ロシア・シリア軍はSu-25撃墜を受けてイドリブ県に対する攻勢を強化、サラーキブ市に向けさらに進軍(2018年2月3日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月3日付)によると、シャーム解放機構がロシア空軍のSu-25を撃墜、パイロットを殺害したことを受け、地中海沖に配備されているロシア海軍の艦艇が弾道ミサイル4発を発射、ハーン・スブル村を攻撃、ホワイト・ヘルメットによると、民家人10人が死亡した。

al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018

また、『ハヤート』(2月4日付)が地元の救急隊員の話として伝えたところによると、ロシア軍所属と思われる戦闘機2機が県南東部の街道を移動中の車列を爆撃し、乗っていた民間人7人が死亡、12人が負傷した。

乗っていたのは、アレッポ県南西部の戦闘激化を受け、イドリブ県を北に向かって避難していた住民で、その多くが子供や老人だったという。

シリア軍、ロシア軍はこのほかにも、シャアッラ村、ジャルジャナーズ町、ガトファ村、カフルアミーム村、ライヤーン村、シャイフ・イドリース村、ブライサ村、ブジャガーフ村、タッル・マルディーフ村などに対しても爆撃を行った。

また、県南東部のタッル・トゥーカーン村一帯では、シリア軍、ヒズブッラー、イラン・イスラーム革命防衛隊の支援を受ける民兵が、シャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党、シャーム自由人イスラーム運動、自由イドリブ軍、イッザ軍、ナスル軍などからなる反体制武装集団と激しく交戦した。

SANA(2月3日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに、県南東部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討作戦を継続し、ムアスラーン村、タッル・トゥーカーン村を制圧した。

タッル・トゥーカーン村の制圧により、シリア軍は、アブー・ズフール町とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるサラーキブ市を結ぶ幹線道路の遮断に成功した。

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ハマー県では、SANA(2月3日付)によると、シリア軍が県北東部でダーイシュ(イスラーム国)に対する追撃作戦を継続し、アブヤーン村、アブー・クスール村、トゥライハーン丘を制圧した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月3日付)によると、県南西部のジャズラーヤー村一帯で、シリア軍、ヒズブッラー、イラン・イスラーム革命防衛隊の支援を受ける民兵が、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と激しく交戦した。

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ヒムス県では、SANA(2月3日付)によると、シリア軍がイッズッディーン町からタルビーサ市に武器を密輸しようとしていた武装集団を要撃し、大量の武器弾薬、爆発物を押収した。

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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