アラブ連盟監視団が83ページからなる報告書を提出、その後の同連盟閣僚委員会ではシリア政府と「さまざまな武装集団」に対し暴力行為の停止が求められる(2012年1月8日)

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アラブ連盟の動き

シリア情勢に関するアラブ連盟閣僚委員会(カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣が委員長)がカイロの連盟本部で開かれ、アラブ連盟監視団が提出した報告書の内容に関して審議がなされた。

会合後の声明で委員会は、シリア政府に対して「民間人の保護など…すべての誓約を完全履行、即時実行するよう」求め、監視団の活動が「シリア政府が誓約を即時完全履行するかどうかにかかっている」との姿勢を示した。

また反体制勢力に対しては、「シリアの今後の段階に関する政治的ビジョンを提示するよう努力を集中させる」よう求めた。

一方、国内の暴力に関しては、シリア政府と「さまざまな武装集団」に対して、「すべての暴力行為の即時停止」を求めた。

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監視団(ムハンマド・アフマド・ムスタファー・ダービー団長)が提出した報告書は83ページからなり、『ハヤート』(1月9日付)によると、その報告内容・提言の要旨は以下の通り。

1. シリア政府から3,484人を釈放したとの報告を受けたが、釈放されたのが政治犯なのか刑事犯罪者なのかが明らかではない。
2. 監視団の人員・技術の拡充を通じた監視活動継続が必要。
3. 反体制勢力と政府は監視団の活動を監督せず放置すべき。
4. 反体制勢力は反ダービー団長キャンペーンを同団長のヒムス市訪問当初から行っており、その態度は当初から疑念に満ちていた。
5. 反体制勢力によると、政府は監視団メンバーの電話を盗聴している。
6. 反体制勢力によると、軍は装備や制服を治安維持部隊のものとすることで都市部に潜伏している。
7. 監視団作業班には、シリア政府が国内の移動を禁じたとの11件の通報を受けた。

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ハマド首相兼外務大臣は会合後、「我々が本件を安保理に付託することを多くの人々が望んでいる。しかし、我々はシリアに(議定書の)履行を求めている…。我々は依然としてアラブ監視団が活動」と述べ、アラブ連盟監視団の充分な活動を行い得ると考えている」と述べた。

SANA, January 8, 2012

SANA, January 8, 2012

アサド政権の動き

SANA(12月8日付)によると、アレッポ県アレッポ市で、部族代表の会合が開かれ、約1,000人が出席、外国の干渉拒否、アサド政権の改革プログラム支持を確認した。

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SANA(12月8日付)によると、ムハンマド・ディーブ・マクタリン特別司法事件調査委員会委員長は、反体制運動に関わる各県での犯罪件数が4076件にのぼり、それらは関係司法当局に送検されると述べたと報じた。

反体制勢力の動き

変革解放人民戦線のアリー・ハイダル氏(シリア民族社会党インティファーダ派党首)は記者会見を行い、同戦線指導部が中国訪問に関する正式な回答を得たと発表し、近く使節団を派遣することを明らかにした。

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アラブ連盟閣僚委員会の声明を受け、シリア国民評議会のムハンマド・ヤースィーン・ナッジャール渉外局長は、「アラブ連盟がシリア問題に劇的に対処するとシリア国民が考えているがゆえに、衝撃的であり内容に乏しい」と述べ、「犠牲者と死刑執行人を同列に扱う姿勢にシリア国民は失望した」と批判した。

Kull-na Shuraka’, January 8, 2012

Kull-na Shuraka’, January 8, 2012

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民主変革諸勢力国民調理委員会在外事務局のアブドゥルアズィーズ・ハイイル情報局長は『シャルク・アウサト』(1月9日付)に対して、同委員会がイラン外務省の高官らと会談し、シリア情勢について意見を交換していることを明らかにした。

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ハマー県で、アフィーフ・マフムード・スライマーン大佐が空軍の物資供給師団の兵士50人が離反したと発表した。

国内の暴力

シリア人権監視団によると、ダルアー県ブスル・ハリール市で軍・治安部隊と離反兵9人の間で激しい戦闘が発生し、軍兵士11人が死亡した。軍・治安部隊の戦闘は同県ダーイル町、ダマスカス郊外県でも発生し、またダイル・ザウル県、ヒムス県、イドリブ県など各地で治安部隊の「砲撃」により民間人数十人が死傷した、という。

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一方、SANA(1月8日付)によると、ヒムス県各地で治安維持部隊兵士1人が武装テロ集団の襲撃を受け死亡、20人が負傷した。

諸外国の動き

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、イスタンブールでシリア国民評議会の使節団と会談した。

会談でダウトオール外務大臣は、反体制勢力に対して「平和的方法」でのアサド政権への運動を継続するよう呼びかけた。

AFP, January 8, 2012、al-Hayat, January 9, 2012, January 10, 2012、Kull-na Shuraka’, January 8, 2012, January 9, 2012、Reuters, January 8, 2012、al-Sharq al-Awsat, January 9, 2012、SANA, January 8, 2012、al-Watan, January 8, 2012などをもとに作成。

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