シリア国内の暴力(2014年8月12日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方無人地帯(対レバノン国境)をシリア軍が空爆し、「備えよ」旅団司令官でレバノン人のアブー・ムハンマド・リファーイー氏を含むジハード主義武装集団戦闘員7人が死亡した。

シリア革命反体制勢力国民連立は、この空爆に関して、シリア軍が「樽爆弾」を投下し、リファーイー氏ら11人を殺害したと発表した。

LBCI(8月12日付)などによると、リファーイー氏はレバノンの北部県トリポリ市に本部を持つバシャーイル協会の代表で、ファールーク大隊創設メンバーの一人。ヒムス市バーブ・アムル地区、ダマスカス郊外県ヤブルード市、サフル村、ランクース市での戦闘に参加したのち、「備えよ」旅団司令官としてカラムーン作戦司令室に参画、自由シリア軍教練を担当していた。

またシリア人缶監視団によると、ムライハ市およびその周辺で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地を22回にわたり空爆した。

このほか、ドゥーマー市一帯、アルバイン市に対してもシリア軍は空爆を行った。

一方、SANA(8月12日付)によると、ザバダーニー市東部山岳地帯、カラムーン地方(マシュラファ市、ラアス・マアッラ町)無人地帯(対レバノン国境)、ムライハ市およびその周辺、バイト・ティーマー市、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線のリビア人、サウジアラビア人戦闘員や、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

Naharnet, July 12, 2014

Naharnet, July 12, 2014

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が各地に「樽爆弾」を投下、6人が死亡した。

一方、SANA(8月12日付)によると、ジャースィム市、ラジャート高原、ナワー市、ダルアー市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ウンム・シャルシューフ村南部で、シリア軍がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月12日付)によると、カフルタハーリーム町にあるシャームの民のヌスラ戦線の拠点をシリア軍が攻撃し、「テロリスト」35人を殲滅した。

またアイン・フサイン村、イッズッディーン町、サアン村、タドムル市郊外のカラア地方で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルトゥーン村近郊で反体制武装集団がシリア軍を要撃し、士官を拉致、兵士3人を殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市カルム・タッラーブ地区を手製の迫撃砲で攻撃した。

またシリア軍がアレッポ市のバーブ・ナイラブ地区を「樽爆弾」で空爆し、女性2人、子供5人を含む10人が死亡した。

一方、SANA(8月12日付)によると、アレッポ市カースティールー地区、マルジャ地区、ハナーヌー地区、マイサル地区、フィルドゥース地区、旧市街、クワイリス村、アルド・マッラーフ地区、カフルハラブ村、シャイフ・アフマド村、タッル・スースィーン村、アフタリーン市、ハズワーン村、ハーン・トゥーマーン村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月12日付)によると、ビイル・アジャム村、ジャディーダ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 12, 2014、AP, August 12, 2014、ARA News, August 12, 2014、Champress, August 12, 2014、al-Hayat, August 13, 2014、Kull-na Shuraka’, August 12, 2014、LBCI, August 12, 2014、al-Mada Press, August 12, 2014、Naharnet, August 12, 2014、NNA, August 12, 2014、Reuters, August 12, 2014、SANA, August 12, 2014、UPI, August 12, 2014などをもとに作成。

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