2014年3月6日のシリア情勢:国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市アルメニア地区で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも15人が死亡、12人が負傷した(SANAによると女性・子供を含む13人が死亡、30人が負傷)。

またマフラム地方のウンム・ダーリー村にある軍と国防隊の合同検問所近くでも爆弾が仕掛けられた車が爆発し、検問所の治安要員3人が死亡、複数が負傷した。

SANA, March 6, 2014

SANA, March 6, 2014

このほか、軍、国防隊が反体制武装集団が占拠を続けるザーラ村入り口まで進軍し、反体制武装集団と交戦し、戦闘員10人以上が死亡した。

一方、SANA(3月6日付)によると、ザーラ村周辺農場およびタッラト・ジャラーラを軍が完全制圧した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市南部の軍事情報局本部近くで、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも5人が死亡、20人以上が負傷した(SANAによると4人が死亡、22人が負傷)。

また反体制武装集団が占拠するムーリク市一帯では、軍と反体制武装集団の交戦が続いた。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市北部の第17師団基地内でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が2度にわたり自爆攻撃を行うとともに、軍と激しく交戦、複数の兵士が死傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がハーン・シャイフーン市周辺の軍検問所4カ所を襲撃、制圧した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区を軍が砲撃し、男性1人が死亡した。

一方、SANA(3月6日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、アブー・ルンマーナ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、市民5人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がヤブルード市一帯、リーマー農場を空爆・砲撃した。

一方、SANA(3月6日付)によると、軍はリーマー農場およびヤブルード市東部の丘陵地帯を完全制圧し、治安を回復した。

またリーハーン農場一帯、アドラー市旧市街およびウンマーリーヤ地区、ヤブルード市南西部、ダーライヤー市、ザバダーニー市東部山岳地帯、アッブ農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、聖タクラー修道院(ダマスカス郊外県マアルーラー市)の修道女らを拉致する反体制武装集団との交渉に当たっている信頼できる匿名消息筋は、AFP(3月6日付)に対し、「昨日(6日)から修道女との連絡が途絶え、彼女らはヤブルード市から、レバノン国境地域へと連行された可能性がある」ことを明らかにした。

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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(3月6日付)によると、アターリブ市で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、自爆犯1人が死亡した。

一方、SANA(3月6日付)によると、アレッポ市ジュダイダ地区、アッサーン村、ラスム・アッブード村、クワイリス村、アルバイド村、アレッポ中央刑務所周辺、フライターン市、ジュバイラ村、ハーン・アサル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サーリヒーン地区、スッカリー地区、ジャンドゥール交差点地区、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(3月6日付)によると、ザバーイル村、アイド村、フラーク市、サムリーン村、ハムラ村、ヤードゥーダ村、ヌアイマ村、ダルアー市ヤルムーク学校周辺、ビラール・モスク西方で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(3月6日付)によると、アームーダー市にあるシリア・クルド進歩民主党の事務所が何者かによって放火された。

シリア・クルド進歩民主党はアブドゥルハミード・ダルウィーシュ氏が書記長を務め、シリア革命反体制勢力国民連立のシリア・クルド国民評議会を主導している。

AFP, March 6, 2014、AP, March 6, 2014、ARA News, March 6, 2014、Champress, March 6, 2014、al-Hayat, March 7, 2014、Iraqinews.com, March 6, 2014、Kull-na Shuraka’, March 6, 2014、Naharnet, March 6, 2014、NNA, March 6, 2014、Reuters, March 6, 2014、SANA, March 6, 2014、UPI, March 6, 2014などをもとに作成。

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