旗を掲揚しないよう要請した。

またハムウ報道官は、シリアの反体制勢力がクルド民族の生存権を認めようとせず、自由シリア軍がクルド人市民を殺害している、と非難した。

レバノンの動き

NNA(10月27日付)は、レバノン人ジャーナリストのフィダー・イーターニーがアレッポ県アアザーズ市の反体制武装勢力に拉致された、と報じた。

イーターニーは『アフバール』、LBCIなどの記者を務める。

アアザーズ調整はフェイスブック(10月27日付)で、拉致の理由に関して、「彼の活動はシリア革命の路線に一致しない…。イーターニーが反革命勢力に関与していることは証明されていないが、革命勢力が制圧した地域で彼の記者としての滞在はもやは認められない」と綴った。

ジャディード・チャンネル(10月27日付)は、ムスタクバル潮流のウカーブ・サクル議員がイーターニー記者の釈放の仲介を行っている、と報じた。

諸外国の動き

トルコ軍参謀長は、米軍が対シリア国境地域に軍を派遣したとの一部トルコ紙の情報を否定した。

**

ハマースのイスマーイール・ハニーヤ首相は、イード・アル=アドハー礼拝後に演説を行い、シリア情勢に関して、「自由、尊厳、安心できる国家を求めるシリア国民から不正の手を引くべき」と述べ、アサド政権を批判した。

**

イラク・イスラーム教ウラマー委員会のハーリー・ダーリー事務局長は、シリア情勢に関して、「(アサド政権は)アラブ諸国と国際社会のあらゆるイニシアチブを利用すべきだ…。なぜならそこに危機の出口があるからだ」と述べた。

AFP, October 27, 2012、Akhbar al-Sharq, October 27, 2012、al-Hayat, October 28, 2012、al-Jadid, October 27, 2012、Kull-na Shuraka’, October
27, 2012, October 29, 2012、al-Kurdiya News, October 27, 2012, October 29,
2012、Naharnet, October 27, 2012、NNA, October 27, 2012、Reuters, October
27, 2012、SANA, October 27, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

各地で「武装テロ集団」が前日に発表された軍の休戦宣言に違反するかたちで攻撃を実施、アサド大統領がダマスカス県のアクラム・モスクでイード・アル=アドハーの礼拝を行う(2012年10月26日)

国内の暴力

シリア軍・武装部隊総司令部は声明を出し、25日の軍による休戦宣言に明確に違反するかたちで、「武装テロ集団」が各地の軍拠点への攻撃を敢行した、と発表した。

同声明によると、「武装テロ集団」(自由シリア軍)は午前7時頃から、ダイル・ザウル県(ダイル・ザウル市)、ダルアー県(ダルアー市)、イドリブ県(ハーリム、サルキーン、ワーディー・ダイフ、アッラーニー村)、ヒムス県(ヒムス市、タッルカラフ)、ダマスカス郊外県(ハラスター、アルバイン、ドゥーマー)の軍検問所、拠点などに対して発砲を行っている。

**

ダマスカス郊外県では、AFP(10月26日付)によると、ハラスター市、アルバイン市、ドゥーマー市で、市民を襲撃する反体制武装勢力に軍・治安部隊が発砲した。

一方、シリア人権監視団によると、サイイダ・ザイナブ町で戦闘があった。

またハラスター市でも戦闘があり、3人が死亡した。

SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012

**

ダマスカス県では、SANA(10月26日付)によると、ダッフ・シューク地区で反体制武装勢力が車に仕掛けた爆弾が爆発し、20人以上の市民が死亡、30人以上が負傷した。

AFP(10月26日付)によると、爆破テロは警察署を狙ったものだという。

また、AFPによると、タダームン区の建設中のビル内で反体制武装勢力が爆弾を仕掛けた車が爆発、またマッザ航空基地周辺に迫撃砲が着弾した。死傷者はなかった。

シリア人権監視団によると、アサーリー地区で戦闘があった。

**

ダルアー県では、SANA(10月26日付)によると、ダルアー市内の治安維持部隊の検問所近くで反体制武装勢力が車に仕掛けた爆弾が爆発し、11人が負傷した。

**

アレッポ県では、SANA(10月26日付)によると、アレッポ市内で3件、カフルナーハー村で1件、ハーン・アサル村で1件の合わせて5件の停戦違反があり、軍・治安部隊が反体制武装勢力に応戦した。

