イドリブ県で軍・治安部隊がヌスラ戦線・反体制武装勢力と激しく交戦、民主統一党がトルコのアレヴィー派戦闘員から有事の際に対トルコ戦に参加するとの合意を取り付ける(2012年10月22日)

国内の動き

『クッルナー・シュラカー』(10月22日付)は、大統領府筋の話として、アスマー・アフラス大統領夫人が先週、特別機でUAEのアブダビを訪問、ダマスカスに戻ったと報じた(未確認情報)。

Shukumaku.com, January 11, 2012
Shukumaku.com, January 11, 2012

同消息筋によると、この訪問は、モンテスィーリー学校を自主退学した子供たちの転入手続きのためと思われる。

なおアサド大統領の姉ブシュラー・アサドも9月に子供の養育のため、UAEに移っている。

**

カナダでの列国議会同盟(IPU)年次大会に出席を予定していたシリア人民議会使節団は、カナダ当局がビザ発給を拒否したことに抗議した。

**

『クッルナー・シュラカー』(10月22日付)は、イッザト・カンジュ労働総連合副総裁が連合臨時総会で、労働者からなる武装集団を結成し、反体制武装勢力と交戦を続ける軍・治安部隊を支援することを決議すべきだと主張した、と報じた。

**

シリア共産党ウィサール・ファルハ・バクダーシュ派のウィサール・ファルハ書記長が死去、葬儀が行われた。

ファルハ書記長は、シリア共産党の重鎮ハーリド・バクダーシュ前書記長の妻。

ファルハ書記長の後任には、息子のアンマール・バクダーシュが就任した。

SANA(10月22日付)などが報じた。

国内の暴力

シリア記者連盟によると、シリア革命総合委員会の活動家のウマル・アブドゥッラッザーク・ラトゥーフ(通称ウマル・ヒムスィー)、ムハンマド・ジュムア・アブドゥルカリーム・ラトゥーフ、およびヒムス県タルビーサ市出身の6人(うち3人がラトゥーフ家)が、避難先のトルコからヒムスに戻る途中、アレッポ市近くのICARDAの検問所で拘束され、殺害された。

Akhbar al-Sharq, October 22, 2012
Akhbar al-Sharq, October 22, 2012

ウマル・アブドゥッラッザーク・ラトゥーフはシリア革命総合委員会創設メンバーの一人で、広報局長。またタルビーサ調整、ヒムス自由人連合、ヒムス・ニュース・センターを創設した。

またムハンマド・ジュムア・アブドゥルカリーム・ラトゥーフはタルビーサ市の映像・情報を配信してきた。

 

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市周辺で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

またジュダイダト・アルトゥーズ町、ドゥーマー市、ダーライヤー市が砲撃を受け、反体制武装勢力の戦闘員1人を含む4人が死亡した。

このほか、ザマルカー町、アイン・タルマー村も砲撃を受けたという。

一方、SANA(10月22日付)によると、アルバイン市、ハラスター市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の追撃・放逐を継続した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月22日付)によると、ルクンッディーン区で車に仕掛けられた爆弾が爆発した。死傷者は出なかった。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市フィルドゥース地区などが砲撃を受け、マイダーン地区、サラーフッディーン地区、イザーア地区、バーブ・ジュナイン地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数が死亡した。

一方、SANA(10月22日付)によると、カフルタアール村、アターリブ市、フライターン市、マーリア市、カフルフーム市、カブターン・ジャバル村、アレッポ市旧市街、カーディー・アスカル地区、シャイフ・ヒドル地区、イシャーラート地区、バーブ・ナイラブ地区、カッラーサ地区、ブスターン・カスル地区、アンタキア門地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺で軍・治安部隊がヌスラ戦線および反体制武装勢力と激しく交戦した。

一方、SANA(10月22日付)によると、ハーリム市、サルキーン市、ジスル・シュグール市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市、タルビーサ市、ムザイリーブ町などが砲撃を受けた。

一方、SANA(10月22日付)によると、ヒムス市スルターニーヤ地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力を掃討し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月22日付)によると、ダイル・ザウル市各所で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月22日付)によると、反体制武装し勢力がダルアー市初審裁判所のタイスィール・サマーディー第一検事を誘拐した。

**

ユーチューブ(10月22日付)上に、シリア・アラブ航空の旅客機から降りる集団の映像が公開された。

映像によると、これらの集団は、イラン・イスラーム革命防衛隊の兵士だという。

http://www.youtube.com/watch?v=CnH4aijhbj0

反体制勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(10月22日付)は、イドリブ県で自由シリア軍が拘束したクルド人兵士19人に対して、同軍の法廷が無罪判決を下した、と報じた。

逮捕された兵士の家族によると、自由シリア軍は6,800ドルの「保釈金」(身代金)の支払いを要求している、という。

19人は10月13日に拘束されていた。

**

シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は、『ジュムフーリーヤ』(10月22日付)に対して、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺の背後にアサド政権がいる、と断じた。

そのうえで「シリアの政府は、レバノンでさらなる暗殺を行い、不安定を醸成し、シリア国内での犯罪を隠蔽しようとするだろう」と述べた。

一方、サアド・ハリーリー前首相がウカーブ・サクル国民議会議員をシリアの反体制勢力との連絡調整役に任命したことに関して、「我々と3月14日勢力の間で調整は行われており…、両国の国益を尊重することを基礎としている」と述べた。

さらに、ヒズブッラーに対しては、「シリア政府がヒズブッラーを犠牲にして取引を行うことを理解せねばならない」と述べ、アサド政権との決別を促した。

最後に「我々(シリア人とレバノン人)は運命共同体だ。あなたたちはシリア政府の抑圧に苦しみ、その犠牲となってきた…。シリア国民は今日、同じ抑圧を受けている」と述べた。

クルド民族主義勢力の動き

『クッルナー・シュラカー』(10月22日付)は、ハサカ県カーミシュリー空港で、シリア・クルド民主党(アル・パールティー)ナスルッディーン・イブラーヒーム派幹部のアフマド・スィーヌーが逮捕された、と報じた。

スィーヌーは、ファイサル・ユースフ、アブドゥルカリーム・ウマル、ジャマール・シャイフ・バーキー、アフマド・スライマーンとともにシリア・クルド国民評議会の使節団として、ダマスカスに向かい、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とイード・アル=アドハーの休戦について協議する予定だった。

**

『クッルナー・シュラカー』(10月22日付)は、PKK筋の話として、民主統一党がトルコのアレヴィー派戦闘員を有事の場合に対トルコ戦に参加させることを同派と合意し、その第一弾としてアレヴィー派戦闘員3,000人のシリア北東部への派遣と、国境での緩衝地帯設置阻止を民主統一党がシリア政府に提案した、と報じた(未確認情報)。

レバノンの動き

ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺を受けるかたちで、21日晩から北部県トリポリ市のジャバル・ムフスィン地区とバーブ・タッバーナ地区で銃撃戦が発生し、少なくとも4人が死亡、シリア人を含む多数の住民が負傷した。

諸外国の動き

AKI(10月22日付)などによると、ユーロサット社(ホットバード)は、EUの制裁の一環として、シリア・アラブ・テレビ衛星放送、シリア・ドラマ・チャンネルの配信を停止した。

**

アラブ連盟のアフマド・ベン・フッリー事務副長は、イード・アル=アドハーの休戦に関して「望みは薄い」と述べた。

**

イラク・クルディスタン地域政府は、ドホーク県ドマイズ避難民キャンプのシリア人避難民が35,000人に達したと発表した。

またイラク中央政府の移民難民省も、アンバール県のカーイム避難民キャンプのシリア避難民の数が7,638人に達したと発表した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はロシア紙に対して、「アサド大統領はキリスト教徒を含むマイノリティの安全を保障する人格を備えている」と述べた。

また欧米諸国が「彼(アサド大統領)をかかしに仕立て上げている…。しかし実際のところ、向けられる嫌疑はいずれも断片的である…。現在、中東の地政学の書き換えが行われており、多くのプレーヤーが地政学的な地位を確保しようとしている…。多くのプレーヤーは基本的にシリアではなく、イランに対処しようとしている」と述べた。

**

キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長はヨルダンを訪問し、アブドゥッラー国王らと会談、シリア情勢について協議した。

**

ヨルダンのシリア人避難民の支援活動を行っている聖典スンナ協会によると、ザアタリー国営避難民キャンプで、多数の避難民がテント約20台に放火し、処遇改善を求めた。

AFP, October 22, 2012、Akhbar al-Sharq, October 22, 2012、AKI, October 22, 2012、al-Hayat, October 23, 2012, October 24, 2012、Kull-na Shuraka’, October 22, 2012、al-Kurdiya
News, October 22, 2012、al-Jumhuriya, October 22, 2012、Naharnet, October 22, 2012、Reuters, October 22, 2012、SANA,
October 22, 2012、Youtube, October 22, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県を含む複数県で車爆弾によるテロが発生しいずれも死傷者を生む、一方ベイルートではハサン内務治安軍総局情報課長の国葬が執り行われ「数千人」が参列(2012年10月21日)

国内の動き

アサド大統領がダマスカスを訪問中のアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談した。

SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012

ブラーヒーミー共同特別代表は会談後、記者団に対して、「私と大統領が何を話したかは述べない。この問題(イード・アル=アドハーの休戦)について話はした。彼は私達の言葉が意図しているものを理解しただろうし、彼と彼の政府はこの点に関する見解を述べるだろう」と述べた。

また「すべての当事者が(休戦を)個別に決定すれば、それがイード中には武器を使用しないという全体の決定になるだろう」と述べた。

**

一方、SANA(10月21日付)は、会談に関して、「いかなる政治的なイニシアチブ・プロセスも本質的にテロ停止の原則に基づかねばならない…」と伝え、シリアで活動するテロリストへの資金・武器援助を求める国々にテロ支援停止を求めた。

 

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(10月21日付)などによると、バーブ・トゥーマ広場の警察署近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、13人が死亡、約30人が負傷した。

シリア人権監視団によると、アサーリー地区、ティシュリーン地区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と激しく交戦した。

**

アレッポ県では、AFP(10月21日付)によると、アレッポ市スィルヤーン地区フランス病院近くで、爆弾がしかけられた車が自爆し、複数人が負傷した。

シリア人権監視団によると、バーブ・ナスル地区、カスタル・ハラーミー地区、バーブ・ハディード地区、ブスターン・カスル地区が砲撃を受け、ブスターン・カスル地区では反体制武装勢力の戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(10月21日付)によると、アレッポ市のシャイフ・ヒドル地区、スライマーン・ハラビー地区、インザーラート地区、旧市街各所、ダイル・ハーフィル市、ハーン・アサル村、アズィーザ市、マーリア市、ウワイジャ地区、マアマリー市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を継続し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012

**

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(10月22日付)によると、タッル市で軍・治安部隊の兵士が乗ったバスにしかけられた爆弾が爆発し、兵士9人が死傷した。

一方、SANA(10月21日付)によると、ムニーン町で車にしかけられた爆弾が爆発し、通行人数人が負傷した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市の南側で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月21日付)によると、ダイル・ザウル市各所で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月21日付)によると、ヒムス市ワルシャ地区で、車にしかけられた爆弾が爆発し、反体制武装勢力の戦闘員8人が爆発に巻き込まれて死亡した。

また同市バーブ・フード地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012
SANA, October 21, 2012

このほかタッルカラフ市郊外の対レバノン国境で、シリア領内への潜入を試みる反体制武装勢力戦闘員を軍・治安部隊が撃退した。

レバノンの動き

ベイルート県中心に位置する殉教者広場(ムハンマド・アミーン・モスク)で、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の国葬が執り行われ、ミシェル・スライマーン大統領、ナジーブ・ミーカーティー首相、フアード・スィニューラ元首相らが参列した。

**

弔辞でスライマーン大統領は、ハサン情報課長が担当していたミシェル・サマーハ元情報大臣のテロ容疑事件での起訴を急ぐよう述べた。

**

各紙によると、国葬には3月14日勢力の支持者「数千人」が参列した。

ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の国葬に参加した3月14日勢力の支持者は葬儀後、首相府前でナジーブ・ミーカーティー内閣の総辞職を求めて暴徒化し、軍・治安当局に強制排除された。

**

自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、「一部の政治勢力が政争(の具)にしようとしている」と非難した。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、「これ(事件)がシリアの悲劇の延長だというこをあらゆることが示している…ようだ」と述べ、シリアの関与を推定した。

Naharnet, October 21, 2012
Naharnet, October 21, 2012

AFP, October 21, 2012、Akhbar al-Sharq, October 21, 2012、al-Hayat, October 22, 2012、Kull-na Shuraka’, October 21, 2012、al-Kurdiya News, October 21, 2012、Naharnet, October 21, 2012、Reuters, October 21, 2012、SANA, October 21, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムアッリム外相がブラーヒーミー共同特別代表と会談、レバノンではミーカーティー首相がハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺を防げなかった責任から辞意を表するも慰留される(2012年10月20日)

国内の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とダマスカスで会談した。

SANA, October 20, 2012
SANA, October 20, 2012

会談後に外務在外居住者省が発表した声明によると、両者の会談は「建設的」で、地域情勢や国連の人道活動などについて協議された。

しかし声明では、イード・アル=アドハーの休戦案について言及はなかった。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はまた、民主的変革諸勢力国民調整委員会の使節団とも会談した。

委員会の声明によると、会談では、地域情勢、国際情勢、両者の提案が協議された。

ハサン・アブドゥルアズィーム代表は、ブラーヒーミー共同特別代表によるイード・アル=アドハーの休戦に関して「政治プロセスを促すだろう」と述べ、歓迎の意を表明した。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市、マアッル・シャムシャ市が軍の空爆を受け、マアッラト・ニウマーン市南部の国際高速道路で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、南部環状線(ドゥワイリア)などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サクバー市でがれきの下から市民の遺体14体が発見された。

一方、SANA(10月20日付)によると、スバイナ町近郊のアドナーン・モスクで反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発した。

この爆発で、反体制武装勢力の戦闘員複数名が死傷した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団、シリア国民評議会などによると、ダイル・ザウル市ムワッザフィーン地区(軍・治安部隊が制圧する地区)で拷問を受けるなどして死亡した市民の遺体37体が発見された、と発表した。

**

アレッポ県では、SANA(10月20日付)によると、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、ハナーヌー地区、ハーン・アサル村、ターディフ市、フライターン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力への掃討作戦を継続し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月20日付)によると、反体制武装勢力がダルアー国立病院の医師を暗殺した。

クルド民族主義勢力の動き

サウジ日刊紙『アッカーズ』(10月20日付)は、シリア・クルド国民評議会の信頼できる複数の消息筋の話として、米国がシリア分割への懸念を示しつつも、クルド人の自治を認めた連邦制を樹立することに同意した、と報じた(未確認情報)。

**

クルディーヤ・ニュース(10月20日付)は、人民議会議員を務めるシリア・クルド人国民イニシアチブ代表のウマル・ウースー議員が滞在先のイランで、アサド政権崩壊後に連邦制の樹立を主唱すべきだとのシリア・クルド国民評議会などの主張に異議を拒否すると述べた、と報じた。


レバノンの動き

3月14日勢力を支持する若者グループ(ムスタクバル潮流、レバノン軍団の支持者ら)は、ベイルート県中心に位置する殉教者広場でテントを設営し座り込みを開始し、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺への抗議の意思を示すとともに、ナジーブ・ミーカーティー内閣の総辞職を訴えた。

**

3月14日勢力は、10月21日を「怒りの日」と名づけ、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の葬儀への参列を国民に呼びかけた。

**

前日に引き続き、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に抗議する若者が、ベイルート県、北部県、南部県などで道路を封鎖した。

また北部県トリポリ市アビー・サムラ地区では、住民どうしが衝突し、1人が死亡した。

NNA(10月20日付)が報じた。

**

ナジーブ・ミーカーティー首相は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺への対応を協議するための緊急閣議で辞意を表明した。

しかし、ミシェル・スライマーン大統領が慰留し、首相はこれを受け入れた。

**

『ハヤート』(10月21日付)によると、ミーカーティー首相の辞意に対して、進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首および国民党争ブロックの閣僚も、政治的真空の発生を懸念しつつ反対した。

Naharnet, October 20, 2012
Naharnet, October 20, 2012
Naharnet, October 20, 2012
Naharnet, October 20, 2012

**

『アフバール』(10月20日付)は、ナジーブ・ミーカーティー首相が、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺事件発生の責任をとって辞表するとの意思をナビーフ・ビッリー国民議会議長に伝えていた、と報じた。

**

3月14日勢力は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、事件発生を防げなかったナジーブ・ミーカーティー内閣を追及、総辞職を求めた。

**

レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、アリー・アブドゥルカリーム・アリー駐レバノン・シリア大使を追放すべきだと述べた。

**

レバノン・カターイブ党のサーミー・ジュマイイル国民議会議員は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、「シリアの紛争に我々の国が巻き込まれないようにしなければならない」と述べた。

**

マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教は声明を出し、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺を強く非難、「悪に対抗するための統合」を国民に呼びかけた。

**

ムハンマド・ラシード・カッバーニー大ムフティーはテレビ演説で、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺を「それによって誰が得をするのかは周知の通りだ」と非難した。

**

イラン外務省報道官は外務省HPで、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺を「シオニスト」の犯行と断じた。

**

サウジ国営通信(SPA)は、同国高官がウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺を非難した、と報じた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、ミシェル・スライマーン大統領とナジーブ・ミーカーティー首相に対して、政治的真空の発生を避けるべきだと伝えた。

**

潘基文国連事務総長は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、ナジーブ・ミーカーティー首相に「レバノン国民との連帯」の意思を伝えた。

**

ローマ法皇ベネディクト16世は、声明を出し、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺を非難した。

諸外国の動き

『ミッリイェト』(10月20日付)は、トルコ軍がこれまでシリア領内に87回迫撃砲を発射し、兵士12人を殺害、複数の戦車を破壊したと報じた。

トルコは、シリア領へのサラフィー主義外国人戦闘員の潜入を事実上黙認しつつ、からの迫撃砲着弾への報復として軍にシリア領内を迫撃させている。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、記者会見で、ファールーク・シャルア副大統領への大統領権限の移譲などを骨子ととする持論(「イエメン型解決策」)を撤回した。

ダウトオール外務大臣はこの案を今月8日に公表したが、「イエメン型解決策は9ヶ月前には適切だった」と述べて、撤回した。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、シリアのすべての紛争当事者にイード・アル=アドハー(10月26~28日)の暴力停止を呼びかけた。

**

ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表によるイード・アル=アドハー(10月26~28日)の休戦案への支持を表明した。

**

カタール外務省は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表によるイード・アル=アドハー(10月26~28日)の休戦案への支持を表明した。

**

国連の潘基本文事務総長とアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は共同声明を出し、イード・アル=アドハー(10月26~28日)の暴力停止を呼びかけた。

**

ヨルダンのナースィル・ジャウダト外務大臣はアンマンで反体制運動指導者の一人リヤード・サイフ元人民議会議員と会談し、シリア情勢について協議した。

AFP, October 20, 2012、al-Akhbar, October 20, 2012、Akhbar al-Sharq, October 20, 2012、‘Akkaz, October 20, 2012、al-Hayat, October 21, 2012、Kull-na Shuraka’, October 20, 2012、al-Kurdiya News,
October 20, 2012、Naharnet, October 20, 2012、NNA, October 20, 2012、Reuters,
October 20, 2012、SANA, October 20, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャームの民のヌスラ戦線が9月から10月にかけてシリア北部で発生した3件のテロの犯行を主張、レバノンでは内務治安軍総局情報課長のウィサーム・ハサン大佐を含む8人が爆弾テロによって死亡(2012年10月19日)

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がワーディー・ダイフ地点に近いタッルミンス村、マアッル・シャムサ村に展開する反体制武装勢力を空爆した。

またワーディー・ダイフ地点攻略で、反体制武装勢力の戦闘員1人が死亡した。

同地点の攻略には2500人の戦闘員が参加しており、対する軍は250人の兵で対抗している、という。

このほかジスル・シュグール市近郊のアアワル高地も砲撃を受けた。

一方、SANA(10月19日付)によると、ハーン・シャイフーン市郊外のバスィーダー村、アームーディーヤ村、カフルヤースィーム村、バーブーリーン村、スィージャル村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

他方、AFP(10月20日付)は、空軍がクラスター爆弾をマアッラト・ヌウマーン市東部での掃討作戦で使用した、と複数の反体制活動家が疑っていると報じた。

**

アレッポ県では、複数の反体制活動家が、アレッポ市スライマーン・ハラビー地区などに攻撃をかけ、同地区を完全に制圧した、と述べた。またマイダーン地区も一部制圧した、という(未確認情報)。

シリア人権監視団によると、アレッポ市のサーフール地区、マイダーン地区などで軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦したという。

一方、SANA(10月19日付)によると、アレッポ市旧市街、ブスターン・カスル地区、スーク・フストゥク地区、バーブ・ナスル地区、ブスターン・バーシャー地区、アターリブ市、アンジャーラ村、カッバースィーン村、ダイル・ジャマール村・マーリア市間、ダイル・ハーフィル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続し、外国人戦闘員を含む複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、複数の活動家によると、サイイダ・ザイナブ町で軍・治安部隊が反体制武装勢力と激しく交戦した。

またシリア情報センターによると、サクバー市などが軍・治安部隊の砲撃を受けた。

一方、地元調整諸委員会によると、アルトゥーズ町で軍・治安部隊に拷問の末、処刑されたと思われる複数の遺体が発見された。

**

ヒムス県では、複数の活動家によると、ラスタン市、クサイル市が軍・治安部隊の砲撃を受けた。

一方、SANA(10月19日付)によると、ジュースィーヤ村、東ブワイダ村、ガントゥー市、ハウラ地方などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月19日付)によると、ダイル・ザウル市各所で軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月19日付)によると、マアルバ町、ブスラー・シャーム市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月19日付)によると、ナビー・ユースフ地点近くで、トルコからの潜入を試みる反体制武装勢力を軍・治安部隊が撃退した。

一方、『クッルナー・シュラカー』(10月19日付)は、アラウィー派の村ワーディー・ウユーンで、住民と軍・治安部隊が交戦したと報じた(未確認情報)。

反体制勢力の動き

シャームの民のヌスラ戦線は、米国のイスラーム主義系のサイトに声明を送り、9月30日のカーミシュリー市の政治治安部を狙ったテロ、10月3日のダイル・ザウル市での政治治安部を狙った連続自爆攻撃、10月11日のイドリブ市での兵舎への攻撃を実行したと発表した。

またヌスラ戦線は、10月12日に、アレッポ市近郊の第606ミサイル大隊、同市ハナーヌー地区の兵舎、ラッカ県各所の兵舎を攻撃し、32人の兵士を殺害した、と発表した。

このうち第606ミサイル大隊の攻撃には、チェチェン戦闘員からなる「イスラーム・ファジュル運動」が参加した、という。

**

レバノンを拠点とするファフド・ミスリー(自由シリア軍行動司令部広報局長)は声明を出し、ヒムス県の対レバノン国境に位置するジュースィーヤ村を奪還したと発表した(未確認情報)。

**

シリア国民評議会の執行部メンバーのタウフィーク・ドゥンヤーが声明を出し、自身の参加が「何らの価値も与えることができない」として、脱会を宣言した。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(10月20日付)は、ハサカ県のハサカ市、ラアス・アイン市、ダルバースィーヤ市、カーミシュリー市、ダイリーク市で民主統一党が「青年こそ未来を保障する」と銘打ったデモを行った、と報じた。

**

クルディーヤ・ニュース(10月19日付)によると、17~18日にかけてカーミシュリー市で軍の士官複数名が離反し、トルコに逃走した。

ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺(レバノン)

ベイルート県アシュラフィーヤ地区で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、内務治安軍総局情報課長のウィサーム・ハサン大佐を含む8人が死亡、78人が負傷した。

Naharnet, October 19, 2012
Naharnet, October 19, 2012
Naharnet, October 19, 2012
Naharnet, October 19, 2012
Naharnet, October 19, 2012
Naharnet, October 19, 2012

ハサン大佐は、ムスタクバル潮流のサアド・ハリーリー前首相の顧問で、ミシェル・サマーハ元情報大臣のテロ容疑の調査などを主導していた。

**

ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺を受け、北部県、ベカーア県、ベイルート県、南部県の高速道路、広場など各所で、3月14日勢力の支持者が道路封鎖などを行い、抗議の意思を示した。

**

ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、サウジで暮らすサアド・ハリーリー前首相は声明を出し、「バッシャール・ハーフィズ・アサドによる暗殺を非難する」とアサド政権の関与を断じた。

ハリーリー前首相は父親のラフィーク・ハリーリー元首相の暗殺をシリアの犯行と断じていたが、その後、この断定が「過ち」だったと訂正した経緯がある。

**

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、ジャズィーラ(10月19日付)に対して「バッシャール・アサドと彼の体制が殺したと公然と非難したい」とシリアの関与を断じた。

ジュンブラート党首は2005年のラフィーク・ハリーリー元首相の暗殺をシリアの犯行と断じていたが、その後、この断定が「誹謗中傷が過ぎた」と訂正した経緯がある。

**

ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は「なぜ、ウィサーム・ハサンなのか?彼がミシェル・サマーハを逮捕したからか?」と自問し、シリアの関与を示唆した。

**

ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、ヒズブッラーは声明を出し、「邪悪な犯罪」、「安定と国民統合を見出そうとする邪悪な試み」と非難した。

**

自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、「レバノンの安定を脅かそうとする犯罪」と非難しつつも、調査を待って非難すべきだと述べ、シリアの犯行を断じるハリーリー前首相、ジュンブラート党首を暗に批判した。

**

ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、「こうした暴力を正当化するものはない」と非難した。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、「レバノンの治安、安定、独立、主権を狙った…テロ行為」を非難した。

**

バチカンのフェデリコ・ロムバルディ報道官は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、強い非難の意を示した。

**

ベイルート県アシュラフィーヤ地区での爆破テロに関して、シリアのウムラーン・ズウビー情報大臣は、「この手のテロはどこで起きようとも正当化され得ない」と非難した。

この非難声明は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の死亡が確認される前に出された。

**

シリア民主世俗主義諸勢力連立は声明を出し、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、アサド政権の存在がシリア国民だけでなく、地域全体を危険にさらすと批判した。

レバノンの動き(そのほか)

『リワー』(10月19日付)によると、レバノンを拠点とするファフド・ミスリー(自由シリア軍行動司令部広報局長)は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の使節と会談したことを明らかにしたうえで、イード・アル=アドハーの停戦案が「いかなる結果も実現せず、現場に変化をもたらさない」と述べた。

またヒズブッラーの戦闘員がヒムス県のジュースィーヤ村、クサイル市を攻撃している、と述べた。

**

レバノンの声(10月19日付)によると、ヒムス県ジュースィーヤ村からベカーア県バアルベック郡カーア地方に非難しようとしたレバノン人12人が、軍の要撃を受け殺害された。

諸外国の動き

ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、記者会見で、自由シリア軍がスティンガー・ミサイルを入手したとの情報に関して、「我々は世界じゅうの政府とともに、こうした兵器の根絶をめざしている…。我々は、シリアが脅威の源泉となるのではなく、地域に安定や平和をもたらす勢力になるよう…シリアを支援している…。真の暫定構想を準備し…新たな指導者がシリアを…過激派に抵抗させるため…シリア人を支援している」と述べた。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表がシリアに到着した。

**

エジプトの大統領府は声明を出し、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表によるイード・アル=アドハーの停戦を全面支持すると表明した。

AFP, October 19, 2012、Akhbar al-Sharq, October 19, 2012、al-Hayat, October 20, 2012、Kull-na Shuraka’, October 19, 2012, October 20, 2012、al-Kurdiya
News, October 19, 2012、al-Liwa’, October 19, 2012、Naharnet, October 19, 2012, October 20, 2012、Reuters,
October 19, 2012、SANA, October 19, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県では軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を継続、一方イドリブ県では反体制武装勢力とシャームの民のヌスラ戦線が共闘しワーディー・ダイフ基地を迫撃(2012年10月18日)

国内の暴力

アレッポ県では、SANA(10月18日付)によると、アターリブ市、サフィーラ市、マンスーラ村、カフル・ハラブ村、バヤーヌーン町、シャイフ・サルマーン市、マーリア市、アレッポ市旧市街各所などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

al-Hayat, October 19, 2012
al-Hayat, October 19, 2012

**

ヒムス県では、SANA(10月18日付)によると、ヒムス市ワアル地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを襲撃するなどして、掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

また『バアス』(10月18日付)が、対レバノン国境のジュースィーヤ村の「浄化」を完了したと報じた。

一方、『ハヤート』(10月19日付)などによると、軍・治安部隊はヒムス市のハーリディーヤ地区などの制圧のための掃討作戦を継続した。

**

ハマー県では、SANA(10月18日付)によると、カルアト・マディーク町などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

**

ラタキア県では、SANA(10月18日付)によると、軍・治安部隊がナビー・ユースフ山の山頂を経由してトルコからシリア領内に潜入しようとした反体制武装勢力を撃退し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

イドリブ県では、ラーイド・ミンディールなる反体制武装勢力の戦闘員が、AFP(10月18日付)に対して、反体制武装勢力がワーディー・ダイフ基地に対して「総攻撃を加えている。我々は同基地を制圧するだろう」と述べた。

