内務省はフェイスブックを通じて、アフマド・シャルア移行期政権がスワイダー県を包囲しているとの一部主張に関して、「完全な虚偽であり、事実を歪めるものである」とするヌールッディーン・バーバー報道官の声明を発表した。
バーバー報道官は声明のなかで、以下の通り述べた。
政府は地元および国際的人道組織と協力し、県内の民間人に対して人道支援物資を搬入し、無法集団が支配する地域から希望者が一時的に退避できるよう人道回廊を開放している。
「包囲」という主張は、無法集団がスワイダー市周辺や国境を通じて非公式な検問所を開設し、武器やカプタゴン取引を活性化させるために意図的に広めたプロパガンダだ。これらの集団は、シリアの合法的な国家機関がスワイダー県で法秩序を回復することが、自らの非合法資金源を脅かすため、虚偽情報を流し、現地の人道危機を利用し、民間人の苦しみを拡大させながら自らの犯罪活動を維持しようとしている。
**
シリア人権監視団は、スワイダー県の「包囲」が開始されてから15日目となり、同県の400家族以上が住居を失い、燃料、食料などが不足、送金ルートが遮断され、教育の機会も失われ、支援は県の需要を満たせていない状態が続いていると発表した。
**
シリア人権監視団によると、7月13日にスワイダー県で発生した武力衝突から停戦発効までの間に死亡した犠牲者の数が1,470人を記録した。
内訳は以下の通り:
・スワイダー県民698人(うち民間人145人、子ども21人、女性56人)
・国防省・内務省総合治安局要員469人(うちベドウィン部族出身40人、レバノン人戦闘員1人を含む)
・イスラエルの爆撃で死亡した国防省・内務省要員15人
・国防省庁舎へのイスラエルの爆撃で死亡した民間人3人(女性1人、身元不明2人)
・報道関係者2人
・国防省・内務省要員による現場処刑での死者280人(うち女性15人、子ども10人、高齢男性1人を含む)
・ドゥルーズ派武装勢力による現場処刑での死者3人(女性1人、子ども1人を含む)
**
SANAによると、スワイダー県からの退避を希望する住民や外国人ら280人を乗せた車列が、2回に分けてブスラー・シャーム市に設置されている人道回廊に到着した。


最初の車列には200人の民間人が、続く車列には米国、ドイツ、ヨルダンの国籍を持つ80人80人が乗車していた。
**
ペトラ通信によると、ヨルダンの外務省は、スワイダー県から、ヨルダン国民および友好国の国民112人がナスィーブ国境通行所(ジャービル国境通行所)を経由してヨルダンへ避難したと発表した。
**
SANAによると、総量12万リットルを超える燃料を積んだタンクローリー4台からなる車列がブスラー・シャーム市の人道回廊を経由して、スワイダー県に向かった。

**
尊厳のシャイフ軍団の指導者で、ドゥルーズ派の最高宗教指導者であるヒクマト・ヒジュリー師への批判を強めていたライス・バルウース氏は、ハダス・チャンネルのインタビューに応じ、自身がレバノンに滞在しているとの情報を否定、スワイダー県内に留まり、現地情勢を注視していると述べた。
また、自身がレバノンに移動したとの情報については、アサド前政権、イラン、ヒズブッラーとつながりがある勢力が発信したものだと主張した。
(C)青山弘之 All rights reserved.
