フサームッディーン・アーラー駐スイス(ジュネーブ)シリア国連大使は、国連人権理事会に宛てた書簡のなかで、シリアでの人権侵害を調査するための国際独立調査委員会が安保理に提出した4月のイドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器使用疑惑事件などに関する報告書(A/HRC/36/55、2017年8月8日付)に関して、「法的分析を欠く政治的嫌疑」、「最低限の中立、公正、プロフェッショナリズムに抵触する報道」に依拠していると却下、シリア政府が化学兵器を保有しておらず、また過去にも未来にも化学兵器を使用することはないと強調した。
SANA(9月8日付)が伝えた。
なお、同報告書は9月11日から29日にかけて開催される第36回人権理事会で回付される。
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シリアでの人権侵害を調査するための国際独立調査委員会が安保理に提出した報告書(A/HRC/36/55)は、目撃者、被害者、医療スタッフなど43人に対するインタビュー、衛星画像、爆発物の残骸の写真、空爆による被害を撮影したとされる映像に基づき、シリア空軍のみが保有するSu-22が同地を4回にわたりハーン・シャイフーン市を空爆し、そのうちの1発が化学物質を装填していたと結論づけた。
AFP, September 8, 2017、AP, September 8, 2017、ARA News, September 8, 2017、Champress, September 8, 2017、al-Hayat, September 9, 2017、Kull-na Shuraka’, September 8, 2017、al-Mada Press, September 8, 2017、Naharnet, September 8, 2017、NNA, September 8, 2017、Reuters, September 8, 2017、SANA, September 8, 2017、UPI, September 8, 2017などをもとに作成。
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