2014年3月14日のシリア情勢:シリア政府の動き

『ハヤート』(3月15日付)は、ヒムス市ナザーハ地区、アフラーム通りに、2014年7月予定の大統領選挙へのアサド大統領の出馬を求める横断幕が掲げられた、と伝えた。

横断幕には、「あなたは我々の尊厳であり、栄光です。ゆえに我々はあなたに、シリア・アラブ共和国大統領職への立候補を求めます」、「バッシャール・アサド大統領閣下が次期大統領選挙で立候補する求めます。我々は血にかけて彼が大統領にとどまると誓います」などと書かれているという。

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人民議会は本会議で選挙法改正法案における大統領資格に関わる条項を承認した(選挙法改正法案における大統領資格に関する文言についてはhttp://syriaarabspring.info/wp/?p=5216を参照のこと)。

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ウムラーン・ズウビー情報大臣はシリア・アラブ・テレビ(3月14日付)に対して「シリアの大統領選挙をめぐるブラーヒーミー共同特別代表の(国連での)発言は、彼の任務から逸脱しており、このような発言をすることは認められない」と述べた。

ズウビー情報大臣はまた「ブラーヒーミー氏は仲介者としての役割を尊重し、精錬且つ中立的でなければならない…。自分の任務と役割を守るべきで、シリア国内の問題に介入する資格は彼にも、彼以外の(国連の)人間にもない」と付言するとともに、「ジュネーブ2会議でのシリア革命反体制勢力国民連立の言葉に沿った、アメリカの政策寄り」の発言だと非難した。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(73歳)が、ベイルート・アメリカン大学病院で、心臓のバイパス手術を受けた。

ムアッリム外務在外居住者大臣は13日に、陸路でレバノンに入国、同病院に入院した。

ナハールネット(3月14日付)によると、数時間に及ぶ手術は成功し、ムアッリム外務在外居住者大臣の容態は安定しているという。

また同報道によると、大臣は1週間、アメリカン大学病院に入院するという。

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『スードドイチェ・ツァイトゥング』(3月14日付)は、シリア当局がアレッポ中央刑務所に収監していたアル=カーイダのハンブルグ細胞に近い人物とされるムハンマド・ハイダル・ザンマール氏を釈放したと報じた。

同報道によると、ザンマール氏は、軍士官複数名とジハード主義武装集団メンバー5人との捕虜交換の一環として釈放されたという。

AFP, March 14, 2014、AP, March 14, 2014、ARA News, March 14, 2014、Champress, March 14, 2014、al-Hayat, March 15, 2014、Iraqinews.com, March 14, 2014、Kull-na Shuraka’, March 14, 2014、Naharnet, March 14, 2014、NNA, March 14, 2014、Reuters, March 14, 2014、SANA, March 14, 2014、Suddeutsche Zeitung, March 14, 2014、UPI, March 14, 2014などをもとに作成。

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