シリア人権監視団によると、反体制武装勢力とシャームの民のヌスラ戦線が共闘し、基地を迫撃している、という。

一方、マアッラト・ヌウマーン市では、現地の救急隊員によると、軍の空爆によって子供多数を含む44人ががれきの下敷きになって死亡した。

また現地の野戦病院で医療活動を行う医師らによると、空爆で20人が死亡、30人以上が行方不明だという。

シリア人権監視団によると、軍はこのほかにも、マアッラト・ヌウマーン市郊外のダイル・シャルキー村、ダイル・ガルビー村を空爆した。

これに対して、SANA(10月18日付)は、マアッラト・ヌウマーン市郊外の村々で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を継続し、甚大な被害を与えた、と報じた。

「浄化」作戦が継続されたのは、マアッル・シャマーリーン市、マアッル・ハッタート村、カフルサジュナ村、バスィーダー村など。

またイドリブ市内で、爆弾が爆発し、市民1人が死亡した、という。

**

クナイトラ県では、SANA(10月18日付)によると、マスハラ村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を完了した。

**

ダマスカス県では、シリアの治安筋によると、カフルスーサ区の内務省施設の近く(300メートル)で、オートバイに乗った男が自爆した、と報じた。

SANA, October 18, 2012
SANA, October 18, 2012

同治安筋によると、爆発によって犠牲者は出なかった。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月18日付)によると、反体制武装勢力がダイル・ザウル市・タドムル市間の石油パイプラインと、ウマル油田とティーム油田を繋ぐパイプラインを爆破した。

シリア政府の動き

シリアの外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長宛に書簡を提出し、サウジアラビア、カタール、トルコがシリアへの武装テロ集団の潜入に関与し、国内の対話や危機の平和的解決を阻害している、と非難、対応を求めた。

SANA(10月18日付)が報じた。

反体制勢力の動き

『タイムズ』(10月18日付)は、英国治安当局が、英国人イスラーム教徒のシリアへの潜入手引きを行っていたとされる英国人の取り調べを行っていると報じた。

同報道によると、この英国人はこれまでに約50人の英国人イスラーム教徒のリクルートを行った、という。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表のシリア訪問に先立って、シリア国家建設潮流は声明を出し、同共同代表特使付のムフタール・ラマーニー代表とダマスカスで会談し、イード・アル=アドハーの休戦に関する意見を交換したと発表した。

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(10月18日付)は、クルド最高委員会が最高司法委員会の設置を決定した、と報じた。

同委員会は、シリア・クルド国民評議会の代表者8人、西クルディスタン人民議会の代表者7人から構成される。

レバノンの動き

AFP(10月18日付)は、レバノンの北部県アッカール郡アブーディーヤ市近くから何者かがシリア領に発砲したのを受け、シリア軍がレバノン領内に砲撃を加えた、と報じた。

死傷者は出なかった。

国際社会の動き

ロシアの外務省報道官は、米国が反体制勢力への対空兵器の供与を決定したとの「シリアの信頼できる消息筋」の情報に関して、「国際テロ組織の武器供与」をもたらすと懸念を表明した。

**

国連のナバネセム・ピレイ人権高等弁務官は、シリアの紛争をボスニア内戦にたとえ、国際社会に暴力ための一致団結を呼びかけた。

**

国際人権団体Avaazは、2011年3月以降の失踪したシリア人が28,000人にのぼると発表した。

AFP, October 18, 2012、Akhbar al-Sharq, October 18, 2012、al-Hayat, October 19, 2012、Kull-na Shuraka’, October 18, 2012、al-Kurdiya News,
October 18, 2012、Naharnet, October 18, 2012、Reuters, October 18, 2012、SANA,
October 18, 2012、The Times, October 18, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クルド民族主義政党および調整17団体はシリア国民評議会組織改編のイニシアチブに与せず、英紙ではイラク人戦闘員が反体制武装勢力掃討のために戦闘に参加していると報じられる(2012年10月17日)

国内の動き

シリアの外務在外居住者省は声明を出し、EUによる追加制裁発動に関して、国民とその糧を標的たもので、法的、道徳的根拠を欠く、と批判した。

**

SANA(10月17日付)は、ダマスカス郊外県とアレッポ県での「最近の事件」に関連して逮捕された逮捕者のうち、殺人を犯していない市民それぞれ16人、109人を釈放したと報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、SANA(10月17日付)によると、アレッポ県のサーフール地区、シャッアール地区、ナイラブ地区、バーブ街道地区、ハイダラート市、シャッアーラ村、タッル・ラッハール村、マーリア市、ターディフ市、ダイル・ハーフィル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを襲撃するなどして、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊し、「浄化」を進めた。

SANA, October 17, 2012
SANA, October 17, 2012

**

ダマスカス郊外県では、SANA(10月17日付)によると、シャイフーニーヤ村、ジスリーン町などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の浄化を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ハマー県では、SANA(10月17日付)によると、マスウード村、タッル・ムザイラア村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、逮捕した。

**

ヒムス県では、SANA(10月17日付)によると、クサイル市郊外のジュースィーヤ村の浄化が完了し、街は治安と安定を回復した。

一方、クサイル市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

地元調整諸委員会によると、ジュースィーヤ村に軍・治安部隊が突入した。

『クッルナー・シュラカー』(10月17日付)は、ヒムス市バーブ・アムル地区、タルビーサ市で、軍警察が90人を逮捕した、と報じた。

**

ダルアー県では、SANA(10月17日付)によると、マアルバ町で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討を継続し、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月17日付)によると、ダイル・ザウル市内で軍・治安部隊が反体制武装勢力への特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷した。

**

イドリブ県では、SANA(10月17日付)によると、ワーディー・ダイフに対して、軍・治安部隊が特殊作戦を行い、反体制武装勢力に甚大な被害を与えた。

またマアッラト・ヌウマーン市郊外のカフルナブル市、バスィーダー村、ジスル・シュグール市郊外のビダーマー町、シュグル市でも軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦市、複数の戦闘員を殺傷した。

**

ダマスカス県では、各紙によると、治安当局が市内各所でテロに警戒して、道路を封鎖するなどして厳戒態勢を敷いた。

クルド民族主義勢力の動き

クルド最高委員会は声明を出し、クルド民族主義政党および調整17団体は、イスタンブールで現在行われて、近くその成果がカタールで明らかになる予定のシリア国民評議会組織改編の努力をボイコットする、と発表した。

アフマド・スライマーン報道官は、「クルド最高委員会を構成する主要な二つのブロック(シリア・クルド国民評議会と西クルディスタン人民議会)は、シリア国民評議会再編の交渉や努力とは関係ない。交渉は我々への連絡がないままに行われている」と述べた。

**

PKKの事実上の党首であるムラード・カライラーンは党本部があるイラク北部で、「PKKはすべてのシリア人の要求を保護し、シリアのクルド人の支援を拡充させる。もしトルコ軍が彼らを攻撃すれば、もっとも激しい報復行動をもってトルコ領に反撃する」と述べた。

反体制勢力の動き

フランスで暮らす離反士官マナーフ・トゥラース准将は、『シャルク・アウサト』(10月17日付)に対して、「私にはシリア国民の救済を支援するため、常にシリアに戻る計画がある…。しかしその時期はさまざまな要素と関係している」と述べ、逃亡生活を続ける意思を暗に示した。

**

ロンドンで活動するシリア人権委員会は、軍・治安部隊が乳幼児を家族の前で拷問にかけ、反体制運動に関する情報を聞き出そうとする事件が多発している、との報告書を発表した。

**

アラウィー派の有識者約30人が共同声明を出し、軍・治安部隊、シャッビーハによる蛮行を批判した。

共同声明に署名した有識者は、アーファーフ・アフマド、ハーティル・ダワーらいずれも無名。

レバノンの動き

AFP(10月17日付)は、シリア・レバノン国境地帯でシリアの反体制武装勢力とヒズブッラーの戦闘員の戦闘が連日のように発生するようになっている、と報じた。

同報道によると、戦闘はレバノン人が暮らすシリア領内に位置するとみなされている村(ただし両国は国境画定をしていない)で発生しており、村人によると、反体制武装勢力の侵入を防ぐため、ヒズブッラーの戦闘員約5,000人が展開している、という。

この村人によると、戦闘ですでにレバノン側の戦闘員16人が死亡している、という。

**

『デイリー・テレグラフ』(10月19日付)は、ヒズブッラーがベカーア県ヘルメル郡からシリア領内の反体制武装勢力の拠点に砲撃を加えた、と報じた。

イラクの動き

ロイター通信(10月17日付)は、イラク人戦闘員(シーア派)が軍・治安部隊とともに、反体制武装勢力掃討のために戦闘に参加していると報じた。

戦闘に参加しているイラク人は、マフディー軍やバドル機構の元戦闘員や離反者、アサーイブ・アフル・ハック、ヒズブッラー大隊の戦闘員など。

その多くはレバノンのヒズブッラーの傘下で任務にあたっているという。

マフディー軍の離反戦闘員のアブー・ハージルはロイター通信の電話取材に対して、「我々はアブー・ファドル・アッバース大隊を結成し、同隊にはイラク人、シリア人、そのほかの外国人戦闘員500人からなる」と語った。

アブー・ハージルによると、これらの部隊の主な任務はダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブなどシーア派の聖地の防衛だが、自由シリア軍のこれらの聖地への攻撃を行おうとしているとの情報が入った場合は、反体制武装勢力との戦闘を行っている、という。

諸外国の動き

シリアでの人権侵害を調査するための国連人権理事会調査委員会のパウロ・セルジオ・ピネイロ委員長は、外国人戦闘員に関して、「彼らの存在は過激化をもたらすだけだ…。彼らはシリアでの民主的国家建設において必ずしも必要な存在ではないにもかかわらず、彼らだけの特別な動機で活動している」と批判した。

ピネイロ委員長によると、外国人戦闘員は「数百人」いる、という。

また同委員会のカーリン・アブー・ザーイドや、外国人戦闘員とシリアの反体制武装勢力が「ほとんどの場合、別々に行動している」としながらも「彼らは自由シリア軍の一部を過激化させている」と指摘した。

AFP(10月17日付)が報じた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、「(シリア)政府は、ミグ(戦闘機)、TNT樽爆弾を用いることで暴力の新たな段階を越えた。最近では、クラスター爆弾使用の危険が高まっている…。政府がたとえこうした情報を否定しようと、我々には証拠がある」と述べた。

シリア革命諸評議会なる団体の使節団との会談後で述べた。

**

AFP(10月17日付)、ロイター通信(10月17日付)によると、トルコのハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)に、シリア領から発射された迫撃砲が着弾し、トルコ軍が応戦した。

AFP, October 17, 2012、Akhbar al-Sharq, October 17, 2012、The Daily Telegraph, October 19, 2012、al-Hayat, October 18, 2012、Kull-na Shuraka’, October 17, 2012、al-Kurdiya News,
October 17, 2012、Naharnet, October 17, 2012、Reuters, October 17, 2012、SANA,
October 17, 2012、al-Sharq al-Awsat, October 17, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がアレッポ市のウマイヤ・モスクをタウヒード旅団から奪還、ブラーヒーミー共同特別代表がイランを訪問しアフマディーネジャード大統領を含む同国政府高官らと会談(2012年10月14日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア軍が声明を出し、アレッポ市旧市街のウマイヤ・モスクをタウヒード旅団(自由シリア軍)から奪還したと発表した。

奪還作戦では、火災(13日)が発生し、モスクが部分損壊した。

http://www.youtube.com/watch?v=y04q-CVH7H8&feature=player_embedded

al-Hayat, October 15, 2012
al-Hayat, October 15, 2012

これに関して、軍は「テロ集団がモスクを攻撃し、内部を破壊した…。タウヒード旅団は午後4時に、破壊の跡を残して、モスクからの撤退を決定した」と発表した。

しかし、タウヒード旅団は声明を出し、「軍がモスクから撤退したことを受け、タウヒード旅団はモスク周辺に結集している諸大隊に進軍しないよう支持した」と反論した。

一方、SANA(10月14日付)によると、マサーキン・ハナーヌー地区、ブスターン・バーシャー地区、マルジャ地区、旧市街(バーブ・アンターキヤーなど)アラブ・ストゥーマ市、ハーン・アサル村、アウラム・クブラー町、ダイル・ハーフィル市、アンジャーラ村、カフルナーハー村などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア情報センターによると、カダム区で20人が治安部隊によって処刑された、という。

『ハヤート』(10月15日付)は、複数の活動家の話として、マッザ区のヴィーラート地区などで連続して3発の爆弾が爆発した、と報じた。

これに対して、シリア・アラブ・テレビ(10月14日付)は、マッザ区の路上で爆弾が仕掛けられた車が爆発したと報じた。

またSANA(10月14日付)は、ファトフ・モスク近くでの爆発で2人が負傷した、と報じた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がマアッラト・ヌウマーン市に近いワーディー・ダイフ基地への攻撃を続け、2度目となる突入を試みた。

しかし戦闘により、戦闘員1人が負傷、18人が負傷したという。

シリア軍はマアッラト・ヌウマーン市奪還のため、同市および近郊のマアッラト・シューリーン村などを空爆した。

一方、SANA(10月14日付)によると、軍・治安部隊がサラーキブ市、ザーウィヤ山、ジスル・シュグール市西部、ヒーシュ村で、道路閉鎖などを試みた反体制武装勢力戦闘員と交戦、殺傷した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がヒムス市ハーリディーヤ地区、ラスタン市、フーラ地方、タッルカラフ市を砲撃した。

一方、SANA(10月14日付)によると、ヒムス市東部で反体制武装勢力がマイクロバスに爆弾を仕掛けて爆破し、乗っていた女性労働者4人が死亡、20人が負傷した。

またラスタン市、タッルカラフ市では、軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃し、外国人戦闘員を含む数十人の戦闘員を殺傷した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア情報センターによると、ダーライヤー市とムウダミーヤト・シャーム市間で、後ろでに縛られた遺体100体が発見された。

一方、SANA(10月14日付)によると、東グータ地方のザバディーン市、ダイル・アサーフィール市、シャブアー町、ムハンマディーヤ町で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の浄化を完了した。

**

ダルアー県では、シリア情報センターによると、ガサム村、マアルバ町に対して軍が砲撃を加えた。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市、ブーカマール市、ムーハサン市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(10月14日付)によると、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員を殺傷、逮捕した。

**

ハマー県では、SANA(10月14日付)によると、ハマー市で反体制武装勢力が市民1人を襲撃、殺害した。

一方、軍・治安部隊はハマー市郊外で特殊作戦を行い、反体制武装勢力を殲滅した。

**

ラッカ県では、SANA(10月14日付)によると、カンタリー村のハサカ市・ラッカ市を結ぶ街道で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

国内の動き

ワーイル・ハルキー首相は国家公務員の給与と退職者の年金を引き上げることを決定した。

レバノンの動き

ベイルート県で、ロシアと中国によるシリア支援への謝辞を表明するデモ行進がアサド政権を支持するレバノン人市民数百人によって行われた。

AFP(10月14日付)が報じた。

**

サラフィー主義者のシャイフアフマド・アスィールは、ベイルート県での「シリア革命」を支持するデモ集会で演説し、バッシャール・アサド大統領と弟のマーヒル・アサド大佐を「イスラエルの安全の守護者」と批判した。

またイランを「シリア国民を殺戮するために大金をつぎ込んでいる」と非難、ヒズブッラーに対しては「国家の武装、ジハード主義者の義務のための武装を拒否する」と述べ、アサド政権への支援を批判した。

デモ集会の直後、ベイルート県ズカーク・ブラート地区でアマル運動とヒズブッラーの支持者が、アスィールの支持者と衝突した。死者は出なかった。

**

NNA(10月14日付)は、ヒムス県の対レバノン国境に位置するラブラ町での軍・治安部隊と反体制武装勢力の戦闘に巻き込まれて、レバノン人2人が死亡した、と報じた。

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は最近の演説で、シリア領内の対レバノン国境の村々に約30,000人のレバノン人が暮らしていると述べていた。

**

レバノンの複数のメディアは、シリア軍の戦闘機がベカーア県バアルベック郡アルサール地方上空に侵入した、と報じた。

諸外国の動き

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、記者団に対して、「シリア政府はまず国民と対話すべきだ」と述べ、シリア・トルコの直接対話のしくみを構築すべきとのロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣の提案を一蹴した。

またシリア政府がトルコ旅客機のシリア領空の通過を禁止したことに関しては「我々にとって価値がない」と述べた。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はイランを訪問し、マフムード・アフマディーネジャード大統領、サイード・ジャリーリー国家安全保障最高会議書記、アリー・アクバル・サーレヒー外務大臣らと会談した。

SANA(10月14日付)によると、会談では平和的解決によるシリア危機の解決が必要だとの見解で一致した、という。

**

『ハヤート』(10月15日付)は、複数のヨルダン軍・治安筋の話として、ヨルダンに逃亡したシリア軍離反兵の数が約3,800人に上っていると報じた。うち1,120人が士官だという。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、シリア軍がアレッポ県やイドリブ県で反体制武装勢力が制圧する地域を奪還するため、市街地などにクラスター爆弾を投下した、と発表した。

http://www.hrw.org/news/2012/10/14/syria-new-evidence-military-dropped-cluster-bombs

シリアは、米中、ロシア、イスラエルなどとともに、クラスター爆弾の使用・製造・保有を禁じるオスロ条約(2010年8月)に参加していない。

Akhbar al-Sharq, October 14, 2012、AFP, October 14, 2012、al-Hayat, October 15, 2012、Kull-na Shuraka’, October 14, 2012、al-Kurdiya News,
October 14, 2012、Naharnet, October 14, 2012、NNA, October 14, 2012、Reuters,
October 14, 2012、SANA, October 14, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県内のワーディー・ダイフ基地周辺で軍・治安部隊が反体制武装勢力が激しく交戦、またシリア軍がヒムス県の対レバノン国境地帯に地対空ミサイルを配備(2012年10月12日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(10月12日付)は、イスラーム情報監視団(ロンドン)からの情報として、エジプトのスエズ県の「人民抵抗」の指導者として知られるジハード主義者の一人ハーフィズ・サラーマがトルコ経由で10日晩にシリア領内に潜入した、と報じた。

同報道によると、この潜入は、「シリアの革命家たちの支援」が目的だという。

サラーマはムアンマル・カッザーフィー政権打倒をめざす反体制運動支援のために2011年にはリビアに潜入していた。

**

シリア国民評議会のアナス・アブダ事務局書記長は、AFP(10月11日付)に対して、10月15~16日にカタールで予定されていた組織拡大のための大会を11月初めに延期すると述べた。

「評議会参加にあたって、革命運動体、市民社会運動体、政治組織から予想以上に多くの要求が示されたこと」が主な理由だという。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイフ基地周辺で軍・治安部隊が反体制武装勢力が激しく交戦した。

一方、SANA(10月12日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市に近いワーディー・ダイフ地点、イフスィム町、サラーキブ市、ハーン・シャイフーン市、ヒーシュ村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員多数を殺害した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバー村で反体制武装勢力が軍・治安部隊を襲撃し、兵士14人を殺害した。

**

アレッポ県では、SANA(10月12日付)によると、アレッポ市ブスターン・カスル地区、ダウワール・バーブ・ハディード地区、ブスターン・バーシャー地区、アターリブ市、ハルシュー市、カフルダーイル村、ハーン・アサル村、カブターン・ジャバル村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月12日付)によると、ラスタン市近郊のダイル・フール村、シャルク・ジャンダル地方、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ハサカ県では、クルディーヤ・ニュース(10月12日付)によると、アレッポ街道沿いのタッル・バイダル村、タッル・タムル町上空を軍のヘリコプター2機が飛来した、と報じた。

飛来の理由は定かでないが、自由シリア軍の拠点を砲撃したとの情報や、ヘリコプターどうしが交戦したといった情報が錯綜している、という。

国内の動き

トルコの『エデンリク』(10月12日付)は、アサド大統領が「シリアはPKKを支持していない…。トルコと我々の関係が良好だったとき、この政党を支援しているとの疑惑は向けられなかった…。アンカラはPKKへのダマスカスの支援を疑うことで、シリア国内の武装集団の支援を正当化しようとしている」と述べたと報じた。

**

『アフバール』(10月12日付)は、シリア民族社会党のアスアド・ハルダーン党首(レバノン)が、シリア政治局(イサーム・マハーイリー派)を解散し、シャーム問題担当副党首のナズィール・ウズマに新政治局の発足を要請した、と報じた。

シリア民族社会党マハーイリー派は進歩国民戦線加盟政党。

レバノンの動き

『ディヤール』(10月12日付)は、シリア軍がヒムス県内の対レバノン国境地帯に地対空ミサイルを配備したと報じた。

この配備は、トルコがレバノン経由で軍事行動を行うことへの予防的措置だという。

**

ミシェル・スライマーン大統領は、「シリア軍は自制し、レバノン領内への砲撃を控えねばならない」と述べた。

一方、ヒズブッラーによるイスラエルへの無人飛行機潜入に関して「国防戦略上必要」と述べた。

**

レバノンの軍事裁判所のサクル・サクル長官は、ミシェル・サマーハ元情報大臣のテロ容疑に関して、リヤード・アブー・ギーダー検事に、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官への聴取を要請した。

諸外国の動き

『イェディオト・アハロノト』(10月11日付)は、2010年秋にシリアとイスラエルが米国の仲介のもとに間接和平交渉を行い、ゴラン高原からのイスラエルの完全撤退、大使館交換などで合意したが、シリアへの「アラブの春」波及で実現しなかった、と報じた。

同報道によると、撤退の期間に関して、シリア側は半年から1年、イスラエル側はより長期間を主張し、意見の一致は見られなかったという。

交渉はベンヤミン・ネタニヤフ首相、エフード・バラク国防大臣のみが関与し、他の閣僚には知らされていなかった、という。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、サウジアラビアのジェッダでアブドゥッラー国王と会談し、シリア情勢について協議した。

al-Akhbar, October 12, 2012、Akhbar al-Sharq, October 12, 2012、AFP, October 12, 2012、al-Hayat, October 13, 2012、Kull-na Shuraka’, October 12, 2012、al-Kurdiya News,
October 12, 2012、Naharnet, October 12, 2012、Reuters, October 12, 2012、SANA,
October 12, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制武装勢力がダマスカス・アレッポ街道を約5キロにわたって制圧するなか、ヒズブッラーのナスルッラー書記長が「シリア国内で戦闘員を派遣している」との一部情報を否定(2012年10月11日)

国内の暴力

イドリブ県では、『ハヤート』(10月12日付)など各紙が、複数の活動家・目撃者の話として、反体制武装勢力がマアッラト・ヌウマーン市に近いダマスカス・アレッポ街道を約5キロにわたって制圧した、と報じた。

また反体制武装勢力のアクラム・サーリフ大佐はAFP(10月11日付)に対して、「軍は(マアッラト・ヌウマーン市の)奪還を試みたが、反体制活動家はこれを阻止した」と述べた。

さらに反体制活動家のムハンマド・カナアーンは、マアッラト・ヌウマーン市に近いワーディー・ダイフ基地を反体制武装勢力が戦車1台で攻撃、制圧した、と述べた。

このほか、シリア人権委員会によると、スィフヤーン村で軍・治安部隊が反体制武装勢力と激しく交戦した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区のダマスカス・ダルアー街道の検問所で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、軍の兵士2人が死亡した。

またシリア人権委員会なる組織によると、カーブーン区、マイダーン地区で治安当局による逮捕・捜索活動が行われた。

一方、シリア人権監視団はマッザ区の高等教育省に近い軍事裁判所前で「激しい爆発」があったと発表した。被害の詳細は明らかでないという。

これに関して、シリア・アラブ・テレビ(10月11日付)は、高等教育省に近いバラームケ・税関地区で爆破テロが発生したと報じた。

また使徒末裔大隊とアンサール・イスラーム旅団が共同声明を出し、高等教育省に近い総合情報部のコンプレックスに爆弾を仕掛けたと発表した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権委員会によると、アルトゥーズ町などが軍・治安部隊の砲撃を受けた。

**

ヒムス県では、地元調整諸委員会によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区で軍・治安部隊に対する掃討作戦を続けた。

一方、SANA(10月11日付)によるとダイル・フール村、シャルク・ジャンダル地方、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の追撃を継続し、多数の戦闘員を殺害した。

**

ダルアー県では、シリア人権委員会によると、シャイフ・マスキーン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(10月11日付)によると、マアルバ町・ブスラー・シャーム市間の街道で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺害した。

『クッルナー・シュラカー』(10月11日付)によると、統一社会主義者党のハーリド・アッブード人民議会議員(事務局長)の弟のアブドゥルムンイム・ムーサー・アッブードがダルアー県ヌアイマ村で暗殺された。

**

タルトゥース県では、SANA(10月11日付)によると、反体制武装勢力がアリーダ国境通行所でレバノンからの旅客バスを襲撃し、乗っていたシリア人労働者8人が死亡、8人が負傷した。

**

アレッポ県では、SANA(10月11日付)によると、アレッポ市カルム・ジャバル地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を完了した。

またブスターン・カスル地区などで軍・治安部隊は反体制武装勢力の追撃を継続し、多数の戦闘員を殺害した。

**

ハマー県では、SANA(10月11日付)によると、アシャーリナ村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺害した。

反体制勢力の動き

反体制勢力の動きシリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は、ローラン・ファビウス外務大臣と会談、またフランス議会の外交委員会で証言した。

証言後、スィーダー事務局長は、評議会の指導部を「近いうちに」シリア国内に移転させる意思を示した。

また来週、カタールで予定されている会合で、評議会の組織再編(拡大)が行われるだろうと述べた。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長がテレビ演説し、シリア国内で戦闘員を派遣しているとの一部情報を否定した。

ナスルッラー書記長は「シリアでの危機発生当初から、一部のアラブ衛星放送は、ヒズブッラーがシリアに3000人の戦闘員を派遣していると報じてきたが、この報道は間違いで偽りだと言ってきた…。殉教者が出れば、我々は遺族に真実を伝える。いつ、どこで、どのように同胞が殉教したかを」と述べた。

また「今の今まで、我々はシリア政府とともに(シリア国内で)戦ったことはない。シリア政府は我々にそうするよう要請していない。我々がそうすることに関心を持っていると誰がいったのか?」と付言した。

一方、対シリア国境での武装集団による殺人、誘拐、強姦などの増加を受け、住民が自衛のため武装を強化していると指摘、「私は、ヒズブッラーに属していようといまいと、国境地域にとどまる人を妨げることはできない」としつつも、「我々は新たな戦線を開くことはない」と述べ、同地域の防衛に直接介入しない意思を明示した。

さらにシリアで死亡したとされるアリー・フサイン・ナースィーフ(アブー・アッバース)については、「アブー・アッバースの殉教に関して言われていることはすべて偽りだ…。ベカーアの住民に聞けば、彼がベカーアの歩兵旅団の司令官だったことが分かる…。(国境の)村々は連日砲撃を受けており、アブー・アッバースを含む多くの殉教者が出ている」と述べた。

自由シリア軍によるナスルッラー暗殺の脅迫に関しては、「シリアの一部の反体制勢力に、我々を脅迫しないようアドバイスする。無駄だからだ…。誤った非難は君たちのためにならずそのことで、私に謝罪を求めることはできない」と一蹴した。

なおこの演説では、10月6日にイスラエル領内で撃墜された無人飛行機を、ヒズブッラーが派遣したこと、また同飛行機がイラン製であることを認めた。

シリア・アラブ航空旅客機の強制着陸に関して

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、シリア・アラブ航空旅客機の強制着陸に関して、ロシア製の軍装備品が積まれていたと述べた。

**

アフメト・ダウトオール外務大臣は、シリア・アラブ航空旅客機の強制着陸に関して、「通報」に基づき同機を強制着陸させ、「違法な積荷」を押収したことを明らかにしたが、「通報」元については明言しなかった。

**

NTV(10月11日付)、TRT(10月11日付)によると、押収された積荷のなかには、ロケット弾の部品、通信機器などが含まれていた、という。

**

シリア外務在外居住者省のジハード・マクディスィー報道官は、トルコ空軍によるシリア・アラブ航空旅客機の強制着陸(10日)に関して、「いかなる武器、禁止された物資も輸送していなかった」と述べた。

マクディスィー報道官によると、同機(14時26分モスクワ発便)は、17時20分にトルコ領内に入るや、トルコ空軍によってアンカラ国際空港に強制着陸され、約2時間待機させられ後、トルコ当局が乗客らを空港内の待合室に移動させ、機内を検査、一部の積荷を調査のためとして押収した、という。

**

ロシア外務省報道官は、トルコ空軍によるシリア・アラブ航空旅客機の強制着陸に関して、「ロシア人を含む乗客の安全への脅威」と非難した。

同報道官はまた、「アンカラはロシア人乗客の有無をロシア大使館に通知せず、大使館代表による乗客への医療支援の提供の申し出を拒否した…。明確な説明のないまま二国間の慣習に違反した」と非難した。

諸外国の動き

トルコのタネル・ユルドゥズ・エネルギー天然資源大臣は、「1週間前からシリアがトルコからの電力の購入を停止している」と6日の前言と矛盾する発言をした。

「内戦で電力送電ネットワークが損害を受けた」のがその理由だという。

**

イラクのヌーリー・マーリキー首相は滞在先のプラハで記者団に「イラク経由でシリアに武器が流れることはないと強調する…。我々はシリアへの武器流入を抑止するため国境に軍を展開した」と述べた。

**

シリア人避難民問題支援担当調整官にパノス・ムムトズィス(Panos Moumtzis)氏は、AFP(10月11日付)に対して、シリア人避難民支援のための資金が不足していると述べ、資金援助を改めて求めた。

