エジプトのナビール・ファフミー外務大臣は、カイロ訪問中の民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と個別に会談した。
エジプト外務省によると、アブドゥルアズィーム代表との会談では、ジュネーブ2会議の反体制勢力代表団への調整委員会の参加の是非について協議がなされる一方、ジャルバー議長との会談では、シリア情勢への対応について意見交換がなされたという。
会談後、アブドゥルアズィーム代表は、ジュネーブ2会議を通じて、武力紛争を政治紛争に転換する必要があると述べる一方、「調整委員会と連立は現在、カイロで反体制勢力統合問題を議論している」ことを明らかにした。
一方、ジャルバー議長は会談後の記者会見で、会議に参加する反体制勢力代表団の拡大や会議への対応ではなく、シリアの惨状への対応が議論されたとしつつ、連立以外の反体制組織の参加を歓迎すると述べた。
また、ファールーク・シャルア副大統領に関して「なぜ代表団の団長として来ないのか? 我々は彼を信用しているというのに」と述べ、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣ではなく、シャルア副大統領がシリア政府代表団を率いるべきだと主張した。
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民主的変革諸勢力国民調整委員会の執行部は声明を出し、ジュネーブ合意の遵守と、愛国的民主的諸勢力どうしの政治的コンセンサスに基づき代表団をバランスのとれた構成とすることの2点をジュネーブ2会議への参加の条件として改めて示した。
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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣首班はBBC(2月8日付)に対して、「もし我々が現地で政権を負かせることができたら、この点(公正な政治的解決)に至ることになろう…。しかし残念ながら、国際社会はシリア国民を裏切り、必要な支援を行ってくれていない」と述べた。
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シリア革命反体制勢力国民連立を脱会した会派が共同声明を出し、ジュネーブ2会議第2ラウンドで、アサド政権退陣という「革命の要求、シリア国民の意思」を実現するよう呼びかけた。
共同声明を出したのは、トルクメン運動、ビジネスマン・フォーラム、地元評議会ブロック、革命指導最高評議会、自由シリア軍参謀委員会など。
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『ハヤート』(2月9日付)は、シャーム自由人イスラーム運動からの情報として、ダイル・ザウル県、ラッカ県、ハサカ県のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の幹部らが会合(場所は不明)を開き、同運動が参加するイスラーム戦線の司令部およびメンバーに背教宣告を下した、と報じた。
AFP, February 8, 2014、AP, February 8, 2014、BBC, February 8, 2014、Champress, February 8, 2014、al-Hayat, February 9, 2014、Iraqinews.com, February 8, 2014、Kull-na Shuraka’, February 8, 2014、Naharnet, February 8, 2014、NNA, February 8, 2014、Reuters, February 8, 2014、Rihab News, February 8, 2014、SANA, February 8, 2014、UPI, February 8, 2014などをもとに作成。
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