シリア軍、YPGはハサカ市南部でダーイシュ(イスラーム国)と交戦する一方、YPGが市内でシリア軍士官を殺害(2015年7月25日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハサカ市南部のダーイシュ(イスラーム国)占拠地域を空爆・砲撃した。

一方、ハサカ市内のイサーム・バグディー病院近くでは、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の隊員と、シリア軍第5連隊の士官(中佐)が口論となり、人民防衛隊隊員がこの士官を殺害、人民防衛隊がパレスチナ通りから市内中心部にいたる地域に進入(制圧)したという。

しかし、SANA(7月25日付)によると、シリア軍が「愛国的諸勢力」(西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、サナーディード軍を指すものと思われる)とともにハサカ市東ヌシューワ地区、西ヌシューワ地区でダーイシュ(イスラーム国)を追撃して進軍を遂げた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、マスカル・ヒサーン村、ジュッブ・ジャッラーフ村一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

ダーイシュはまた、フルクルス・ガス会社を襲撃した。

一方、クッルナー・シュラカー(7月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタイフール航空基地(T4)一帯でシリア軍と交戦し、飛行場に近い建物郡を制圧した。

他方、SANA(7月25日付)によると、シリア軍が国防隊とともにタドムル市郊外でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続け、自動車教習学校周辺の農場地帯を制圧した。

シリア軍はまた、ウンク・ハワー村、ラッフーム村、ウンム・サフリージュ村、ウンム・ジャリース村、マズバル・バカル村、ターウーナ村、シャンダーヒーヤ村、ダブアト・ムライハ村、ジバーブ・ハマド村、カディーム村、アイン・フサイン村、アーミリーヤ村などでダーイシュと交戦したほか、タドムル市、スフナ市、柑橘農園東部、タドムル市とワーディー・アブヤド・ダム一帯を結ぶ三角地帯、ラスム・サブア村、ウンム・サフリージュ村、タフハ村、マルーフ村、ワディーヒー村を空爆した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(7月25日付)によると、カラムーン地方のヒルバト・ハマーム村、マルタビヤー通行所、フライマ山一帯、そしてレバノン国境地帯(ベカーア県バアルベック郡アルサール村付近)にあるダーイシュ(イスラーム国)拠点をシリア軍が集中的に空爆した。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)ダマスカス州広報局は、東カラムーン地方で、東グータ地方から進攻してきたシャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍と交戦し、戦闘員15人を殺害したと発表した。

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ハマー県では、SANA(7月25日付)によると、ラフジャーン村、マフカル村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、『ハヤート』(7月26日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、タッル・アブヤド市近郊で爆弾を仕掛けた車2台を爆発させた。

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アレッポ県では、ダーイシュ(イスラーム国)アレッポ州広報局が、バーブ市内で戦闘員が観閲行進を行ったと発表し、その写真を公開した。Kull-na Shuraka', July 25, 2015

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米中央軍(CENTCOM)は、7月25日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して33回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は13回におよび、ハサカ市近郊(5回)、アレッポ市近郊(2回)、ラッカ市近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(5回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, July 25, 2015、AP, July 25, 2015、ARA News, July 25, 2015、Champress, July 25, 2015、al-Hayat, July 26, 2015、Iraqi News, July 25, 2015、Kull-na Shuraka’, July 25, 2015、al-Mada Press, July 25, 2015、Naharnet, July 25, 2015、NNA, July 25, 2015、Reuters, July 25, 2015、SANA, July 25, 2015、UPI, July 25, 2015などをもとに作成。

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