シリア反体制勢力の動き:自由シリア軍が民主統一党との連携をめぐり分裂(2014年9月12日)

クッルナー・シュラカー(9月12日付)は、民主統一党に近い消息筋の話として、米軍によるシリア空爆に備えるかたちで、ハサカ県ラアス・アイン市で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と「自由シリア軍」が秘密交渉を行い、対応を協議した。

米軍がダーイシュ(イスラーム国)掃討のためにラアス・アイン市一帯を空爆した際、トルコとの国境通行所を「自由シリア軍」に引き渡すとともに、同市内に「自由シリア軍」拠点を設置することなどが話し合われたという。

**

ARA News(9月13日付)によると、トルコが保護する自由シリア軍参謀委員会に所属するアブドゥルカリーム・ウバイド氏(アブー・ムハンマド)はハサカ県ラアス・アイン市とされる場所で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と前線で戦う「自由シリア軍」が結成したユーフラテスの火山合同作戦司令室に対抗するかたちで、「解放旅団」の結成を発表した。

**

イスラーム戦線に所属するイスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官は、イスラーム軍が捕捉しているシリア軍パイロット全員を処刑する命令を下したことをツイッター(9月12日付)を通じて明らかにした。

ダマスカス郊外県東グータ地方でのシリア軍による11日の攻撃で80人以上が戦死、200人以上が負傷したことに対する報復だという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、元メンバーで反体制活動家のカマール・ルブワーニー氏が対テロ国際会議に出席するためにイスラエルを訪問したことに関して、「個人的な動きで、連立を代表していない」と関与を否定した。

AFP, September 12, 2014、AP, September 12, 2014、ARA News, September 12, 2014、September 13, 2014、Champress, September 12, 2014、al-Hayat, September 13, 2014、Kull-na Shuraka’, September 12, 2014、al-Mada Press, September 12, 2014、Naharnet, September 12, 2014、NNA, September 12, 2014、Reuters, September 12, 2014、SANA, September 12, 2014、UPI, September 12, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.