フール・キャンプに収容されていたダーイシュの妻たちがシャーム解放機構支配下のイドリブ県に密送(2020年7月30日)

反体制系サイトのユーフラテス・プレス(7月30日付)は、北・東シリア自治局支配下のハサカ県フール・キャンプに収容されているダーイシュ(イスラーム国)メンバーの妻たちが、シャーム解放機構主導の反体制派の支配下にあるイドリブ県に密送されていると伝え、その映像を公開した。

同サイトによると、密送は、フール・キャンプから、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域と北・東シリア自治局の支配地域が接するアレッポ県北東部のアウン・ダーダート村の通行所を経由して行われており、女性らの移送にはシリア軍も関与しているという。

公開されたビデオでは、女性の1人が流ちょうなアラビア語で「ロシア国籍を持つ2人組に連れられてイドリブ県に入った」、「私たちはアブー・ルカイヤの車に乗ってきた」などと述べている。

アブー・ルカイヤとは彼女らの密送を手引きした密輸業者だと思われる。

https://youtu.be/XmswU3SIs0U

AFP, July 31, 2020、ANHA, July 31, 2020、AP, July 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2020、Euphrates Post, July 20, 2020、Reuters, July 31, 2020、SANA, July 31, 2020、SOHR, July 31, 2020、UPI, July 31, 2020などをもとに作成。

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アナトリア通信はエジプトがシリアに部隊を派遣したと伝える、シリア人権監視団はこれを否定(2020年7月30日)

アナトリア通信(7月30日付)は、複数の信頼できる消息筋の話として、エジプト政府が最近になって、イラン・イスラーム革命防衛隊と連携して、アレッポ県とイドリブ県に部隊を派遣したと伝えた。

同消息筋によると、派遣されたエジプト軍部隊の兵力は約150人。

ハマー県のハマー市近郊のハマー航空基地に空路で移送されたのち、アレッポ県西部のハーン・アサル村一帯、やイドリブ県のサラーキブ市一帯に展開したという。

エジプトでは7月20日、リビアのハリーファ・ハフタル将軍の要請を受けて、アブドゥルファッターフ・スィースィー大統領が議会に提出したリビアへの部隊派遣にかかる法案が承認されていた。

これに対して、シリア人傭兵(国民軍戦闘員)をリビアに派遣するなどして、リビア国民軍と対立する国民合意内閣(GNA)を支援するトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は7月24日、エジプトの介入を「違法」と非難していた。

複数の専門家によると、今回のエジプト軍のシリア派遣は、リビアをめぐって対立を深めるトルコに圧力をかける狙いがあるという。

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エルドアン大統領は、アナトリア通信の報道を受けて、「我々はシリアとイラクでの闘争をリビアに拡大し、我々、さらには現地の友好国が勝利するための闘争を行う決意がある」と述べた。

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しかし、シリア人権監視団は、同じく複数の信頼できる消息筋の話として、アナトリア通信の報道は事実に反し、シリア政府支配地域にエジプト軍部隊は派遣されていないと発表した。

AFP, July 30, 2020、Anadolu Ajansı, July 30, 2020、ANHA, July 30, 2020、AP, July 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 30, 2020、Reuters, July 30, 2020、SANA, July 30, 2020、SOHR, July 30, 2020、UPI, July 30, 2020などをもとに作成。

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フール・キャンプに収容されていたダーイシュ戦闘員の家族4約150人がダイル・ザウル県に帰還(2020年7月30日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局が管理するフール・キャンプに収容されていたダーイシュ(イスラーム国)戦闘員の家族41世帯約150人が、地元の部族長らの仲介と身元保証を受けて、ダイル・ザウル県に帰還した。

AFP, July 30, 2020、ANHA, July 30, 2020、AP, July 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 30, 2020、Reuters, July 30, 2020、SANA, July 30, 2020、SOHR, July 30, 2020、UPI, July 30, 2020などをもとに作成。

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アサド大統領は7月19日に投票が行われた第3期人民議会選挙の当選者を正式に発表(2020年7月30日)

