シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に参加し、ハサカ県でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で数日前に負傷していたドイツ人が死亡した。 同監視団によると、人民防衛隊には400人以上の外国人(彼らは欧州、米国、カナダ、オーストラリア出身者)がダーイシュと戦うために参加しているほか、そのほかにもトルコとイラン出身のクルド人数千人も戦闘員として従軍しているという。 人民防衛隊に従軍している外国人戦闘員は、2015年2月に1人(オーストラリア人)、3月に2人(ドイツ人女性と英国人)、5月に1人(オーストラリア人、男性)、6月に1人(米国人、男性)がハサカ県、ラッカ県、アレッポ県(アイン・アラブ市一帯)での戦闘で戦死している。
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一方、『ハヤート』(7月14日付)などが伝えたところによると、人民防衛隊に従軍していたカナダ出身のイスラエル女性のジル・ローゼンバーグ氏(31歳)が戦線を離れ、19日にイスラエルの首都テルアビブ市に帰国した。 この女性は2014年11月にシリアに入り、人民防衛隊に参加していた。 ローゼンバーグ氏は帰国後にイスラエル軍ラジオのインタビュー(7月13日付)に応じ、そのなかで「私はユダヤ人としてホロコーストが繰り返されることを断固として拒否したい。ホロコーストとはユダヤ人だけに対する者ではなく、あらゆる人…とくにシリアやイラクの女性や子供に対しても行われていると理解している」と語った。 しかしローゼンバーグ氏は「しかし、最近数週間で、戦争をめぐって様々な要素が現地で変化したと感じている。イランの介入がより顕著になっている。状況が変化し、祖国に帰る時がきたと感じるようになった」と付言した。
AFP, July 13, 2015、AP, July 13, 2015、ARA News, July 13, 2015、Champress, July 13, 2015、al-Hayat, July 14, 2015、Iraqi News, July 13, 2015、Kull-na Shuraka’, July 13, 2015、al-Mada Press, July 13, 2015、Naharnet, July 13, 2015、NNA, July 13, 2015、Reuters, July 13, 2015、SANA, July 13, 2015、UPI, July 13, 2015などをもとに作成。
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