al-Hayat, October 27, 2012
al-Hayat, October 27, 2012

またアレッポ市スィルヤーン地区にある反体制武装勢力のアジトを制圧し、武器弾薬を押収した。

一方、AFP(10月26日付)によると、アレッポ市スィルヤーン地区の兵舎に反体制武装勢力が迫撃を試みたが、軍・治安部隊が撃退した。

**

イドリブ県では、『ハヤート』(10月27日付)によると、反体制武装勢力がワーディー・ダイフ基地への攻撃を継続した。

シリア人権監視団によると、この戦闘で反体制武装勢力の戦闘員4人が死亡した。

また同基地周辺の、ダイル・シャルキー村、マアッルシューリーン村、カフルサジュナ村が空爆を受けたという。

さらに対トルコ国境地域でも、シリア人権監視団によると、1人が死亡した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、タッルカラフ市が砲撃を受けた。

国内の動き

アサド大統領はダマスカス県ムハージリーン区にあるアクラム・モスクでイード・アル=アドハーの礼拝を行った。

礼拝には、内閣、人民議会、バアス党、イスラーム教宗教関係者らが列席した。

SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012

**

イード・アル=アドハーの休戦が発効し、暴力のレベルが低下するなか、『ハヤート』(10月27日付)によると、多くの人々がイードを祝う一方、礼拝後に複数の都市・村で反体制抗議デモが発生した。

al-Hayat, October 27, 2012
al-Hayat, October 27, 2012

ロンドンを拠点とする反体制組織のシリア人権監視団によると、デモはダルアー県各地、アレッポ県アレッポ市ハナーヌー地区など県内各所、ダマスカス県カーブーン区、ジャウバル区、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市など各地、イドリブ県各地、ハマー県各地、ダイル・ザウル県各地、ラッカ県各地で行われた、という。

『ハヤート』(10月27日付)によると、抗議デモはいずれも内務省の許可を得ておらず、治安維持部隊が介入、強制排除を行った。

シリア人権監視団によると、ダルアー県インヒル市で治安維持部隊がデモ参加者に発砲し、3人が負傷した、という。

自由シリア軍最高軍事評議会のムスタファー・シャイフ議長も、ダマスカス郊外県カタナー市、ダマスカス県カーブーン区でのデモ参加者に軍・治安部隊が発砲したと主張し、「停戦違反」だと非難した。

そのうえで、反体制武装勢力は「政府軍より平静を保っている。なぜなら我々は停戦に機会を与えたいからだ」と述べた。

反体制勢力の動き

「民主主義のためのシリア・キリスト教徒」は声明を出し、反体制武装勢力によるジャミール・ハッダード司祭誘拐殺人を「アサドの悪党による犯行」と断じ、非難した。

**

シリア国民評議会のアフマド・ラマワーン広報局長がアレッポ市に潜入し、『ハヤート』(10月27日付)に市内の状況を伝えるとともに、現地で反体制武装闘争を行う組織にシリア国民評議会が資金援助を行う意思があると述べた。

**

ユーチューブ(10月26日付)上に、シリア軍が市街地にTNTクラスター爆弾を投下する映像がアップされた。

http://www.youtube.com/watch?v=rj1WJWcke4s&feature=share

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(10月26日付)などによると、民主統一党の軍事部門高官は、シリア・クルド民主党(パールティー)政治局メンバーのバフザード・ドゥールスィンの失踪への関与を否定した。

レバノンの動き

NNA(10月26日付)は、ベカーア県ヘルメル郡で、拉致されていたシリア人ビジネスマンのユーズフ・トゥルクマーニーを治安部隊が解放した、と報じた。

諸外国の動き

サウジアラビア外務省は、ジェッダのシリア領事館の外交官3人を「領事活動と関係ない行為を行っていた」との理由で国外追放した、と発表した。

AFP, October 26, 2012、Akhbar al-Sharq, October 26, 2012、al-Hayat, October 27, 2012、Kull-na Shuraka’, October 26, 2012、al-Kurdiya News,
October 26, 2012、Naharnet, October 26, 2012、NNA, October 26, 2012、Reuters,
October 26, 2012、SANA, October 26, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外県で「イスラーム旅団」が子供を含む25人を惨殺したとされるなか、シリア政府と「ほとんど」の反体制武装勢力がイード・アル=アドハーの休戦を受け入れたと報じられる(2012年10月24日)

