米・ロシア・ヨルダンによる戦闘停止と緊張緩和地帯設置にかかる停戦合意が発効、シリア南西部での戦闘止む(2017年7月9日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領と米国のドナルド・トランプ大統領が7日のハンブルグ(ドイツ)での首脳会談で交わしたシリア南西部(ダルアー県、クナイトラ県、スワイダー県)での戦闘停止と緊張緩和地帯設置にかかる停戦合意が9日現地時間午前9時に発効した。

ARA News(7月9日付)が複数の反体制筋の話したところによると、停戦発効後、空爆、戦闘は行われていないという。

また、『ハヤート』(7月10日付)は、ロシア軍消息筋の話として、ロシアは、シリア南西部の緊張緩和地帯の画定、停戦監視の仕組みなどについて米国、ヨルダンと詳細にわたる協議を継続していると伝えた。

なお、『ハヤート』(7月10日付)などによると、米国、ロシア、ヨルダンが交わした停戦合意は、①イランが支援する武装勢力の対ヨルダン国境、ゴラン高原から40キロ以上撤退すること、②シリア軍のダルアー市サジュナ地区などから段階的に撤退すること、③ダルアー市一帯に全長5キロからなる兵力引き離し地域を設置すること、④「自由シリア軍」が管理する国境通行所を対ヨルダン国境に設置すること、④9月を目処にシリア国外に逃れている難民の帰国を開始すること、などを骨子とするという。

AFP, July 9, 2017、AP, July 9, 2017、ARA News, July 9, 2017、Champress, July 9, 2017、al-Hayat, July 10, 2017、Kull-na Shuraka’, July 9, 2017、al-Mada Press, July 9, 2017、Naharnet, July 9, 2017、NNA, July 9, 2017、Reuters, July 9, 2017、SANA, July 9, 2017、UPI, July 9, 2017などをもとに作成。

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