YPG主体のシリア民主軍はラッカ県マンスール市に突入する一方、米国の支援を受けるシリア・エリート部隊はラッカ市北部のダーイシュの拠点第17師団基地を独自に攻撃(2017年6月2日)

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(6月2日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラッカ市とタブカ市の間に位置するダーイシュ(イスラーム国)支配下のマンスール市内に突入した。

Kull-na Shuraka’, June 2, 2017

また、シリア人権監視団によると、ラッカ市東部郊外一帯では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とともに「ユーフラテスの怒り」作戦を遂行するシリア・エリート部隊(アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー氏が主導するシリア・ガド潮流の民兵組織)が、米主導の有志連合の航空支援を独自に受けダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を継続した。

戦闘はラッカト・サムラー村とラッカ市東側入口の間で激しく行われ、ダーイシュがシリア・エリート部隊の進軍を阻止すべく抗戦を続けているという。

また、シリア・エリート部隊はラッカ市北部に位置するダーイシュの要衝である第17師団基地を個別に攻撃した。

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一方、フェイスブック内の「マンスーラ・ビウユーン・ムグタリビー・ハー」を名乗るアカウントは、シリア民主軍とダーイシュが、ラッカ市一帯のダーイシュの全メンバーを72時間以内にシリア砂漠方面(ヒムス県東部)に撤退させることで合意したと伝えた。

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他方、シリア・アラブ・トルクメン部族同盟を名乗る組織のウマル・ダーダー副代表は、アナトリア通信(6月1日付)に対して、ラッカ市からのダーイシュの撤退と、シリア民主軍による同市の掌握に警戒感を露わにした。

ダーダー副代表は「我々はダーイシュがラッカから撤退し、テロ組織であるPYD(民主統一党)が同市をカードとして掌握することを熟知している。我々はこうしたことを断固として拒否する」と述べた。

AFP, June 2, 2017、Anadolu Ajansı, June 2, 2017、AP, June 2, 2017、ARA News, June 2, 2017、Champress, June 2, 2017、al-Hayat, June 3, 2017、Kull-na Shuraka’, June 2, 2017、al-Mada Press, June 2, 2017、al-Mansura bi-‘Uyun Mughtaribi-ha, June 2, 2017、Naharnet, June 2, 2017、NNA, June 2, 2017、Reuters, June 2, 2017、SANA, June 2, 2017、UPI, June 2, 2017などをもとに作成。

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