イード・アル=アドハー(10月26~29日)の休戦案をめぐる動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はアラブ連盟(カイロ)で、シリア政府と「ほとんど」の反体制武装勢力と在内の反体制組織の幹部がイード・アル=アドハーの休戦を受け入れた、と発表した。

SANA, October 24, 2012
SANA, October 24, 2012

ブラーヒーミー共同特別代表はまた、休戦開始時刻は明言しなかったが、シリア政府が遅くとも25日中に休戦に関して声明を出すと付言した。

**

国連安保理は、シリア情勢をめぐる非公式会合を開き、ブラーヒーミー共同特別代表によるイード・アル=アドハーの休戦案を支持するプレス向け声明を採択した。

『ハヤート』(10月26日付)によると、これは、ブラーヒーミー共同特別代表が安保理非公式会合にして「全会一致で強い支持」を表明するよう要請したのを受けた動きだ(外交筋)という。

プレス向け声明はロシアが提案し、西側諸国、モロッコの修正要求を受け入れるかたちで採択され、「イード・アル=アドハーの停戦は殺戮行為の持続的停止の第1歩になり得る」と位置づけるとともに、「政治的移行プロセス開始の必要」を再確認している。

全文(SC/1800, October 24, 2012)は以下の通り:

Security Council Press Statement on Ceasefire in Syria

The following Security Council press statement was issued today by Council President Gert Rosenthal (Guatemala):

The members of the Security Council welcomed the important and timely initiative of the Joint Special Representative of the United Nations and the League of Arab States, Lakhdar Brahimi, for a ceasefire and a cessation of violence in all its forms during the period of Eid al-Adha, and echoed the joint appeal of the Secretaries-General of the United Nations and the League of Arab States to all regional and international actors to support it. The Members of the Security Council called upon all regional and international actors to use their influence on the parties concerned to facilitate the implementation of the ceasefire and cessation of violence.

The members of the Security Council called upon all parties, in particular on the Government of Syria as the stronger party, to respond positively to the initiative of the Joint Special Representative, and reiterated their call of the Syrian authorities to allow immediate, full and unimpeded access of humanitarian personnel to all populations in need of assistance, in accordance to international law and guiding principles of humanitarian assistance and called upon all parties in Syria, in particular the Syrian authorities, to cooperate fully with the United Nations and relevant humanitarian organizations to facilitate the provision of humanitarian assistance. In this context, the members of the Security Council called upon all Member States to contribute urgently to the United Nations Syrian Humanitarian Assistance Response Plan.

The members of the Council agreed that an Eid al-Adha ceasefire could be a first step towards a sustainable cessation of all violence, in conformity with Security Council resolutions 2042 (2012) and 2043 (2012) and underscored the need to launch an inclusive Syrian-led political transition leading to a democratic, plural, political system that realizes the legitimate aspirations of the Syrian people for democracy, equality and justice, regardless of their affiliation, ethnicities or beliefs.

**

自由シリア軍国内合同指令部はイード・アル=アドハーの休戦に関して声明を出し、「いかなる状況においても、休戦が犯罪行為継続と体制による拠点包囲強化を隠蔽する口実になることを受け入れない」と述べ、慎重な姿勢を示した。

また「バッシャール・アサドを移行期間の長にとどめようとする…取引に関する言説に我々はまったく関心がなく、第一条件は悪党の長の退任であり…、これをめぐって対話、関係正常化はない。我々はブラーヒーミー氏がイニシアチブを発揮する前に合同指令部と協議することを望んでいる」と付言し、国連主導のもとでの紛争和解を拒否する姿勢を示した。

**

DP-News(10月24日付)によると、自由シリア軍の政治顧問だというバッサーム・ダーダーはイード・アル=アドハーの休戦に関して、「(ブラーヒーミー共同特別代表は)、我々と休戦に関してコミュニケーションをとっていない。それゆえ我々は休戦遵守を強制されない」と述べた。

**

シャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、「我々はこの体制の間に停戦はない。我々と体制とアッラーの間には険のほかに何もない」と、停戦を無視する意思を示した。

