『ハヤート』(11月12日付)は、14日に再開予定のウィーンでの関係当事国外相会合(ウィーン3会議)に関して、複数の外交筋の話として、シリア国民ではなく参加予定の諸外国が、シリア政府との交渉にあたるシリアの反体制派の「統一代表団」の人選を進めていると伝えた。
反体制派の代表団については、10月30日の「ウィーン2会議」で、ロシアが招聘可能な反体制活動家38の氏名を開示しているが、同外交筋によると、「すべての国が氏名リストを提出し、そのうえで20~25人に候補者を絞り込み、二つの部会、すなわち第1に政治改革関連部会、第2に治安関連部会に振り分け、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表の監督のもとにこの二つの部会は活動する」予定だという。
また欧州の外交筋によると、9カ国の高官からなる準備委員会が12日に、反体制派の名簿およびテロ組織のブラックリストを準備するための活動を開始する」という。
なお、米、ロシア、サウジアラビア、トルコ、イランなどの外相がシリア情勢への対応を協議するため10月下旬にウィーンで本格化させた会合(ウィーン・プロセス)のこれまでの経緯については「シリア紛争解決をめざす「ウィーン・プロセス」において合意されていないグレー・ゾーン」(11月8日、http://bylines.news.yahoo.co.jp/aoyamahiroyuki/20151108-00051244/)、「シリア紛争を戦う武装勢力は誰の代理なのか、シリア紛争に関与する諸外国は誰を代弁しているのか?」(11月4日、http://bylines.news.yahoo.co.jp/aoyamahiroyuki/20151104-00051092/)を参照のこと。
AFP, November 11, 2015、AP, November 11, 2015、ARA News, November 11, 2015、Champress, November 11, 2015、al-Hayat, November 12, 2015、Iraqi News, November 11, 2015、Kull-na Shuraka’, November 11, 2015、al-Mada Press, November 11, 2015、Naharnet, November 11, 2015、NNA, November 11, 2015、Reuters, November 11, 2015、SANA, November 11, 2015、UPI, November 11, 2015などをもとに作成。
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