ダーイシュの反転攻勢が激化するなか、ヒムス県東部のT3にあるヒズブッラーの拠点を所属不明の無人航空機が爆撃(2017年10月2日)

ヒムス県では、シリア人権監視団やロイター通信(10月2日付)によると、所属不明の無人航空機が県東部タドムル市近郊の第3石油輸送ステーション(T3)、にあるヒズブッラーの拠点に対して空爆を実施し、ヒズブッラーのメンバー少なくとも7人が死亡、多数が負傷した。

同県では、T3、に近いカルヤタイン市一帯でダーイシュが反転攻勢を強め、1日にはカルヤタイン市を再制圧している。

この空爆に関して、複数の消息筋は「友好国であるロシア軍の誤爆の可能性がある」とする一方、米主導の有志連合は空爆が「作戦対象地域外」だとして関与を否定している。

なお、シリア人権監視団によると、28日以降の同地一帯での戦闘で、シリア軍および親政権武装勢力の兵士172人、ヒズブッラー戦闘員26人、親政権外国人戦闘員72人、ダーイシュ戦闘員133人が死亡しているという。

一方、SANA(10月2日付)によると、シリア軍が県東部でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を継続し、ジュッブ・ジャッラーフ村近郊の3カ村(北カースィミーヤ村、ルバイア村、マギーズィール村)を制圧した。

シリア軍はまた、スフナ市一帯の拠点に対するダーイシュの攻撃に応戦し、これを撃退、航空部隊も同地のダーイシュ拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月2日付)によると、シリア軍がムーハサン市、マヤーディーン市、下バクラス村、タイバト・シャーミヤ村、フィーダト・ブン・ムワイニア村のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して空爆を実施した。

一方、ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(10月2日付)によると、戦闘機(所属明示せず)がダーイシュ(イスラーム国)支配下のブーカマール市を空爆し、民間人14人が死亡した。

AFP, October 2, 2017、ANHA, October 2, 2017、AP, October 2, 2017、ARA News, October 2, 2017、Champress, October 2, 2017、Euphrates Post, October 2, 2017、al-Hayat, October 3, 2017、Kull-na Shuraka’, October 2, 2017、al-Mada Press, October 2, 2017、Naharnet, October 2, 2017、NNA, October 2, 2017、Reuters, October 2, 2017、SANA, October 2, 2017、UPI, October 2, 2017などをもとに作成。

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