米軍は不法占拠するタンフ国境通行所(ヒムス県)に近いシリア領空内で親政権武装勢力側の無人航空機を撃墜(2017年6月8日)

米中央軍(CENTCOM)は、米軍などが不法に占拠するヒムス県タンフ国境通行所に近いシリア領空内で「親体制部隊」の武装した無人航空機1機を撃墜したと発表した。

撃墜した無人航空機は、米軍のMQ-1プレデターとほぼ同じサイズのもので、ダーイシュ(イスラーム国)と戦う協力部隊を教練・指導する有志連合の人員が「占領」(occupied、原文まま)する拠点近くに、搭載していた兵器1器を落下させたことを受け、米軍航空機が撃墜したという。

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これに関して、米軍の支援を受ける「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室(自由シリア軍諸派)に参加する革命特殊任務軍の広報局長を務めるバラー・ファーリス氏は、イラン製の(無人)戦闘機をザクフ地区上空で撃墜したと発表した。

この攻撃で死傷者はなかったという。

ザクフ地区は、革命特殊任務軍が7日、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うための前哨基地を建設したと発表していた。

Kull-na Shuraka’, June 8, 2017

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一方、スワイダー県で活動する複数の活動家によると、東部獅子軍は、5日に撃墜したシリア軍戦闘機に乗っていたパイロット(カミール・サミータ准将)の遺体をシリア政府側に引き渡した。

AFP, June 8, 2017、AP, June 8, 2017、ARA News, June 8, 2017、CENTCOM, June 8, 2017、Champress, June 8, 2017、al-Hayat, June 9, 2017、Kull-na Shuraka’, June 8, 2017、al-Mada Press, June 8, 2017、Naharnet, June 8, 2017、NNA, June 8, 2017、Reuters, June 8, 2017、SANA, June 8, 2017、UPI, June 8, 2017などをもとに作成。

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