北東シリア自治局執行評議会は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がシリア北東部のユーフラテス川東岸地域への侵攻の意思を改めて示したことを受けて会合を開いた。
アブドゥルハーミド・マフバーシュ氏、ビールファーン・ハーリド氏を共同議長とする同評議会は、この会合でダイル・ザウル県南東部ハジーン市一帯でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘での犠牲者・戦死者に哀悼の意を示すとともに、「ダーイシュこそがトルコの拡張主義への唯一の奉仕者」と非難、トルコの脅迫を「地域の治安と安定を揺るがす行為」と指弾し、事態に対処するための一連の措置をとることを決定した。
そのうえで、総動員令を発し、すべてのシリア人にトルコの植民地主義政策に一丸となって対抗するよう呼びかけるとともに、国連、有志連合を含む国際社会に対してトルコの敵対行為に反対する姿勢を打ち出すよう訴えた。
ANHA(12月13日付)、『ハヤート』(12月14日付)が伝えた。
北東シリア自治局は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会が、シリア民主軍支配地域の統治を目的として2018年7月に新設を決定し、9月に発足した自治政体。
10月3日にラッカ県アイン・イーサー市での第1回会合で、省にあたる9つの委員会を設置している。
9つの委員会とは、内務委員会、養育教育委員会、地方行政委員会、経済農業委員会、財務委員会、文化芸術委員会、保健環境委員会、社会問題労働委員会、女性委員会。
AFP, December 13, 2018、ANHA, December 13, 2018、AP, December 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2018、al-Hayat, December 14, 2018、Reuters, December 13, 2018、SANA, December 13, 2018、UPI, December 13, 2018などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.