YPG、シリア軍がハサカ市内でダーイシュ(イスラーム国)掃討を続ける(2015年7月26日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市東ヌシューワ地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュに制圧されていた同地区内の建物数棟を奪還した。

シリア軍はまた、ハサカ市一帯のダーイシュ拠点に対して砲撃を行った。

一方、SANA(7月26日付)によると、ハサカ市南部の文化会館一帯、マディーナ・リヤーディーヤ地区、小児科病院一帯、文学部一帯、ヴィーラート・ヌシューワ地区、サカン・シャバービー地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)を掃討、同地を制圧した。

シリア軍はまた、バースィル交差点一帯、ズフール地区などでもダーイシュと交戦し、戦闘員複数を殲滅した。

なお、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、ハサカ市は現在、市内中心部に勢力を拡大した西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、同市北部、西部、南部など全体の70%を掌握、グワイラーン地区などでダーイシュと戦闘を続けるシリア軍は同市の20%を、そしてダーイシュは10%を支配下に置いている、という。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がラッカ市上空を飛行する有志連合に対して重火器で攻撃を行った。

またトルコ国境に近いタッル・アブヤド市近郊の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点2カ所に対して、ダーイシュは爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行った。

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アレッポ県では、ARA News(7月26日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室は、有志連合の空爆による援護を受け、スィッリーン町でのダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末、同地を制圧した。

スィッリーン町一帯での戦闘が続く中、人民防衛隊の包囲を受けたダーイシュは、スィッリーン町の穀物サイロを爆破するなどして、同地から撤退した。

また、シリア人権監視団によると、スィッリーン町郊外の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点に対して、ダーイシュが爆弾を積んだ自動車で自爆攻撃を行った。

一方、ダーイシュは、スーラーン・アアザーズ町一帯で男性一人を「覚醒評議会に所属し、連絡をとっていた」との罪で斬首、殺害した。

他方、シリア軍は、ダーイシュによって包囲されているクワイリス航空基地一帯を空爆した。

このほか、SANA(7月26日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がタドムル市西部郊外で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦、その拠点などに対して砲撃を行った。

一方、SANA(7月26日付)によると、タドムル市一帯などで、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月26日付)によると、ジャフラ村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、7月26日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して26回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は13回におよび、ハサカ市近郊(10回)、アレッポ市近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(2回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, July 26, 2015、AP, July 26, 2015、ARA News, July 26, 2015、Champress, July 26, 2015、al-Hayat, July 27, 2015、July 28, 2015、Iraqi News, July 26, 2015、Kull-na Shuraka’, July 26, 2015、al-Mada Press, July 26, 2015、Naharnet, July 26, 2015、NNA, July 26, 2015、Reuters, July 26, 2015、SANA, July 26, 2015、UPI, July 26, 2015などをもとに作成。

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