有志連合と思われる戦闘機が、アレッポ県北部で、米軍の教練を受けた第30師団メンバーを拉致したヌスラ戦線拠点を爆撃、米国防総省報道官「「穏健な反体制派」のなかに第30師団メンバーの名前はない」(2015年7月31日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月31日付)、シリア人権監視団によると、有志連合と思われる戦闘機が、アアザーズ市一帯で、米軍がトルコで軍事教練した「穏健な反体制派」の一部第30師団の司令官ら8人を拉致したシャームの民のヌスラ戦線の拠点複数カ所を空爆し、戦闘員12人を殺害、多数を負傷させた。

一方、ヌスラ戦線は、第30師団の拠点(マーリキーヤ村)などアアザーズ市一帯の反体制武装集団拠点を攻撃した。

また、シリア人権監視団によると、アアザーズ市一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とヌスラ戦線が交戦した。

戦闘は、人民防衛隊がアアザーズ市周辺に掘りを建設していることに対して、ヌスラ戦線が南部、南西部の道路を封鎖することで抗議したことで発生した。

両者はまた、イドリブ県アティマ村一帯でも交戦したという。

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国防総省のアリサ・スミス報道官は、30日にアレッポ県北部でシャームの民のヌスラ戦線によって司令官ら8人を拉致された第30師団に関して、国防省がトルコ領内で進めている「穏健な反体制派」への軍事教練を修了した60人ではない、と述べた。

『ハヤート』(8月1日付)が述べた。

しかし、マーク・トナー米国務省副報道官は「ヌスラ戦線は周知の組織で、アル=カーイダの一派だと自ら名乗っており、テロ組織であるアル=カーイダと同じ目標を掲げている。それゆえ、我々はこの行為(拉致)を非難する」と述べた。

トナー副報道官は「拉致の詳細を知ることは困難だ」としつつ、「我々はこの行為を厳しく非難する」と付言した。

AFP, July 31, 2015、AP, July 31, 2015、ARA News, July 31, 2015、Champress, July 31, 2015、al-Hayat, August 1, 2015、Iraqi News, July 31, 2015、Kull-na Shuraka’, July 31, 2015、al-Mada Press, July 31, 2015、Naharnet, July 31, 2015、NNA, July 31, 2015、Reuters, July 31, 2015、SANA, July 31, 2015、UPI, July 31, 2015などをもとに作成。

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