ドゥラル・シャーミーヤ(10月9日付)は、トルコの実質占領下にあるアレッポ県アフリーン郡で、トルコの庇護を受ける国民軍所属の武装集団と地元評議会が農産物(オリーブ)の収益をめぐって鋭く対立していると伝えた。
複数のメディア筋によると、アフリーン郡各所の地元評議会は、収益の10%を住民から徴収し、自治運営費とすることを決定したが、収益が西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)に流用されることを懸念する国民軍所属の武装集団はこれを拒否、地元評議会ではなく、自らが収益を徴収すると主張している。
こうしたなか、国民軍の司令官の1人のアブー・サミーフ・ヒムスィー氏が、ファリーリーヤ村で活動する戦闘員をタッル・ハムウ村に移動させ、オリーブの実の収穫を始めたという。
なお、国民軍の参謀委員会は9月、アフリーン郡で活動するすべての武装集団に対して、オリーブの生産・収穫・加工にかかるすべての設備を地元評議会に移管するよう指示している。
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アレッポ県では、ANHA(10月9日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)の広報センターが声明を出し、YPGが7日にトルコの実質占領下にあるアフリーン郡シャッラー村近郊のマリーミーン村にあるシャーム戦線の拠点に突入し、戦闘員4人を殺害したと発表した。
AFP, October 9, 2018、ANHA, October 9, 2018、AP, October 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 9, 2018、al-Hayat, October 9, 2018、Reuters, October 9, 2018、SANA, October 9, 2018、UPI, October 9, 2018などをもとに作成。
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