**

シリアの外務在外居住者省は、イブラーヒーミー共同特別代表の発表を受け、軍・治安部隊総司令部の検討結果を待って、25日に休戦に対する「最終的立場」を示すと発表した。

**

フランス外務省は、ブラーヒーミー共同特別代表による休戦合意の発表を受け、「休戦が実現すれば、シリア軍は戦争行為を持続的に停止し、兵舎に戻らねばならない」と述べ、反体制武装勢力やサラフィー主義者の外国人戦闘員の停戦は求めなかった。

国内の動き

ワーイル・ハルキー首相はヒムス市を訪問、被害状況・復興状況を視察した。

**

SANA(10月24日付)は、ダマスカス郊外県とダルアー県での「最近の事件」に関連して逮捕された逮捕者のうち、殺人を犯していない122人を釈放したと報じた。

釈放者の地域別内訳はダマスカス郊外県が70人、ダルアー県が52人。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(10月24日付)が、住民からの情報として、ドゥーマー市のハウワー・モスク近くで「イスラーム旅団」(ザフラーン・アッルーシュが指揮)が子供3人、女性1人を含む25人を惨殺した、と報じた。

事件に関連して、シリアの外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長宛に書簡を提出、そのなかで「武装テロ集団とその支援者が、安保理でのシリア情勢の審議直前といういつものタイミングで」犯行に及んだと述べ、反体制武装勢力とそれを支援する諸外国が「虐殺」の背後にいる、と非難した。

またシリアの情報省も声明を出し、ドゥーマー市での「虐殺」に関して、「一部の国の沈黙と、反体制武装勢力へのさらなる武器・資金・潜入支援と教練は、犯罪への完全な関与を示しており、テロ支援に外国がいかに関与しているかを示すものだ」と非難した。

一方、ロンドンを拠点とする反体制組織の人権監視団は声明で、ドゥーマー市での「虐殺」を「正規軍の手によって犠牲者が殺害された」と発表した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダッフ・シューク地区で爆弾が仕掛けられた自動車が自爆し、6人が死亡、20人以上が負傷した。

ダマスカス県・ダマスカス郊外県で反体制武装活動を行う組織の司令官によると、ダッフ・シュクーク市での自爆テロは、アル=カーイダと関係があるアフガン人によるもので、「タウヒードとジハード集団」なる組織が「イード・アル=アドハーを記念した、アサド政権とその民兵へのプレゼント」として行ったのだという。

一方、SANA(10月24日付)によると、タダームン区で爆弾が仕掛けられた自動車が爆発し、民間人4人が死亡、11人が負傷した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市で反体制武装集団と交戦していた軍の発砲・砲撃などで14人が死亡した。

一方、SANA(10月24日付)は、ハラスター市で軍・治安部隊が反体制武装勢力を殲滅したと報じた。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ国際空港周辺、ナイラブ軍航空基地周辺で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

またアレッポ市内では、AFP(10月24日付)によると、反体制武装勢力は北西部のターリク・ブン・ズィヤード兵舎を襲撃した。

一方、SANA(10月24日付)によると、アレッポ市のジャンドゥール交差点、アスィーラ市場、ザフラーウィー市場、フィルドゥース地区、マルジャ地区、イシャーラート地区、ブスターン・バーシャー地区、ナイラブ地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を殲滅した。

またカフルナーハー村、アターリブ市、ハーン・アサル村などで、軍・治安部隊は反体制武装勢力と交戦し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市、タッルミンス村、カフルルーマー村が軍の空爆を受け、少なくとも5人が死亡した。

またアイン・クライウ村で、反体制武装勢力が軍の戦車3輌を破壊、兵士9人を殺害した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ・ハサカ街道で爆弾が仕掛けられた自動車が爆発、軍の兵士8人が死亡した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、「何者か」がジュワイス油田のガス・パイプラインを爆破した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハウワーシュ村での軍・治安部隊の砲撃で子供2人を含む3人が死亡した。

一方、SANA(10月24日付)によると、ジナーン村で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、甚大な被害を与えた。

**

ヒムス県では、SANA(10月24日付)によると、タッルカラフ市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(10月24日付)に対して、2012年3月以降の死者数が、民間人24,964人、兵士8,767人、離反兵1,276人にのぼっている、と答えた。