アサド大統領は2020年政令第208号を施行し、7月19日に投票が行われた第3期人民議会選挙の当選者を発表した。

SANA(7月30日付)が伝えた。

AFP, July 30, 2020、ANHA, July 30, 2020、AP, July 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 30, 2020、Reuters, July 30, 2020、SANA, July 30, 2020、SOHR, July 30, 2020、UPI, July 30, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のタッル・ハラフ村(ハサカ県)の検問所近くで爆発が発生し、20人以上死傷(2020年7月30日)

ハサカ県では、ANHA(7月30日付)によると、トルコ占領下のタッル・ハラフ村にある国民軍のハムザート師団と警察(内務治安部隊、いわゆる「自由警察」)の共同検問所近くで車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、20人以上が死傷した(シリア人権監視団によると、9人が死亡、15人以上が負傷)。

一方、SANA(7月30日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局支配下のタッル・タムル町近郊のタウィーラ村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のジンディールス町で国民軍に所属する戦闘員どうしが激しく交戦した。

AFP, July 30, 2020、ANHA, July 30, 2020、AP, July 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 30, 2020、Reuters, July 30, 2020、SANA, July 30, 2020、SOHR, July 30, 2020、UPI, July 30, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県北部で新たに1人の新型コロナウイルス感染者確認(2020年7月30日)

シリア人権監視団によると、トルコ占領下のアレッポ県北部で、新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認された。

これにより、6月9日以降、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」と占領地で確認された感染者数は計31人(うち17人は「解放区」、14人はトルコ占領地)、うち死亡したのは0人、回復したのは16人となった。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で7月30日に新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、同地での感染者数は計31人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1343822319155989/

AFP, July 30, 2020、ACU, July 30, 2020、ANHA, July 30, 2020、AP, July 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 30, 2020、Reuters, July 30, 2020、SANA, July 30, 2020、SOHR, July 30, 2020、UPI, July 30, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局支配地域内で19人の新型コロナウイルス感染者が確認(2020年7月30日)

北・東シリア自治局保健委員会(保健省に相当)のジュワーン・ムスタファー共同議長は支配地域内で19人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

ムスタファー共同議長によると、19人のうち、11人がジャズィーラ地域(ハサカ県)、3人がラッカ県、3人がダイル・ザウル県で感染を確認されたという。

保健委員会はこれまでに北・東シリア自治局支配地域内で8人の感染者を確認したと発表しており、これまでの感染者数の合計は25人となった。

ANHA(7月30日付)が伝えた。

AFP, July 30, 2020、ANHA, July 30, 2020、AP, July 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 30, 2020、Reuters, July 30, 2020、SANA, July 30, 2020、SOHR, July 30, 2020、UPI, July 30, 2020などをもとに作成。

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保健省は政府支配地域で新たに21人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者1人が死亡したと発表(2020年7月30日)

保健省は政府支配地域で新たに21人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者1人が死亡したと発表した。

これにより、7月30日現在の同地での感染者数は計738人、うち死亡したのは41人、回復したのは229人となった。

SANA(7月30日付)が伝えた。

AFP, July 30, 2020、ANHA, July 30, 2020、AP, July 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 30, 2020、Reuters, July 30, 2020、SANA, July 30, 2020、SOHR, July 30, 2020、UPI, July 30, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が交戦(2020年7月30日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから147日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるバスカラー村などを砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるバーラ村、カンスフラ村、フライフィル村、ファッティーラ村、スフーフン村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約20輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(イドリブ県8件、ラタキア県1件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, July 30, 2020、ANHA, July 30, 2020、AP, July 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 30, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 30, 2020、Reuters, July 30, 2020、SANA, July 30, 2020、SOHR, July 30, 2020、UPI, July 30, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民112人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は583,063人に(2020^年7月30日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月30日付)を公開し、7月29日に難民112人(うち女性34人、子供57人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民112人(うち女性34人、子供57人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は583,063人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者187,815人(うち女性56,485人、子ども95,513人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,703,660人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は812,343人(うち女性243,761人、子供414,004人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 30, 2020をもとに作成。

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