Akhbar al-Sharq, October 11, 2012、AFP, October 11, 2012、al-Hayat, October 12, 2012、Kull-na Shuraka’, October 11, 2012、al-Kurdiya News,
October 11, 2012、Naharnet, October 12, 2012、Reuters, October 11, 2012、SANA,
October 11, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヌスラ戦線が前日発生したハラスター市の空軍情報部へのテロの犯行を主張、クルド国民評議会がイラクで軍事教練されたクルド人避難民を活動に導入することを拒否することで合意(2012年10月9日)

国内の動き

アサド大統領は2012年政令第358号を発し、サッターム・ジャドアーン・ダンダフを駐イラク大使に任命、同日中に認証式を行った。

SANA, October 9, 2012
SANA, October 9, 2012

**

進歩国民戦線加盟政党による「政治対話と国民和解は治安と安定回復への我々の道だ」が2日間の日程を終え、閉幕した。

閉幕声明では、外国の干渉拒否、シリアをめぐる国際会議開催要請の拒否、外国から輸入されたテロの根絶、国内での政治的対話の必要を確認した。

また、外国の干渉に関しては、カタールを「米国の手先、イスラエルの信頼できる同盟国」と名指しで批判した。

**

『クッルナー・シュラカー』(10月9日付)は、アフマド・サイイド・ダマスカス第一検事が、アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領、フィラース・トゥラース、アドナーン・アルウール(シャイフ)、ムハンマド・シャンムート(医師)、ムハンマド・イドリビー、ジョルジュ・ヤーズジー、タージッディーン・イーサーをテロ法廷に起訴したと報じた。

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(10月9日付)によると、ザブラターニー地区のバス停留所で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、敷地内の施設や停車中の車が被害を受けた。

SANA, October 9, 2012
SANA, October 9, 2012
SANA, October 9, 2012
SANA, October 9, 2012
SANA, October 9, 2012
SANA, October 9, 2012

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、前日に空軍情報部で爆弾テロが発生したハラスター市で、軍・治安部隊と反体制武装勢力の交戦が続いた。

一方、SANA(10月9日付)によると、グータ東部で軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」の追撃を続けた。

**

アレッポ県では、SANA(10月9日付)によると、カフルハムラ村、ザルーナ村、カフルトゥーラーン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を実施し、多数の戦闘員を殺傷した。

またアレッポ市では、ブスターン・カスル地区、ダウワール・ハーウーズ地区、ダウワール・シャッアール地区、カルム・ジャバル地区、ブスターン・バーシャー地区などで反体制武装勢力の拠点を攻撃し、戦闘員を殺害、装備を破壊した。

一方、アレッポ市内の清掃局の労働者に反体制武装勢力が発砲、2人を殺害した。

SANA, October 9, 2012
SANA, October 9, 2012
SANA, October 9, 2012
SANA, October 9, 2012
SANA, October 9, 2012
SANA, October 9, 2012

**

イドリブ県では、シリア人権監視団のアリー・アブドゥッラフマーン所長がAFP(10月9日付)に対して、マアッラト・ヌウマーン市の入口にある検問所1カ所を除く同市から軍・治安部隊が撤退した、と発表した。

同市は2012年6月に反体制武装勢力が一時制圧していたが、軍・治安部隊の攻撃で撤退を余儀なくされていた。

同監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市での砲撃により、反体制武装勢力の戦闘員12人、民間人10人が8日に死亡し、9日には子供1人が死亡した。

一方、SANA(10月9日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市で軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃し、戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またトルコ領内からタッル・ザハブ地区に潜入しようとした反体制武装勢力戦闘員と軍・治安部隊が交戦し、複数名を殺害した。

**

ヒムス県では、SANA(10月9日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ハーリディーヤ地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

またクサイル地方のズィラーア市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、アフガニスタン人、チェチェン人など戦闘員多数を殺害する一方、レバノン領からの潜入を試みた戦闘員を撃退した。

シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区に軍・治安部隊が突入したことを認めつつ、「未だに制圧されていない」と述べた。

またアブ-・ビラ-ル・ヒムスィーを名のるヒムス市の活動家は、AFP(10月9日付)に対して、「ヒムス市では800世帯が包囲されている」と述べた。

**

ハマー県では、SANA(10月9日付)によるとハマー市内の複数地区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」を追撃、多数の戦闘員を殺傷、逮捕した。

**

ラタキア県では、SANA(10月9日付)によると、ラウダ村、マイダーン村、バイト・ファーリス村、アルジャ村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の浄化を完了した。

反体制勢力の動き

ハラスター市の空軍情報部へのテロ(8日)に関して、シャームの民のヌスラ戦線は車2台を使用して自爆攻撃を行ったと発表した。

これに対して、シリア治安筋は『ハヤート』(10月9日付)などに、爆弾が仕掛けられた車2台のうち1台は阻止されたと反論した。

**

シリア国内外の反体制活動家が「賢人会議」結成に向けた枠組み構築を完了した、と「アフバール・シャルク」(10月9日付)などが報じた。

賢人会議は、反体制勢力の統合と移行期間における行政の担当を目的としており、以下のような指導者が参加する予定。

ブルハーン・ガルユーン(シリア国民評議会前事務局)
アブドゥルハミード・ダルウィーシュ(シリア・クルド進歩民主党書記長、シリア・クルド国民評議会)
ミシェル・キールー(シリア民主フォーラム)
アーリフ・ダリーラ(シリア民主フォーラム)
フサイン・アウダート
アスラーン・アブドゥルアリーム
イスビーリードゥーン神父
アリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー(シリア・ムスリム同胞団前最高監督者)
ハイサム・マーリフ((シリア革命評議会代表(暫定政府首班)
アフマド・スィヤースィナ(シャイフ)

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会在外局は声明を出し、メンバーのアブドゥルアズィーズ・ハイイルがフランス訪問中にリフアト・アサド副大統領と会談した、とのアラビーヤ(10月7日付)でのワヒード・サクルの発言を否定した。

ハイイルは先月、空軍情報部に拘束されたとされ、その処遇をめぐってラタキア県カルダーハ市でハイイル家、ウスマーン家がアサド家との対立を強めていると言われる。

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(10月9日付)は、民主社会運動(TEV-DEM)幹部の話として、シリア・クルド国民評議会が事務局会合で、イラクのクルディスタン自治区で軍事教練されたクルド人避難民を活動に導入することを拒否することで合意した、と報じた。

「現段階で軍事力は必要ない」というのが理由。

シリアから避難したクルド人は、ハンナス・キャンプで軍事教練を受けているとされ、シリア・クルド国民評議会はその存在を脅威とみなす一方、民主統一党が同調するか否かを疑念をもって注視しているという。

ハンナス・キャンプで教練を受けたクルド人は600人が既に対シリア国境に展開し、700人が現在教練を受けており、この動きはPKKや民主統一党の動きを牽制する効果を持っているとしてトルコ政府によって歓迎されていた。

一方、民主統一党は、「人民防衛隊」の名で独自の民兵の結成をめざしている。

同部隊は2大隊からなり、15,000人の戦闘員を擁するという。

**

PKKの事実上の党首であるムラード・カライラーンはイラク北部でAFP(10月9日付)の取材に応じ、「地域情勢の進展、とりわけシリア情勢の進展とクルド問題の顕在化はトルコ政府の懸念を強めている…。なぜなら(2011年3月のような)イラク・クルディスタンでの試練がシリアで繰り返されることを恐れているからだ」と述べた。

**

クルディーヤ・ニュース(10月9日付)によると、数百人のクルド人がアレッポで反体制武装闘争を行うタウヒード旅団に参加している、と報じた。

同報道によると、「自由クルド軍」として知られている「サラーフッディーン・アイユービー大隊」もタウヒード旅団の傘下に入ったという。

サラーフッディーン・アイユービー大隊のビユワール・ムスタファー大尉によると、同大隊は300人の離反兵からなり、アフリーン市に主に展開しているが、同市は民主統一党の戦闘員が実効支配している。

**

民主的諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、民主統一党(の民兵)が委員会の軍事部門として機能しているとの一部非難を否定した。

また民主統一党の民兵だとされる武装集団に関しても、「民主統一党員ではなくPKKのメンバー」と述べ、「人民防衛隊」(YPG)の結成を通じてシリア北東部の軍事支配を強化しようとしているとの見方を否定した。

ザマーン・ワスル(10月9日付)が報じた。

レバノンの動き

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリーは、MTV(10月9日付)に対して、ヒムス県の検問所に配置されていたヒズブッラーの戦闘員13人を拘束したと述べた。

ミスリーは「ヒムス県郊外の軍・治安部隊の検問所に配置されていた完全武装のヒズブッラー戦闘員13人を捕捉した…。彼らは宗教関係者でもなければ、観光客でもなければ、同地の家族を訪れた者でもない」と述べた。

そのうえで、ヒズブッラー指導部に戦闘員を撤退させ、主権侵害を止めるよう警告し、これに応じない場合、「ダーヒヤの中心で忘れることのできない教訓を与えることができる。我々はナスルッラーに言う、我々はお前の居場所の探し方を知っている。我々の攻撃に対してお前、そしてお前の悪党ども安全ではない」と脅迫した。

**

ヒズブッラーおよびアサド政権と対立するムスタクバル潮流は、自由シリア軍のミスリーによるダーヒヤへのテロ脅迫とも思える発言を批判する一方、ヒズブッラーのシリアでの活動について集中的な調査を行うべきだとの声明を出した。

**

AFP(10月9日付)は、軍・治安部隊によるヒムス県クサイル地方などでの反体制武装勢力掃討作戦激化に伴い、過去24時間でシリア人約400人がレバノン領内に避難した、と報じた。

諸外国の動き

フィリップ・ゴードン米国務副長官は『ル・モンド』(10月9日付)に、反体制勢力が発足をめざしている暫定政府の承認に関して「時期尚早」との見方を示した。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は記者会見で、「そうしなければならないなら、我々にはトルコを防衛する計画がある」と述べた。

**

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は「アサド大統領は終わった。松葉杖をついている」と批判した。

トルコ軍のネジュデト・オゼル参謀長がハタイ県を訪問した。

**

国連の潘基文事務総長はフランスのフランソワ・オランド大統領と会談し、シリア情勢に関して、アサド政権に一方的な発砲停止を呼びかけた。

AFP, October 9, 2012、Akhbar al-Sharq, October 9, 2012、al-Hayat, October 10, 2012、Kull-na Shurakaʼ, October 9, 2012、al-Kurdiya News, October 9, 2012、MTV, October 9, 2012、Naharnet.com, October 9, 2012、Reuters, October 9, 2012、SANA, October 9, 2012、Zaman al-Wasl, October 9, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国民評議会事務局長がアサド大統領退任後にシャルア副大統領が「政治的役割を果たすことに反対しない」と発言、サウジアラビアとカタールがシリアの反体制武装勢力への重火器の供与を停止したと報じられる(2012年10月8日)

シリア政府の動き

『ハヤート』(10月8日付)はインターネット版速報で、リヤード・ハッダード駐露シリア大使が、ヒムス県で反体制武装勢力がフサーム・アサド(大統領の甥)を拘束したとの報道を否定した、と報じた。

SANA, October 8, 2012
SANA, October 8, 2012
SANA, October 8, 2012
SANA, October 8, 2012

**

『クッルナー・シュラカー』(10月8日付)は、シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長、ブルハーン・ガルユーン前事務局長、ジョルジュ・サブラー、ムハンマド・タイフール、ムハンマド・リヤード・シャカファ、ワヒード・サクル、バッサーム・ジャッアーラ、(シリア革命評議会のハイサム・マーリフ代表(暫定政府首班)、アンマール・カルビー、アブドゥルカリーム・リーハーニーがテロ法廷に起訴された、と報じた。

**

進歩国民戦線加盟政党はダマスカス県のダマローズ・ホテルで「政治対話と国民和解は治安と安定回復への我々の道だ」と題した対話会合を開催した。

会合にはロシア、イラン、中国の外交官も出席した。

バアス党は参加しなかった。

**

シリア・アラブ・テレビ(10月8日付)は、ファールーク・シャルア副大統領が暫定政府首班にふさわしいとしたトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣の発言に関して、「政治的、外交的混乱を反映している…。トルコはオスマン朝ではなく、トルコ外務省はダマスカス、メッカ、カイロ、エルサレムの元首を氏名できない」と批判した。

国内の暴力

ヒムス県では、ロイター通信(10月8日付)によると、軍・治安部隊はヒムス市ハーリディーヤ地区に初めて突入した。

シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、クサイル市で激しい砲撃に曝された。

軍消息筋は、AFP(10月8日付)に対して、反体制武装勢力の拠点である、ヒムス市やクサイル市の奪還を進めていると述べた。

一方、SANA(10月8日付)によると、クサイル市郊外のズィラーア市、フサイビーヤ市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、殲滅した。

またウブーディーヤ市でレバノンからの潜入を試みた武装集団を国境警備隊が撃退した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、クルク(・シャルキーヤ)市に対して、軍・治安部隊が激しい砲撃を加えた。

これに関して、シリア人権ネットワークは100人以上が、シリア革命総合委員会は30人が軍・治安部隊に虐殺されたと宣伝した。

一方、SANA(10月8日付)によると、クルク(・シャルキー)市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討を継続し、多数の戦闘員を殺害した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のマイダーン地区、サーフール地区、サラーフッディーン地区、サイフ・ダウラ地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(10月8日付)によると、軍・治安部隊がアレッポ市ダウワール・シャッアール地区、バーブ街道地区、カルム・ジャバル地区、ハーン・ラスラーン地区、アッサーン村などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の残党追撃、拠点攻撃を継続、多数の戦闘員を殺傷、逮捕、装備を破壊・押収した。

**

同じくアレッポ県では、AFP(10月9日付)が、アターリブ市近郊の要所である第46中隊基地を反体制武装勢力が数週間も制圧できずにいる、と報じた。

同報道によると、アターリブ市攻略は同市出身のアフマド・ファッジュ准将の指令のもとにアレッポ県、イドリブ県の戦闘員1,500人を動員した決戦の一貫として計画されていた。

同基地の兵舎には軍兵士数百人が駐留しており、同地からシハーラ、アウラム・クブラーなど周辺の都市に対する攻撃部隊が出動しているという。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区で、軍・治安部隊が民家を破壊した。

またバルザ区は一昨日の警察署爆破を受け、多くの人々が避難・殺到した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(10月8日付)によると、軍・治安部隊がグータ東部のザバディーン市で反体制武装勢力と交戦、殲滅した。

「アフバール・シャルク」(10月9日付)は、午後8時半頃にハラスター市の空軍情報部本舎を標的とした爆弾テロが発生したと報じた。

テロは爆弾が仕掛けられた車2台によって行われ、爆発後に激しい戦闘があったという。

シリア人権監視団によると、標的となったのは、軍車輌のメインテナンスが行われる「第411開放区」と空軍情報部で、ラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、数十人が犠牲になった模様。

また同敷地内の拘置所で拘束されていた逮捕者の行方は不明だという。

しかしシリア公式筋はこの爆発に関して何の発表もしておらず、反体制武装勢力のプロパガンダに過ぎない可能性もある。

**

ラッカ県では、SANA(10月8日付)によると、軍・治安部隊がタッル・アブヤド市で反体制武装勢力の車を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(10月8日付)によると、アブー・バクル村で軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを攻撃し、多数の戦闘員を逮捕した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月8日付)によると、軍・治安部隊がダイル・ザウル市で外国人狙撃手4人を殺害した。

**

トルコ高官筋は、AFP(10月7日付)に対して、ハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)のアルテュズへのシリア領からの迫撃砲着弾に対して、トルコ軍が反撃した、と述べた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は、ファールーク・シャルア副大統領が暫定政府首班にふさわしいとしたトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣の発言に関して、「殺戮に与していない…バアス党員が現政権打倒後に政治的役割を果たすことに反対しない」と述べた。

Youtube, October 8, 2012
Youtube, October 8, 2012

Youtube, October 8, 2012
しかし、「彼(シャルア)が殺戮に荷担したとの情報はないが、彼は政治指導部に属している」と述べ、是非は明言しなかった。

UPI(10月7日付)が報じた。

**

ブルハーン・ガルユーン前事務局長は、シャルア副大統領を暫定政府首班とすることで反体制勢力が合意したと述べたとしつつ、「彼はこの地位(大統領職)を務める能力はないし、それを望んでいない」と否定的な考えを示した。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会のラジャー・ナースィルは、RT(10月7日付)に対して、「シャルアの名前を出すことは時期尚早だ。今は発砲停止と人道的悲劇の停止に集中しなければならない」と述べた。

**

 

Youkal.net(10月8日付)は、アラウィー派の士官7人が「集団離反」し、ヨルダンに逃走した、と報じた(未確認情報)。

**

シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長が、バーブ・ハワー国境通行所を経由してシリア領内に不法入国し、アターリブ市を訪問した。

訪問は「地元の高官と会談し、情勢検討を行い、革命のために共同行動できることを合意するため」という。

スィーダー事務局長にはアレッポ県とイドリブ県の反体制武装勢力の司令官と自由シリア軍合同司令部で会談し、資金援助などの支援方法を協議した。

スィーダー事務局長には、シリア国民評議会メンバー、自由シリア軍最高軍事評議会議長のムスタファー・シャイフ准将が随行した。

会談後、スィーダー事務局長らは、「解放区」で現地の反体制運動を指導することなく、同日中にトルコ領内に避難した。

http://www.youtube.com/watch?v=M0VyUaziBks

**

「ジャズィーラ県アラブ愛国委員会」を名のる集団が「声明第1号」を発表、民主統一党によるハサカ県の支配に反対の意思を表明した。

発足声明となるこの声明で、彼らは、「武装したクルド人集団の寡占」に対抗するとして民主統一党の主導下での自治に異議を唱えるとともに、「クルド人は自らを守る集団が国を蹂躙、支配することの最大の責任を負う」と非難した。

また「シリアはあらゆる宗教、民族からなるすべてのシリア人のもの」と主張し、マジョリティ、マイノリティのいかんにかかわらず他者を排斥することを拒否するとし、「相互理解と合意のための言語創出」をめざすとの意思を示した。

レバノンの動き

レバノンの声ラジオ(10月8日付)などによると、北部県アッカール郡の対シリア国境に位置するアッブディーヤ村、ハクル・ジャニーン村にシリア軍が砲撃を加え、住民が避難した。

Naharnet.com, October 8, 2012
Naharnet.com, October 8, 2012

**

ヒズブッラーの支持者2000人以上が参列し、シリア・レバノン国境で殺害されたフサイン・アブドゥルガニー・ニムル(35歳)の葬儀がベカーア県バアルベック郡で執り行われた。

AFP(10月8日付)によると、ニムルはシリア・レバノン国境で殺害され、10月7日に遺体が引き渡されていた。

葬儀にはムハンマド・ヤズバクが参列した。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、シリア情勢に関して「悲劇的なまでに悪化している」と懸念を表明し、「武器を供与する国々に対して供与停止を火急に求める。紛争の軍事化は状況悪化をもたらすだけだ」と述べた。

**

『ニューヨーク・タイムズ』(10月8日付)は、サウジアラビアとカタールが、米国の支持を得られずシリアの反体制武装勢力への重火器の供与を停止した、と報じた。

AFP, October 8, 2012、Akhbar al-Sharq, October 8, 2012, October 9, 2012、al-Hayat, October 8, 2012, October 9, 2012、Kull-na Shurakaʼ, October 8, 2012, October
9, 2012、al-Kurdiya News, October 8, 2012、Naharnet.com, October 8, 2012、The New York Times, October 8, 2012、Reuters, October 8, 2012、SANA, October 8, 2012、Youkal.net,
October 8, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍・治安部隊がダマスカス郊外県クドスィーヤー市およびハーマ町の「浄化」を完了、カタールのブン・ジャースィム首相がバッラー大隊による人質殺害予告を自重するよう呼びかけ(2012年10月7日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(10月7日付)によると、軍・治安部隊がクドスィーヤー市、ハーマ町で反体制武装勢力の「浄化」を完了した。

一方、シリア人権監視団によると、軍によって射殺された男の遺体10体が発見された。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市サーフール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、マイダーン地区、カッラーサ地区で軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

交戦と時を一にして、SANA(10月7日付)などは、アレッポ市東部(サーフール地区一帯)を制圧し、反体制武装勢力が逃走したと報じた。

AFP(10月7日付)特派員によると、反体制武装勢力は夜、ハナーヌー地区の兵舎を襲撃したが、失敗に終わり、シリア・アラブ・テレビ(10月7日付)も「兵舎への潜入は失敗した」と報じた。

このほか、SANA(10月7日付)によると、アレッポ市のアルクーブ地区、ブスターン・カスル地区、ブスターン・バーシャー地区、サーリヒーン地区、ハラビーヤ市、アウラム・クブラー町、アウラム・スグラー村などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討を継続し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区が砲撃を受けた。

一方、SANA(10月7日付)によるとクサイル市郊外で軍・治安部隊が反体制武装勢力の追撃を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。

またヒムス市バーブ・アムル地区では反体制武装勢力の戦闘員8人を殺害した。

このほか、タッルカラフ地方では、レバノン領内からの潜入を試みる反体制武装勢力を国境警備隊が撃退した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市各地区に軍が展開した。

一方、SANA(10月7日付)によるとフワイズ村、ワールーディーヤ市で軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを攻撃・破壊した。

またハマー市のハミーディーヤ地区で特殊作戦を行い、反体制武装勢力の戦闘員を殺害した。

トルコをめぐる動き

トルコのウルファ県アクチャカレ市に、シリア領からの迫撃砲が着弾した。

アナトリア通信(10月7日付)、NTV(10月7日付)などによると、トルコ軍はただちに応戦した。

迫撃砲は公共施設の庭に着弾したが、犠牲者はなかった。

ロイター通信(10月7日付)などによると、イドリブ県の対トルコ国境地帯を制圧した反体制武装勢力は、掌握した軍の拠点(国境から約1キロの地点に位置)に結集し、委任統治時代の旗を掲揚した。

一方、シリア人権監視団によると、対トルコ国境に位置するヒルバト・ジャウズ村に対して軍・治安部隊が砲撃を加えた。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、RTN(10月7日付)にで、アサド大統領退任後の暫定政府の首班としてファールーク・シャルア副大統領がふさわしいと明言した。

シャルア副大統領に関して、ダウトオール外務大臣は「知性と両親の人物で、シリアでの虐殺に参加していない。彼ほどシリアの体制を良く知る者はいない」と断じた。

また反体制勢力は「シャルアを(将来のシリア政府の指導部に)受け入れようとしている」と述べた。

反体制勢力の動き

アサド大統領の報道担当を9月で辞めて離反、トルコに逃亡したと自称するアブドゥッラー・ウマルなる人物が、アサド政権は存続不可能であることを既に悟っており、大統領の家族のロシアへの亡命が計画されていると語るインタビューをジャズィーラ(10月7日付)のプロパガンダとして放送した。

ウマルによると、ロシアはアサド家受け入れのため、アパート300戸以上を準備中で、ロシアに段階的に逃亡を開始するという。

レバノンの動き

『タイムズ』(10月7日付)は、空軍情報部を離反したシリア人などの証言をもとに、レバノンのヒズブッラーが約1,500人をアサド政権を支援するために派遣していると報じた。

諸外国の動き

シリア国内でのテロ活動を支援するカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相は、「イラン人質をめぐる危機を知恵と対話をもって解決」すべきと述べ、バッラー大隊による人質殺害予告を自重するよう呼びかけた。

**

イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は『シュピーゲル』(10月7日付)に対して、アサド政権が「状況を完全に掌握しており、反体制組織はシリアの14県のうち4~5県を(点在的に)掌握しているに過ぎない」と述べた。

また「国民に大量破壊兵器を用いた政府は正統性を失う。このことはシリアにも当てはまる」と述べた。

**

駐イラク・イラン大使はメフル通信(10月7日付)に対して、イラクでのイラン航空機の臨検に関して、両国航空会社間の合意に反する、と述べ、すでに抗議を行ったと述べた。

**

『サンデー・タイムズ』(10月7日付)は、諜報筋の話として、イラン・イスラーム革命防衛隊のクドス軍団の兵士275人がシリアから撤退した、と報じた。

西側の制裁によるイラン経済の逼迫が主因だという。

**

ヨルダンのアブドゥッラー国王はアンマンでジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員会委員長と会談し、シリアでの流血停止のため「政治的解決」の必要を改めて強調した。

バローゾ欧州委員会委員長はUNICEFのヨルダン緊急教育プロジェクトに対して460万ユーロの供与を行う旨、ヨルダン政府に伝えた。

AFP, October 7, 2012、Akhbar al-Sharq, October 7, 2012、Aljazeera, October 7, 2012、al-Hayat, October 8, 2012、Kull-na Shurakaʼ, October 7, 2012、al-Kurdiya News, October
7, 2012、Naharnet.com, October 7, 2012、Reuters, October 7, 2012、SANA, October
7, 2012、The Sunday Times, October 7, 2012、The Times, October 7, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外県で反体制武装勢力がシリア空軍のヘリコプターを撃墜、シリア国民評議会事務局長は記者会見で近く評議会の構成を改編すると発表(2012年10月5日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、各紙によると、反体制武装勢力が、グータ地方で空爆を行っていたシリア空軍のヘリコプターを撃墜、サクバー市に墜落した。

Youtube, October 5, 2012
Youtube, October 5, 2012

シリア革命総合委員会によると、ヘリコプターに乗っていた兵士(4人)が墜落前に脱出したが、ただちに反体制武装勢力に拘束された、という。

http://www.youtube.com/watch?v=QvqPp9FatQI&feature=youtu.be

 

http://www.youtube.com/watch?v=UiCwzYK3RFc

https://www.youtube.com/watch?v=QM-TQSLDbsc&feature=player_embedded

 

 

 

**

同じくダマスカス郊外県では、反体制武装闘争と思われる集団がグータ東部にある空軍基地を制圧したと発表するビデオがユーチューブ(10月5日付)で公開された。

この集団はドゥーマー市出身の集団で、攻撃は4日に行われたという。

また映像に映っている基地内の武器庫(ミサイル庫)と思われる施設からは黒煙が上がっていた。

『ハヤート』(10月6日付)によると、武器庫の爆破は即席爆弾によって行われた可能性が高い。

**

同じくダマスカス郊外県では、共和国護衛隊のアフマド・ルアイディー大佐が(クドスィーヤー市で)反体制武装勢力に拘束されたと証言、そのビデオがユーチューブ(10月5日付)で公開された。

**

同じくダマスカス郊外県では、SANA(10月5日付)によると、クドスィーヤー市で反体制武装勢力によって拉致されていた市民8人を軍・治安部隊が解放した。

またハーマ町、ジャムラーヤー市では、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを攻撃し、大量の武器弾薬を押収した。

**

Youtube, October 5, 2012
Youtube, October 5, 2012
Youtube, October 5, 2012
Youtube, October 5, 2012
Youtube, October 5, 2012
Youtube, October 5, 2012
Youtube, October 5, 2012
Youtube, October 5, 2012

ダイル・ザウル県では、反体制武装勢力がムーハサン市上空でMiG戦闘機を撃墜したとするビデオが、ユーチューブ(10月5日付)にアップされた。

http://www.youtube.com/watch?v=3d_0CFdHa6c

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市サーフール地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

またクルディーヤ・ニュース(2012年10月5日付)によると、アフリーン市の検問所でマイクロバスが発砲を受け、6人が死亡した。

一方、SANA(10月5日付)によると、アレッポ市サーフール地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、外国人戦闘員を含む複数の戦闘員を殺害した。

またアレッポ市アズィーズィーヤ地区、カルーム地区、ヒヤーン地区、アウラム・クブラー地区、マア-ディー地区、アナダーン市・フライターン市街道などでは、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員を殺傷、車輌などを破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊がヒムス市ハーリディーヤ地区、ラスタン市を砲撃した。

同監視団のアリー・アブドゥッラー代表によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、ハーリディーヤ地区は反体制派の手に落ちている、という。

一方、SANA(10月5日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、バーブ・トゥルクマーン地区、クサイル郡ブワイダ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、戦闘員を殺傷した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、マアダーン町で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、またラッカ市で活動家の逮捕摘発が行われた。

**

ダルアー県では、SANA(10月5日付)によると、ムサイフラ町で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、殲滅した。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会のホームページ(10月5日付)は、ムハンマド・アサド傷害事件に関して、ラタキア県カルダーハ市で治安部隊と「シャッビーハ」がイスマーイール家とウスマーン家の家や商店に砲火・破壊し、報復を行っていると発表した。

トルコをめぐる動き

ロイター通信(10月5日付)、AFP(10月5日付)などは、住民などの話として、トルコ軍が戦車や対空ミサイルを展開し、軍備を強化するなか、住民がラッカ県タッル・アブヤド市を自由に往来、シリア人に水や食糧などの供与を始めたと報じた。

5日早朝現在、アクチャカレのトルコ軍による越境攻撃は行われていない、という。

**

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相はイスタンブールでの演説で、「我々は戦争を望んでいない…。アサド政権とその支持者に改めて言う。トルコの忍耐を試すような冒険を止めよ」と述べた。

**

トルコのハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)の公式筋は、アナトリア通信(10月5日付)に対して、シリア領(イドリブ県)からの迫撃砲がハタイ県に着弾、トルコ軍が直ちに反撃した、と報じた。