**

反体制ビジネスマンのガッザーン・アッブード(駐トルコ)が運営するオリエント人道支援機構は、イード・アル=アドハーに併せて、イドリブ県、アレッポ県への人道支援を行うことを決定した。

クッルナー・シュラカー(10月24日付)が報じた。

クルド民族主義勢力の動き

シリア・クルド民主党(パールティー)は政治局メンバーのバフザード・ドゥールスィンが民主統一党の「人民防衛隊」(YPG)が実効支配するハサカ県ダイリーク地方で「闘争のための任務」を遂行中に失踪したと発表した。

ドゥールスィンはシリア・クルド国民評議会のダイリーク地方評議会の議長。

レバノンをめぐる動き

アリー・アブドゥルカリーム・アリー駐レバノン・シリア大使は、アドナーン・マンスール外務大臣と会談した。

会談後アリー大使は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、「シリアはこの犯罪とは無関係だ…。(暗殺をめぐって)イスラエルは得する側だ…。我々はまた混乱が利益をもたらすと考える…タクフィール主義者を非難する」と述べた。

AFP, October 24, 2012、Akhbar al-Sharq, October 24, 2012、DP-News, October 24, 2012、al-Hayat, October 25, 2012、Kull-na Shuraka’, October 24, 2012、al-Kurdiya News,
October 24, 2012、Naharnet, October 24, 2012、Reuters, October 24, 2012、SANA,
October 24, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領が2012年10月23日以前の重犯罪者への恩赦を決定、米大統領選挙の第3回討論会ではオバマ大統領とロムニー共和党候補がシリア情勢をめぐって意見を戦わせる(2012年10月23日)

国内の動き

アサド大統領は政令第71号を発令し、2012年10月23日以前の重犯罪者への恩赦を決定した。

同政令は、死刑を無期懲役刑に、無期懲役刑および無期刑を懲役20年に減刑することを定めている。

ただし、武器麻薬密輸犯などテロ撲滅諸法が定めるテロ犯罪者、国外逃亡者などは恩赦の対象外としている。

**

進歩国民戦線加盟政党以外の与党および野党からなる国民民主ブロックの代表が、ダマスカスでアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談した。

**

ファイサル・ミクダード外務在外居住副大臣は、ダマスカス県でアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が宿泊するホテルを見送りのため訪問し、共同特別代表の訪問が「成功」したと述べた。

**

シリアの外務在外居住者省は声明を出し、フランスが反体制武装勢力を招聘するなどしてテロ活動を支援し、シリア国内の平和と安定を脅かしていると非難、国際社会、とりわけ国連安保理に真摯な対応を求めた。

**

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は国連の潘基文事務総長宛に文書を提出し、そのなかでEUおよび米国などによる対シリア経済が、シリアの子供に害を与え、「非道徳的で非合法」と非難した。

国内の暴力

アレッポ県では、複数の活動家・目撃者によると、アレッポ市のハナーヌー地区のパン配給所が砲撃を受け、並んでいた市民ら約20人が死亡した。

死者のなかには、配給所の警備を行っていた反体制武装勢力戦闘員複数も含まれていた。

またシリア人権監視団によると、反体制武装勢力が潜伏するアレッポ市カタールジー地区を軍が空爆した。

一方、SANA(10月23日付)によると、タームーラ村、カフルハムラ村、カブダーン・ジャバル市、アターリブ市、カフルハラブ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトなどを攻撃し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またアレッポ市でも、ダウワール・サーリヒーン、ダウワール・ジャズマーティー、ブスターン・ハナーヌー、スッカリー地区、旧市街(アンタキア門など)などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ザーヒラ地区に軍・治安部隊が突入した。

またドゥワイラア地区で爆弾が爆発し、1人が死亡、ルクンッディーン区で、治安機関の退役士官を狙った爆破テロが発生し、1人が負傷、ティジャーラ地区東部の空軍情報部近くで爆発が発生した、という。

これらの爆破テロに関して、SANA(10月23日付)は、ルクン・ディーン区でテロリストが車に仕掛けた爆弾が爆発した、とだけ報じた。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジュダイダト・アルトゥーズ町、ハラスター市などで、軍・治安部隊が反体制活動家の逮捕・摘発を行った。

