ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団などからなる自由シリア軍南部戦線(第1軍など)が、「報復の戦い」と銘打ってフラーク市近郊の第52旅団基地およびその展開地域のシリア軍に対して攻勢をかけ、同地の大部分を制圧した。
シャームの自由人イスラーム国広報局によると、自由シリア軍南部戦線が制圧したのは、第52旅団司令部、砲兵大隊、第14、59、17大隊、休憩所、武器庫、西ムライハ村。
シリア人権監視団によると、第52旅団基地は、ダルアー県におけるシリア軍の最大の拠点で、首都ダマスカスを守る「主要な防衛線」上に位置する基地。
自由シリア軍南部戦線のイサーム・ライイス報道官によると、第52旅団を制圧したのは、自由シリア軍南部戦線第1軍、ジハード主義武装集団など。
この戦闘で、シリア軍兵士・国防隊隊員少なくとも20人(少将1人を含む)、反体制武装集団戦闘員少なくとも14人(うち離反した大佐、武装集団司令官2人を含む)が死亡したという。
一方、SANA(6月9日付)によると、東カラク村、ラフム村、アトマーン村一帯、東ムライハ町、フラーク市、ダルアー市各所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(6月9日付)が、シリア軍がザーウィヤ山のスフーフン村に「毒ガス」が装填された「樽爆弾」を投下し、8人が中毒症状を訴えたと伝えた。
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アレッポ県では、アブドゥッラー・ブン・ジュバイル大隊がナイラブ航空基地を砲撃した。
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ヒムス県では、SANA(6月9日付)によると、ラスタン高地で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス郊外県では、SANA(6月9日付)によると、ヒルバト・ハマーム村、ヒルバト・ヒンズィール村、サンヌ・ティーハ村、ドゥーマー市、アーリヤ農場で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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クナイトラ県では、SANA(6月9日付)によると、マスハラ村、ハミーディーヤ村、カフターニーヤ町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、SANA(6月9日付)によると、バニー・イッズ村、バシーリーヤ村、バシュラームーン村、バズィート村、ジスル・シュグール市北部、イドリブ市、アブー・ズフール町、マジャース村、ハミーディーヤ村、ハフィーヤ村、バシール村、タッル・サラムー村をシリア軍が空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、SANA(6月9日付)によると、マーリア市、タッル・リフアト市、ハルバル村、タラーリーン村、ハーン・アサル村、ハーン・トゥーマーン村、ズィルバ村、ワディーヒー村、アレッポ市スッカリー地区、マアーディー地区、旧市街、サーリヒーン地区、ハナーヌー地区、マシュハド地区、アンサーリー地区、アーミリーヤ地区、タッル・ザラーズィール地区、ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、シャッアール地区、サラーフッディーン地区、バーブ・ハディード地区、カーディー・アスカル地区、ブスターン・バーシャー地区、フルワーニーヤ地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, June 9, 2015、AP, June 9, 2015、ARA News, June 9, 2015、Champress, June 9, 2015、al-Hayat, June 10, 2015、Iraqi News, June 9, 2015、Kull-na Shuraka’, June 9, 2015、al-Mada Press, June 9, 2015、Naharnet, June 9, 2015、NNA, June 9, 2015、Reuters, June 9, 2015、SANA, June 9, 2015、UPI, June 9, 2015などをもとに作成。
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