反体制武装集団は首都ダマスカスのアッバースィーイーン地区を砲撃(2017年6月15日)

ダマスカス県では、SANA(6月15日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団がアッバースィーイーン地区の住宅街に迫撃砲弾2発を撃ち込み、集合住宅が被害を受けた。

SANA, June 16, 2017

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダマスカス県アッバースィーイーン地区に対する反体制武装集団の砲撃を受け、シリア軍がアイン・タルマー村・ダマスカス県ジャウバル区間の地域、アイン・タルマー村、ザマルカー町に対して、地対地ミサイルなどを撃ち込んだ。

一方、シャーム解放軍司令部が声明を出し、ルハイバ市でヒズブッラーの渉外関係を担当するハーッジ・サミールを名乗る人物を殺害したと発表した。

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ハマー県では、クッルナー・シュラカー(6月15日付)によると、シリア軍がラターミナ町、カフルズィーター一帯に対する砲撃を行った。

同地で活動するナスル軍の広報責任者であるムハンマド・ラシード氏はクッルナー・シュラカーに対して、シャーム解放機構、ダーイシュ(イスラーム国)がいない同地へのシリア軍の停戦違反をほぼ連日続いていると述べているが、ナスル軍はシャーム解放機構と連携している。

また、県南部では、シャーム自由人イスラーム運動がヒルブナフサ村に進軍するシリア軍と交戦した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(6月15日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団(「堅固な建造物」作戦司令室)がダルアー市東部入口でシリア軍と交戦、戦車2輌を破壊した。

シリア人権監視団によると、これに対して、シリア軍はダルアー市内各所に「樽爆弾」少なくとも8回を投下、地対地ミサイルと思われる砲弾22発以上を撃ち込んだ。

シリア軍はまた、マンシヤ地区などで、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団(「堅固な建造物」作戦司令室)と交戦した。

一方、イナブ・バラディー(6月15日付)によると、同市(難民キャンプ地区など)上空では航空機による偵察活動が頻繁化しており、同地での大規模作戦に向けた動きが健在化しているという。

なお、『ハヤート』(6月16日付)によると、ダルアー県北部にはシリア軍第4機甲師団とヒズブッラーの増援部隊が進駐しているという。

シリア軍はこのほか、ヤードゥーダ村、ヌアイマ村に対しても砲撃を行う一方、ムサイフィラ町と東カラク村を結ぶ街道で爆弾が爆発した。

AFP, June 15, 2017、AP, June 15, 2017、ARA News, June 15, 2017、Champress, June 15, 2017、al-Hayat, June 16, 2017、‘Inab Baladi, June 16, 2017、Kull-na Shuraka’, June 15, 2017、al-Mada Press, June 15, 2017、Naharnet, June 15, 2017、NNA, June 15, 2017、Reuters, June 15, 2017、SANA, June 15, 2017、UPI, June 15, 2017などをもとに作成。

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