オランダ外相「シリア危機解決に至るため、すべての当事者と話すべき」(2015年2月17日)

オランダのベルト・クーンデルス外務大臣は『ハヤート』の取材に対して、「ダーイシュ(イスラーム国)か、シリア政府かという選択肢を強いられる」ことがないよう、「穏健な反体制派」とスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表を支援しつつ、シリア政府を含む「すべての当事者」と対話する必要があると述べた。

クーンデルス外務大臣は、オランダがダーイシュに対する有志連合の一員として、イラクの空爆にF16戦闘機を参加させ、バグダード、アルビールでの教練のために専門家を派遣しているとしたうえで、シリア情勢に関して「我々は非殺傷装備を穏健な反体制派に支援している。これは成功しているか、いないか? ダーイシュの殲滅には…長い時間がかかるということを理解しなければならない…。我々は解決策が軍事的なものではなく、イラクとシリアのスンナ派排除を終わらせるような政治的解決が不可欠だと考えている」と主張した。

また「シリア政府への放棄は…今や中東における宗派戦争の一部をなしている」との持論を展開したうえで、「我々は穏健な反体制派強化の可能性について議論した…。シリアでの軍事行動には関与せず、(反体制派支配地域)の復興、警察の強化…などに関与している」と述べた。

そのうえで「(シリアの)現状は、我々にダーイシュかアサド政権下という選択肢を迫っている。しかしこれは、偽りの選択だ。我々はオルターナティブをしっかりと作り出さねばならない」と述べ、穏健な反体制派の強化し、停戦に向けた「ボトムアップ」、「トップダウン」の動きを糾合すべきだと主張、「それゆえ、我々はデミストゥラ氏を支援する」と付言した。

「アサド大統領は暴力を軽減するための解決策の一部」とのデミストゥラ氏の発言については「シリア人の血でその手を染めた者がシリアの将来の一部を形成することは受け入れられない」としつつ、「解決に居たるため、すべての当事者と話してはいけないという意味ではない」と答えた。

『ハヤート』(2月18日付)が伝えた。

AFP, February 17, 2015、AP, February 17, 2015、ARA News, February 17, 2015、Champress, February 17, 2015、al-Hayat, February 18, 2015、Iraqi News, February 17, 2015、Kull-na Shuraka’, February 17, 2015、al-Mada Press, February 17, 2015、Naharnet, February 17, 2015、NNA, February 17, 2015、Reuters, February 17, 2015、SANA, February 17, 2015、UPI, February 17, 2015などをもとに作成。

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