諸外国の動き:外国人戦闘員が月1,000人のペースでシリア、イラクに入国(2014年10月31日)

『ワシントン・ポスト』(10月31日付)は、米諜報機関高官の話として、米国など有志連合による空爆にもかかわらず、毎月1,000人の外国人戦闘員がシリアとイラクに潜入し、ダーイシュ(イスラーム国)に加わっていると報じた。

なお9月23日から1ヶ月の間で、米国などの空爆で死亡したダーイシュ戦闘員は約460人。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はフランスを訪問し、フランソワ・オランド大統領と会談、ダーイシュ(イスラーム国)への対応などについて協議した。

エルドアン大統領は会談後、米国など有志連合がアイン・アラブ市一帯に集中的に空爆を続けていることに関して「こうしたことを理解することは困難だ」と述べ、疑義を呈した。

またアサド政権に関しては、国際社会に対して「(アサドが)去ったら何が起きるか自らに問うべきだ」としたうえで、「アサドが去れば、何が起きるかをシリア人が決める…。そうでないうちに民主主義について語ることは意味がない」と主張した。

一方、オランド大統領は、「自由シリア軍」教練に向けた活動を行うことを決定したとしたうえで、「ダーイシュが支配する地域を取り戻すことは、(自由シリア軍の)現地で力を持っていなければ不可能だ」と述べた。

『ハヤート』(11月1日付)が伝えた。

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、国連安保理の非公式会合でシリアの紛争への対応に関して三つの優先事項を提言した。

デミストゥラ特別代表が提示した三つの優先事項は以下の通り:①暴力の低下、②人道支援物資配給促進、③政治プロセスの「種を蒔く」こと。

デミストゥラ特別代表はまた、紛争解決にかかる「前提条件」を乗り越える必要を強調し、和解に向けた政治的対話開始に際してのアサド大統領の進退については明言しなかった。

『ハヤート』(11月1日付)などが伝えた。

AFP, October 31, 2014、AP, October 31, 2014、ARA News, October 31, 2014、Champress, October 31, 2014、al-Hayat, November 1, 2014、Kull-na Shuraka’, October 31, 2014、al-Mada Press, October 31, 2014、Naharnet, October 31, 2014、NNA, October 31, 2014、Reuters, October 31, 2014、SANA, October 31, 2014、UPI, October 31, 2014、The Washington Post, October 31, 2014などをもとに作成。

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