イスラエル軍がヒムス県のマトリバー(ハムラー)国境通行所を爆撃し、シリアに避難しようとしていた8人が負傷(2024年9月26日)

ヒムス県では、SANA(9月26日付)やマヤーディーン・チャンネル(9月26日付)などによると、イスラエル軍がシリアのヒムス県とレバノンのベカーア県を結ぶマトリバー(ハムラー)国境通行所を爆撃した。

SANA(9月26日付)によると、爆撃では、通行所に設置されている橋を渡ろうとしていたレバノンからの入国者が狙われ、8人が負傷、また橋とその周辺が物的損害を受けた。




シリア人権監視団によると、27日に負傷していた軍事情報局の要員1人が死亡した。<br>

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これに関して、イスラエル軍は午後1時42分、テレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて、以下の通り発表した。

イスラエル空軍のジェット戦闘機複数機が先ほど、シリアからレバノンに武器を移送するためにヒズブッラーが使用していたシリア・レバノン国境沿いのインフラを攻撃した。これらの武器は、テロ組織ヒズブッラーによって、イスラエルの民間人に対して使用された。

イスラエル国防軍は、ヒズブッラーがシリア領内からレバノンへの武器移送を図る試みを阻止するための攻撃を続ける。

イスラエル国防軍は引き続き、ヒズブッラーの能力とテロ・インフラを無力化、弱体化させるために行動する。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍はまた、レバノンとの国境に近いクサイル市近郊のフーシュ・サイイド村一帯を爆撃した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル占領下のゴラン高原からイスラエル軍が発射したアイアン・ドーム防空システムのミサイル1発の流れ弾が、ラフィーダ村に近いスィハーム地区に落下した。

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シリア人権監視団によると、これにより、イスラエル軍の攻撃は、9月に入って6回、今年に入って69回(うち52回が航空攻撃、17回が地上攻撃)となり、これにより143あまりの標的が破壊され、軍関係者211人が死亡、144人が負傷した。

同監視団によると、軍関係者の死者内訳は以下の通りである。

イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):24人
ヒズブッラーのメンバー:43人
イラク人:19人
「イランの民兵」のシリア人メンバー(カーティルジー・グループ社も含む):59人
「イランの民兵」の外国人メンバー:17人
シリア軍将兵:46人
身元不明者:3人

また、民間人も23人(女性4人と子供1人を含む)が死亡、36人あまりが負傷している。

攻撃の県別内訳は以下の通りである。

ダマスカス県、ダマスカス郊外県:25回
ダルアー県:16回
ヒムス県:12回
クナイトラ県:8回
タルトゥース県:3回
ダイル・ザウル県:1回
アレッポ県:2回
ハマー県:4回

AFP, September 26, 2024、ANHA, September 26, 2024、‘Inab Baladi, September 26, 2024、Qanat al-Mayadin, September 26, 2024、Reuters, September 26, 2024、SANA, September 26, 2024、SOHR, September 26, 2024、September 27, 2024などをもとに作成。

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