シリア・オリンピック委員会はイスラエルのコーチが参加したFIFAアラブカップのショーケース試合に参加した代表チーム・キャプテンのフィラース・ハティーブ選手を追放処分に(2021年12月21日)

シリア・オリンピック委員会は12月20日、フェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/Syrian.olympic.committee/)などを通じて声明を出し、サッカーのシリア代表チーム・キャプテンのフィラース・ハティーブ選手を追放処分としたと発表した。

ハティーブ選手が「委員会の価値観に反し、シリアの愛国的な諸原則から逸脱した」ことが理由。

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これに関して『エルサレム・ポスト』(12月21日付)は、ハティーブ選手がイスラエル代表チームのアヴラム・グラント・コーチと、112月18日に行われた2021FIFAアラブカップのショーケース試合でプレーしたことが理由だと伝えた。

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フィラース選手はこの決定に関して、12月21 日にツイッターのアカウント(https://twitter.com/feras83alkhatib/)を通じて声明を出し、グラント・コーチが参加することを事前に知らされておらず、参加選手リストにも同コーチの名前が記載されていなかった、ユニフォームにイスラエル国旗がプリントされていた驚いたと釈明するとともに、パレスチナの大義を支持する世界中の人々に謝意を示しつつも、処分が不当だとして不満を表明した。

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このショーケース試合ででは、グンラト・コーチの参加に反発し、アルジェリアの選手が出場を拒否、また多くの選手がユニフォームにプリントされていたイスラエル国旗を塗りつぶすなどして抗議の意思を示していた。

AFP, December 22, 2021、ANHA, December 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 22, 2021

The Jerusalem Post, December 22, 2021、Reuters, December 22, 2021、SANA, December 22, 2021、SOHR, December 22, 2021などをもとに作成。

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