迫撃砲はエルドアン首相の演説直後にハタイ県に着弾した。

**

トルコの著名なジャーナリスト、ジュネイト・オズデミルはCNN Turk(10月5日付)で、「(トルコ)憲法は議会に対して、国境外での政府による軍の使用を承認する権限を与えた。しかし、憲法はまた、トルコ領への外国の軍隊の駐留を認める権限が議会にしかないと規定している。このことを政治家たちは無視している。誰がこの人々にトルコへの駐留を認めたのか?」と述べ、自由シリア軍と「アル=カーイダ」がトルコ領内を拠点にシリアでの反体制武装闘争を行っていることを強く批判した。

**

メフル通信(10月5日付)によると、イラン軍のハサン・フェイルーズ・アーザーディー参謀長は、トルコとシリアの国境地帯での応酬に関して、「この戦争(トルコとシリアの戦争)は、アメリカの要請で、両国高官は国境で事態を沈静化し、互いの内政への干渉を止めねばならない…。間違いが起きたことは明らかだが、戦争ではこの間違いは取り繕えず、二つのイスラーム国家を混乱な事態に直面させるだけだ」と述べた。

反体制勢力の動き

トルコを拠点に反体制活動を行うシリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長はイスタンブールで記者会見を開き、評議会の構成を改編し、近く新たな組織を新規加入させ、指導部選挙を実施すると述べた。

記者会見に同席したサミール・ナッシャール執行部メンバーは、この組織改編により、革命運動勢力や市民社会団体が新規加入するとしたうえで、評議会の定数を300から600人に増やし、その3分の1以上を39の新規革命組織に与えるとの意向を示した。

また、「革命」開始後に結成された市民社会団体24団体が新規加入し、その代表が定数の10%以上を占め、また女性も15%に達すると述べた。

定数を拡大した評議会の大会は10月半ばに召集される、という。

**

「自由アラウィー派」を名のる反体制活動家が、アラウィー派に反体制運動への参加を呼びかけた。

**

各紙によると、金曜礼拝後にアレッポ県、ハマー県、ダマスカス郊外県などで反体制デモが発生したが、20人が逮捕されたハマー市クスール地区以外では大きな混乱もなく終わった。

**

シリア人権監視団によると、ハマー市各所で金曜礼拝後に反体制デモが発生し、クスール地区では治安当局によって20人が逮捕された。

**

インターネット上では、アレッポ市ブスターン・カスル地区、ダマスカス郊外県ドゥーマー市、イドリブ県カフルナブル市、ハーッス村などで反体制デモが行われているビデオがアップされた。

このほか、『ハヤート』(10月5日付)によると、ダルアー県、ハサカ県、ヒムス県でも反体制デモが発生した。

**

インターネット上では、「我々の子供たちを氏から守るため、声明ではなく武器が欲しい」金曜日と銘打って、反体制デモが呼びかけられていた。

クルド民族主義勢力の動き

『クッルナー・シュラカー』(10月5日付)は、ハサカ県のアームーダー市、ダルバースィーヤ市、ラアス・アイン市、マアバダ(カルキールキー)市の学校が閉鎖された。

閉鎖は、クルド語の学校教育を求める民主統一党が受け入れられなかったため。

シリア・クルド国民評議会と西クルディスタン人民議会は合同使節団を結成し、ハサカ県知事と教育局長を訪問し、クルド語教育解禁を求める予定。

**

シリア・クルド・アーザーディー党中央広報局は、10月3日にカーミシュリー市近くの検問所で市民4人が逮捕された、と発表した。

4人はアレッポ県からカーミシュリー市に向かっていた。

レバノンの動き

レバノンのナビーフ・ビッリー国民議会議長は第4次中東戦争戦勝記念日に合わせて、アサド政権に祝電を送り、「抵抗と矯正に向けたあなたの試練は、危機の克服を可能とするだろう」とエールを送った。

**

MTV(10月5日付)は、内務治安総軍諜報局がミシェル・サマーハ元情報大臣のテロ未遂事件に、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官が関与していることを突き止めたと報じた。

同報道によると、サマーハ元情報大臣のダマスカス滞在中にシャアバーン大統領府政治情報補佐官に電話で、自らの計画の進捗を報告した、という。

**

レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は、モーラ・コネリー米大使との会談後、ヒズブッラーのメンバーがシリア国内で殺害された事件に関して、「シリアでのこれらのメンバーの死はシーア派に危険な影響を及ぼすだろう…。(アサド政権支援は)ヒズブッラー指導部による不適切、かつ賢明さを欠く振る舞い」と述べた。

**

NNA(10月5日付)は、レバノンの内務治安総軍がシャブアー農場に密入国したシリア人2人を拘束した、と報じた。

諸外国の動き

国連安保理はプレス向け声明(SC/10784)を採択、アレッポ市でのシャームの民のヌスラ戦線による連続爆弾「テロ」を「もっとも強い調子」で非難した。

声明の全文は以下の通り:

The members of the Security Council condemned in the strongest terms the terrorist attacks in Aleppo, Syria, on 3 October, causing dozens of deaths and over 100 civilians injured, responsibility for which was claimed by the Jebhat al-Nusra group affiliated with Al-Qaida. They expressed their deep sympathy and sincere condolences to the families of the victims of these heinous acts and to the people of Syria.

The members of the Security Council reaffirmed that terrorism in all its forms and manifestations constitutes one of the most serious threats to international peace and security, and that any acts of terrorism are criminal and unjustifiable, regardless of their motivation, wherever, whenever and by whomsoever committed.

The members of the Security Council reiterated their determination to combat all forms of terrorism, in accordance with its responsibilities under the Charter of the United Nations.

The members of the Security Council reminded States that they must ensure that measures taken to combat terrorism comply with all their obligations under international law, in particular international human rights, refugee and humanitarian law.

**

エジプトのムハンマド・カーミル・アムル外務大臣は、トルコへの越境砲撃に関して、「シリア政府に流血、暴力停止とその拡大防止の責任がある」と非難した。

**

パレスチナのイスラーム聖戦ラマダーン・シャッラフ書記長は、ガザでの組織結成31周年の集会で、パレスチナ人数万人を前に、「軍事的決着の道はいずれの方向にも閉ざされている…。政治的解決以外に出口はない」と述べた。

AFP, October 5, 2012、Akhbar al-Sharq, October 5, 2012、al-Hayat, October 6, 2012、Kull-na Shurakaʼ, October 5, 2012、al-Kurdiya News, October
5, 2012、MTV, October 5, 2012、Naharnet.com, October 5, 2012、NNA, October
5, 2012、Reuters, October 5, 2012、SANA, October 5, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市内でヌスラ戦線による連続爆弾テロが発生し多数が死亡、トルコではシリア領内からの越境砲撃により死傷者が発生しシリア側が謝罪(2012年10月3日)

アレッポ市での連続爆破テロ

アレッポ県では、SANA(10月3日付)によると、アレッポ市内で反体制武装勢力による3件の爆弾テロが発生し、34人が死亡、122人が負傷した(内務省発表)。

SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012

内務省によると、最初のテロは、サアドゥッラー・ジャービリー広場(サアドゥッラー・ジャービリー地区)で7時50分に発生し、爆弾を搭載した2台の車が自爆した。

2回目のテロは、アレッポ県庁前で8時17分に発生し、500キロ以上の爆弾を搭載した車1台が自爆し、また県庁ビル近くに迫撃砲が着弾した。

3回目のテロは、アミール・ホテル、アレッポ商業会議所、シリア中央銀行アレッポ支店近くで10時35分に発生し、約1トンの爆発物を処理班が解除使用としたときに爆発が起きた。

また事件現場では34人が死亡、122人が負傷、「テロリスト」3人の遺体が発見されたほか、現場近くの街区が破壊された。

シリア人権監視団によると、アレッポ市での連続爆破テロでの死者数は48人に達した。

**

『ハヤート』(10月3日付)速報によると、シャームの民のヌスラ戦線が犯行声明を出した。

SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012

ヌスラ戦線はアレッポ市での連続爆破テロを「アジト爆破攻撃」作戦と名づけ、「ヌサイリー(アラウィー)派の敵に属す治安関連地区に対して同時に攻撃を行い…、将校グラブ、スィヤーヒー・ホテル、県庁、アミール・ホテル」を標的としたことを明らかにした。

また将校グラブとスィヤーヒー・ホテルに自爆攻撃をかけた戦闘員2人の名前(アブー・ハムザ・シャーミー、アブー・スライマーン・シャーミー)を公表した。

**

シリア人権監視団によると、「死傷者のほとんどは軍人で、爆発は将校クラブ、正規軍の検問所を標的としていた」という。

トルコへの越境砲撃

トルコのウルファ県アクチャカレ市の市長は、シリア領からの砲撃により、女性1人、子供1人を含む市民3人が死亡、9人が負傷したと報じた。

アクチャカレ市に面するシリアのラッカ県タッル・アブヤド市は、2週間前に反体制武装勢力によって制圧され、シリア軍・治安部隊が奪還のため大規模な攻撃を行っていた。

また事件の前日、トルコ軍がシリア領内をパトロール中の民主統一党(PKK系)の国境警備隊に攻撃し、2人を殺害していた。

**

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、シリア領内からの砲撃に対して、「直ちに我々の武装部隊が反撃し…、レーダーで捉えらえた(迫撃砲)国境上の発射地点に対して砲撃した」と述べた。

SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012
SANA, October 3, 2012

またアフメト・ダウトオール外務大臣は国連の潘基文事務総長に、事件に対する「トルコ政府の深い懸念」を伝えた。

潘基文事務総長付報道官によると、これに対して事務総長は、「緊張緩和のため、シリア当局と充分な連絡のチャンネルを維持するよう、ダウトオール外務大臣に促した」。

さらに国連安保理に、シリア軍による「敵対行為を終わらせるための措置の実施」を求める書簡を提出した。

**

レジェップ・タイイップ・エルドアン内閣は、トルコ国会に、1年間を期限とする越境砲撃の許可を求め、賛成多数で承認された。

与党公正発展党(AKP)、民族主義者行動党(MHP)の320人が賛成した一方、平和民主党(クルド政党)、共和人民党(CHP)の129人は反対票を投じた。

地上軍の投入やシリア領内の空爆などトルコ軍の海外での軍事行動には国会の承認が必要となる。

**

トルコのベシル・アタライ副首相は、国会での審議後に記者団に対して、「シリア側は自らの行為を認め、謝罪した」と述べ、トルコ領への砲撃を謝罪したことを明らかにした。

副首相はまた「彼らは、こうした事件が繰り返されないだろうと述べた。これは良いことだ。国連の仲介のもと、シリアに晩にそう伝えた」と付言した。

**

「アフバール・シャルク」(10月4日付)は、トルコ軍によるタッル・アブヤド市への報復攻撃により、軍の兵士多数が死亡した、と報じた。

**

アンカラの国会議事堂前では左派の活動から数百人がシリアへの軍事力行使に反対するデモを行い、警官隊が催涙ガスで強制排除を断行した。

**

シリアのウムラーン・ザイーム情報大臣は、アクチャカレへの砲撃に関して、シリア・アラブ・テレビ(10月3日付)で、「友好的なトルコ国民に対して、シリアの名において、厚く哀悼の意を示す」と述べるとともに、「(迫撃砲の)発射地点を特定した」と述べた。

またトルコ政府による安保理への書簡提出に対して、シリア政府も国連安保理に書簡を提出、トルコに「英知、知性、主権尊重、善隣関係、国境警備の協力、両国間の武装テロ集団の潜入阻止」を求めた。

さらにバッシャール・ジャアファリー・シリア国連代表は、トルコ軍の報復攻撃によって、シリア軍の士官2人が負傷したと述べたうえで、「シリア軍は自制し、トルコの砲撃に応戦していない」と強調した。

また「シリアの関係当局は、発砲地点を厳密に特定した…。自制的でない武装テロ集団が存在するなかで国境地帯は特別な状態にあり…、それがシリアの治安だけでなく、地域の国々の治安を脅かしている」と述べた。

**

北大西洋条約第4条に基づくトルコ政府の要請に基づき、NATO緊急会合が開催された。

会合は1時間弱で閉会、声明では、トルコへの支持を表明する一方、越境砲撃に関して、「加盟国にとっての大いなる懸念の源泉であり、強く非難する」とし、シリア政府に「国際法違反の停止」を求めたにとどまった。

**

国連では、潘基文事務総長が、「シリアの危機が周辺諸国に波及する危険の増大」への懸念を表明、「国際社会の安全と平和への脅威」と警鐘をならした。

また「シリア国内でのテロが、地域紛争の危険を高めていると危機感を示した。

**

国連安保理では、シリアからトルコへの越境砲撃を非難する決議案が回付されたが、スーザンライス米代表によると、ロシアによる修正提案が多くの国に受け入れられず廃案となった。

アゼルバイジャンが提出した決議案は、シリア軍による越境砲撃を国際法の侵害だと非難していたが、ロシアは「シリア領からの砲撃」と修正するよう求めるとともに、「国際法の侵害」、「国際の平和と安全への脅威」という文言の削除を迫ったという。

**

トルコのアタライ副首相の発言に先立って、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、訪問先のイスラマバードで、越境砲撃に関して、「大いなる懸念」を示す一方、「我が国の大使を通じてシリア当局と連絡を取った。シリア当局は…対トルコ国境での時間が悲劇的なもので、二度と繰り返されないだろうと明言した…。これに対して我々はダマスカスがその旨発表すべきだと考える」と述べ、シリア政府に謝罪を促したことを暗示した。

**

シリアからトルコへの越境砲撃に関して、西側諸国は一斉に非難の声をあげた。

だが、多くの国は双方に自制を呼びかける一方、同日に発生したアレッポでのシャームの民のヌスラ戦線によると思われる同時爆破テロについては言及せず、国際テロリストに暗に与するという自己矛盾した対応に終始した。

**

ヒラリー・クリントン米国務長官は記者会見で、「我々は怒りを感じる。なぜならシリア人が国境を越えて発砲し…、残念ながトルコ側に犠牲者が出たからだ」と述べた。

またヴィクトリア・ヌーランド国務省報道官は、クリントン国務長官がトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣に、「同盟国トルコの主権と領土の安全を米国が支持する」と電話で伝えたことを明らかにするとともに、「シリア政府の常軌を逸した行動」を示す新たな事例と非難、「それゆえに権力の座から去らねばならない」と断じた。

さらに米国家安全保障会議のトミー・ヴィーター報道官は声明を出し、「アサド政権に対する受けいられざる虐待を行った…。アサドが去るときが来たことを明示するためにすべての国は責任を負わねばならない」と越境砲撃とは無関係の主張を行った。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアからトルコへの越境砲撃に関して「国際社会の平和と安全に深刻な脅威」と非難し、トルコへの支持を表面するとともに、国連に対して、シリア政府への明確な非難のメッセージを示すするよう求めた。

**

ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、トルコへの支持を表明しつつ、トルコ政府に「我々は節度ある行動を呼びかける」と自制を求めた。

またシリア政府にもトルコの主権と領土保全を尊重するよう呼びかけた。

**

キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、シリアからトルコへの越境砲撃に関して、「シリア危機が近隣諸国に及ぼした悲劇的結果」と表し、シリア政府に暴力停止を求めつつも、「すべての当事者に自制」を求めた。

**

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、シリアからトルコへの越境攻撃に関して、地域の安全と平和を脅かすとの懸念を表明した。

その他の国内の暴力

アレッポ県では、『ハヤート』(10月4日付)によると、反体制武装勢力はアレッポ市内の政治治安部施設や、軍が集結していた野菜市場を砲撃、また市内で戦車2輌を破壊した、という。

一方、SANA(10月3日付)によると、アレッポ市カッラーサ地区、フィルドゥース地区、ブスターン・カスル地区、スッカリー地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」を追跡し、多数の戦闘員を殲滅した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、自由シリア軍が「拠点」とするクドスィーヤー市、ハーマ町に対して、軍・治安部隊が砲撃を加え、その後突入、逮捕・捜索活動を行った。

アレクスィアを名のる女性活動家はAFP(10月3日付)に対して、「軍の攻撃は激しくはなかった…。二つの都市(クドスィーヤー市、ハーマ町)のすべての出入り口は閉鎖され…、人々は市内で包囲されていて、軍は住民が街を離れないようにしている」と述べた。

一方、SANA(10月3日付)によると、バーラ村で軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを攻撃し、戦闘員を殲滅、武器弾薬を押収した。

SANA(10月3日付)はまた、クドスィーヤー市で任務にあたる前線司令官の話として、シリア軍部隊は反体制武装勢力のアジトに関する正確な情報を持っており、そのことが浄化の任務を容易なものとするだろうと述べた、と報じた。

**

ハマー県では、SANA(10月3日付)によると、カルアト・マディーク町、マスウード村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃し、戦闘員を殺傷した。

**

ダルアー県では、SANA(10月3日付)によると、ナーミル村、ダルアー市(避難民キャンプ)などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」を追撃し、戦闘員を殺傷した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ビダーマー町で反体制武装勢力が軍・治安部隊を攻撃し、兵士15人を殺害した。

一方、SANA(10月3日付)によると、サルキーン地方ガザーラ村で、トルコから潜入しようとした反体制武装勢力を撃退した。

シリア政府、野党の動き

バアス党シリア地域指導部は声明を出し、アレッポ市での連続爆破テロを非難した。

**

人民議会は、アレッポ市での連続爆破テロを非難する決議を採択した。

**

『リワー』(10月3日付)は、国連総会出席のため米国を訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が、レバノンのナジーブ・ミーカーティー首相と会談、シリアの危機へのレバノン内閣の不充分な協力に遺憾の意を示した、と報じた。

**

野党の国民青年公正成長党バルウィーン・イブラーヒーム書記長はエルナシュラ(10月3日付)に対して、ハサカ県カーミシュリー市での爆破テロに「テロリストの指紋がついている」と述べ、批判する一方、「クルド人は国民対話を支持している」と述べた。

**

ダマス・ポスト(10月3日付)は、人民議会が、アリー・ムハンマド・ビッシュ議員(アレッポ県諸地域A部門、バアス党)と、離反しトルコに逃亡したイフラース・アフマド・バダウィー議員(アレッポ県諸地域B部門、バアス党)の起訴を提案した、と報じた。

この提案はテロ対策法、一般処罰法に依拠している。

反体制勢力の動き

自由シリア軍国内合同司令部は声明を出し、ヒズブッラーを標的とした「報復」を今後も続けるとの意思を示した。

声明で、彼らは「我々はシリアに駐留するヒズブッラーのメンバーに、シリアへの干渉とシリア国民を殺戮するアサド政権への支援に対して、激震をもたらすような厳しい報復を行うだろうと約束する…。(ヒズブッラーとハサン・ナスルッラー書記長を)眠れなくするほど驚かすだろう…。我々は、テロ民兵であるヒズブッラーのシリア国内での作戦司令官である犯罪者、ムハンマド・フサイン・ハーッジ・ナースィーフ・シャンマスを殺害したとの朗報を、偉大なるシリア国民に伝える」と述べた。

レバノンの動き

ヒズブッラーの広報局が声明を出し、ベカーア県バアルベック郡ナビー・シート市でイスラエルが投下した不発弾が爆発し、ヒズブッラーの戦闘員3人と複数名が負傷した、と発表した。

AFP(10月3日付)によると、死者数は9人、負傷者数は7人(うちシリア人4人)。

**

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は機関誌『アンバー』(10月3日付)で、シリア情勢、とりわけアレッポ市での混乱に関して、シリア、イラン政府だけでなく、「シリアの友連絡グループ」にも責任があると非難した。

その理由として、ジュンブラート党首は「反体制勢力への必要な支援、対空・対ロケット弾兵器の供与を自ら禁じている」との暴論を展開した。

諸外国の動き

ロシア外務省は声明を出し、アレッポ市での連続爆破テロを強く非難した。

**

トルコ訪問中の英国ニック・クレッグ副首相は、トルコ赤新月社に、100万英ポンド掃討の人道支援物資を供与すると発表した。

**

ハマースは、プレス向け声明で、シリア・アラブ・テレビによるハマース批判に遺憾の意を表明した。

**

ブラジルのリマでアラブ・ラテンアメリカ首脳会談が開催された。

アラブ諸国からは、レバノン、チュニジアの大統領、ヨルダンの国王が出席したのみだった。

会談では予定の時間を大幅に延長して非公式の審議がなされ、シリア情勢が協議されたが、閉幕声明では、直接の言及はなされなかった。

AFP, October 3, 2012、Akhbar al-Sharq, October 3, 2012, October 4, 2012、Damas Post, October 3, 2012、Elnashra.com, October 3, 2012、al-Hayat, October 3, 2012, October 4, 2012、Kull-na Shurakaʼ, October 3, 2012、al-Kurdiya
News, October 3, 2012、al-Liwa‘, October 3, 2012、Naharnet.com, October 3, 2012、Reuters, October 3, 2012、SANA, October 3, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのマルディン県当局が声明のなかで治安部隊が「分離主義テロリスト」2名を殺害したと発表、ヒムス県内でヒズブッラーの司令官が反体制武装勢力との戦闘中に死亡(2012年10月2日)

Youtube, October 2, 2012
Youtube, October 2, 2012

シリア政府の動き

シリアの人民議会を代弁する国営紙『サウラ』(10月2日付)は社説で、エジプトのムハンマド・ムルスィー政権に関して、「知性が欠けており、アラブの国家安全保障を破壊しようとしている」と批判した。

**

SANA(10月2日付)は、ヒムス県、ハマー県での「最近の事件」に関連して逮捕された逮捕者のうち、殺人を犯していない151人を釈放したと報じた。

釈放者の地域別内訳はヒムス県タッルカラフ市で107人、ハマー県ハマー市及び郊外が44人。

**

『シャルク・アウサト』(10月2日付)は、ラタキア県カルダーハ市でのムハンマド・アサド殺害およびハイイル家襲撃事件(未確認情報)に関して、活動家の話として最新情報を伝えた。

それによると、事件は9月29日に発生、ムハンマド・アサドは危篤状態で、いまだ死亡していない。

またアサド大統領がハイイル家襲撃事件に関与した者を処罰することを条件に、ハイイル家、ウスマーン家をカルダーハに追放することで事態の収集が進められている。

この活動家によると、事件の背景には、アサド政権が崩壊した場合、アラウィー派を誰が守るのかというカルダーハ市民の不安があった。

事件は29日、ムハンマド・アサドがアーリフ・ハイイルの喫茶店で、アサド政権の行方をめぐってアーリフの息子と口論となり、ムハンマド・アサドが撃たれた。

これを受け、ムハンマド・アサドの「子飼い」がハイイル家やカウズィー・ウスマーンの家を襲撃、ハイイル家の子息4人が負傷、ウスマーン家の子息5人が死亡した。

その後、共和国護衛隊や治安部隊が展開し、事態収拾をめざした。

だが、9月30日には、リフアト・アサド前副大統領の支持者がデモを行い、アサド政権の弾圧への遺憾の意を示すとともに、ハイイル家殺害に関与した者の処罰を求めた。

また10月1日には、ダイル・ザウル県での戦闘で死亡した兵士2人の遺体(アドラー家、ファーディル家の子息)がカルダーハ市に到着したのを受け、デモが発生した。

なおこれら一連の情報の事実確認はとれていない。

国内の暴力

アレッポ県では、『ハヤート』(10月3日付)は、活動家の話として、軍・治安部隊のアレッポ市への増援により「虐殺」の可能性がある、と報じた。

SANA, October 2, 2012
SANA, October 2, 2012

一方、SANA(10月2日付)によると、アレッポ市郊外のカルラク地方、アレッポ国際空港街道などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、殲滅、装備を破壊した。

またアレッポ市のスライマーン・ハラビー地区、カルム・ジャバル地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺害した。

アッサーン村で、反体制武装勢力の戦闘員が略奪品の分配で仲違いを起こし衝突、ラスラーン家の戦闘員2人を含む3人が死亡した、という。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(10月2日付)によると、ハラスター市で軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、数十人の戦闘員を殺害した。

AKI(10月2日付)は、アンワル・ブンニー弁護士の話として、シリア法律研究調査センター執行委員長のハリール・マアトゥーク弁護士がダマスカス郊外県サフナーヤー市の自宅で逮捕されたと報じた。

一方、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市での砲撃で2人死亡、また「革命戦闘部隊」の攻撃で軍兵士6人が殺害された。

またザバダーニー市、サクバー市、フーシュ・アラブ村、バービッラー市でも空爆があったという。

『ワタン』(10月2日付)は、住民の話として、過去最大級の掃討作戦がドゥーマー市で行われていると報じた。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区とアサーリー地区で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

**

ヒムス県では、SANA(10月2日付)によると、ヒムス市ブスターン・ディーワーン地区、ワルシャ地区、バーブ・フード地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力が交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダルアー県では、SANA(10月2日付)によると、対ヨルダン国境のナスィーブ村で車爆弾が誤爆し、反体制武装勢力の戦闘員多数が死亡した。

ラジャート高原の学校に、反体制武装勢力が侵入し、器物を破損し、生徒を誘拐した、という。

**

ハマー県では、SANA(10月2日付)によると、サラミーヤ地方のアカシュ村、アミール村などで軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺害した。

**

ラタキア県では、SANA(10月2日付)によると、ラタキア市・カサブ町間のカスタル・マアーフ町、バッルーラ村などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、数十人の戦闘員を殺害した。

反体制勢力の動き

シリア革命支援クルド総合委員会は、信頼できる治安筋(アラウィー派)の話として、カーミシュリー市での自爆テロは政権が仕組んだ自作自演だと発表した。

しかし、事件に関しては自由シリア軍が犯行を認めている。

**

シリア人権監視団はHPで、2012年10月1日現在の死者数は、民間人22,257人、兵士7,578人、離反兵1,187人に達したと発表した。

2012年9月の死者数は4,727人に上るという。

**

ユーチューブ(10月2日付)で戦闘服を着た老人が、自身、子供、孫とともに「ムスタファー末裔大隊」を名のる武装組織を結成したと発表した。

この老人は自らの家族を「アッラーのための革命家たち」と自称、アレッポ市のサイフ・ダウラ地区におり(未確認情報)、アサド政権の軍を放逐すると述べた。

http://www.youtube.com/watch?v=I6SGiMBpk9E&feature=player_detailpage

クルド民族主義勢力の動き

トルコのマルディン県当局は声明を出し、同県シェイユルト地方にシリア領内から潜入しようとした「分離主義テロリスト」(PKK)と治安部隊が交戦し、2人を殺害したと発表した。

声明は、ハサカ県ダルバースィーヤ市の国境を警備中の「人民防衛隊」にトルコ軍が未明に発砲し、隊員3人が死亡した、とシリア人権監視団が発表したのを受けて出された。

「人民防衛隊」はPKK系の民主統一党の民兵組織。

レバノンの動き

「アフバール・シャルク」(10月2日付)は、ヒズブッラーのメンバーでシリア国内での作戦司令官を務めていたとされるムハンマド・フサイン・ハーッジ・ナースィーフ・シャンマス(通称アブー・アッバース)が9月30日にヒムス県クサイル地方での反体制武装勢力との戦闘中に戦死し、レバノンで葬儀が行われたと報じた。

複数の情報によると、シャンマスは自由シリア軍の要撃を受け、乗っていた車を即席爆弾で爆破され、死亡したという。

この要撃では、ヒズブッラーの兵士複数が死傷したという。

ヒズブッラーもシャンマスが「職務を遂行中に殺害された」として認めており、葬儀にはムハンマド・ヤズバク、イブラーヒーム・アミーン・サイイドら幹部が参列した。

ファールーク大隊のバッラー大隊が、ユーチューブ(10月2日付、その後削除)クサイル地方でのヒズブッラー・メンバー要撃の実行声明を発表した。

**

チュニジアのムンスィフ・マルズーキー大統領は『ハヤート』(10月2日付)に対して、「マイノリティを安心させ、暫定機関を保護するため、シリアへのアラブ平和維持軍」を派遣するべきだと述べるとともに、「反体制勢力が暫定機関を指導するための挙国一致政権を樹立」するべきだと持論を展開した。

**

イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は、アサド政権による化学兵器使用の可能性に関して、「こうした過程が現実のものとなれば、すべての終わりだ」と述べた。

AFP(10月2日付)が報じた。

**

エジプトのムハンマド・カーミル・アムル外務大臣は『ハヤート』(10月4日付)に対して、「アサド大統領は来るべき(紛争和解のための)対話において何らの役割も果たさない…。改革の時が来た。現体制を変革せねばならない」と述べた。

AFP, October 2, 2012、Akhbar al-Sharq, October 2, 2012, October 3, 2012、AKI, October 2, 2012、al-Hayat, October 3, 2012、Kull-na Shurakaʼ, October 2, 2012、al-Kurdiya News, October
2, 2012、Naharnet.com, October 2, 2012、Reuters, October 2, 2012、SANA, October
2, 2012、al-Sharq al-Awsat, October 2, 2012、al-Watan, October 2, 2012、Youtube, October 2, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県で自由シリア軍のサラーフッディーン・アイユービー大隊と民主統一党に属する人民保護委員会が交戦(2012年9月27日)

シリア政府の動き

AKI(9月27日付)によると、当局が携帯電話のSMSサービスを利用して、反体制武装勢力戦闘員に投降を呼びかけるメッセージを発信した。

メッセージはシリア・アラブ軍の名で発信され、少なくとも4種類のメッセージの配信が確認されている。

これらのメッセージでは、「国家への犯行に関与する者よ。あなたの名を使って資金を得た者たちは、あなたに二つの選択肢を迫っている。国家と戦ってあなたが殺されるか、彼らがあなたを殺して、あなたとの関係を清算するかか、という選択肢を。国家はあなたに慈悲をかけるだろう。考えて決めよ」、「国家に対して武器を向ける者へ、彼らはあなたが死ぬように仕向けている…。武器を捨て、命を大事にせよ」、「国家に対して武器を向ける者へ、ゲームは終わった。周辺国からの戦闘員を排除するためのカウントダウンが始まった。国家はその民を守る。決断を下せ」などと書かれているという。

