米軍によるシリア軍戦闘機撃墜を尻目にシリア軍地上部隊はタブカ市南部の要衝ラサーファ市からダーイシュを掃討し、同地一帯を制圧(2017年6月19日)

ラッカ県では、SANA(6月19日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、ラサーファ市に位置するラサーファ市と、ジャイーディーン村を含む20の村・農場を制圧した。

同地では、17日、進軍を続けるシリア軍地上部隊を航空支援していたシリア空軍のSu-22戦闘機が、有志連合を主導する米軍戦闘機によって撃墜される事件が発生していた。

この空爆に関して、米軍は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が掌握しているジャイーディーン村をシリア軍が攻撃したことへの対抗措置として集団的自衛権を行使したと首長しているが、シリア政府側の発表によると、シリア軍がダーイシュを掃討していた。

シリア軍がラサーファ市とともに制圧したのは、イーサーウィー村、ジャイーディーン村、カラーディー村、ヒルバト・ミーターハー村、スィヤーン村、ダフラト・アンバージュ村、ジュッブ・アブヤド村、ビイル・アブー・サナービル村、ヒルバト・アッラーウィー・ダヒール村、ジュッブ・ガーニム村、アブー・スーサ村、ジュッブ・アズィーズ村、ビイル・アンバージュ村、シャーラト・アンバージュ村、タッル・クライブ村、ビイル・クライブ村、ジュッブ・アファーブース村、ジュッブ・マシュラファト・アンバージュ村、タッル・アフタ村、ラジャム・フーラ村、ラジャム・サーフィヤ村、ビイル・ダッラーン村、ワッル・アダー村、サウラ油田、ラサーファ石油輸送ステーション。

またこれらの村・農村を制圧するにあたって、シリア軍はダーイシュの戦闘員数百人を殲滅、戦車16輌、装甲車輌6輌、その他の車輌200台以上、迫撃砲・ロケット発射台20基あまりを破壊したという。

SANA, June 19, 2017

SANA, June 19, 2017

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ヒムス県では、SANA(6月19日付)によると、シリア軍がタドムル市南東部に拡がる地域(ザフル・ヒマール地区など)約112平方キロメートル、アーラーク油田に近い第3石油輸送ステーション一帯からダーイシュ(イスラーム国)を掃討し、同地を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がスフナ市近郊のタイバ村一帯、ラスム・タウィール村一帯、ジュッブ・ジャッラーフ村一帯を空爆・砲撃、またアーラーク油田一帯、第3石油輸送ステーション一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

 

 

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月19日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部のパノラマ交差点一帯、バルーク丘一帯、アイヤーシュ村(イザーア地区)、サルダ山、ダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

AFP, June 19, 2017、AP, June 19, 2017、ARA News, June 19, 2017、Champress, June 19, 2017、al-Hayat, June 20, 2017、Kull-na Shuraka’, June 19, 2017、al-Mada Press, June 19, 2017、Naharnet, June 19, 2017、NNA, June 19, 2017、Reuters, June 19, 2017、SANA, June 19, 2017、UPI, June 19, 2017などをもとに作成。

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