シャーム解放機構のシャーミー軍事報道官はロシア軍パトロール襲撃への関与を否定:「戦いのかたちは変わったが敵とその支援社に対する戦いは続いている」(2020年7月20日)

シャーム解放機構のアブー・ハーリド・シャーミー軍事報道官は、7月14日にイドリブ県のM4高速道路でロシア・トルコ合同パトロール部隊を狙った爆発が発生し、ロシア軍兵士3人が負傷した事件への関与を否定した。

シャーミー軍事報道官は「イドリブ県で合同パトロールを狙うことで利益を得る多くの当事者がいる…。だが、我々シャーム解放機構の司令部は、こうした行動がイドリブ県南部地域で予想される戦闘の発生を急がせることになると見ている。それゆえ、我々は解放区が来たるべき戦いに備えるための時間を稼ぎたいと考えている」と述べた。

「敵とその支援者に対する我々の戦いは終わっておらず、続いている。それは形を変えているだけで、アサド政権を倒し、そのシステムを解体するまで、我々は現状に満足はしない」と強調した。

イバー・ネット(7月20日付)が伝えた。

AFP, July 20, 2020、ANHA, July 20, 2020、AP, July 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2020、Reuters, July 20, 2020、SANA, July 20, 2020、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, July 20, 2020、SOHR, July 20, 2020、UPI, July 20, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」で新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認(2020年7月20日)

シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」で、新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認された。

これにより、6月9日以降、「解放区」とトルコ占領地で確認された感染者数は19人(うち医療関係者6人)となった。

うち15人は「解放区」、4人は占領地で感染が確認されている。

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トルコ占領下のアフリーン郡では、国民軍が、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県の「解放区」への移動を希望する住民に対して、ジンディールス地元評議会が発行する「渡航許可証」を取得するよう要請、許可証を持たない住民の往来を禁止すると発表した。

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一方、反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で7月20日に新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、同地での感染者数は計19人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1335127093358845/

AFP, July 20, 2020、ACU, July 20, 2020、ANHA, July 20, 2020、AP, July 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2020、Reuters, July 20, 2020、SANA, July 20, 2020、SOHR, July 20, 2020、UPI, July 20, 2020などをもとに作成。

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シリア民主軍司令部は「テロ撲滅」キャンペーン第2段階の終了を宣言(2020年7月20日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の司令部は、ダイル・ザウル県ウマル油田で記者会見を開き、同県東部での「テロ撲滅」キャンペーン第2段階の終了を宣言する声明を発表した。

声明によると、「テロ撲滅」キャンペーン第2段階に参加したのは、シリア民主軍、女性防衛隊(YPJ)、ダイル・ザウル軍事評議会、内務治安部隊(アサーイシュ)および同部隊所属の緊急対応部隊(Hevalno Asayîşe Rojava、HAT)、自治部隊、国境警備隊、憲兵隊、そして有志連合。

17日に開始されたキャンペーンで、ダーイシュのメンバー31人を逮捕、武器、装備、弾薬を押収した。


シリア民主軍はまた、「テロ撲滅」キャンペーン第2段階の開始に伴い、17日にダイル・ザウル県東部で発出していた外出禁止令を解除した。

AFP, July 20, 2020、ANHA, July 20, 2020、AP, July 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2020、Reuters, July 20, 2020、SANA, July 20, 2020、SOHR, July 20, 2020、UPI, July 20, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がカーミシュリー市を砲撃し、アサーイシュ隊員3人負傷(2020年7月20日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍が撃った迫撃砲弾がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市のロジュ農業センター(北・東シリア自治局所轄)に着弾、内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員2人が負傷した。

一方、ロシア軍とトルコ軍は、ラッカ県アイン・イーサー市からハサカ県のタッル・タムル町に至るM4高速道路の区間で初めてとなる合同パトロールを実施した。

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アレッポ県では、ANHA(7月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、マーリキーヤ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦を砲撃した。