**

国連総会に出席するために米国を訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が、マレーシア、ウクライナ、アルジェリアの外相と会談した。

国内の暴力

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、県南部の石油パイプラインで大きな爆発があり、またタッル・バイダー給油所の所長が誘拐された。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ナイラブ航空基地で激しい戦闘があり、軍・治安部隊と反体制武装勢力の双方が甚大な被害を被ったという。

またICARDA近くの検問所で爆弾が仕掛けられたバスが爆発した。AFP(9月27日付)によると、バスには乗客は乗っていなかった。

AFP(9月27日付)は、タウヒード旅団の司令官アブー・フラートが、アレッポ市に通じる街道沿いのすべての地区を制圧したと述べている、と報じた。

しかし、アレッポ市スライマーン・ハラビー地区、サーフール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、バーブ街道地区、カッラーサ地区は軍の激しい砲撃に曝され、またサーフル地区、アシュラフィーヤ地区、ザフラー地区では軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦し、多数が死傷したという。

さらに、シリア人権監視団によると、「トゥルクマーン山とクルド山」の村々で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(9月27日付)は、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、ハイダリーヤ地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、戦闘員数十員を殺害、多数を負傷させた、と報じた。

**

ダマスカス県では、SANA(9月27日付)によると、軍・治安部隊がジャウバル区の浄化を完了した。

**

ハマー県では、SANA(9月27日付)によると、ハウワーシュ村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、戦闘員多数を殺傷した。

**

ダルアー県では、ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がムザイリーブ町が警官を拉致したのを受け、軍・治安部隊が砲撃、突入し、複数が死傷した。

一方、SANA(9月27日付)によると、ダーイル町などで軍・治安部隊が反体制武装勢力「残党」を追撃し、多数の戦闘員を殺傷し、大量の武器弾薬を押収した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市、ジュワイスィーヤ市に軍・治安部隊が砲撃を再開した。

一方、SANA(9月27日付)によると、ヒムス市各地、ズィラーア市、シヤーハート市、ジュワイスィーヤ市、ラスタン市、クサイル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

**

ラッカ県では、SANA(9月27日付)によると、タッル・アブヤド市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員多数を殺害、車3台を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市が砲撃に曝され、子供4人を含む5人が死亡した。

またジスル・シュグール市近郊では、軍の兵士2人が殺害された。

一方、SANA(9月27日付)によると、アブー・ズフール市で軍・治安部隊が外国人戦闘員の拠点に対する特殊作戦を行い、装備を破壊した。

またガッサーニーヤ村を襲撃した外国人戦闘員を追撃した。

**

タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、前日にバーニヤース市で逮捕されていた女性が釈放された。

反体制勢力の動き

AKI(9月27日付)は、(在外の)自由シリア軍消息筋が、リヤード・アスアド大佐による司令部の国内への移転を受け、「解放区」における反体制武装集団の統合プロセスを急ピッチを進めており、共同活動を受け入れない武装集団は、「解放区」からの退去を求められるか、強制的に追放されると述べた、と報じた。

**

シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者はAFP(9月27日付)に対して、ロシアの拒否権行使は他の主な大国がアサド政権打倒に向けて行動しないことの口実になっている、と述べ、これまで反体制勢力を支援してきた欧米諸国などを暗に批判した。

**

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、国連総会に合わせるかたちで声明を出し、2011年3月1日以来の死者としては最大となる305人が殺害されたと発表した(真偽は不明)。

AFP(9月27日付)が伝えた。

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(9月27日付)は、アレッポ県アフリーン地方で、自由シリア軍のサラーフッディーン・アイユービー大隊とPKK系の民主統一党に属する人民保護委員会(民兵)が交戦したと報じた。

アフリーン友愛調整なる組織はフェイスブックで、戦闘が民主統一党の要撃で始まり、自由シリア軍兵士1人、民主統一党の戦闘員2人が死亡したと発表した。

しかし、PKKに近いユーフラテス通信は、戦闘が自由シリア軍の外国人戦闘員による民家攻撃に端を発していると反論、サラーフッディーン・アイユービー大隊がトルコの諜報機関とシリア・クルド・アーザーディー党の後援を受けていると批判した。

レバノンの動き

NNA(9月27日付)は、シリア軍がベカーア県バアルベック郡カーア地方に進入し、ムハンマド・アキール・ラーディー氏の家を破壊した。

シリア軍は、武装集団を追跡していたという。

諸外国の動き

国連難民高等弁務官事務所は、現在30万人におよぶシリア人国外避難民の数が2012年末までに70万人に達する恐れがあると発表した。

**

欧州委員会のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ国際協力・人道援助・危機対応担当委員はNGO関係者やシリアへのドナー国の代表との会談で、シリアへの人道回廊の開設を呼びかけた。

またアサド政権と反体制武装勢力の双方に「交戦法と国際法の尊重」を求めた。

AFP, September 27, 2012、Akhbar al-Sharq, September 27, 2012、AKI, September 27, 2012、al-Hayat, September 28, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 27, 2012、al-Kurdiya News, September 27, 2012、Naharnet.com, September 27, 2012、NNA, September 27, 2012、Reuters, September, 27 2012、SANA, September 27, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県マウィーイーン広場付近のの参謀本部で複数の爆発が発生し「革命以来もっとも激しい戦闘」が発生、一方同県では「民主的・平和的変革諸政党・勢力大会」が開催され35の団体が参加(2012年9月26日)

ダマスカス県参謀本部に対する自爆テロ

ダマスカス県では、午前7時頃、ウマウィーイーン広場近くの参謀本部の敷地内と外でそれぞれ爆発が発生した。

al-Hayat, September 27, 2012
al-Hayat, September 27, 2012

各紙によると、爆発は6時56分、7時7分に発生した。

また2発目の爆発により約2時間にわたって火災が発生、敷地内の建物などが被害を受け、敷地外の現場(道路上)には深さ2メートルの穴が空いた。

AFP(9月25日付)によると、事件発生後、ダマスカス県内の主要道路はすべて閉鎖された。

一方、SANA(9月25日付)などは、シリア軍消息筋の話として、複数のテロリストが参謀本部周辺で市民をパニックに陥れるため、無差別発砲を行ったが、治安部隊が直ちに撃退、残党追跡を行った、と報じた。

Kull-na Shuraka', September 26, 2012
Kull-na Shuraka’, September 26, 2012
Kull-na Shuraka', September 26, 2012
Kull-na Shuraka’, September 26, 2012

**

自由シリア軍のダマスカス県・郊外軍事評議会はフェイスブック上のページで「自由シリア軍はダマスカスのウマウィーイーン広場で参謀本部を攻撃する」と発表していた。

**

自由シリア軍のダマスカス県・郊外軍事評議会のアフマド・ハティーブ報道官はAFP(9月25日付)に対して、2度にわたる爆破は爆弾をしかけた自動車によるもので、自爆攻撃でないと述べた。

そのうえで、攻撃が参謀本部内の複数の兵士の協力と調整(諜報活動)のもとに実行されたと述べた。

また「自由シリア軍の兵士が参謀本部周辺に近づき、機関銃と迫撃砲で攻撃を加えた」と付言した。

**

ロンドンを活動拠点とする反体制組織のシリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(9月25日付)に対して、「作戦は参謀本部内で行われたようだ…。革命に与する施設内の兵士がこの作戦実行に寄与した」ことを示唆した。

また「革命以来もっとも激しい戦闘」が発生したとしたうえで、軍と反体制武装勢力の双方に人的被害が出た、と付言した。

**

「ダマスカス県・郊外県アンサール・イスラーム連合」は声明を出し、「我々の殉教ジハード戦士の一人が正門入口で車を爆発させることで攻撃を行い…、4人のジハード戦士からなる別の集団が入口から突入し…、施設内で複数の高貴なる者たちの支援を受け…、施設の4階で即席爆弾を爆発させた」と発表した。

**

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、シリア・アラブ・テレビ(9月25日付)に対して、爆発を「武装テロ集団」による犯行と断じるとともに、仕掛爆弾のうち一発は「敷地内におそらく仕掛けられていた」と述べた。

その後、この爆発で、参謀本部の守衛4人が殺害され、14人が負傷したと報じられた。

SANA, September 26, 2012
SANA, September 26, 2012
SANA, September 26, 2012
SANA, September 26, 2012
SANA, September 26, 2012
SANA, September 26, 2012

ズウビー情報大臣また、施設内の司令官、士官は全員無事だと述べ、国防大臣ら士官が負傷したとの衛星テレビ放送などの過剰報道を否定した。

また初動捜査の結果として、爆弾が仕掛けられた車2台がいずれも「自爆犯」によって運転され、うち1台が参謀本部周辺、もう1台が敷地内で爆発したことを明らかにした。

**

シリア・アラブ・テレビ(9月25日付)は、ウマウィーイーン広場のオペラ・ハウスに設置された監視カメラの映像を公開した。

映像には、1台の車が参謀本部に面する道路で徐行しながら爆発、もう1台は施設内の死角で爆発する様子が撮影されており、少なくとも施設外の爆発が自爆テロだとの初動捜査の結果を裏付けた。

**

国防省は声明を出し、爆発で国防大臣ら複数の司令官が負傷したとの衛星テレビ放送やインターネット上の報道について否定した。

**

イランのプレスTVとアーラム・テレビはそれぞれ速報を出し、ダマスカス県ウマウィーイーン広場で参謀本部を狙ったテロで、プレスTVのマヤー・ナーセル特派員が武装集団に撃たれて死亡、またアーラム・テレビのホセイン・ムルタダー支局長が負傷したと報じた。

ムルタダー氏はレバノン国籍で、プレスTV支局長も兼務していたという。

**

http://www.youtube.com/watch?v=9nwc25DLHiY

国内の主な動き

反体制組織や野党の代表者がダマスカスで「民主的・平和的変革諸政党・勢力大会」を開催し、すべての反体制勢力を一同に会した大会の開催を改めて呼びかける必要があると閉幕声明で提言した。

「民主的・平和的変革諸政党・勢力大会」はシリア国民救済大会に続く動きで、平和的変革の道潮流(ファーティフ・ジャームース代表)、シリア民主党、変革解放人民戦線、アラブ民主団結党、祖国シリア党、シリア青年公正開発党、シリアのための第三潮流、シリア国民青年党 国民改革党(ニダール・ハミーディー)など35の団体が参加した。

また離反兵のハーリド・アブドゥッラフマーン・ザーミル大尉(自由シリア軍南部地方軍事評議会の元副議長)、ヤースィル・アブド(アレッポの武装集団の元指導者)も参加した。

ザーヒル大尉は、「我々は自らが大胆にもしてしまったことからの復帰と、国民和解担当省への協力を決定し、我々の状況の正常化をめざす。我々は再び、軍司令部のもとに自らの身を置く。シリアにおける問題解決は、武力行使、暴力、破壊、爆破によっては不可能だ」と述べた。

ロシア大使、中国大使館代表、イラン大使も出席した。

同大会はまた外国の内政干渉拒否を確認した。

SANA(9月26日付)が報じた。

**

『クッルナー・シュラカー』(9月26日付)は、ザーヒル大尉とともに出席し、離反を撤回したスポーツウェアを着た元反体制武装勢力戦闘員ヤースィル・アブドが数ヶ月前に逮捕され、シリア・アラブ・テレビに出演して自身の犯行を証言したヤースィル・アブドと同一人物だと報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、SANA(9月26日付)によると、アレッポ市ブスターン・カスル地区、カッラーサ地区、スッカリー地区、マサーキン・ハナーヌー地区、イシャーラート地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷し、装備を破壊した。

またハーン・ユースフ地区、バーブ・ハディード地区、ハイダリーヤ地区などで特殊作戦を行い、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷した。

**

 

ヒムス県では、SANA(9月26日付)によると、ヒムス市内各所で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦市し、戦闘員4を殺害、車輌3台を撃破した。

またタルビーサ地方のカム村などでも交戦があり、戦闘員が殺傷された。

アッシリア人権ネットワークは、25日に軍・治安部隊がヒムス市郊外のブスターン・ディーワーン地方にある聖母教会を再び砲撃したと発表した。

**

ハマー県では、SANA(9月26日付)によると、スーラーン町一帯、ハマー市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

**

ダルアー県では、SANA(9月26日付)によると、カフルシャムス町、ダーイル町、ダイル・ブフト村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月26日付)によると、ダイル・ザウル市各所、フサイニーヤ町などで軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

シリア人権監視団は、国連総会に合わせるかたちで、ダマスカス県バルザ区で、女性6人、子供3人を含む16人が親体制武装集団に処刑されたと発表した。

**

タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、バーニヤース市で女性25人、子供3人を含む68人が逮捕された。摘発はムハンマド・ザイティー総合情報部内務課タルトゥース支部長(准将)とアブドゥルカリーム・アッバース軍事情報局タルトゥース支部長(准将)の指示のもとに行われたという。

**

「アフバール・シャルク」(9月26日付)は、反体制活動家がダマスカス郊外県ズィヤービーヤ町で40人以上の市民が軍・治安部隊に虐殺されたと主張し、遺体の映像を公開した(虐殺の真偽は不明)。

反体制勢力の動き

自由シリア軍のアフマド・ファッジュ大佐は、「イスラーム主義者たちの数はさほど多くない、シリア全土で1,000人以下だろう」と述べ、多数の外国人戦闘員がシリア国内で活動していることを認めた。

また地域の武器商人と武器密輸業者のすべてが反体制武装勢力に対空ロケット弾、対戦車迫撃砲の売却を拒否していると暴露した。

同大佐によると、商人らは売却には米諜報機関の許可が要る、と述べている、という。

ファッジュ大佐は初期離反者の一人で、アレッポ西部で反体制武装闘争を行っているという。

AFP(9月25日付)が報じた。

**

シャームの民のヌスラ戦線は21日付で声明を出し、9月初めにアレッポ市のハナーヌー地区の兵舎に突入し、勝利した、と発表した。

また声明において、戦線は、アレッポ市内の学校や病院などを拠点とする軍を38度にわたって攻撃し、27人を殺害した、と主張した。

これが事実だとすると、アレッポ市内の軍兵舎への攻撃の多くが、自由シリア軍ではなく、アル=カーイダ「系」の組織によるものだということになる。

**

シリア人権監視団は、2011年3月からの死者数が30,024人に達したと発表した。うち民間人が21,534人、軍人が7,322人、離反兵が1,168人だという。

**

シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は、サウジ日刊紙『ヤウム』(9月26日付)に対して、エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領によるシリア問題四カ国連絡グループ設置の動きに歓迎の意思を示した。

**

シリア民主フォーラムのミシェル・キールーは『バヤーン』(9月26日付)に対して、ロシアによるアサド政権との対話会合の呼びかけを「国民を裏切ることになる」と述べ拒否する意思を明らかにした。

**

シリア・アラブ・テレビの記者たちがフェイスブック上に「シリア・テレビ調整」なるグループを立ち上げた。

『クッルナー・シュラカー』(9月26日付)が報じた。

**

離反兵マナーフ・トゥラース准将が『デイリー・テレグラフ』(9月26日付)のインタビューに応じ、国内の反体制勢力への資金援助、人道支援、混乱収拾のためのNGOの設立を行うと誓約した。

支援のための「私財」の出所については明言しなかった。

レバノンの動き

『サフィール』(9月27日付)は、レバノン軍が、ナバティーヤ県ラーシャイヤー郡ビーラ村・ラーフィド村間の山岳地帯で、シリアへの武器密輸を目的としていると思われる訓練キャンプを発見し、制圧したと報じた。

諸外国の動き

イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領は記者会見で、政権と反体制勢力の愛国者たちによる対話と相互路階の開始を促す意思がある、と表明し、「さまざまな国からなる連絡グループの結成の努力を行っている」と述べた。

大統領は折衝中の国を明示せず、近くイラン外務省が発表すると述べた。

**

赤十字国際委員会はアンマンにシリア人避難民との連絡事務所を開設したと発表した。

**

米国務省のフォード・ホフ・シリア問題担当特別顧問が「家族とより長く時間を過ごしたい」との理由で辞職した。

AFP, September 26, 2012、Akhbar al-Sharq, September 26, 2012, September 27, 2012、AKI, September, 26, 2012、al-Bayan, September 26, 2012、The Daily Telegraph, September 26, 2012、al-Hayat, September 27, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 26, 2012、al-Kurdiya News,
September 26, 2012, September 27, 2012、Naharnet.com, September 26, 2012、Reuters,
September 26, 2012、al-Safir, September 27, 2012、SANA, September 26, 2012、al-Yawm, September 26, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハマー県で自由シリア軍国内合同司令部のサアドッディーン空軍大佐が暗殺未遂に遭う、オバマ大統領が「国民を殺害する独裁者に未来はない」と発言(2012年9月25日)

国内の暴力

AFP(9月25日付)は、自由シリア軍国内合同司令部のカースィム・サアドッディーン空軍大佐がハマー県で暗殺未遂に遭ったと報じた。

SANA, September 25, 2012
SANA, September 25, 2012

自由シリア軍の国内の広報局によると、サラミーヤで、サアドッディーン大佐が乗った車が「シャッビーハ」の要撃を受け、激しい戦闘の末、「シャッビーハ」数人が死亡したという。

サアドッディーン大佐は、アレッポでアレッポ県軍事評議会議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐との会談を終え、ヒムスに戻る途中に襲われたという。

一方、SANA(9月25日付)によると、サラミーヤ地方で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員複数を負傷させた。

またジナーン地方で特殊作戦を行い、反体制武装勢力戦闘員多数を殺傷した。

**

クナイトラ県では、『ハヤート』(9月26日付)などによると、軍と反体制武装勢力が交戦し、迫撃砲がイスラエル占領地内に着弾した。

シリア人権監視団によると、ゴラン高原のハミーディーヤ村、フッリーヤ村の検問所2カ所を反体制勢力が襲撃し、兵士5人、反体制側の戦闘員2人が死亡した。

イスラエル軍が発表したところによると、「迫撃砲は最近の紛争のなかで、シリア領内の村を標的」としており、国連に対して異議申し立てを行うという。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ビータール交差点近くの殉教者子息学校委員会の施設で複数回の爆発が起きた。

反体制活動家によると、この施設は、軍・治安部隊、民兵が拠点として使用していたという。

これに関連して、ジャズィーラなどアラブ衛星放送局は、カッザーズ地区の軍事情報局パレスチナ課施設近くで爆発が起き、士官を含む数十人が死亡した、と報じた。

同報道によると、使徒末裔旅団が作戦を実行した、という。

しかし『ハヤート』(9月26日付)は、アンサール・イスラーム(アンサール・シャリーア)を名のる民兵のアブー・ムアーッズなる司令官が、午前9時35分に7発の爆弾を2回に分けて爆発させた、と発表した。

同司令官によると、爆弾攻撃は、軍・治安部隊、民兵の定例の週間会合を狙ったもの。

一方、SANA(9月25日付)は、武装テロ集団が仕掛けた爆弾2発が建物(学校)で爆発し、7人が負傷したと報じるとともに、校長の話として、学校が軍事目的で利用されていたことなどを否定した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(9月25日付)によると、軍・治安部隊がスバイナ町の浄化を完了した。

**

アレッポ県では、AFP(9月25日付)が軍消息筋の話としてアレッポ市東部のアルクーブ地区一帯での「作戦は終了し、武装部隊兵士は建物の捜索を行っている」と報じた。

またSANA(9月25日付)も、軍消息筋がアルクーブ地区の浄化を完了したことを確認したと報じた。

しかしシリア人権監視団は、AFP(9月25日付)に対して、アルクーブ地区での「戦闘は続いている」と反論した。

このほか、SANA(9月25日付)によると、軍・治安部隊がアレッポ市スライマーン・ハラビー地区、サーフール地区、シャッアール地区、ブスターン・バーシャー地区、バーブ市、アフタリーン市、カブターン・ジャバル村、ダイル・ハーフィル市、ハンダラート・キャンプ、タッル・ラッハール村などで反体制武装勢力の掃討を続け、外国人戦闘員を含む戦闘員多数を殺傷、その装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市が軍・治安部隊の砲撃を受けた。またクサイル市も砲撃に曝され、4人が死亡した。

シリア革命総合委員会によると、タルビーサ市が軍・治安部隊の砲撃を受けた。

一方、SANA(9月25日付)によると、クサイル市郊外、タッルカラフ市、スルターニーヤ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市が軍・治安部隊の砲撃に曝された。

一方、SANA(9月25日付)によると、軍・治安部隊がヒルバト・ジャウズ村一帯の対トルコ国境からの潜入を試みる戦闘員を殺傷、撃退した。

またアイン・バーリダ村、マアッルディブサ村、マアッル・タムサリーン市、ハルブヌーシュ村、クマイナート市、サラーキブ市、タフタナーズ市、シャラフ村、マアッラト・ヌウマーン市が軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、逮捕した。

**

ロイター通信(9月25日付)は、ヒムス市住民(アラウィー派)が治安維持のため「シャッビーハ」に月300ドル掃討の支援を余儀なくされていると住民の証言などをもとに報じた。

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣とファイサル・ミクダード副大臣はニューヨークでの国連総会出席のためプライベート・ジェット機でベイルート国際空港に到着した。

NNA(9月25日付)が報じた。

**

バアス党シリア地域指導部は声明を出し、シリア国民救済大会で「多元的民主制への移行を含む暫定機関を開始するための最善の政治的方法を検討するため、すべての関係当事者が参加する国際会議」の開催が求められたことを「外国のために足場を築こうとしている」と批判した。

レバノンの動き

5月にアレッポ県で反体制武装勢力に拉致されたレバノン人巡礼者(シーア派)11人の一人、アワド・イブラーヒーム氏が釈放され、トルコに到着した。

LBCI(9月25日付)などが報じた。

**

NNA(9月25日付)によると、23日にナバティーヤ県ハースバイヤー郡の国境地帯で、警察が身柄拘束したシリア人5人が釈放された。

諸外国の動き

ヨルダンでイスラーム主義組織の弁護士を務めるムーサ-・アブドゥッラートは、AFP(9月26日付)に対して、ヨルダン国境警備隊がシリアに潜入しようとしたムジャーヒドゥーン6人を逮捕したことを明らかにした。

逮捕された戦闘員のなかには、アブー・ムスアブ・ザルカーウィーの甥のアブー・アスヤド・ザルカーウィーが含まれているという。

また「シリアのタウヒード旅団に属するサラフィー主義のムジャーヒドゥーンが100人におよぶ」ことを明らかにした。

**

米国のバラク・オバマ大統領は国連総会で演説し、「国民を殺害する独裁者に未来はない」と述べ、「アサド政権は国民を苦しめることを止めるため、終わらねばならない」と改めて述べた。

**

米国務省高官は、記者団に対して、今週末に米国が反体制勢力への追加支援を発表すると述べた。

同高官によると、支援は「彼らが自衛できるようにするため」だというが、武器供与については否定した。

「アフバール・シャルク」(9月26日付)が報じた。

**

エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領はBBC(9月25日付)に対して、外国の軍事的介入を「支持しない。もし行われれば大きな間違いになると思う」と述べつつ、「アサド大統領には去る以外の選択肢はない」と主張した。

**

カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣はBBC(9月25日付)に対して、「平和的にシリアの危機を解決できると思うし、そう願っている」としたうえで、「数週間中に新たな計画が作られ…シリア国民を救済する幾つかの措置が講じられるだろう」と述べた。

**

カタールのハマド・ブン・ハリーファ首長は、国連総会で演説し、「アラブ諸国自身が人道的、政治的、軍事的な義務に基づき介入するのがよい」と述べた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領と潘基文国連事務総長は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とシリア情勢について協議した。

AFP, September 25, 2012、Akhbar al-Sharq, September 25, 2012, September 26, 2012、Aljazeera.net, September 25, 2012、BBC, September 25, 2012、al-Hayat, September 26, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 25, 2012、al-Kurdiya News,
September 25, 2012、LBCI, September 25, 2012、Naharnet.com, September 25,
2012、NNA, September 25, 2012、Reuters, September 25, 2012、SANA, September
25, 2012などをもとに作成。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県ヤルムーク川渓谷地方で軍・治安部隊による「樽爆弾」爆撃が行われる、アレッポ最大の反体制武装組織「タウヒード旅団」報道官が自由シリア軍のアスアド大佐の声明を暗に非難(2012年9月24日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マアーディー地区で、軍の空爆により、子供3人を含む5人が死亡した。

またアレッポ市サーフール地区などで軍・治安部隊と反体制武装勢力双方が交戦したほか、ハイヤーン町に対して軍が空爆を行ったという。

一方、SANA(9月24日付)によると、軍・治安部隊がアターリブ市で工業学校に立て籠もっていた「テロリスト」数十人を殲滅した。

またアレッポ市アルクーブ地区で特殊作戦を行い、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殲滅した、という。

さらにアレッポ市ジュダイダ地区、スライマーン・ハラビー地区、カルム・ジャバル地区、スッカリー地区、ブスターン・バーシャー地区、カスル地区、バーブ街道地区、アウラム地方、ダイル・ハーフィル市などでも反体制武装勢力の掃討を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。

他方、情報省はアレッポ市のナイラブ・パレスチナ難民キャンプが砲撃を受けたとの外国メディアの報道を否定した。

**

『ハヤート』(9月25日付)によると、ダルアー県の対ヨルダン国境に位置するヤルムーク川渓谷地方で23日から軍・治安部隊による激しい砲撃や、「樽爆弾」による爆撃が行われた。

砲撃はシリアからの避難民の流出を防ぐことが目的だという。

自由シリア軍のムハンマド・ラーフィイー野戦司令官は『ハヤート』(9月25日付)に対して、ヨルダンへの越境は軍・治安部隊の増強でこれまでになく困難になっているとしたうえで、正規軍約30,000人が展開していると述べた。

また国境近くのウマーン市からヨルダン国境に通じる道に対して軍の空爆を加え、通行不能にしようとしている、という。

一方、シリア人権監視団によると、ダーイル町が軍の砲撃を受けた。

他方、SANA(9月24日付)によると、ワーディー・クサイル地方、イブタア町一帯、シャリーフ・スフーリー地方などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、外国人戦闘員など多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダマスカス県では、『ハヤート』(9月25日付)によると、フォーシーズン・ホテル近くの歩道橋に仕掛けられた爆弾が爆発し、1人が死亡したという。

またマサーキン・バルザ地区で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦したほか、タダームン区やザーヒラ地区などで爆発があったという。

一方、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区が軍ヘリコプターによる攻撃を受けた。

**

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(9月25日付)によると、ハラスター市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦したという。

一方、シリア人権監視団によると、ハラスター市が軍ヘリコプターによる攻撃を受けた。

他方、SANA(9月24日付)によると、スバイナ町で軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」の追跡を行った。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、サアン村、ティールマアッラ村、クサイル市が軍の砲撃を受け、女性1人が死亡した。

一方、SANA(9月24日付)によると、クサイル市、スルターニーヤ市、タルビーサ地方、クサイル地方などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

またダイル・フール村とザアフラーナ村を結ぶ送電線の修理中に反体制武装勢力に拉致されていた労働者25人が当局によって解放された。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、フサイニーヤ町、ブガイリーヤ村が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(9月24日付)によると、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」追跡を行い、多数の戦闘員を殺害した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、アブー・リアール市が軍の砲撃を受けた。

**

ラッカ県では、SANA(9月24日付)によると、タッル・アブヤド市郊外のアイン・アルース村で軍・治安部隊が特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷した。

一方、同県の高官は、タブカ航空基地内で反体制武装勢力と軍・治安部隊の戦闘が発生したとの一部メディアの報道を否定した。

**

ハサカ県では、SANA(9月24日付)によると、軍・治安部隊がハサカ市農業科学調査センター近くの反体制武装勢力の拠点を破壊した。

またジュナイナ村、ヒサーン村、ジーア村で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ラタキア県では、SANA(9月24日付)によると、対トルコ国境に位置するナブウ・ムッルの倉庫を襲撃しようとした反体制武装勢力と軍・治安部隊が交戦し、戦闘員複数を殺傷した。

**

イドリブ県では、SANA(9月24日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市近くで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、20台の車輌を撃破、多数の戦闘員を殺傷した。

**

AFP(9月24日付)は、反体制武装勢力が制圧した地域を取材した複数の特派員の話として、イドリブ県からアレッポ県にいたる対トルコ国境地域がアサド政権の支配を脱している、と報じた。

シリア政府の動き

情報省は声明を出し、同省のインターネットがハッキングを受け、アリー・アブドゥルカリーム駐レバノン・シリア大使が解任されたとの情報が発信されたと発表し、同情報を否定した。

SANA(9月24日付)が報じた。

**

SANAは、フェイスブックのページがハッキングを受け、占拠されたとしたと発表した。

**

「アフバール・シャルク」(9月26日付)によると、財務省は声明を出し、テロ撲滅法に基づき、ムハンマド・ラシャード・ナズィール・シャーヒーン、ムハンマド・ムウタッズ・ハイヤート・マハーミード、ワリード・ズウビー、イスマーイール・サアディー、ムハンマド・ラヒーフ・ハーキミー、アブドゥルカーディル・サンカリーらビジネスマンとその家族の資産を没収したと発表した。

