英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(5日深夜)してから4日目となる3月9日、シリア・ロシア軍、トルコ軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍、「決戦」作戦司令室による若干の停戦違反が確認された。
「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(イドリブ県0件、ラタキア県5件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアターリブ市近郊にある第46連隊基地近くを走行中のトルコ軍の車輌複数輌に重火器を発砲した。
トルコ軍はシリア軍の挑発には乗らず、反撃しなかった。
これに関して、アナトリア通信(3月9日付)は、「シリア軍は2日前に、(停戦が発効しているにもかかわらず)トルコ軍の車列に発砲した…。トルコ軍の別の部隊の近くにも砲弾3発を発射した」と伝えた。
シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、カフル・アンマ村、ダーラト・イッザ市を砲撃した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がアンカーウィー村近郊でシリア軍の軍用車両を攻撃した。
「信者を煽れ」作戦司令室一方、ガーブ平原に潜入しようとしたシリア軍部隊を7日に続いて撃退し、兵士多数を殺傷したと発表した。
「信者を煽れ」作戦司令室は新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる武装連合体。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が撃った迫撃砲弾複数発がマストゥーマ村、ナイラブ村に着弾した。
一方、トルコ軍は戦車や装甲車など50輌からなる部隊をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。
AFP, March 9, 2020、Anadolu Ajansı, March 9, 2020、ANHA, March 9, 2020、AP, March 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 9, 2020、Reuters, March 9, 2020、SANA, March 9, 2020、SOHR, March 9, 2020、UPI, March 9, 2020などをもとに作成。
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