ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がジャズル・ガス採掘所一帯、ジハール油田一帯に進軍し、シリア軍と交戦した。
同監視団によると、ダーイシュはタイフール航空基地近郊を通過するジャズル・ガス採掘所からのパイプラインを爆破するなどして攻勢を強め、マサール・プレス(6月10日付)によると、ダーイシュは、ジャズル・ガス採掘所を制圧したという。
この戦闘で、シリア軍兵士10人以上を殺害したという。
一方、SANA(6月10日付)によると、ジャズル・ガス一帯、柑橘農園、ジバーブ・ハマド村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラッカ県では、マサース・プレス(6月10日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ラッカ革命家旅団などからなるユーフラテスの火山合同作戦司令室がトルコ国境に位置するダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点タッル・アブヤド市郊外でダーイシュと交戦し、9カ村を新たに制圧した。
ARA News(6月10日付)によると、制圧したのはスルーク町近郊のマーリハ村、ビイル・ムハイスィン村、アーリヤ村、ワースィタ村、アムハルマラ村、スッカリーヤ村など。
クッルナー・シュラカー(6月10日付)によると、ユーフラテスの火山合同作戦司令室の攻勢を受け、ダーイシュはマブルーカ村とスルーク町をつなぐ街道に架かるキタール橋を爆破・破壊し、タッル・アブヤド市方面に後退した。
AFP(6月10日付)が、タッル・アブヤド市郊外で、ダーイシュとユーフラテスの火山合同作戦司令室の戦闘が激化しているのを受け、住民約2,000人がトルコ領内に避難していると伝えた。
トルコ高官筋によると、このなかには、イラクでの戦果を逃れてシリアに非難していた686人も含まれているという。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つシャッダーディー市各所を空爆、またハサカ市南西部のアブヤド街道で、シリア軍、国防隊とダーイシュが交戦した。
一方、SANA(6月10日付)によると、ハサカ市南部郊外のハサカ市・シャッダーディー市間街道など、スーダー村、アブド村、ワトワーティーヤ村、アーリヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダイル・ザウル県では、ARA News(6月10日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマヤーディーン市郊外の遺跡(ラフバ城)で、クルド人戦闘員4人を公開処刑した。
4人は、アレッポ県アイン・アラブ市で、ダーイシュ戦闘員に紛れ込み活動しているところを逮捕されていたという。
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アレッポ県では、SANA(6月10日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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スワイダー県では、SANA(6月10日付)によると、ブサイナ高地一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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有志連合の合同司令部は10日、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して29回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は16回におよび、ハサカ市近郊(1回)、ラッカ市近郊(7回)、ダイル・ザウル市近郊(4回)、アイン・アラブ市近郊(4回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。
AFP, June 10, 2015、AP, June 10, 2015、ARA News, June 10, 2015、Champress, June 10, 2015、al-Hayat, June 11, 2015、Iraqi News, June 10, 2015、Kull-na Shuraka’, June 10, 2015、al-Mada Press, June 10, 2015、Masar Press Agency, June 10, 2015、Naharnet, June 10, 2015、NNA, June 10, 2015、Reuters, June 10, 2015、SANA, June 10, 2015、UPI, June 10, 2015などをもとに作成。
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