反体制勢力の動き

アレッポ最大の反体制武装組織とされるタウヒード旅団のアブドゥッラー・シュウール報道官はAFP(9月24日付)に対して「新たな戦闘員が戦線に加わる方がもっと役に立つ」と述べ、国内に指導部を移すとの自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐の声明を暗に非難した。

**

アレッポ市のサラーフッディーン地区、サイフ・ダウラ地区で戦闘を行う使徒末裔大隊連合のアブー・ムーマルを名のる司令官は、「戦略は戦場にいる人々が決定する…。我々はいかなる政治・宗教団体にも従わない。ムスリム同胞団にも、アル=カーイダにも、外国の運動にも。我々こそが戦場にいる自由軍だ…。戦場に下りてこい」と述べ、アスアド大佐の声明を一蹴した。

**

ダルアー革命軍事評議会は声明を出し、すべての武装組織に対して、体制側、反体制側双方の医師の誘拐・逮捕を行わないよう呼びかけた。

**

シリア国民救済大会が閉幕声明を採択して、2日間の日程を終えた。

前日に引き続き、駐シリア・ロシア大使、イラン大使、中国の代表が出席した。

閉幕声明では、「軍事治安解決」をめざすアサド政権の戦略が暴力激化を招いたと批判したうえで、「アラブ諸国と国際社会の監視のもとでの政権および反体制武装勢力双方の即時暴力停止」を呼びかけた。

また「国内外のすべての反体制勢力」に対して、「シリアの統合、領土保全…のための共同行動」を呼びかけるとともに、「シリア人自身が自分たちの手で変革しなければならない」と強調した。

一方、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表に対して、「多元的民主制への移行を含む暫定機関を開始するための最善の政治的方法を検討するため、すべての関係当事者が参加する国際会議」の開催を求めた。

このほか、20日に誘拐された民主的変革諸勢力国民調整委員会3人を含むすべての政治犯の釈放をアサド政権に要求した。

シリアでのその他の動き

Akhbar al-Sharq, September 24, 2012
Akhbar al-Sharq, September 24, 2012

「アフバール・シャルク」(9月23日付)は、ドバイで友人を伴うブシュラー・アサドの長男バースィル・アサドの写真(右)を公開した。

ブシュラー・アサドは2008年の夫アースィフ・シャウカト准将の「粛清」と時を一にして、パリを経てドバイに移り住み、子供の養育を行っていた。

2011年3月の「シリア革命」の開始を受け、一時、シリアに戻っていたが、7月18日に暗殺されたシャウカト准将の除喪と新学期開始に合わせるかたちで、ドバイに戻っていた。

**

『ワタン』(9月24日付)は、Wealth-X社(シンガポール)の試算として、3000万ドル以上の財産を所有するシリア人富裕者が215人おり、その総資産は230億ドルに達する、と報じた。

富裕者数は2011年の225人から10人減少したが、総試算の額に変化はなかった、という。

レバノンの動き

AFP(9月24日付)によると、23日にナバティーヤ県ハースバイヤー郡の国境地帯で、警察が密入国したシリア人5人を身柄拘束したことに反対し、レバノン・イスラーム集団メンバー約100人が警察署前で抗議デモを行った。

諸外国の動き

『ハヤート』(9月24日付)は、ヨルダンのジハード主義者の指導者らの話として、シリアに潜入し、軍・治安部隊との交戦で殺害されたヨルダン人の葬儀が増えている、と報じた。

これらのヨルダン人の多くは、アフガニスタン、イラク、チェチェンでの戦闘経験がある戦闘員だという。

**

ヨルダン国境警備隊のフサイン・ズユード准将は声明を出し、2011年3月以降、シリアからヨルダン領内に避難したシリア軍兵士の数が2,053人にのぼることを明らかにした。

**

ヨルダンのザアタリー国営避難民キャンプで、ヨルダンの治安当局がシリア人の暴動を弾圧するため、初めて催涙弾を使用した。

「アフバール・シャルク」(9月24日付)が報じた。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、国連安保理非公式会合でシリア訪問の成果などを報告した。

AFP(9月24日付)によると、ブラーヒーミー共同特別代表は、約5,000人の外国人戦闘員がシリア国内に潜入しているとのアサド政権の評価を報告した。

またシリア国内での拷問に関して、刑務所での拷問が「周知」ものとなっているとしつつ、人々は政府が管理する病院に行くことを恐れるようになったと述べ、病院での拷問を示唆した。

さらに「シリアがかつての状態に戻ることはあり得ない…。改革は未だに不充分で、変革が必要だ」と述べた。

**

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は『ワシントン・ポスト』(9月24日付)に、シリア情勢をめぐる国際社会の決定は安保理の枠組みのなかで行われるべきだと述べ、シリア領空への飛行禁止空域には国連の承認が必要だとの立場を示した。

AFP, September 24, 2012、Akhbar al-Sharq, September 24, 2012, September 25, 2012, September 26, 2012、AKI, September 23, 2012、al-Hayat, September 24, 2012, September 25, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 24,
2012、al-Kurdiya News, September 24, 2012、Naharnet.com, September 24, 2012、Reuters,
September 24, 2012、SANA, September 24, 2012、al-Sharq al-Awsat, September
24, 2012、The Washington Post, September 24, 2012、al-Watan, September 24,
2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国民救済大会がダマスカスで開会するも在外活動家や反体制武装勢力の代表者は参加せず、国連事務総長とブラーヒミー共同特別代表が共同声明のなかでシリア情勢がもたらす「地域の治安にさらなる脅威」への警鐘を鳴らす(2012年9月23日)

シリア国民救済大会

シリア国民救済大会がダマスカス(ウマイヤ・ホテル)で開会し、反体制政治組織、野党、連立与党の代表が出席した。

al-Hayat, September 24, 2012
al-Hayat, September 24, 2012
DP Press, September 23, 2012
DP Press, September 23, 2012

参加したのは、民主的変革諸勢力国民調整委員会をはじめとする反体制組織や、変革解放人民戦線に加盟する連立与党、およびアンサール党など野党のあわせて20団体。

在外の反体制組織・活動家や反体制武装勢力の代表は参加しなかった。

またアズマトゥッラー・クルモハンマドヴ駐シリア・ロシア大使、中国大使代表、エジプトの活動家のサラーフ・ダスーキー、ヨルダンの活動家のライス・シュバイラートも参加した。

**

大会実行委員長のラジャー・ナースィルは大会に関して「祖国と国民を救済するための一選択肢ではなく、唯一の道」と強調し、「包括的、抜本的変革」を主唱した。

 

**

アブドゥルマジード・マンジューナは民主的変革諸勢力国民調整委員会を代表して、「平和的方法に則り、暴力、宗派主義、軍事介入を拒否する」と表明し、カイロで反体制勢力が採択した「国民誓約文書」と「移行期間概要に関する共同政治ビジョン」に従ったかたちでの変革の必要を訴えた。

**

また20日にダマスカス国際空港からの帰路で失踪した民主的変革諸勢力国民調整委員会メンバーのマーヒル・タッハーンの母親も出席し、「我々は3人の同僚が誘拐されたことの責任が治安当局にあると追及する」と述べた、という。

**

一方、クルモハンマドヴ駐シリア・ロシア大使は、「外国の介入を排除したシリア人自身による平和的解決策案出の必要」を強調し、すべての当事者が暴力を抑止し、政治プロセスに入るよう呼びかけた。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会がフェイスブックを通じて発表したところによると、大会初日にあたる22日の会合では、「国民誓約文書」の採択をもって閉会した。

反体制勢力の動き

シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表は声明を出し、大会参加をボイコットし、延期を呼びかけた。

その理由として、フサイン代表が、大会が国際社会にその正統性を求めてもらうための演壇に成り下がり、既存の選択肢の一部を排除しているからだと述べた。

**

自由シリア軍の報道官はロイター通信(9月24日付)に対して、「これは真の反体制勢力ではない…。自由シリア軍はこれらの集団とは関係を持たないだろう…。それは国際社会を惑わす愚かな計画に過ぎない」と述べ、大会を非難、不参加を表明した。

**

自由シリア軍のアフマド・アブドゥルワッハーブ大佐は対トルコ国境の村でAFP(9月23日付)に対して、「外国の支援があろうがなかろうが、我々は前進できる。体制崩壊は数年ではなく、数ヶ月という時間の問題だ」と述べた。

**

『ハヤート』(9月24日付)によると、自由シリア軍最高軍事評議会のムスタファー・シャイフ准将は、国内への指導部移転を発表したリヤード・アスアド大佐の声明に関して、「この移転は司令部を戦闘員に近づけるだろう」と述べた。

**

シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長、ジョルジュ・サブラー報道官、ムハンマド・ヌール・ダッシャーン駐イタリア代表は、ローマ法皇ベネディクト16世とローマ近郊の避暑地で面会し、シリア情勢などを記した書簡を提出した。

**

シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は訪問中のローマで、国内の反体制活動家に対して、現地の反体制勢力への支援を行わなければ、政治活動は真の影響力を失う、と警鐘を鳴らした。

また反体制武装勢力に対しては、政治的な組織が確立することを待たず、部隊の統合を試みるよう呼びかけた。

**

『シャルク・アウサト』(9月24日付)はシリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長が国連総会の招待状を受けとったと報じた。

スィーダー事務局長は出席するかどうかいまだ決めかねているとのこと。

**

シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー報道官は声明を出し、アラウィー派に対して「法的追及は犯罪者だけにおよぶ」と述べ、体制転換に懸念を抱かないよう呼びかけた。

国内の暴力

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、軍がブーカマール市の複数カ所を空爆し、地上部隊が市内で戦闘を行った。

同監視団のアリー・アブドゥッラー代表は、AFP(9月23日付)に対して、「反体制武装勢力は戦略要衝であるこの町(ブーカマール市)の制圧を試みている」と述べ、同市が反体制勢力の手に落ちていないことを認めた。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がヒムス市のジャウバル区、スルターニーヤ地区、バーブ・アムル地区を空爆した。

一方、SANA(9月23日付)によると、クサイル市近郊のシヤーハート市、タッル・サルカジャ市、ハイダリーヤ村、ガッサーニーヤ村、ラスタン市近郊のガントゥー市、スルターニーヤ市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃し、戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がトルコ国境に近いクルド山一帯を空爆した。

またアレッポ市では、反体制武装勢力がブスターン・カスル地区、ジャミーリーヤ地区などの軍・治安部隊を「砲撃」している、という。

一方、自由シリア軍のアフマド・アブドゥルワッハーブ大佐はアウラム・クブラー町の航空基地を攻撃し、戦闘機2機を破壊したとAFP(9月23日付)に語ったが、事実確認はとれていない。

これに対して、SANA(9月23日付)は、アターリブ市、カブターン・ジャバル村、バヤーヌーン町などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃し、戦闘員多数を殺傷したと報じた。

またアレッポ市のハッザーン地区、スライマーン・ハラビー地区、マルジャ地区、ハナーヌー地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、戦闘員を殺傷、装備を破壊したという。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊の砲撃で9人が死亡した。

レバノンの動き

『ディヤール』(9月23日付)は、21日夜にベカーア県バアルベック郡アルサール地方に潜入した自由シリア軍の戦闘員の数が650人に達する、と報じた。

またこのほかにも武装した反体制活動家120人がアルサール地方におり、アサド政権と反体制武装勢力の「新たな前線」の様相を呈していると評した。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長とアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は国連総会に合わせて共同声明を出し、シリア情勢を「地域の治安にさらなる脅威」を与えていると警鐘を鳴らし、同国の人権状況改善のための協力を国連加盟国に求めた。

**

エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領は、就任後初のテレビ・インタビューに応じ、そのなかで、イランをシリア問題の「主要な当事者」と位置づけ、危機解決において役割を果たし得ると述べた。

AFP, September 23, 2012、Akhbar al-Sharq, September 23, 2012, September 25, 2012、al-Diyar, September 23, 2012、DP Press, September 23, 2012、al-Hayat, September 24,
2012, September 26、Kull-na Shurakaʼ, September 23, 2012、al-Kurdiya News,
September 23, 2012、Naharnet.com, September 23, 2012、Reuters, September
23, 2012、SANA, September 23, 2012、al-Sharq al-Awsat, September 24, 2012、Syria News, September 23, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

自由シリア軍のアスアド大佐が「ダマスカス解放計画の開始」を予告する一方、トルコ軍がタッル・アブヤド市に面する国境地帯に対空砲および対空ミサイルを配備(2012年9月22日)

シリア政府の動き

『クッルナー・シュラカー』(9月22日付)は、アサド大統領がアリー・ユーヌス軍事情報局長を解任したと報じた(未確認情報)。

**

『クッルナー・シュラカー』(9月22日付)は、ハサカ県で教師たちが、座席と教科書の不足を理由に学生に登校しないよう匿名で通知していると報じた。

反体制勢力の動き

自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐はインターネットを通じてビデオ声明を出し、「司令部がシリア領内の解放区に入り、近くダマスカス解放計画を開始する」と宣言した。

Youtube, September 22, 2012
Youtube, September 22, 2012

声明では「我々の目的はすべてのシリア国民が(体制に)代わる存在となることであり、我々はその一部でしかない」と付言、政権奪取の意思がないことを明らかにした。

アスアド大佐、およびムスタファー・シャイフ准将らトルコに避難していた上級士官は、国内で武装闘争を行ってきた自由シリア軍国内合同司令部から自由シリア軍を名のらないよう非難を浴びていた。

なおこの声明をめぐるトルコ側の思惑(トルコ領内の反体制勢力を支援しているのか、国外に排除しようとしているのか)は不明。

http://www.youtube.com/watch?v=xYHNiTho0SM&feature=youtu.be

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会の執行委員会は声明を出し、ダマスカス国際空港からの帰路でのメンバー3人の誘拐に関して、「空軍情報部にいる」と発表、当局に対して3人の身柄解放を求めた。

**

地元調整諸委員会はユーチューブやフェイスブックを通じて、「タラアナー・フッリーヤ」(機関誌)を創刊し、国内での配布を開始したと発表した。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境に近いアウラム・クブラー町、カフルジューム村で軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦し、検問所への攻撃によってシリア軍兵士11人が殺害された。

また砲撃で女性1人が死亡した、という。

同監視団のアリー・アブドゥッラフマーン代表によると、「この地域には、一部の軍の拠点や行政センター以外には国家は存在していない」という。また軍・治安部隊はイドリブ県から同地域への反体制武装勢力の進入と同勢力による対トルコ国境一帯の制圧を全力で阻止しようとしている、という。

アレッポ市では、同監視団によると、カーティルジー地区、ハナーヌー地区、アルクーブ地区、マルジャ地区が砲撃を受けた。

またバーブ市、ダーラ・イッザ市、ザキーヤ市、ブアイディーン市、ターディフ市、スフール村も砲撃を受け、離反兵2人を含む反体制武装勢力戦闘員9人が死亡した。

ロイター通信(9月22日付)は、匿名ジャーナリストからの情報として、アターリブ市で、反体制武装勢力がヘリコプターを撃墜した、と報じた(未確認情報)。

一方、SANA(9月22日付)によると、アレッポ市シャッアール地区、スライマーン・ハラビー地区、ブスターン・バーシャー地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点やアジトに対して特殊作戦を実施し、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

またアターリブ市とアウラム・クブラー町を結ぶ街道でも軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、乗っていた車輌などを破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ブワイダ市・フジャイラ村を結ぶ街道で旅客バスが襲撃され、女性3人を含む7人が死亡した。

またイバーダ市が砲撃を受け、数人が負傷した。

ハラスター市でも、ジュダイダ・アルトゥーズへの軍の砲撃から避難していた兵士1人が死亡したという。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、スィンジャール町、フシャイル市、ラーミー村が砲撃を受けた。

一方、SANA(9月22日付)によると、タフタナーズ市、サルキーン市・ハーリム市間に位置する農園など、アリーハー市・ジスル・シュグール市間の街道などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、東ブワイダ村が砲撃を受け、数人が負傷したほか、ヒムス市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦市、軍の兵士5人が殺害された。

一方、SANA(9月22日付)によると、ハルムーズ村、ガジャル村(ラスタン市郊外)、タッルカラフ市郊外、クサイル市郊外などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

またレバノン領内からの潜入を試みる戦闘員を撃退した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区で7人の市民の遺体が発見された。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ハーッラ市で治安部隊が大規模な逮捕作戦を行い、数十人を逮捕した。

一方、SANA(9月22日付)によると、ダーイル町、サナマイン市、ヌアイマ村などで軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ラッカ県では、SANA(9月22日付)によると、タッル・アブヤド市、スルーク町、ハマーム・トゥルクマーン村、アイン・アルース村で軍・治安部隊が反体制武装勢力に対して特殊作戦を行い、多数の戦闘員を殺傷した。

**

SANA(9月22日付)は、アレッポ県での「最近の事件」に関連して逮捕された逮捕者のうち、殺人を犯していない121人を釈放したと報じた。

また、過去5日間でヒムス市シャンマース地区でも同様に86人、ハマー県でも60人が釈放されたという。

レバノンの動き

ナハールネット(9月22日付)によると、レバノン軍司令部は声明を出し、21日晩に、ベカーア県バアルベック郡アルサール地方に自由シリア軍の部隊が潜入した、と発表した。

声明によると、同部隊は「多数の狙撃手が援護するなか、侵入、軍の陣地複数カ所を攻撃した」という。

諸外国の動き

トルコのNTV(9月22日付)は、ラッカ県タッル・アブヤド市に面する国境地帯にトルコ軍が対空砲、対空ミサイルを配備したと報じた。

ウルファ県へのシリア領からの砲撃で、トルコ人2人が負傷したことを受けたことを受けた動きで、また反体制武装勢力によって占拠された一部国境地点の奪還が目的だという。

AFP, September 22, 2012、Akhbar al-Sharq, September 22, 2012、al-Hayat, September 23, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 22, 2012、al-Kurdiya News,
September 22, 2012、Naharnet.com, September 22, 2012、Reuters, September
22, 2012、SANA, September 22, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラアス・アイン市で穀物を運んでいたトラックの車列が200人以上の武装集団に襲撃される一方、エジプト、トルコ、イランの外相がカイロで会談しシリア情勢について協議(2012年9月17日)

シリア政府の動き

アサド大統領は、政令第333号を発し、ハサン・サーリフ・ジャラーリーをラッカ県知事に任命した。

SANA, September 17, 2012
SANA, September 17, 2012

**

DamasPost(9月17日付)は、シリア・ハッジ最高委員会が、サウジアラビアのハッジ省から巡礼者受け入れに関する解答が期日までに寄せられなかったとして、シリアからの巡礼を中止することを決定したと報じた。

**

『クッルナー・シュラカー』(9月17日付)は、反体制武装勢力掃討に際して伐採されたサボテンなどが伐採されたダマスカス県ラーズィー農園地区、マッザ区、カフルスーサー区、カダム区、アサーリー地区、ダハーディール地区、ナフル・イーシャ地区、南部環状線地区、ダマスカス郊外県ダーライヤー市などの再開発を提案する、と大手不動産業者のアブドゥルファッターフ・イヤースーが発表した、と報じた。

国内の暴力

ハサカ県では、クルディーヤ・ニュース(9月17日付)などによると、ラアス・アイン市で、ラタキア県からハサカ県に向けて穀物を運んでいたトラックの車列が200人以上の武装集団に襲撃され、車列の警備のために同行していた治安要員2人が殺害され、3人が負傷した。

SANA, September 17, 2012
SANA, September 17, 2012

**

アレッポ県では、AFP(9月17日付)によると、軍・治安部隊による「浄化」が完了したとされるアレッポ市マイダーン地区で、反体制武装勢力が再び潜入し、戦闘が発生した。

シリア人権監視団によると、アレッポ市のハラブ・ジャディーダ地区にある空軍情報部施設と科学研究施設の近くで軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦、ヘリコプターが同地区上空を旋回したのと時を一にして、科学研究施設が激しく炎上したという。

一方、SANA(9月17日付)によると、アレッポ市西ザフラー地区にある科学研究センターで、守衛が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員10人を殺害し、撃退した。

またカフルハムラ地区でも軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

**

ダマスカス県、ダマスカス郊外県では、地元調整諸委員会によると、カダム区、アサーリー地区、ハジャル・アスワド市に対して軍・治安部隊が砲撃を加えた。

シリア人権監視団によると、カダム区で処刑された遺体16体が発見される一方、カフルスーサ区では11人が射殺された。

一方、SANA(9月17日付)によると、ハジャル・アスワド市、カダム区、アサーリー地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」の追跡を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

イドリブ県では、シリア人権ネットワークによると、タマーニア町で「シャッビーハ」が一家3人を銃殺した。

またシリア殉教者大隊の戦闘員によると、同大隊がアブー・ズフール航空基地を砲撃し、空港内のMiG戦闘機一機を破壊、また上空で戦闘機複数を撃墜した(未確認情報)。

**

ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル市革命評議会報道官によると、軍が「樽爆弾」を使用し、多数の民間人が死傷した。

また軍・治安部隊は市内の橋を破壊し、人道支援の搬入を阻止している、という。

**

ヒムス県では、地元調整諸委員会によると、ラスタン市に対して軍・治安部隊が砲撃を行った。

一方、SANA(9月17日付)によると、ヒムス市シャンマース地区で反体制武装勢力の86人が投降し、武器を当局に引き渡した。

またヒムス市ジャウバル区で、反体制武装勢力が製造していた爆弾が爆発し、戦闘員5人が死亡した。このほか、ヒムス市バーブ・フード地区、ナキーラ地方などで軍・治安部隊が反体制武装勢力が交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダルアー県では、地元調整諸委員会によると、タスィール町、サフム・ジャウラーン村、ジッリーン村に対して軍・治安部隊が砲撃を行った。

一方、SANA(9月17日付)によると、イズラア市、ガバーギブ町、サフム・ジャウラーン村とジッリーン村間の街道などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」への追跡を継続し、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

**

ハマー県では、SANA(9月17日付)によるとシーハ村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトに突入し、大量の武器弾薬を押収した。

反体制勢力の動き

シリア共産主義者委員会は声明を出し、シリア国民救済大会の開催準備に抗議して、民主的変革諸勢力国民調整委員会から脱会すると宣言した。

声明は委員会のマンスール・アタースィー書記長が発表した。

レバノンの動き

LBCI(9月17日付)などによると、シリア軍戦闘機が発射したミサイル4発がベカーア県バアルベック郡の対シリア国境に位置するアルサール地方に着弾した。

諸外国の動き

パレスチナのイスラーム聖戦の指導者の一人ムハンマド・ヒンディーはガザで記者会見を開き、「シリアの親愛なる人民とシリアの難民キャンプでの我らがパレスチナ人民に対する暴力を非難する」と述べた。

シリア国内の本部を移転させたことに関して、「シリアにはいかなる事務所もない。またカイロにもない。我々は在外のパレスチナ難民の一部をなしている」と述べた。

シリア情勢については「我々はシリア国内の情勢には介入しない。我々は暴力の停止…、シリアの統合を維持し、シリア国民の利益実現し、外国の介入を遠ざけるような解決案の創出を呼びかけている」としつつ、「レジスタンスは人民の革命と解放によって強化される…。アラブ諸国の革命はパレスチナの利益になる」と締めくくった。

**

エジプト、トルコ、イランの外相は、エジプト、トルコ、イラン、サウジアラビアによるシリア問題四カ国連絡グループの枠組みで、カイロのエジプト外務省で会談し、シリア情勢について協議した。

会談には、エジプトのムハンマド・カーミル・アムル外務大臣、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣、イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣が出席した。

サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、「緊急の用務」のため欠席した。

エジプト外務省報道官によると、会談では、シリアの紛争の周辺諸国への波及抑止などについて話し合った。

**

中国の外交部はインターネットで声明を出し、楊潔篪外務大臣が、シリアの危機解決は外国の介入ではなく、シリア国民の指導のもとになされねばならないとの述べたと発表した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はモスクワでアラブ国際関係評議会使節団と会談した。

使節団を率いたムハンマド・ジャースィム・サクル議長によると、ラブロフ外務大臣は会談で、ロシアがアサド政権存続に固執しておらず、シリアの将来はシリア国民自身が決するべきで、外国の介入には同調しないとのこれまでの立場を繰り返した。

使節団には、イラクのイヤード・アッラーウィー元首相、レバノンのフアード・スィニューラ元首相らが参加した。

**

DamasPost(9月17日付)は、信頼できる匿名消息筋の話として、シリア政府が一部の西欧諸国外交関係者から、ダマスカスの大使館や外交駐在員事務所の再開に関する前向きな意思表示を受けたと報じた。

同報道によると、これらの国々は2013年初めに閉鎖中の大使館を再開することを検討しているという。

**

シリアでの人権侵害を調査するための国連人権理事会調査委員会のパウロ・セルジオ・ピネイロ委員長(ブラジル)が国連人権理事会でシリア情勢について報告を行った。

そのなかでピネイロ委員長は、シリアで「戦争犯罪」を犯した個人、軍事組織の容疑者の「新極秘リスト」を作成し、国際社会においてしけるべき追究を行うための第一弾として、近く国連人権高等弁務官に提出するとの意向を明らかにした。

『ハヤート』(9月18日付)によると、このリストに反体制勢力の活動家・組織が記されているかは定かでない。

ピネイロ委員長は報告のなかで、軍および政府側の民兵が戦争犯罪を犯していると糾弾する一方、過激なイスラーム主義者がシリア国内での増加していると懸念を示した。

彼らの一部は、シリアの反体制勢力に与し、一部は独立して活動を行っているという。

一方、シリアのファイサル・ハッバーズ・ハマウィー代表大使は、西側諸国および一部のアラブ諸国が「ジハード主義者」、「傭兵」に資金と武器を支援していると非難した。

また、ピネイロ委員長の報告書が「不正確」だと指摘し、17カ国が「ジハード主義テロリスト」をシリアに派遣していると強調した。

**

フランス外務省報道官は、ピネイロ委員長の報告書に関して「ダマスカスの体制に対する決定的証拠を含んでいる」とし、「戦争犯罪、人道に対する罪をシリア政府が犯している」と非難した。

**

UNICEFは声明を出し、シリア国内、レバノン、ヨルダン、トルコ、イラクで避難生活を送る子供たちの教育に4000万ドル以上が必要だとの試算を発表した。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチ(9月17日付)は、反体制勢力が、身柄拘束者の拷問・殺害などの「戦争犯罪」を犯していると発表した。

AFP, September 17, 2012、Akhbar al-Sharq, September 17, 2012、al-Hayat, September 18, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 17, 2012, September 18,
2012、al-Kurdiya News, September 17, 2012、LBCI, September 17, 2012、Naharnet.com,
September 17, 2012、Reuters, September 17, 2012、SANA, September 17, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がブラーヒーミー共同特別代表とダマスカスで会談するなか、在アンマンのヒジャーブ前首相は身を首班とする新組織を発足・参加する意思がないことをアピール(2012年9月15日)

シリア政府の動き

アサド大統領はアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とダマスカスで会談した。

SANA, September 15, 2012
SANA, September 15, 2012
SANA, September 15, 2012
SANA, September 15, 2012
SANA, September 15, 2012
SANA, September 15, 2012

SANA(9月15日付)によると、会談でアサド大統領は、「(共同特別代表のミッションで)中立と独立性が遵守されれば、シリアの危機解決のためのあらゆる誠実な努力にも可燃に協力し続ける」との意思を示した。

また大統領は、「シリアの真の問題は、政治的基軸と現地での事件の混同である。政治的基軸への働きかけは、とりわけ全シリア人の願望に焦点を当てた対話への真摯な呼びかけは続いている…。政治的活動の成功はテロリストへの資金援助・教練を行い、シリアに武器を密輸する諸外国に対して圧力をかけることにかかっている」と付言した。

会談には、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官が同席した。

**

一方、ブラーヒーミー共同特別代表は、「解決はシリア国民のみを通じてのみ可能」であることを強調したうえで、アナン特使の和平案とジュネーブ合意に従って独立性を維持して活動にあたるとの意思を示した。

会談後の記者会見で、ブラーヒーミー共同特別代表は「アサド大統領とシリア政府は活動を全面支援してくれるだろう」と述べた。

また国内での暴力停止の可否について、「シリアの当事者間の亀裂は大きい。我々は共通の基礎を作ることでこの亀裂を架橋しなければならない…。この基礎は既に存在しており、国を愛するすべての当事者のなかに体現されている」と述べた。

**

シリアの学校で新学期が始まった。

SANA(9月15日付)によると、約500万人の児童・生徒、38万5000人の教員が2万2000の学校に登校した。

一方、UNICEFによると、2万2000校のうち、200校以上が軍・治安部隊と反体制武装勢力の戦闘の被害を受け、全壊・半壊し、800校以上が避難民の家族を収容している。

反体制勢力の動き

民主的諸勢力国民調整委員会は声明を出し、9月23日開催予定の国民救済大会に向けて「本格的に準備を進めており、準備委員会は各派の対立を最善のかたちで解決すべく努力をする」ことを明らかにした。

Kull-na Shuraka', September 15, 2012
Kull-na Shuraka’, September 15, 2012

また「最近発表された(救済大会への参加)辞退は最終的なものではなく、見解をすり合わせるための会談や連絡は続いている」と付言した。

**

シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表は、シリア国民救済大会への準備への参加を辞退すると発表した。

辞退の理由として、フサイン代表は「大会を呼びかけた一部のパートナーが多くの措置を個人的に進めている」ことで、「民主的諸勢力の協力を通じて現下の危機に対処する」という会合の目的が達成されない状況が生じたと述べた。

