アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動幹部が同じくアル=カーイダ系のヌスラ戦線に対してアル=カーイダとの絶縁を求める(2015年4月17日)

アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動のアミール(司令官)ハーシム・シャイフ氏(アブー・ジャービル)は、ジャズィーラ・チャンネル(4月19日付)のインタビュー(https://www.youtube.com/watch?v=JkJERl5ieDM)に応じ、「ヌスラ戦線が世界中の国と戦っているアル=カーイダとシャームの民のヌスラ戦線がつながりを持っていることは、シリア国民にとって有害なことだ」と述べ、アイマン・ザワーヒリー氏と絶縁すべきだと主張した。

タイスィール・アルーニー記者が行ったインタビューにおいて、シャイフ氏は、シャーム自由人イスラーム運動とヌスラ戦線の関係が、他のイスラーム主義部隊と何ら変わらず、両者の間にはシャリーアに関連する政策をめぐっては、いくつかの意見の相違がある、と述べた。

また2014年9月にイドリブ県で幹部の多くが殺害されたことに関して「シャーム自由人イスラーム運動は司令官らの殉教後生まれ変わった。司令官、戦闘員のレベルで組織を改編する機会となり、若干の変更がなされた…。アッラーのおかげで司令官らの殉教は何の影響も及ぼさなかった」と答えた。

一方、トルコで活動するシリア革命反体制勢力国民連立や同連立傘下の暫定内閣については「住民を支援するためなら、イドリブ市に暫定政府があることを我々は禁じない。しかし同時に、我々は暫定政府がイドリブ市を運営することを拒否する。なぜなら彼らはシリア国民を代表していないからだ。都市の自治は、住民によって行われねばならない」と述べた。

またダーイシュ(イスラーム国)については、「シャーム自由人イスラーム運動が駐留する多くの地域にダーイシュが存在している…。ダーイシュはシャーム自由人イスラーム運動がイスラーム教に背いており、戦わねばならないと考えている」と述べた。

最後に、シャーム自由人イスラーム運動の政治的ヴィジョンについては、シリアにおけるシャリーアの支配をめざしているとしつつも、シリアの統治に参加する意思はないと答えた。

Aljazeera.net, April 17, 2015

Aljazeera.net, April 17, 2015

AFP, April 19, 2015、Aljazeera, April 19, 2015、AP, April 19, 2015、ARA News, April 19, 2015、Champress, April 19, 2015、al-Hayat, April 20, 2015、Iraqi News, April 19, 2015、Kull-na Shuraka’, April 19, 2015、al-Mada Press, April 19, 2015、Naharnet, April 19, 2015、NNA, April 19, 2015、Reuters, April 19, 2015、SANA, April 19, 2015、UPI, April 19, 2015などをもとに作成。

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