国民対話大会準備委員会の委員が記者会見を行い、民主統一党(PYD)の参加を事実上拒否(2025年2月13日)

SANAによると、12日に設置された国民対話大会準備委員会の委員が記者会見を行った。

会見のなかで、委員会の報道官を務めるハサン・ダギーム氏は以下の通り述べた。

国民対話は、犯罪的な政権の崩壊とともに開始された。シリアのすべての人々は、指導部と国民の代表団、あるいは各コミュニティ間との集中的な会合を通じて、これらの対話が単なる顔合わせではなく、今日の国民対話大会の準備作業というかたちで結実する土台であることを理解していた。
準備委員会は、過去の経験を踏まえ、内容管理や技術的な運営に関するメカニズムを整備し、活動を多方面にわたって展開することを開始した。準備作業、連絡業務、各県の訪問、市民や各レベルの名望家やエリートとの対話、社会階層の多様性を考慮しながら、地域分布、専門知識、社会的影響力を基準とする実践的な手段を確立する作業が進められる。
連絡作業が成熟し、実行計画のための初期文書が整えば、国民対話大会が招集される。大会は、1950年以来初めて、シリア国民が自らの未来を築くための出発点となるであろう。
原則として、すべての愛国的なシリア人は国民対話の一員である。しかし、国民対話大会を組織するにあたっては、形式面が内容面を圧迫しないよう調整する必要がある。そのため、準備委員会が市民を招待する際には、愛国心、社会的影響力、専門性、象徴性、経験、そして有用性が優先基準となる。
各県の代表参加については、各県で市民と面会し、その特性や多様性を把握したうえで、地域の利益と国家全体の利益を調和させるかたちで、県を代表するにふさわしい愛国的人物を選出する。
準備委員会は社会の宗派化や宗派ごとの配分を図るつもりは一切ない。だが、この多様性を考慮し、各県の全体像に見合うかたちでの代表参加を目指す。
委員会の役割は、国民対話を管理し、組織、調整、円滑化を行い、市民や大会参加者が望ましい結果に到達できるよう支援することである。その役割は、最終声明が発表されるとともに終了することが大統領令で明確にされている。
大会で議論される内容は、意見交換、県への訪問、大会の作業文書の整理を通じて徐々に明らかになっていくだろう。準備委員会のメッセージは、シリア国民が国民対話を通じて意見を交換し、国家の権力機関やその将来像を形成する過程を支援することである。主権、基本政策、公共サービスに関する議論が進められ、委員会は大会運営において誠実さ、公平さ、中立性を貫くことを保証する。
2012年憲法が停止された後、シリアは憲法上の空白を埋めるために憲法宣言を必要としている。大統領は政権引き継ぎ直後にこの宣言を発布することが可能であったが、国民対話大会の開催と連動させ、その結果や勧告を憲法の枠組みに取り入れることを望んだのである。それが一時的なものであれ恒久的なものであれ、憲法構築に関する参加を重視した結果である。大会の成功を確実にするため、その開始は何度も延期された。しかし、実務的にはすでに準備が進行中である。準備委員会は完全に独立しており、自ら議長や大会の議題、招待する社会階層を決定し、内規を制定する。
移行期の正義はシリア国家建設とその復興の基礎である。国民的和解や社会的平和の実現は、移行期の正義を通じてのみ達成されるものであり、それは間違いなく国民対話の最優先課題となる。

国民対話大会の開催時期は、市民との対話、各県訪問、意見交換、そして作業文書の提出と成熟を見極めたうえで決定される。
我々の革命の理念は、宗派ごとの分配を拒絶し、多様性を尊重する。シリア国民は、それぞれの民族、宗教、地域を超えて、会議を自らの姿を映し出す鏡のような場と捉えることだろう。
準備委員会は独立した国家委員会であり、自ら委員長を選出し、内規や権限を定める。委員会は内容に干渉することはなく、対話の運営、国民の声の把握、意見収集、参加者選定における基準の適用を確認する役割を担う。
大会の参加者数は市民や県代表との対話を通じた一般的な議論に委ねられ、専門分野や経験の多様性を反映した内容に応じて決定される。
国民対話大会でまとめられた勧告は大統領府に提出され、大統領府はこれらの勧告を実行に移すために行動することとなる。

イナブ・バラディーによると、ダギーム報道官は、民主統一党(PYD)が主導するシリア民主軍や北・東シリア地域民主自治局について、クルド人を代表しておらず、市民を代表しているのは、(シリア北東部の)県の住民だと述べた。

また、「シリアの誰にも特権を押し付けたり、祖国の一部を占有する権利はない」と述べ、PYDを暗に批判した。

そのうえで、「我々は国民対話大会について話しているのであって、軍事衝突について話しているのではない。武器と軍事行動について議論している限り、彼らは対話には加わることができない」と述べた。

一方、委員のフダー・アタースィー氏は以下の通り発言した。

歴史的な瞬間において、準備作業が開始されるこの大会は、75年ぶりにシリア国民が一堂に会し、対話の精神を確立し、国家的な重要課題を議論し、適切な解決策を見出すことを目的としている。
大会は、政治、社会、経済、ガバナンスに関する問題を討議し、国民的合意、正義、改革、そして包括的な代表性に基づく確固たる基盤を構築することを目指している。
全国各地のさまざまな構成要素を含むすべてのシリア国民の参加を確保し、多様な社会的・政治的背景を反映する真の参加を実現することが大会の重点事項である。
対話は解放の瞬間からすでに始まっており、シリア各地で広範な社会運動が展開された。そのなかで、地方自治体や社会団体、市民社会組織が主催する何百もの対話セミナーや専門会議が開催された。
この国民の広範な反応は市民の声と期待を反映し、準備委員会にとって大会で議論される主要なテーマと中心的な課題を特定するための強固な基盤となった。

(C)青山弘之 All rights reserved.