**

『クッルナー・シュラカー』(9月15日付)によると、シリア国家建設潮流の使節団がアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談した。

使節団はルワイユ・フサイン代表、アナス・ジャウダ、ハサン・ムハイドゥーシュからなっていた。

会談では、アナン前特使の停戦案に基づく暴力停止、体制転換の方法などが協議されたという。

**

アンマンのリヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相事務所は声明を出し、反体制勢力の政治的、軍事的統合に関して、「この目的実現に資するべく、関係機関と会合を行い活動している」としつつ、前首相が「今も昔もシリア革命に奉仕しようとする一兵卒だと考えている」とし、自身を首班とする新組織を発足・参加する意思がないことをアピールした。

国内の暴力

アレッポ県では、AFP(9月15日付)によると、バーブ市に軍が未明に夜間空爆を行い、少なくとも12人が死亡、60人が負傷した。

現地の医療筋からの話によると、空爆は2機の戦闘機によって行われ、無人の学校や建物が空爆を受けたという。

一方、SANA(9月15日付)によると、軍・治安部隊がアレッポ市のマイダーン地区、サーフール地区、マサーキン・フィルドゥース地区、ダーラ・イッザ市などで反体制武装勢力と交戦し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、SANA(9月15日付)によると、ラスタン市で軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、戦闘員数十人を殺傷した。

またヒムス市内、カルヤ・ヒスン市内、タッルカラフ地方の複数カ所で反体制武装勢力と交戦し、戦闘員多数を殺傷、逮捕、武器弾薬を押収した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(9月15日付)によると、軍・治安部隊がスバイナ町で反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、戦闘員多数を殺害した。

この作戦中、軍・治安部隊は、反体制武装勢力が殺害した市民の遺体17体を発見した、という。

一方、ヤルダー市の野戦病院で軍・治安部隊は盗まれた大量の医薬品を発見、押収した。

さらに、ハジャル・アスワド市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトに突入し、数十人の戦闘員を殺害した。

**

ダルアー県では、SANA(9月15日付)によると、ダルアー市、ラジャート高原などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」を追跡、多数の戦闘員を逮捕、武器弾薬を押収した。

**

イドリブ県では、SANA(9月15日付)によると、軍・治安部隊がヒルバト・ジャウズ村地点からの潜入を試みる反体制武装勢力と交戦、多数の戦闘員を殺傷、拘束した。

**

ハマー県では、SANA(9月15日付)によると、軍・治安部隊がハマー市郊外などで反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、多数の戦闘員を殺傷、その装備を破壊した。

レバノンの動き

ローマ法皇ベネディクト16世は訪問中のレバノンで「若きキリスト教徒とともに、レバノンと中東の未来を…ともに築くことをめざそう」と述べた。

またシリア人キリスト教徒に向けて「私はあなたたちの勇気をどんなに称賛しているかと言いたい…。あなたたちの苦しみと死が悲しい」と述べた。

**

ナハールネット(9月15日付)によると、偽のフランス・パスポートを所持していたシリア人がベイルート国際空港で逮捕された。

AFP, September 15, 2012、Akhbar al-Sharq, September 15, 2012、al-Hayat, September 16, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 15, 2012、al-Kurdiya News,
September 15, 2012、Naharnet.com, September 15, 2012、Reuters, September
15, 2012、SANA, September 15, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県ラウダ地区で数百人がシリア国旗を掲げながら米大使館前で抗議デモ、一方ハサカ市、ラアス・アイン市、ダルバースィーヤ市、アームーダー市、ダイリーク市では数千人のクルド人が反体制デモに参加(2012年9月14日)

アサド政権の動き

各紙によると、ダマスカス県ラウダ地区にある米大使館前で数百人が、イスラーム教を冒涜したと非難されている映画の上映に抗議するデモを行った。

DamasPost, September 15, 2012
DamasPost, September 15, 2012

デモ参加者は、シリア国旗、アサド大統領の写真、そして反体制運動がシンボルとして用いている委任統治時代の旗を掲げて抗議行動を行った。

シリア・アラブ・テレビ(9月14日付)によると、デモは13日もあったという。

なお「アフバール・シャルク」(9月14日付)によると参加したのは約200人。

国内の暴力

ダマスカス県およびダマスカス郊外県では、ロイター通信(9月14日付)によると、軍戦闘機やヘリコプターがダマスカス県東部(タダームン区)、ザマルカー町を空爆した。

住民の一人によると、「自由シリア軍と関係あったすべての建物が完全に破壊された」。

また別の住民によると、「自由シリア軍は昨日からまったく見られない」という。

シリア人権監視団によると、ルクンッディーン区で車が爆発、また地元調整諸委員会によるとカーブーン区で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した、という。

『ハヤート』(9月15日付)によると、ヤルムーク区でパレスチナ人の遺体15体が発見された。

同報道によると、彼らはバービッラー市で軍に処刑されたという。

一方、ダマスカス郊外県では、SANA(9月14日付)によると、軍・治安部隊がサイイダ・ザイナブ町、フジャイラ村で反体制武装勢力の追跡を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダルアー県では、シリア人権ネットワークによると、ブスラー・シャーム市では12人が死亡、反体制活動家はこれを「虐殺」と断じた。

**

アレッポ県では、『ハヤート』(9月15日付)によると、アレッポ市シャッアール地区、マサーキン・ハナーヌー地区が軍・治安部隊の砲撃を受け、サーフール地区、マイサル地区、フィルドゥース地区、マーリア市、バーブ市が軍の空爆を受けた。

AFP(9月14日付)は、軍が高度からの空爆を行っており、自由シリア軍は反撃できない、という。

一方、アレッポ市マイダーン地区では、軍・治安部隊と反体制武装勢力が一進一退の戦闘を続けている、という。

これに対して、SANA(9月14日付)は、アレッポ市マイダーン地区にあるタウリード病院など反体制武装勢力が拠点として使用としていた施設複数を軍・治安部隊が「浄化」したと報じた。

またブスターン・バーシャー地区、ジャービリーヤ地区、ハナーヌー地区、ジャズマーティー地区などで、軍・治安部隊と反体制武装勢力と交戦し、戦闘員数十人を殺害した、という。

**

ヒムス県では、『ハヤート』(9月15日付)によると、ラスタン市、クサイル市が軍・治安部隊の砲撃を受け、多数が負傷した。

一方、SANA(9月14日付)によると、タルビーサ市とラスタン市で軍・治安部隊が特殊作戦を断行し、反体制武装勢力の戦闘員多数を殺傷した。

またヒムス国民和解委員会が、ラスタン市、アイン・ナスル市、タルビーサ市、マシュラファ村、サアン村で女性2人を含む市民19人の釈放に成功した。

**

ラタキア県では、シリア革命総合委員会によると、マルジュ・ザーウィヤ村で軍・治安部隊が「樽爆弾」を使用し、少なくとも6人が死亡した。

**

ハマー県では、SANA(9月14日付)によると、ハマー市内で軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトに突入し、戦闘員多数を逮捕、武器弾薬を押収した。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、AFP(9月14日付)に、委員会の代表がアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談し、シリアの危機への視点や解決に向けた方策について協議したと語った。

会談は「重要で、有益で、実り多かった」という。

Kull-na Shuraka', September 15, 2012
Kull-na Shuraka’, September 15, 2012

**

中国外交部報道官は、9月16日から20日に民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表が北京を訪問すると発表した。

**

イラクのヌーリー・マーリキー首相はシリア国民評議会在米加渉外局長のマフムード・ダッハーム・ムスラト局長を団長とするシリアの反体制勢力使節団とバグダードで会談したと発表した。

首相広報局の声明によると、会談でマーリキー首相は、「過渡期におけるイラクの経験を活用」するよう呼びかけるとともに、イラク政府がシリアの統合維持と内戦突入阻止を支持するとの立場を伝えた。

**

自由民主シリアのための「共に」運動は声明を出し、「運動内の大多数の意思を反映」し、民主的変革諸勢力国民調整委員会からの脱会を決定したと発表した。

**

『ハヤート』(9月15日付)によると、ハサカ県では、カーミシュリー市、アームーダー市、カフターニーヤ市で反体制デモが行われた。

またアレッポ県アレッポ市各地区、アイン・アラブ市などでも反体制デモが行われた。

**

反体制活動家はフェイスブックなどで、ダマスカス郊外県ドゥーマー市などでの反体制デモの画像を配信した。

クルド民族主義勢力の動き

ハサカ県では、『クッルナー・シュラカー』(9月15日付)によると、ハサカ市、ラアス・アイン市、ダルバースィーヤ市、アームーダー市、ダイリーク市で、金曜礼拝後に数千人のクルド人が反体制デモを行った。

Kull-na Shuraka', September 14, 2012
Kull-na Shuraka’, September 14, 2012

また同日夕方、トルコ西部イズミル県沖のエーゲ海での小型漁船沈没の犠牲者の遺体が到着すると、ハサカ市、ラアス・アイン市、ダルバースィーヤ市、アームーダー市で再び追悼デモが発生した。

レバノンの動き

軍は声明を出し、シリア人質8人と武器弾薬を積んだ軽トラックを差し押さえた、と発表した。

諸外国の動き

ローマ法皇ベネディクト16世はレバノンに向かう特別機のなかで記者団に対して、「数千人の命を奪う武装紛争」を停止させるため、シリアへの武器供与を停止するよう呼びかけた。

AFP(9月14日付)が報じた。

**

ハマースのイスマーイール・ハニーヤ首相は、ガザのウマリー・モスクの演説で、ダマスカス県ヤルムーク区でのパレスチナ人殺害に触れ、「こうした方法でパレスチナ人の血を侮辱することに沈黙はできない」と批判した。

**

エジプトのムスリム同胞団のムハンマド・バディーウ最高導師は、「国際的な談合」がシリアに対して行われ、「すべての者が勇敢なるシリア国民の勝利を恐れている」と述べ、シリアの反体制運動への支援をアラブ諸国の政府と国民に呼びかけた。

**

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、訪問先のウクライナで「アサド体制は必然的終焉に近づいている」との挑発的発言を行った。

AFP, September 14, 2012、Akhbar al-Sharq, September 14, 2012、ʻAks al-Sayr, September 14, 2012、al-Hayat, September 15, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 14, 2012, September 15, 2012、al-Kurdiya News, September 14, 2012、Naharnet.com, September 14, 2012、Reuters, September 14, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ブラーヒーミー共同特別代表がシリアを訪問しムアッリム外相と会談する一方、仏国防相がシリアの反体制勢力に武器供与する意思がないことを明言(2012年9月13日)

国内の暴力

アレッポ県では、『ハヤート』(9月14日付)によると、アレッポ市マイダーン地区で軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

同地域は双方が制圧したと主張している。

SANA, September 13, 2012
SANA, September 13, 2012

またバーブ街道地区に軍のヘリコプターが空爆を行い、11人が死亡した、という。

さらに『クッルナー・シュラカー』(9月13日付)は、アレッポ市のバーブ・ハディード地区に対する軍の空爆でアフマド・バドルッディーン・ハッスーン共和国ムフティーの父ムハンマド・アディーブ・ハッスーン師の墓が破壊されたと報じた。

このほか、ブスターン・カスル地区、カッラーサ地区、サイフ・ダウラ地区、フィルドゥース地区などでも戦闘があった。

一方、SANA(9月13日付)によると、アレッポ市ブスターン・カスル地区、スワイカ地区、カフルハムラ街道、ハーン・アサル村などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、逮捕、武器弾薬を押収した。

**

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(9月14日付)が、地元の活動家の証言として、サイイダ・ザイナブ地区で「シーア派民兵」と反体制武装勢力が激しく交戦したと報じた。

シリア人権監視団によると、この戦闘において、3人が砲撃で死亡、16人が負傷した、という。

この「シーア派民兵」は市民の間では「人民諸委員会」と呼ばれており、各地域の設置されており、反体制武装勢力に対峙している、という。

またハラスター市では、シリア情報センターなどによると、アフマド・トゥルク元人民議会議員が殺害された。

同センターは軍の犯行と断じている。

一方、SANA(9月13日付)は、軍・治安部隊がヤルダー市の「浄化」を完了したとしたうえで、その写真を公開した。

**

ダマスカス県では、地元調整諸委員会によると、カーブーン区で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

**

ヒムス県では、SANA(9月13日付)によると、タッルカラフ市、クサイル市、ラスタン市および各市郊外で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

またヒムス市のバーブ・フード地区では反体制武装勢力の追撃が行われた。

**

ダルアー県では、SANA(9月13日付)によると、軍・治安部隊がカーシフ地方、インヒル市などで反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ハサカ県では、SANA(9月13日付)によると、治安当局がハサカ市で反体制武装勢力のアジトに突入し、16人を逮捕した。

シリア政府の動き

外務在外居住者省は声明を出し、アレッポ市マルアブ・バラディー地区での9月9日の反体制武装勢力による爆弾攻撃を受けて、ロシアが国連安保に対して提出した非難決議案が採択を阻止されたとして、非難の意を示した。

**

ワーイル・ナーディル・ハルキー首相は、『イクティサーディー』(9月13日付)に対して、フアード・シュクリー・クルディー工業大臣とラドワーン・ハビーブ法務大臣を組閣時に交代した理由に関して、前者が「過度に中立的」で、後者が省内の腐敗やスタッフの無能を前に「絶望的」になっていたためだと述べた。

反体制勢力の動き

『クッルナー・シュラカー』(9月13日付)は、特派員がダマスカス県ジャウバル区で監視していたロシア軍の狙撃兵が毎日数十人の市民を射殺していた、と報じた。

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(9月14日付)は、シリア国民評議会メンバーでクルド人のイブラーヒーム・ズールーが脱会を発表したと報じた。

ズールーはカーミシュリー市で活動するシリア革命アーヴァーヒー連立の代表で、シリア国民評議会事務局メンバーでもあった。

脱会の理由として、ズールーは、クルド人の実情へのシリア国民評議会の無責任をあげている。

ブラーヒーミー共同特別代表の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が、シリアを訪問し、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣と会談し、シリア情勢について協議した。

SANA, September 13, 2012
SANA, September 13, 2012

SANA(9月13日付)によると、会談は終始和やかで建設的で、ムアッリム外務在外居住者大臣はブラーヒーミー共同特別代表に対して困難なミッションの成功を期待しているとの意思を伝えた。

会談には、ファイサル・ミクダード副大臣、アフマド・アルヌース次官、リヤード・ダーウーディー法務顧問らが同席した。

ブラーヒーミー共同代表は、会談前、ダマスカス国際空港で、「流血停止と国民の調和回復が必要だという点で意見を異にする者はいないと思う。我々はこのことで合意に達したい」と述べた。

レバノンの動き

米財務省は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長、ムスタファー・バドルッディーン、タラール・ハーミヤをアサド政権への支持を理由に制裁リストに加えた。

**

8月半ばに誘拐されていたトルコ人のアブデルバセト・オルソラン氏が、イマーム・リダー団を名のる集団から治安当局に引き渡され、無事解放された。

**

レバノン国軍は、ジャーン・カフワジー司令官の命令のもと、ベイルート郊外で作戦を実施、ミクダード家連盟のマーヒル・ミクダード代表を逮捕した、と発表した。

諸外国の動き

ロシア外務省報道官は、イラン、エジプト、サウジアラビア、トルコ四カ国によるシリア問題連絡グループに関して、ロシアが強い関心をよせていると述べるとともに、「シリアの軍事対立を政治プロセスへの移行しようとする国連の努力に具体的に寄与するだろう」と期待感を示した。

**

ヨルダンのアブドゥッラー国王は、フランスのジャン・イヴ・ルドリアン国防大臣とアンマンで会談した。

会談後の声明で、国王はシリア問題の政治的解決の必要を改めて強調した。

**

フランスのジャン・イヴ・ルドリアン国防大臣は、ベイルートで記者会見を開き、「我々には、教も明日も、シリアの反体制勢力に武器供与する意思はない」と述べた。

また「シリア領空全土、ないしは一部に飛行禁止空域を設定することは、多大な手段を動員することを意味し、それは戦争状態に入るようなものだ」と付言した。

**

エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領は、ブリュッセルのEU本部を訪問、シリア情勢に関して「大統領が国民を殺すことは受け入れられない」、「アサド政権が去れねばならない」と述べ、シリアの体制転換を支持する姿勢を改めて示した。

**

ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーUNICEF親善大使がトルコを訪問、シリア人避難民キャンプを慰問した。

しかしシリア国内の避難民は慰問していない。

AFP, September 13, 2012、Akhbar al-Sharq, September 13, 2012, September 14, 2012、al-Hayat, September 14, 2012、al-Iqtisadi, September 13, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 13, 2012、al-Kurdiya News,
September 13, 2012, September 14, 2012、Naharnet.com, September 13, 2012、Reuters,
September 13, 2012、SANA, September 13, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アンマンでヒジャーブ前首相をトップに据える反体制勢力統合に向けた新たな動きが活発化、ブラーヒーミー共同特別代表がアラブ連盟事務総長およびカタール首相兼外相と会談(2012年9月12日)

国内の暴力

ハマー県では、『ハヤート』(9月13日付)によると、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表のシリア訪問と時を一にするかのように、ハルファーヤー市郊外で子供2人を含む13人の惨殺遺体が発見された。

地元調整諸委員会、シリア革命総合委員会はこの遺体発見を「虐殺」、「戦場処刑」と断じた。

**

同じくハマー県では、『ハヤート』(9月13日付)によると、ラターミナ町で軍・治安部隊による砲撃によって子供2人が死亡、市民数十人が負傷した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市で軍の複合施設を標的とした爆弾テロが発生し、兵士18人が死亡、数十人が負傷した。

この爆弾攻撃に続いて、反体制武装集団が同施設を攻撃し、市内では複数の検問所が破壊された、という。

検問所の攻撃には、ロケット砲が使用されたという。

一方、SANA(9月12日付)によると、アリーハー市・サラーキブ市を結ぶ街道にある軍・治安部隊の検問所を反体制武装勢力が自爆攻撃し、多数の軍・治安部隊兵士、民間人が犠牲となった。

また軍・治安部隊はサラーキブ市で放送局を攻撃しようとした反体制武装勢力と交戦し、撃退した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アルメニア教徒が乗っていた車が未明にアレッポ国際空港に向かう途中に襲撃され、3人が死亡した。

死者数は4人との情報もあり、また13人が負傷した。

アルメニア教徒は国内の暴力を避けて、シリア国外に避難しようと空港に向かっていたという。

『ハヤート』(9月13日付)によると、すでに数千人のアルメニア教徒が暴力激化を避けて、シリアを去り、アルメニアなどに避難しているという。

シリアのアルメニア教徒は、第一次大戦後のトルコからのアルメニア教徒やクルド人のシリアへの避難を受け入れたシリアへの「返礼」として、(もともとシリア国内にいたアルメニア教徒も含め)経済活動に専念し、政治参加を控える傾向にある、と言われており、このことがアサド政権支持としばしばみなされることもある。

**

同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ空港近くで軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

またアレッポ市ナイラブ地区で反体制武装勢力が拠点としていた工場などが軍の空爆を受けた。

このほか、ブスターン・バーシャー地区、フィルドゥース地区、カーディー・アスカル地区、マサーキン・ハナーヌー地区、サーフール地区でも砲撃・交戦があったという。

アレッポ市での戦闘で反体制武装勢力戦闘員3人、市民3人が死亡したという。

一方、SANA(9月12日付)によると、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、マイダーン地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」の追跡を継続し、戦闘員に甚大な打撃を与えた。

また軍・治安部隊はアターリブ市、アフタリーン市、タッル・ジャビーン村などでも反体制武装勢力と交戦した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区で軍・治安部隊の検問所から発砲があり、少女1人が死亡、複数が負傷した。

また同地区のほか、カダム区、ヤルムーク区で砲撃・交戦があり、3人が死亡した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市が砲撃に加えられる一方、ブーカマール市が空爆を受け、複数が死傷した。

**

ヒムス県では、SANA(9月12日付)によると、ラスタン市、タルビーサ市で軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、甚大な打撃を与えた。

またクサイル市郊外でも軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(9月12日付)によると、軍・治安部隊がヤルダー市、フジャイラ村、ハジャル・アスワド市などで反体制武装勢力の「残党」の追撃を継続した。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(9月13日付)は、ヨルダンのアンマンで政権を離反した高官や離反兵のイニシアチブのもと、反体制勢力統合に向けた新たな動きが活発化していると報じた。

自由シリア軍南部地方野戦司令官だというヤースィル・アッブードによると、この動きを進めるための会合は現在も行われており、アサド政権を離反した政治家、軍人、そしてシリア国民評議会のメンバーも個人資格で参加している。

また「リヤード・ファリード・ヒジャーブ首相が新たなシリアの政治指導部を率い、離反したムハンマド・ハーッジ・アリー少将が自由シリア軍事野戦司令部などの軍事・革命評議会を指揮する。これらの司令部、評議会は政治指導部の指導を受け、シリア国民軍という名がつけられる」という。

また「我々は次の段階の全体的な計画に関して合意し、詳細を検討している…。現下の関心は早期に体制を打倒することで、シリアの今後の段階についてはいずれ決定するだろう」と付言した。

**

シリア国民評議会メンバーで革命指導最高評議会なる組織の前議長を名のるムハンマド・イナードは『ハヤート』(9月13日付)に対して、アンマンでの離反兵・高官の会合を「暫定的な国民評議会の再編をめざすもの」としたうえで「変革を疎外してきた個人、指導者」は参加を認められないと述べた。

**

一方、シリア国民評議会のアブドゥッサラーム・ビータールは、『ハヤート』(9月13日付)に対して、アンマンでの離反兵・高官の会合が「外国によって運営されている」と非難し、ヒジャーブ首相を首班とする暫定政府発足をめざす動きが「真っ赤な嘘」だと断じた。

**

『クッルナー・シュラカー』(9月12日付)は、8月23日にダマスカス国際空港で逮捕されたドキュメンタリー映画監督のウルーワ・ニールビーヤ氏が釈放されたと報じた。

レバノンの動き

レバノンの軍事裁判所検事は、北部県トリポリ市でシリアの反体制活動家らの誘拐を支援したとされる8人を起訴した。

起訴された8人のうち1人はシリア人士官。

**

ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーUNICEF親善大使がヨルダンに続いてレバノンにあるシリア人避難民キャンプを慰問した。

**

サウジアラビアで暮らすサアド・ハリーリー前首相は、『ル・モンド』(9月12日付)で、ヒズブッラーがシリアに自らの戦闘員を派遣し、反体制運動弾圧に参加している、と述べた。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長、シリア問題閣僚委員会議長のハマド・ブン・ジャースィム・カタール首相兼外務大臣と会談し、シリア情勢について協議した。

al-Hayat, September 13, 2012
al-Hayat, September 13, 2012

**

イラクのカイス・アッザーウィー・アラブ連盟代表は、連盟本部で、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の任務に期限を設定すべきだとの湾岸諸国などの主張を拒否する姿勢を明示した。

**

「アフバール・シャルク」(9月12日付)は、トルコのハタイ県の当局が、シリアにほぼ自由に密入国していたシリア人避難民の活動の監視を強化している、と報じた。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、カザフスタンの首都アスタナで開催中のアジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)で「シリア情勢はもっとも注目されている国際問題の一つとなった。この問題を軽率にフォローアップしたり、当事者を一方的に支援し、それ以外の当事者を犠牲にするような介入は受け入れられない」と述べた。

**

ロシア議会上院(連邦会議)のイリヤス・ウマハノフ副議長は国内の反体制勢力が野党とともに開催を目指しているシリア国民救済大会に関して、「この会談が開催されれば、正常化に関心がなく、国民対話の開始を妨害する者たちの足下を揺るがすことになるだろう」と述べた。

UPI(9月12日付)が報じた。

**

ヴェネズエラのウーゴ・チャベス大統領は、記者会見で、イランに対してシリア情勢に関する四カ国連絡グループ会合への参加を申し出るとの意思を示した。

**

ヨルダンのアブドゥッラー国王はAFP(9月12日付)に対して、シリアのムハーバラートの「細胞」が避難民とともにヨルダン国内に入り、避難民に関する情報、ないしはヨルダンの治安や安全を標的とするための情報を収集している、と述べた。

**

EUのクリスティナ・ゲオルギエヴァ国際協力・人道援助・危機対応担当委員は、ニューヨークで記者団に対して、「これ(シリア情勢)は非対称戦争で、当事者双方に国際法違反が広く見られ、それはエスカレートしている…。こうしたことがなされてはならず、もししてしまえば、必ず結果(処罰)が与えられるだろう」と述べた。

**

『ヒュッリイェト』(9月12日付)は、米ジャーマン・マーシャル基金が各国で行った世論調査の結果を報じた。

それによると、トルコでは57%の回答者が、シリアへの軍事介入へのトルコの参加に反対した、という。また米国では55%、欧州で59%がシリアへの軍事介入に反対した。

**

イドリブ県サルマダー市に不法入国したクウェート国会議員だというワリード・タブタバーイーは、『ラアユ』(9月12日付)日して、自由シリア軍が最近対空兵器を入手したと述べた(未確認情報)。

AFP, September 12, 2012、Akhbar al-Sharq, September 12, 2012、al-Hayat, September 13, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 12, 2012、al-Kurdiya News,
September 12, 2012、Naharnet.com, September 12, 2012、al-Ra’y, September 12, 2012、Reuters, September 12, 2012、SANA, September 12, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市各地区で激しい交戦が続くなか同地で反体制武装闘争を行っている戦闘員が「アレッポ県革命軍事評議会」の結成を発表、シリア国民評議会は歓迎(2012年9月11日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のシャッアール地区、ハナーヌー地区、マイサル地区、サーフール地区で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

またバーブ市、ダーラト・イッザ市、カフルハムラ村、ハフサ町、カフル・ハラブ村が砲撃に曝された。

一方、SANA(9月11日付)によると、アレッポ市のブスターン・バーシャー地区、ブスターン・カスル地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力掃討のための特殊作戦を行い、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルトゥーズ町で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

またヒジャーリーヤ市とドゥーマー市での砲撃により2人が死亡した。

一方、SANA(9月11日付)によると、ヤルダー市で軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷し、甚大な損害を与えた。

またジャルマーナー市では、反体制武装勢力のアジトに突入し、複数の戦闘員を逮捕した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

また『クッルナー・シュラカー』(9月11日付)によると、アリー・ムハンマド・アッブード医療センター所長がバルザ区で武装した2人組に撃たれ、死亡した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、スィンジャール町に対する軍の空爆で1人が死亡した。

またザーウィヤ山、サルジャ村などが砲撃に曝された。

**

ヒムス県では、SANA(9月11日付)によると、軍・治安部隊がカルアト・ヒスン市で反体制武装勢力を攻撃し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷した。

またダール・カビーラ村、ヒムス市バーブ・フード地区、トゥルクマーン地区などで反体制武装勢力の武器弾薬が押収された。

さらにタッルカラフ地方では、レバノン領からの潜入を試みた戦闘員を国境警備隊が撃退した。

一方、DamasPost(9月11日付)によると、ヒムス市でアサド政権が主導する国民和解委員会のサーリフ・ヌアイミー委員長が、ズー・ヌーライン大隊を名のる反体制武装集団に拉致された。

**

ラッカ県では、SANA(9月11日付)によると、対トルコ国境のタッル・アブヤドで反体制武装勢力戦闘員2人が逮捕された。

シリア政府の動き

ワーイル・ナーディル・ハルキー内閣が閣議を開き、10日のアレッポ市マルアブ・バラディー地区での爆破テロを強く非難した。

SANA(9月11日付)が報じた。

**

SANA(9月11日付)は、イドリブ県とヒムス県での「最近の事件」に関連して逮捕された逮捕者のうち、殺人を犯していない44人を釈放したと報じた。

**

アサド大統領が47歳の誕生日(1965年9月11日生まれ)を迎えた。

反体制勢力の動き

アレッポ県で反体制武装闘争を行っている戦闘員がユーチューブ(9月11日付)で声明を出し、「アレッポ県革命軍事評議会」を結成し、同県の反体制武装組織を統合したと宣言した。

Youtube, September 11, 2012
Youtube, September 11, 2012

声明はアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐(自由シリア軍アレッポ軍事評議会)が読み上げた。

参加組織は、タウヒード、ファトフ、シャフバーの鷹、ムウタスィム・ビッラー、シリア自由人、征服者ムハンマド、シャームの鷹、アレッポ・シャフバー、アレッポ革命、使徒末裔諸大隊連合、ウンマの甲冑、ハックを名のる武装集団(のみ)。

声明によると、評議会はアカイディー大佐と、2人の民間人出身の戦闘員アブドゥルカーディル・サーリフ、ラドワーン・カルナディルが議長を務める。

https://www.youtube.com/watch?v=Czf08R12Ye0&feature=player_embedded

**

反体制勢力の糾合に事実上失敗したシリア国民評議会は、アレッポ県革命軍事評議会の発足に関して「大いなる安堵」の意を表明した。

**

シリア社会主義者運動アブドゥルガニー・アイヤーシュ派は、民主的変革諸勢力国民調整委員会からの脱会を発表し、反体制組織・活動家に対して統一的・国民的な評議会への参加を呼びかけた。

