最新論考「シリア:連合軍がアル=カーイダと共闘」(中東かわら版)

髙岡豊「シリア:連合軍がアル=カーイダと共闘」

中東かわら版、No.33、2015年6月8日

6月に入ると、「イスラーム国」がアレッポ県北部で攻勢に出て、アレッポ市北郊の集落スーラーンを制圧した。この集落は、トルコとの国境通過地点であるバーブ・サラーム、トルコとアレッポとを結ぶ幹線道路上の都市アアザーズにほど近い要衝である。同地を「イスラーム国」が占拠することにより、アレッポ市の一部を占拠する反体制派は、東、南、西から政府軍に包囲され、北からの補給路を「イスラーム国」によって断たれるという苦境に陥ることになる。反体制派は、政府軍が「イスラーム国」の攻勢に先立ってスーラーン付近で「ヌスラ戦線」などを爆撃したことを、「イスラーム国」に対する支援であると非難した。・・・