イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月18日)

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の一大拠点ラッカ市に対して、少なくとも14度にわたって空爆を行った。

空爆では、政治治安部、カルナク観光ホテル、県立競技場、マカッス・アラム交差点地区、アブー・ハイフ燃料配給所、ハラーミーヤ地区、スィナーナ地区が標的となった。

シリア軍はまた、タブカ市に対して3度、タブカ航空基地周辺に4度空爆を行うとともに、同飛行場に近いアジール村、ハズナ村周辺で、シリア軍地上部隊がダーイシュと交戦した。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、この空爆に関して、シリア軍による反体制武装集団への空爆は通常、「樽爆弾」が使用されるが、今回のラッカ市などへの空爆はミサイルが使用されていると述べた。

一方、SANA(8月18日付)は、シリア軍消息筋の話として、ラッカ市に対する17日の空爆が米空軍によるものだとの一部報道・主張について、事実無根だとしてこれを否定した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、スーラーン・アアザーズ町の東部(アフティームッラート村)方面、ハウル・ナフル村周辺で、ダーイシュ(イスラーム国)が、クルド人戦線旅団(自由シリア軍)およびイスラーム戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

ダーイシュはイスラーム戦線などが拠点とするマーリア市に進軍を続けているが、対するイスラーム戦線などは、ダーイシュによって占拠されているダービク村を砲撃した。

一方、シリア軍は、イスラーム戦線などが拠点とするマーリア市北東部を空爆するとともに、ダーイシュによって制圧されちえるスルサーナ村、クワイリス航空基地近郊のアブー・ジャッバール村、バーブ市、マンビジュ市に対して空爆を行った。

また、ARA News(8月18日付)によると、アイン・アラブ市西部のシュユーフ・タフターニー地方で深夜、クルド人戦線旅団とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

ARA Newsによると、ダーイシュは、タアラク村の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の検問所を砲撃するとともに、バイヤーディーヤ村、ジャブナ村への侵攻を試みたが、人民防衛隊によって撃退された。

他方、SANA(8月18日付)によると、ダービク村、アルシャーフ村、マンビジュ市で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月18日付)によると、ダイル・ザウル市バアス橋近くで、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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シャームの民のヌスラ戦線元メンバーでシャリーア学者のアブー・マーリヤー・カフターニー氏(本名マイサラ・ジャッブーリー氏)はツイッターを通じて、アル=カーイダ指導者のアイマン・ザワーヒリー氏に対し、「バグダーディー一味(ダーイシュ(イスラーム国)のこと)の不正や犯罪…に対するあなたの明確な姿勢をシャームの民は目にしていない」と述べ、「ハワーリジュ派」(ダーイシュのこと)への法的姿勢を示すとともに、シリアの現状に対して謝罪するよう同氏に求めた。

イラク国内の動き

ニナワ県では、CNN(8月18日付)などによると、米空軍の支援を受けたイラク・クルディスタン地域ペシュメルガが、モスル・ダムを完全制圧した。

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サラーフッディーン県では、治安筋によると、ティクリート市南部のブー・ハビーブ村をダーイシュ(イスラーム国)が襲撃し、中学生5人が殺害された。

またダーイシュは、覚醒評議会司令官のカリーム・ザイダーン氏をブージャワーリー村で斬首した。

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バグダード県では、内務省筋によると、ユースフーヤ地区(アラブ・ジャースィム村)で、イラク治安部隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、治安部隊隊員1人とダーイシュ戦闘員2人が死亡した。

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アンバール県では、県警察によると、イラク軍・警察、部族民兵は、ラマーディー市西部の18キロ地区、アクダ地区でダーイシュ(イスラーム国)を追撃、同地を制圧した。

AFP, August 18, 2014、AP, August 18, 2014、ARA News, August 18, 2014、Champress, August 18, 2014、CNN, August 18, 2014、al-Hayat, August 19, 2014、Kull-na Shuraka’, August 18, 2014、al-Mada Press, August 18, 2014、Naharnet, August 18, 2014、NNA, August 18, 2014、Reuters, August 18, 2014、SANA, August 18, 2014、UPI, August 18, 2014などをもとに作成。

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