ジュネーブ7会合:反体制派はデミストゥラ国連特別代表が示した新憲法起草などを骨子とする原則文書にほぼ同意(2017年7月13日)

ジュネーブ7会議が開催されているスイスの首都ジュネーブにある国連本部で、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表が、バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表を団長とするシリア政府代表団と今ラウンド3回目となる会合を行った。

SANA(7月13日付)によると、会合では、シリア国内での「テロとの戦い」への対応について話合われた。

会談後、ジャアファリー国連シリア代表は、今ラウンドにおいて反体制派の代表団と直接協議は行われないだろうとの見方を示した。

SANA, July 13, 2017

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一方、デミストゥラ代表は、ジャミール・カドリー前副首相を団長とする「モスクワ・プラットフォーム」とも会談した。

会談後、「モスクワ・プラットフォーム」のメンバーの一人ムハンナド・ダリーカーン氏は、デミストゥラ氏が示した原則文書に同意する一方、国連安保理決議第2254号の規定以外の前提条件を課したかたちでのいかなる協議も受け入れないとの姿勢を示した。

デミストゥラ氏が示した原則文書には、フィラース・ハーリディー氏が団長を務める「カイロ・プラットフォーム」を12日に同意している。

この原則文書は、12項目からなり、そのなかには「シリア国民のみが民主的手段を通じて国の将来を決せねばならない。これは投票箱を通じて行われ、シリア国民のみが政治・経済・社会体制を選択する権利を有しており、いかなる外国の圧力、介入もあってはならない」といった記述があるほか、テロとの戦い、難民保護と帰還権の保障、「公民権、法の支配、三権分立、司法の独立、国民統合、文化的多様性の承認などを基礎とする…民主的で非宗派的国家」の樹立などが提案されている。

これに対して、『ハヤート』(7月14日付)によると、「リヤード・プラットフォーム」(最高交渉委員会)の団長を務めるナスル・ハリーリー氏は、デミストゥラ氏に対して政治プロセスに関していくつかの提案を行い、「国連のチームとの間で進展が見られたが…シリア性イフが政治交渉に入ることを拒否している」と述べた。

AFP, July 13, 2017、AP, July 13, 2017、ARA News, July 13, 2017、Champress, July 13, 2017、al-Hayat, July 14, 2017、Kull-na Shuraka’, July 13, 2017、al-Mada Press, July 13, 2017、Naharnet, July 13, 2017、NNA, July 13, 2017、Reuters, July 13, 2017、SANA, July 13, 2017、UPI, July 13, 2017などをもとに作成。

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