AFP, July 20, 2020、ANHA, July 20, 2020、AP, July 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2020、Reuters, July 20, 2020、SANA, July 20, 2020、SOHR, July 20, 2020、UPI, July 20, 2020などをもとに作成。

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有志連合と思われる無人航空機がトルコ占領下の村で車を爆撃し、ダーイシュ・メンバー3人を殺害(2020年7月20日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、所属不明の無人航空機(ドローン)1機がトルコ占領下の「ユーフラテスの盾」のアフティームラート村の北で車を爆撃した。

これにより、ダーイシュ(イスラーム国)の司令官やメンバーと思われる3人が死亡した。

爆撃を行ったのは米主導の有志連合だと見られる。


AFP, July 20, 2020、ANHA, July 20, 2020、AP, July 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2020、Reuters, July 20, 2020、SANA, July 20, 2020、SOHR, July 20, 2020、UPI, July 20, 2020などをもとに作成。

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イスラエル軍戦闘機がダマスカス県の南方をミサイル攻撃、シリア軍防空部隊が迎撃(2020年7月20日)

シリア軍筋は、20日午後21時48分、イスラエル軍戦闘機が占領地ゴラン高原上空からダマスカス県の南方をミサイル攻撃、これに対してシリア軍防空部隊が迎撃したと発表した。

シリア軍の迎撃でミサイルのほとんどは撃破されたが、一部が着弾し、兵士7人が負傷した。

SANA(7月20日付)が伝えた。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍はダルアー県(イズラア市)、スワイダー県、クナイトラ県上空からミサイルを発射し、「イランの民兵」5人が死亡し、4人が負傷、またシリア軍防空部隊の兵士7人が負傷した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月20日付)によると、攻撃は8回にわたって行われ、マッザ航空基地、ダマスカス郊外県キスワ市、サフナーヤー市一帯の「イランの民兵」、レバノンのヒズブッラーの拠点が標的となった。

複数の情報筋によると、この攻撃で、イラン・イスラーム革命防衛隊シリア東部地区司令官のアリー・ハーッジ・フサイン氏ら「イランの民兵」やシリア軍の将兵多数が死亡したというが、確認はとれていない。

https://www.facebook.com/mohamad.alikhatab/videos/164269248484897/

AFP, July 20, 2020、ANHA, July 20, 2020、AP, July 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2020、Reuters, July 20, 2020、SANA, July 20, 2020、SOHR, July 20, 2020、July 21, 2020、UPI, July 20, 2020などをもとに作成。

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保健省は政府支配地域で新たに26人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者10人が完治、4人が死亡したと発表(2020年7月20日)

保健省は政府支配地域で新たに26人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者10人が完治、4人が死亡したと発表した。

これにより、7月20日現在の同地での感染者数は計522人、うち死亡したのは29人、回復したのは154人となった。

SANA(7月20日付)が伝えた。


AFP, July 20, 2020、ANHA, July 20, 2020、AP, July 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2020、Reuters, July 20, 2020、SANA, July 20, 2020、SOHR, July 20, 2020、UPI, July 20, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県、アレッポ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が交戦(2020年7月20日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから137日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地のスフーフン村、バイニーン村、フライフィル村、ファッティーラ村、ルワイハ村、サーン村、マジュダリヤー村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室に所属する国民解放戦線は、シリア政府支配下のダーディーフ村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約30輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフル・アンマ村、タディール村一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県2件、ラタキア県0件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, July 20, 2020、ANHA, July 20, 2020、AP, July 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 20, 2020、Reuters, July 20, 2020、SANA, July 20, 2020、SOHR, July 20, 2020、UPI, July 20, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民77人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は582,227人に(2020年7月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月20日付)を公開し、7月19日に難民77人(うち女性23人、子供39人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民77人(うち女性23人、子供39人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は582,227人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者186,979人(うち女性56,234人、子ども95,087人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,703,660人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は811,507人(うち女性243,510人、子供413,578人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 20, 2020をもとに作成。

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