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自爆テロ葬儀
6日にダマスカス県マイダーン地区で発生した自爆テロの犠牲者の集団葬儀が同地区のモスクで執り行われ、数千人が参列した。
葬儀にはアーディル・サファル首相、ムハンマド・サイード・バヒーターン・バアス党シリア地域指導部副書記長ら要人も参列した。
アサド政権の動き
アサド大統領はトルコの至福党使節団(ムスタファ・カマラク党首が団長)と会談した。
SANA(1月7日付)によると、会談では、6日の自爆テロなどを含むシリア情勢に関して意見が交換され、カマラク党首は「シリアの内政問題へのいかなる外国の干渉をも完全に拒否する」との姿勢を示した。
一方、アサド大統領は、「シリア・トルコ両国民の関係の深さ」を強調し、「この国民の関係に対して誰も影響を及ぼすことはできない」と述べた、という。
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SANA(1月7日付)によると、ダルアー県ダルアー市、ハサカ県ハサカ市、カーミシュリー市、タルトゥース県タルトゥース市などで、自爆テロの犠牲者追悼、テロ反対を訴える集会が開かれた。
反体制勢力の動き
シリア人権監視団によると、治安部隊の発砲によりヒムス県で4人、ダマスカス郊外県ハラスター市で3人が殺害された、という。
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シリア国民評議会のムハンマド・ヤースィーン・ナッジャール渉外局長は、1月6日のハマド首相兼外相の発言に関して、監視団に関する評議会の立場に合致していると評価した。
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シリア国家建設潮流は自爆テロを受けるかたちで声明を出し、すべての反政府勢力に対して「早急に国民的な解決策を案出するためのイニシアチブを発揮」するよう呼びかけた。
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「アフバール・シャルク」(1月7日付)は、シリア国民人権機構(SWASIAH)の報道官でドゥルーズ派名望家の子息であるムンタハー・アトラシュ女史が、レバノンのタウヒード潮流のウィアーム・ワッハーブ代表(ドゥルーズ派)がシリア国内の貧しいドゥルーズ派宗徒に金銭と金銭を与え、「シャッビーハ」に加わらせていると述べたと報じた。
アトラシュ女史はまた、レバノンの進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首(ドゥルーズ派)に、ワッハーブ代表のこのような行為を止めさせるよう呼びかけた。
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『クッルナー・シュラカー』(1月7日付)は、自爆テロがあったダマスカス県マイダーン地区では、6日早朝から治安関係者が同地区に入ることを禁止していたと報じ、アサド政権の自作自演を示唆した。
アラブ連盟監視団の動き
「アフバール・シャルク」(1月7日付)は、アラブ連盟監視団がダマスカス郊外県アルバイン市で治安部隊の発砲を受け、同市からの撤収を余儀なくされたと報じた。
国内の暴力
SANA(1月7日付)はヒムス県ヒムス市内の複数地区で治安部隊が武装テロ集団に襲撃され、15人が負傷したと報じた。
諸外国の動き
トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は「ハバル・テュルク」チャンネル(1月7日付)でのインタビューで、アサド大統領に関して「たびたび、改革を行うか絶対的な権力を行使するかで躊躇し、後者を選び、地域における手本となるような改革志向の指導者へと転身を遂げる機会を逸してきた」と述べ、トルコがアサド政権に圧力を強化し続ける容易がある意思を示した。
AFP, January 7, 2012、Akhbar al-Sharq, January 7, 2012、al-Hayat, January 8, 2012、Kull-na Shuraka’, January 7, 2012、Reuters, January 7,
2012、SANA, January 7, 2012などをもとに作成。
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