欧米諸国はジュネーブ8会議に参加する反体制派にアサド政権退陣要求を「凍結」するよう圧力(2017年12月8日)

『ハヤート』(12月8日付)は、ジュネーブ8会議に参加するためにジュネーブに滞在している反体制派統一代表団(最高交渉委員会)のもとに、西側の特使や外交官が訪れ、アサド政権の退陣要求を「凍結」するよう圧力をかけたと伝えた。

代表団に参加するメンバーの一人は匿名でを条件に「我々のもとを訪れるほとんどの外交官が、同じ呼びかけを繰り返している。「もし紛争を終息させたいのなら、現実主義を装わねばならない」という呼びかけを…。彼らは我々がアサド大臣要求を完全に撤回しないまでも、凍結することを望んでいる。」と述べた。

反体制派統一代表団はこれまでに、米国のデヴィッド・サトルフィールド中東和平問題担当国務次官補のほか、ドイツ、英国、フランス、中国などの特使と会談している。

シリア政府代表団の団長を務めるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は12月1日、サウジアラビアの首都リヤドでの反体制派全体会合(リヤド2会合)で採択された閉幕声明に関して、「総論各論いずれにおいても拒否されるべきもので、この声明が存在し続ける限り、直接協議には入れない」と述べていたが、西側諸国の圧力は、シリア政府がこうした強い姿勢を示すなかで、両代表団の交渉を促そうとするもの。

反体制派代表団は、アサド政権退陣要求の是非をめぐって内部対立を続けており、西側諸国の圧力に応じるかは今のところ不明。

AFP, December 7, 2017、ANHA, December 7, 2017、AP, December 7, 2017、ARA News, December 7, 2017、Champress, December 7, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 7, 2017、al-Hayat, December 8, 2017、al-Mada Press, December 7, 2017、Naharnet, December 7, 2017、NNA, December 7, 2017、Reuters, December 7, 2017、SANA, December 7, 2017、UPI, December 7, 2017などをもとに作成。

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