また『ハヤート』(10月24日付)が、複数の活動家の話として、ムウダミーヤト・シャーム市で第4機甲師団の拠点で爆発が発生した、と報じた。

一方、SANA(10月23日付)によると、ハラスター市、アルバイン市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力を殲滅した。

また反体制武装勢力は警察病院にRPGロケット弾を打ち込んだという。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ジュバイリーヤ地区の政治治安部近くで爆発が発生した。

またブーカマール市の政治治安部近くでも爆弾が爆発した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がクサイル市を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(10月23日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ハーリディーヤ地区、東ブワイダ村、タッル・ヒンシュ市、クサイル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の追撃を継続し、甚大な被害を与えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市が軍の空爆を受けた。

**

ハマー県では、SANA(10月23日付)によると、スィージャル村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを攻撃し、戦闘員を逮捕した。

**

ダルアー県では、SANA(10月23日付)によると、同県の国民和解プロセスを主導するシャイフ、ルバイウ・アフマド・アブスィーを反体制武装勢力が襲撃した。

アブスィーは負傷し、ダマスカス県の病院に搬送された。

反体制勢力の動き

民主的諸勢力国民調整委員会は声明を出し、「アサド大統領はキリスト教徒を含むマイノリティの安全を保障する人格を備えている」とのロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣の発言を「体制側の論理」と非難、拒否すると発表した。

**

シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長はストックホルムで、反体制勢力による政権掌握後もバアス党を解体する意思はないと述べた。

**

『クッルナー・シュラカー』(10月23日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市のマブルーク地区を自由シリア軍が制圧したと報じた(未確認情報)。

レバノンの動き

北部県トリポリ市では、レバノン国軍がジャバル・ムフスィン地区とバーブ・タッバーナ地区を隔てるシリア街道に展開し、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に伴う武力衝突を収束させた、と発表した。

AFP(10月23日付)によると、この衝突で、11人が死亡、39人が負傷した。

**

レバノン国軍は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺後のベイルート県や北部県トリポリ市などでの暴動で、シリア人34人、パレスチナ人4人を含む約100人の狙撃主を拘束した、と発表した。

**

UNHCRは声明を出し、レバノン国内に避難したシリア人避難民の数が101,283人に達したと発表した。

同声明によると、国外に避難したシリア人の数は358,000人に及び、10万人以上のシリア人が避難した国はトルコ、ヨルダンに続いて3カ国目。

この数値に一時避難(出国)後に帰国したシリア人の数が含まれているか否かは不明。

**

ムスタクバル潮流のアンマール・フーリー国民議会議員は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺直後に、アサド政権と対立する複数のレバノン人指導者が脅迫のSMSを受けた、と述べた。

脅迫を受けたのは、アンマール・フーリー、アフマド・ファトファト、ハーディー・フナイシュ、ハーリド・ダーヒル、ヌハード・マンシューク。

このSMSは、シリア国内の電話番号から送信されていたという。

諸外国の動き

米大統領選挙の第3回討論会が行われ、バラク・オバマ大統領とミット・ロムニー共和党候補が外交政策について意見を戦わせた。

シリア情勢に関して、オバマ大統領は、「アサドにとって日数は限られていると確信する」としつつ、軍事介入、安全地帯の設置については否定した。

ロムニー候補は、「アサドが去ると信じている」としつつ、軍事介入、安全地帯の設置については否定した。

一方、反体制勢力の支援に関して、「我々のパートナー、とりわけイスラエルとともに調整」を行い、アサド政権崩壊後の政権受け皿への支援を行うべきとの見解を示しつつ、「サウジアラビア、カタール、トルコがこの点に関与している」と述べた。

「アフバール・シャルク」(10月23日付)などが報じた。

**

トルコのシンクタンク経済外交研究センター(EDEM)はトルコ国内の1,500人を対象にシリア情勢に関する世論調査を行った。

それによると、51%の回答者が「トルコが中立的であるべき」と答え、18%が「紛争当事者の仲介を行うべき」と答えた。

AFP, October 23, 2012、Akhbar al-Sharq, October 23, 2012、al-Hayat, October 24, 2012、Kull-na Shuraka’, October 23, 2012、al-Kurdiya News,
October 23, 2012、Naharnet, October 23, 2012、Reuters, October 23, 2012、SANA,
October 23, 2012、Syria News, October 22, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.