声明の日付は2012年8月1日となっている。

**

シリア民間行政諸委員会は、反体制武装勢力が解放した都市・農村において自治を進めると発表した。

http://www.cac-sy.com/

**

シリア国民評議会は声明を出し、アレッポ市での「革命勢力」による軍兵士の処刑を「正当化できない犯罪」と非難した。

**

『クッルナー・シュラカー』(9月11日付)はピエール・ムルジャーナ人民議会議員夫妻がフランスに逃亡した、と報じた。

しかしピエール・ムルジャーナという人民議会議員はいない(ブトルス・ユースフ・ムルジャーナという名の議員はいる)。

**

『ハヤート』(9月15日付)はシリア国民評議会のジョルジュ・サブラー報道官が、フェイスブックでキリスト教徒に離反を呼びかけたと報じた。

シリア民主人民党の重鎮でマルクス主義者のサブラー報道官がキリスト教徒だけに対して政治的なメッセージを発信するのは異例。

レバノンの動き

LBCI(9月11日付)は、ベイルート南部郊外サッルーム地区でミクダード家連盟が拉致していたシリア人4人とトルコ人1人をレバノン国軍が解放した、と報じた。

また解放作成の際、トルコ人が負傷したと報じたが、トルコ大使館はこれを否定した。

同報道によると、解放作戦はハーラト・フライク地区でも行われ、またマーヒル・ミクダード代表によると、グバイリー地区、ルワイス地区でも軍による突入があった、という。

諸外国の動き

ロイター通信(9月11日付)は、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣が声明で、「アサド大統領はシリア国民が選挙で他の指導者を選べば退任する用意があると約束した」と述べたと報じた。

**

ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は『ル・フィガロ』(9月11日付)に対して、ロシアが西側諸国に対して、シリアの「ソマリア化」を回避するため、レバノン内戦終結をもたらしたサウジアラビアのターイフでの会議のように、すべての紛争当事者を一堂に会した国民和解会議を開催することを提案したことを明らかにした。

またボグダノフ外務副大臣は、シリア政府が依然として強固で多数の国民の支持を得ているとの見方を示した。

**

ヨルダンのアブドゥッラー国王はウィリアム・バーンズ米国務副長官と会談し、シリア情勢について協議した。

アブドゥッラー国王は会談で、「平和的解決策案出への支持」を改めて表明した。

**

トルコの首相顧問イブラヒム・カルン氏は、ロイター通信(9月11日付)に対して、アサド大統領が支配を失いつつあるなかで、国内の紛争をスンナ派とシーア派の闘争だと考えるようになっているとの暴論を展開、宗派主義的感情を煽った。

**

エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領、ムハンマド・アムル外務大臣は英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣とカイロで会談した。

会談後の記者会見で、エジプト・英国がシリアの反体制勢力を支援することで合意したと発表した。

**

カタールにあるアラブ政治研究調査センターはパレスチナとレバノンでシリア情勢などに関する世論調査を実施し、その結果を発表した。

それによると、パレスチナ人のうちアサド大統領の退任を支持するのは81%、体制転換による問題解決を理想的とするのが75%に及んだ。「革命」に反対したのは1.1%だけだった。

一方、レバノンでは、キリスト教徒の44%がアサド大統領の退任を支持、46%が反対した。またレバノン人全体の40%しかシリアの体制転換を支持しない一方、「革命」の根絶を望むのも24%しかいなかった。

**

UNHCRは周辺諸国に避難したシリア人避難民の数が25万人以上に達していると発表した。

UNHCR報道官によると避難民の数は25万3106人で、うち8万5197人がヨルダンに避難している、という。

**

WHO使節団がヒムス市を訪問、視察した。

**

ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーUNICEF親善大使がヨルダンにあるシリア人避難民キャンプを慰問した。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアの反体制勢力への支援に関して、「武器供与に関して、我々は明確にこう述べねばならない。(反体制勢力は)対空兵器の供与を求めたが、我々は、武器に関する(欧州)禁輸策を尊重すると言った、と」と述べた。

また離反兵脱出の支援に関しては、「詳細については言えないが…多くの離反兵を…支援した」と答えた。

AFP, September 11, 2012、Akhbar al-Sharq, September 11, 2012, September 12, 2012、DamasPost, September 11, 2012、al-Hayat, September 12, 2012, September 15, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 11,
2012、al-Kurdiya News, September 11, 2012、LBCI, September 11, 2012、Naharnet.com,
September 11, 2012、Reuters, September 11, 2012、SANA, September 11, 2012、Youtube,
September 11, 2012などをもとに作成。

写真はYoutube, September 11, 2012。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市で軍兵士20人が反体制武装集団によって処刑されるなか、離反したトゥラース准将がヨルダンを秘密裏に訪問しヒジャーブ前首相と会談したと報じられる(2012年9月10日)

国内の暴力

『ハヤート』(9月11日付)は、複数の活動家の話として、自由シリア軍のアンサール・イスラーム連合なる組織が、ダマスカス郊外県アドラー市の防空大隊とダイル・ザウル県ブーカマール市の軍事情報局施設に対して「特殊作戦」を行い、数十人の兵士を殺傷した、と報じた。

**

『ハヤート』(9月11日付)は、複数の活動家の話として、アレッポ県アレッポ市で、軍の複合施設2カ所で連続して爆弾が爆発し、数十人の兵士が死亡した、と報じた。

同報道によると、標的となったのは、軍の仮設兵舎と軍警察本部。

これに対して、SANA(9月10日付)は、国立競技場(マルアブ・バラディー)国立競技場)地区の病院と学校の近くで爆発があり、17人が死亡、40人が負傷した、と報じた。

住民によると、爆破された学校と競技場はいずれも軍の待避所として使用されていた、という。

自由シリア軍に属する大隊がその後声明を出し、マルアブ・バラディー地区を攻撃し、200人以上を殺傷したと発表した。

同声明によると、爆弾は軍内の協力者が爆弾2発を仕掛けた、という。

シリア人権監視団は、この爆発での死者が27人に上り、その多くが軍人だったと発表した。

**

シリア人権監視団は声明を出し、アレッポ市で軍兵士20人が反体制武装集団によって処刑されたと発表した。

同声明によると、処刑された兵士20人は先週、ハナーヌー地区に突入し、捕捉され、処刑は7、8日に行われたものと思われる。

**

アレッポ県では、『ハヤート』(9月11日付)によると、軍・治安部隊がアレッポ指導部のアレッポ市の住宅地に対して空爆を加えた。

シリア人権監視団によると、アレッポ市のマルジャ地区、サーフール地区、ハナーヌー地区、バーブ街道地区、シャイフ・ヒドル地区などに軍・治安部隊が砲撃を加え、少なくとも5人が死亡した。

またブスターン・カスル地区、ファイイド地区、ザフラー地区、ジャミーリーヤ地区で爆発があり、サイフ・ダウラ地区、サラーフッディーン地区、シャッアール地区、カッラーサ地区、イザーア地区、ハイダリーヤ地区に、軍・治安部隊が砲撃を加えた、という。

『クッルナー・シュラカー』(9月10日付)は、複数の活動家の話として、軍・治安部隊がMiG23戦闘機でアレッポ市内の国産たばこ(ハムラー地区)の製造工場を誤爆・破壊した、と報じた。

一方、映画監督のターミル・アワーム氏が、アレッポ市で撮影中に銃で撃たれて死亡した。

シリア国民評議会は、アワーム氏が軍・治安部隊の発砲で死亡したと発表した。

これに対して、SANA(9月10日付)によると、アレッポ市のアルクーブ地区、サーフール地区、ブスターン・バーシャー地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員数十人を殺傷した。

**

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(9月11日付)によると、サイイド・ザイナブ市での砲撃により、民間人5人が死亡した。

一方、SANA(9月10日付)によると、ザマルカー町、ヤルダー市、バービッラー市、アイン・タルマー村、バイト・サフム市、アクラバー村、フタイタト・トゥルクマーン市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトに突入し、大量の武器弾薬を押収した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月10日付)によると、タダームン区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトに突入し、大量の武器弾薬を押収した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヌアイマ村などで軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、戦闘員1人、市民(子供)1人が死亡した。

一方、SANA(9月10日付)によると、軍・治安部隊がヤードゥーダ村にある反体制武装勢力のアジトを襲撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

またラジャート高原などで反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市に対して軍・治安部隊が砲撃を続けた。

**

ハマー県では、SANA(9月10日付)によると、サラミーヤ市西部で、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトに突入し、大量の武器弾薬を押収した。

**

ヒムス県では、SANA(9月10日付)によると、軍・治安部隊がヒムス市で反体制武装勢力を要撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

シリア政府の動き

『クッルナー・シュラカー』(9月10日付)は、財務省がリヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相、フィラース・トゥラース、および両名の家族の動産・不動産などの資産凍結を決定した。

この措置は2012年8月28日、両名が国家反逆罪などで起訴したことを受けた措置だという。

反体制勢力の動き

シリア国民救済大会の開催を準備している国内の反体制活動家(大会準備委員会のラジャー・ナースィル委員長)は声明を出し、9月23日に予定されていた同大会を9月23日に延期すると発表した。

**

AKI(9月10日付)によると、アッシリア人権ネットワークは、アサド政権が宗派主義的内紛を助長するため、キリスト教徒の兵士を各地での軍事作戦に投入していると発表し、宗派主義感情を煽った。

**

シリア・ムスリム同胞団のリヤード・シャカファ最高監督者はトルコのイスタンブールで、アミーン・ジュマイイル元レバノン大統領、シーア派のハーニー・ファフス師ら、3月14日勢力の指導者と会談し、シリア情勢について協議した。

**

反体制のウラマーらがカタールの首都ドーハでシャーム・ウラマー連盟の結成を発表し、反体制運動への支援の意思を示した。

連盟はカリーム・ラージフ師が代表を、ウサーマ・リファーイー師を副代表とする。

連盟は、シリア・ムスリム同胞団との関係を否定している。

**

マナーフ・トゥラース准将がBBC(9月10日付)のインタビューに応じ、フランスの諜報機関の支援によって国外逃亡に成功したことを明かした。

**

『クッルナー・シュラカー』(9月10日付)は、7月18日のダマスカス県での爆破テロで重傷を負い、搬送先のモスクワで死亡したと噂されるハーフィズ・マフルーフ准将の遺体を父親でビジネスマンのムハンマド・マフルーフが7月下旬に引き取りに来ていた、と報じた(未確認情報)。

**

トルコで避難生活を送る自由シリア軍最高軍事評議会議長のムスタファー・シャイフ准将はサウジアラビアの『ワタン』(9月10日付)に対して、「シリアは現状を利用され、新たなアフガニスタンになることを許さない」と述べ、「自由シリア軍はシリア国内で武器を持つすべての外国人に対処するだろう」と述べ、外国人戦闘員排除に動く意思を示した。

クルド民族主義勢力の動き

シリア・クルド進歩民主党のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ書記長は、クルディーヤ・ニュース(9月10日付)に対して、シリア・クルド国民評議会内の「西側の手」がクルド最高委員会への協力を妨げている、と述べた。

シリア・クルド進歩民主党はシリア・クルド国民評議会参加政党。

al-Kurdīya News, September 10, 2012
al-Kurdiya News, September 10, 2012

レバノンでの動き

「アフバール・シャルク」(9月10日付)によると、レバノン軍の北部県トリポリ市の軍事情報局は、シリア人活動家を拉致しようとしたレバノン人記者2人を逮捕したと発表した。

逮捕されたのは『ディヤール』紙の記者。

諸外国の動き

フランスの複数の消息筋が『ハヤート』(9月11日付)に明らかにしたところによると、ロシアのミハイル・ボクダノフ外務副大臣が9、10日にフランス高官と会談し、シリア作業グループのジュネーブでの合意を「活性化」するために協議した。

またボグダノフ外務副大臣は、アブドゥルバースィト・スィーダー事務局長らシリア国民評議会の使節団、アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領と個別に会談した。「アフバール・シャルク」(9月10日付)が報じた。

ボグダノフ外務副大臣が会談したのは、シリア国民評議会のスィーダー事務局長、ジョルジュ・サブラー報道官、リヤード・サイフ。

シリア国民評議会が会談後に発表した声明によると、現下の危機からいかに脱却するかをめぐる意見の対立は平行線をたどった、という。

一方、AKI(9月10日付)によると、ハッダーム前副大統領との会談は9日に行われたが、ロシアが政権との対話に固執し、物別れに終わったという。

さらに、シリア民主フォーラムは9月13日に声明を出し、ミシェル・キールー、サミール・イータ、ムハンマド・マフルーフがロシアの副大臣と会談したと発表した。

会談では、ロシアに対して、自由シリア軍の統合と、アサド政権による暴力を停止させるため軍の離反を呼びかけるよう求めた、という。

**

『ハヤート』(9月11日付)は、ヨルダンの複数の公式筋の話として、マナーフ・トゥラース准将がヨルダンを秘密裏に訪問、リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相と会談したと報じた。

トゥラース准将はまた、アブドゥッラー国王とも会談した模様で、ヨルダン政府は会談を否定も肯定もしていない。

トゥラース准将はさらに、対シリア国境のマフラク市にある離反兵のキャンプを訪問、数百人の士官と会談し、現地情勢などについて意見を交換したという。

トゥラース准将の訪問(9~10日)は、反体制勢力統合が目的と見られ、ヨルダン政府が非公式に後押ししていると思われる。

サミーフ・マアーイタ内閣報道官は記者声明で「アンマンでのシリア反体制勢力の会合は非公式のものであり、王国は政治的に関与していない」と述べた。

**

イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、シリア情勢への対応を協議するため、9月17日にカイロで開催されるエジプト、サウジ、トルコ、イランの四カ国連絡グループ高官会合に出席するため、カイロに向かった。

イラン国営放送が報じた。

イラク政府報道官によると、イランは四カ国が主導する連絡グループの拡大、とりわけイラクの参加を望んでいる、という。

**

ヨルダン大学戦略研究センターは、ヨルダン国内でシリア情勢に関する世論調査を行い、その結果を発表した。

それによると、シリアでの政治変動をアサド政権に対する革命と捉えているのは45%、外国の陰謀と捉えているのが41%とほぼ拮抗した。

また回答者の57%が、シリアの反体制勢力が諸外国と結びついていると考えており、ほぼすべての回答者が外国の軍事干渉に反対した。

さらに67%がシリア人避難民の受け入れ継続への拒否の意思を示し、80%がシリア人避難民をキャンプに隔離すべきだと考えていることが明らかになった。

このほか、74%がシリア人避難民がヨルダンの治安と安定を脅かすと考えており、88%がヨルダンの経済と福祉に圧力をかけていると考えていることがわかった。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、カイロでアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長、ムハンマド・ムルスィー大統領らと会談した。

会談後、ブラーヒーミー共同特別代表は、自身のミッションに関して「非常に困難だと思う」としたうえで、「シリア国民を支援するため最善を尽くす」との意思を示した。

また近日中にダマスカスを訪問することを改めて明らかにした。

**

国連人権理事会の定例会合が開会され、ナバネセム・ピレイ人権高等弁務官が演説、シリアの紛争の「両当事者」による人権侵害を非難、安保理によるシリアの国際刑事裁判所への提訴を改めて求めた。

また潘基文事務総長も演説し、シリア政府による民間人への空爆と暴力激化による「宗派間の緊張増大」に懸念を表明した。

**

オランダ外務省は、シリアの友連絡グループ会合を来週開催し、アサド政権への制裁強化を審議すると発表した。

AFP, September 10, 2012、Akhbar al-Sharq, September 10, 2012、AKI, September 10, 2012、BBC, September 10, 2012、al-Hayat, September 11, 2012, September 13, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 10, 2012, September 13, 2012, September 16, 2012、al-Kurdiya News, September 10, 2012、Naharnet.com, September 10, 2012、Reuters, September 10, 2012、SANA, September 10, 2012、al-Watan (Riyad), September 10, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

タルトゥース市でシリアのメディアとの連帯を求める親体制集会が行われ数万人が参加、アレッポ国立競技場地区では反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発し市民27人が死亡(2012年9月9日)

シリア政府の動き

SANA(9月9日付)によると、タルトゥース市コルニーシュ地区でシリアのメディアとの連帯を求める集会が行われ、多数の市民が参加した。

SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012

集会では、シリア国旗や、外国メディアの「煽動放送」拒否、シリアの治安、安定を標的とした陰謀との対決を訴えるプラカードが掲げられた。

西側諸国の制裁や国内の治安悪化によってアサド政権の疲弊が指摘されるなか、同政権支持を訴える大規模集会が行われるのは数ヶ月間ぶり。

映像などを見る限り、数万人が参加した(動員された)と思われる。

**

ダマスカス県・ダマスカス郊外県で、反体制運動に参加して逮捕されていた市民のうち、殺人を犯していない35人が釈放された。

またヒムス県でも7人が釈放された。

SANA(9月9日付)が報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、SANA(9月9日付)によると、アレッポ国立競技場(マルアブ・バラディー)地区にあるハヤート病院と中央病院の近くで反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発し、市民27人が死亡、64人が負傷、両病院の施設などが損害を受けた。

**

同じくアレッポ県では、SANA(9月9日付)によると、アレッポ市マイサルーン地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力によって拉致された市民30人の解放に成功した。

またマイサルーン地区、アルクーブ地区、スライマーニーヤ地区、バーブ街道地区などで軍・治安部隊は反体制武装勢力と交戦、多数の戦闘員を殺傷した。

一方、シリア人権監視団は、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区で上水道パイプが破壊され、飲料水の供給がストップしている、と発表した。

同監視団によると、同監視団によると、同地区の水道公社施設近くの主水道が破壊されたという。しかしSANA(9月9日付)はこの発表をただちに否定した。

また同監視団によると、アレッポ市マイダーン地区、スーク・ハール地区、バーブ街道地区、シャッアール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、スッカリー地区、ザバディーヤ地区、イザーア地区、サーフール地区などに軍・治安部隊が砲撃を加え、反体制武装勢力と交戦、多数の家が破壊され、7人が死亡したという。

『ハヤート』(9月10日付)によると、アレッポ市ハナーヌー地区に対する軍の空爆で住宅が破壊された。

同地区は反体制勢力が占拠しており、死者数は不明。

ロイター通信(9月9日付)によると、「反体制武装勢力がハナーヌー地区の兵舎を砲撃し、多数の兵士が離反して以降」、アレッポ市東部の商業・工業地区への軍の空爆が行われている、という。

また『ハヤート』(9月10日付)は、ハナーヌー地区の兵舎を自由シリア軍が制圧した直後、アアザミーヤ地区で軍・治安部隊を処刑、反体制活動家によるとジャーダ・ハンダク地区で17人の遺体が発見されたと報じた。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ガジャル村、ハウラ地方に軍・治安部隊が砲撃を加え、女性5人を含む12人が死亡した。

またヒムス市旧市街などで、反体制武装勢力の戦闘員3人が殺害された。

一方、SANA(9月9日付)によると、ズライク村近くを走行中の大型旅客バス(ボールマーン)の近くで反体制武装勢力の仕掛け爆弾が爆発し、乗客4人が死亡、35人が負傷した。

バスはダマスカス県に向かっていた。

またヒムス市では、軍・治安部隊がジャウラト・シヤーフ地区で住民通報を受け反体制武装勢力のアジトに突入し、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

クサイル市郊外のバラカ・ハムザ市でも軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員14人を殺害、車やバイクなどを破壊した。

さらに同市郊外の東ブワイダ市でも軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

ハマー県では、SANA(9月9日付)によると、ハマー市南部郊外で軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトに突入、多数の戦闘員を殺傷し、武器弾薬を押収した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町、カティーバ村、ラジャート高原、ハイト村、サフム・ジャウラーン村が軍・治安部隊の砲撃を受けた。

これらの都市では反体制武装勢力戦闘員が軍・治安部隊の検問所を襲撃し、兵士7人を殺傷していた。

一方、ナーフィア村では離反兵1人を含む反体制武装勢力戦闘員3人が軍・治安部隊の要撃により死亡した。

これに対し、SANA(9月9日付)によると、ダルアー市周辺、フラーク市、ブスル・ハリール市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトに突入、多数の戦闘員を殺傷し、武器弾薬を押収した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ウンム・ガール村、サルキーン市などが軍・治安部隊の激しい砲撃に曝され、3人が死亡した。

一方、SANA(9月9日付)によると、軍・治安部隊がザーウィヤ山に近いサルジャ村、ダイル・サンバル村で反体制武装勢力の追跡を継続し、戦闘員数十人を殺傷した。

SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012
SANA, September 9, 2012

**

ダマスカス県、ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、ジャウバル区で身元不明の遺体3体が発見された。

またカダム区、カーブーン区、カフルスーサ区、タダームン区、アサーリー地区、ヤルムーク区、ハジャル・アスワド市で軍・治安部隊が砲撃、反体制武装勢力と交戦した。

一方、UNRWAによると、ヤルムーク区近くでUNRWA職員1人が胸を撃たれ死亡した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市での軍・治安部隊と反体制武装勢力との戦闘で子供2人を含む6人が死亡した。

反体制勢力の動き

トルコで避難生活を送り、国内の自由シリア軍からも排除されている自由シリア軍事評議会司令官のムスタファー・シャイフ准将はアラビーヤ(9月9日付)に対して、アサド政権打倒まで長くて4ヶ月しかかからない、と豪語した。

レバノンの動き

レバノン国軍は声明を出し、北部県トリポリ市などでシリア人反体制活動家を拉致・誘拐した2グループ6人を逮捕したと発表した。

諸外国の動き

米共和党のジョン・マケイン上院議員はCNN(9月9日付)でバラク・オバマ米政権の対シリア政策を「遅い」と批判、反体制武装勢力への武器供与、安全地帯の設置を行うべきと主張した。

AFP, September 9, 2012、Akhbar al-Sharq, September 9, 2012、Friendsofsyria, September 9, 2012、al-Hayat, September 10, 2012, September 11, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 9,
2012、al-Kurdiya News, September 9, 2012、Naharnet.com, September 9, 2012、Reuters,
September 9, 2012、SANA, September 9, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍・治安部隊がアレッポ市ハナーヌー地区で発生した戦闘に戦車やヘリコプターを投入、カナダがイランとの外交関係を断絶し同国とシリアを「テロ支援国家」のリストに加える(2012年9月8日)

国内の暴力

アレッポ県では、AFP(9月9日付)によると、アレッポ市ハナーヌー地区で、軍・治安部隊が戦車、ヘリコプターを投入し、反体制武装勢力が奪還した兵舎を攻撃、兵舎から出てきた戦闘員と交戦した。

戦闘により、軍・治安部隊は戦闘員が乗っていた四輪駆動車6輌を破壊、大量の武器弾圧を押収した。

SANA, September 8, 2012
SANA, September 8, 2012

反体制武装勢力は、武器製造所があるこの兵舎の一部を制圧したことを明らかにしたが、軍はこれを否定した。

反体制武装勢力は7月からハナーヌー地区を占拠していたが、この兵舎は制圧できずにいた、という。

シリア人権監視団によると、この戦闘で軍・治安部隊兵士18人、反体制武装勢力戦闘員4人が死亡した。

**

同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザバディーヤ地区で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、反体制武装集団の司令官1人が殺害された。

またカーディー・アスカリー地区、カルラク地区が軍・治安部隊の砲撃を受けた。

またフルワーニーヤ地区での砲撃で数十人が死傷した。

さらにアレッポ市ライラムーン地区でも軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、前者の兵士5人、後者の戦闘員複数が死亡した。

戦闘では、軍が同市の検問所を空爆した。

軍消息筋によると、反体制武装勢力は同市入口にある教会を占拠し、拠点としている、という。

一方、SANA(9月8日付)によると、アレッポ市アズィーズィーヤ地区のマール・ミハイル教会、マウーナ修道教会に反体制武装勢力が発射した迫撃砲3発が着弾し、建物の一部が破損した。

また、ジュダイダ地区のアラブ福音教会も砲撃を受けたが被害はなかった。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区で軍・治安部隊が砲撃を加え、反体制武装勢力が交戦した。

また軍・治安部隊はヤルムーク区の反体制武装勢力戦闘員を探して、バースィル病院に突入した。同地区の攻撃ではヘリコプターが投入されている、という。

このほかカダム区で1人が射殺される一方、市民の遺体4体が発見された。

一方、SANA(9月8日付)によると、タダームン区、パレスチナ街道で軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」の追跡を継続した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハジャル・アスワド市を砲撃し、反体制武装集団と交戦、またドゥーマー市で男性1人が射殺された。

また各地で身元不明の遺体4体が発見された。

このほかサイイダ・ザイナブ町が砲撃を受けた。

一方、SANA(9月8日付)によると、ダイル・アサーフィール市で軍・治安部隊が反体制武装勢力掃討のための作戦を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。

またドゥマイル市で軍・治安部隊は反体制武装勢力の武器弾薬を押収した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、軍の兵士1人が死亡した。

一方、SANA(9月8日付)によると、ヒムス市ハミーディーヤ地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力の戦闘員7人を射殺した。

クサイル地方では、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、甚大な損害を与えた。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ハーッラ市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、軍の兵士12人が死傷した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブーカマール市が軍・治安部隊の砲撃を受けた。砲撃はハマダーン航空基地近くに集中した。

**

イドリブ県では、SANA(9月8日付)によると、マアッラト・ニウマーン市で反体制武装勢力の戦闘員多数が当局に投降した。

シリア政府の動き

ロイター通信(9月8日付)は、ダマスカス県・ダマスカス郊外県のキリスト教徒、ドゥルーズ派、シーア派などのコミュニティが自衛のための武装を強化している、と報じた。

同記事によると、旧市街にあるこれらの地区の出入り口には検問所が設けられ、武装した若者が「自分たちの地域をテロリストから守る」ため、「疑わしい車、人をすべて検査している」という。

またダマスカス郊外県ジャルマーナー市に住むドゥルーズ派住民は「治安部隊は人民委員会を設置し…、同委員会が我々の身を守ってくれると言うが、実際にはダマスカスの宗派対立の火を煽っているだけだ」と述べた。

**

ヒムス県で、反体制運動に参加して逮捕されていた市民のうち、殺人を犯していない277人が釈放された。

SANA(9月8日付)が報じた。

反体制勢力の動き

シリア革命評議会のハイサム・マーリフ暫定政府首班はアラビーヤ(9月8日付)に対して、シリア政府とイラク政府がイラク国内に逃走したシリア軍離反兵の引き渡しの調整を行っている、と述べた。

**

イマード・アフマル駐マレーシア・シリア領事とマフムード・ウバイド外交官(駐マレーシア)はアラビーヤ(9月8日付)に対して、アサド政権の弾圧に抗議し、離反と反体制運動への参加を宣言した。

アブドゥッラー・アフマル民族指導部副書記長の甥。

なおアフマル家はダマスカス郊外県タッル市出身で、アブドゥッラー・アフマル民族指導部副書記長については、クリルク(2012年8月18日付、http://kulilk.com/portal/node/29218)が逮捕された(未確認情報)と報じていた。

レバノンの動き

自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官は、マトン郡支部での晩餐会で「新たな支配体制がどうなるか分からないままにシリアで変化が生じたら、我々とレバノンが破壊されてしまう」と述べた。

Naharnet.com, September 8, 2012
Naharnet.com, September 8, 2012

**

サウジアラビアで避難生活をするサアド・ハリーリー前首相は、『ハヤート』(9月8日付)に対して、「我々は人道的、政治的支援を行っている」と述べ、3月14日勢力がシリアの反体制武装勢力に武器供与を行っているとの批判を否定した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はウラジオストクでのAPEC首脳会議でヒラリー・クリントン米国務長官と会談し、シリア情勢などについて協議した。

ラブロフ外務大臣は会談後、国連安保理で9月末にシリア問題に関する外相級会合を開催する計画があるとしたうえで、6月末のジュネーブでのシリア作業グループ合意の承認を求める意向を示した。

そのうえで、「シリアとイランに対する米国の一方的な制裁は国外に大きな影響を与え、ロシア企業の利益に損害をもたらす」と非難、アサド政権への制裁に関して「制裁は何の結果ももたらさない」と拒否した。

一方、米高官によると、対するクリントン米国務長官は、国連での決議は、アサド政権が遵守しない場合の制裁を伴わねばならないとの立場を示した、という。

**

イラクの法治国家連立(ヌーリー・マーリキー首相が代表)は声明を出し、イラク政府がシリア政府と反体制活動家や離反兵の引き渡しを調整しているとのハイサム・マーリフ弁護士の批判に関して、「事実無根」と否定したうえで、「イラクはシリア人避難民の受け入れと保護を遵守しており、その帰属や政治的立場を聴取していない」と反論した。

**

イラクの内務省は、ダイル・ザウル県ブーカマール市に接する国境のカーイム市にシリア領からのロケット弾が7日に4発着弾したと発表し、シリアからの敵対行為に報復する用意があると警告した。

**

AFP(9月8日付)は、反体制武装勢力が占拠した地域に対して、フランスが人道支援を開始したと報じた。

**

ヨルダンのアブドゥッラティーフ・ウライカート保健大臣は、シリア人避難民の流入急増に関して「王国北部の病院、医療センターに強い圧力」となっているとしたうえで、医療物資、医薬品が必要となっていると訴えた。

**

EU理事会議長(キプロス外務大臣)は記者会見で、8日の会合でEU諸国はシリアへの制裁を強化するとのコンセンサスに達したと述べた。

**

カナダ外務省は声明を出し、イランとの外交関係を断絶、外交官を国外追放することを決定するとともに、イランとシリアをテロ支援国家のリストに加えたと発表した。

AFP, September 8, 2012、Akhbar al-Sharq, September 8, 2012、Alarabina.net, September 8, 2012、al-Hayat, September 9, 2012、Kulilk.com, August 18, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September
8, 2012、al-Kurdiya News, September 8, 2012、Naharnet.com, September 8, 2012、Reuters,
September 8, 2012、SANA, September 8, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.