アスタナ会議に参加する反体制武装集団、シリア国民連合、リヤド・プラットフォーム、カイロ・プラットフォームは「シリア諸国民大会」への参加を拒否(2017年11月1日)

アスタナ会議に参加する反体制武装集団の代表団(シリア軍事革命諸勢力代表団)は、カザフスタンの首都アスタナで記者会見を開き、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領の提案に基づき、11月18日にソチで開催が決定されている「シリア諸国民大会」への招待を拒否すると発表した。

代表団の報道官を務め、最高交渉委員会(リヤド・プラットフォーム)のメンバーでもあるるヤフヤー・アリーディー氏は会見で、「我々はアスタナ・プロセスがジュネーブ・プロセスの流れの一環として行われていることを望んでおり、ジュネーブ・プロセスに代わるものなどない。我々は今日、ジュネーブ合意(2012年)や国連安保理決議第2254号に基づく最終解決に関する国際法に基づく決定を跳び越えようとするロシアの大会(シリア諸国民大会)についての話が進んでいることを奇妙なものだとして眺めている」と述べた。

また、会議の呼称が「シリア諸国民(シュウーブ)大会」であることに触れ、「シリア人は一つの国民だ」と強調、「政権がロシアの合意をとりつけて描いている酷い冗談」と酷評、「我々は何十もの理由でロシアのイニシアチブを拒否する。最たる理由は、このイニシアチブがシリア危機を解決せず、シリア人に安全と安寧をもたらさず、シリア人を殺戮するためにプログラムされたシステムからシリア人を解放しないというものだ」と非難した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月1日付)、AFP(11月1日付)が伝えた。

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また、イスラーム軍幹部のムハンマド・アッルーシュ氏もロイター通信(11月1日付)に対して「革命はこの大会を拒否する…。最高交渉委員会も招待組織のリストに名前があって驚いている。同委員会はほかの勢力とともに、この大会を拒否する公式の立場を声明で示すだろう」と述べた。

al-Durar al-Shamiya, November 1, 2017

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トルコのイスタンブールを拠点とするシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ラマダーン報道官はロイター通信(11月1日付)に対して「連立は、国連主催でないジュネーブ会議の枠組みの外で行われる政権といかなる交渉にも参加しない」と述べた。

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エジプト・プラットフォームのフィラース・ハーリディー氏も「シリア国民の要望を実現しない政治合意に資するようないかなる動きも拒否する」と述べた。

AFP, November 1, 2017、ANHA, November 1, 2017、AP, November 1, 2017、ARA News, November 1, 2017、Champress, November 1, 2017、al-Hayat, November 2, 2017、Kull-na Shuraka’, November 1, 2017、al-Mada Press, November 1, 2017、Naharnet, November 1, 2017、NNA, November 1, 2017、Reuters, November 1, 2017、SANA, November 1, 2017、UPI, November 1, 2017などをもとに作成。

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